【自転車実験室】リアホイール組み直し 〜組み立て編〜
さて、スポークも買ってきたところで早速組み直しです。まずはホイールをバラすわけですが、ここでスプロケットを忘れずにはずしておかないと、後で泣く事になります。
■パターン図を描く
今回は初めて組むパターンのドライブ側4本組、反ドライブ側6本組の「ヨンロク組」です。また、前みたいに逆イタリアンにならないように、事前にパターン図を描きました。
バルブホールと、ハブのロゴの位置が合う事と、スポークのアヤ(スポークの交差点)の部分がバルブホールに重ならないようにパターンを決めます。クロス組の場合スポークを交差させるため、ハブへのスポークの通し方が4通り発生します。ここでは
赤:ドライブ側の内から外に通す
橙:ドライブ側の外から内に通す
青:反ドライブ側の内から外に通す
緑:反ドライブ側の外でから内に通す
と色分けしました。
この絵ですが、Excelで描いています。CADを使うこともなく、これ位なら意外と簡単に描けるので重宝してます。線の前後の配置を変えられるので、実際に組んでいるのと同様の雰囲気の絵が描けます。ハブとスポークの穴位置が少しずつズレていますが、分かればよしとします。
■スポークを通す
パターン図を基に、ハブにスポークを通していきます。
FH-9000のスポーク穴は、私の実測ではφ2.2mm。#14のスポークはφ2.0で結構ギリギリです。実際に通してみると、ハブの内から外に通す場合、スポークのねじ切り部がフランジに引っかかって通しにくいです。#15だとスルッと通せると思います。
残り半分を通します。
ハブを立てて通していくと、すでに通したスポークが外れそうになるので、横にして通していきます。写真の状態まで通してから、反ドライブ側の通し方が逆である事に気がつきました。通し直しです。パターン図を描いていても間違えた訳ですが、逆に描いていなかったら組み付けるまで気付かなかったと思います。
今回一度にスポークをハブに通しましたが、1本ずつ通してリムに組み付けるのと、全て通してからリムに組み付けるかは好みの問題だと思います。ただ、スポークを1本ずつ通すと、最後の方のスポークは結構大胆に曲げないと通せなくなってくるので、私は心理的にスポークを全て通してからリムに組み付けるようにしています。
■リムを組み付ける
リムとハブを床に置いて、最初の2本を仮組します。ドライブ側から見て、バルブホールの左側を組みました。この時ニップルは外れない程度に締めるだけです。これを起点にドライブ側を仮組していきます。
組めました。
同様にして反ドライブ側も組んでいきます。組みあがったら振れ取り台にセットして、ニップルを均等に締めていきます。
仮組の段階ではこの通りスポークのネジ山が見えているので、私はネジ山が隠れる位に締めてから、テンションの調整に入るようにしています。
この段階ではまだスポークもフニャフニャですし、ホイールもブレブレです。
スポークの本締めに入る前に、ハブとリムのスポーク穴にラスペネを少しずつ注します。負荷がかかる箇所のスベリを良くして、テンションの調整をしやすくするのが目的です。テンションが上がってきたら、スポークの交差点にも注します。
帰宅後や、朝早く起きた時にぼちぼち振れ取りして、組み上がりました。
レースで激しくリム打ちさせたためリムが歪んでおり、振れ取りには限界があります。歪んだところ以外はだいたい振れが取れているので良しとします。諦めも肝心です。
スポーク穴の左側が歪んでいるのがわかるでしょうか?これは修正後で、最初はもっと歪んでいました。リムが歪むくらい激しくリム打ちしたのに、IRC SERAC CXはパンクもせず 、リムから外れもせずしっかり働いてくれました。これまで使ってきて、かなり信頼度が上がっています。
■タイヤを組み付ける
振れも取れたので、タイヤを組み付けます。チューブレス運用なので、専用のテープをリムに貼って、バルブを取り付けます。今回のタイヤは11/6の東海シクロクロス第2戦、ワイルドネイチャープラザに備えて「IRC SERAC CX SAND」です。
タイヤを組み付ける前に下準備として、ビード直近の「ヒゲ」を切り落とします。
最初は切っていなかったのですが、外した時にリムに「ヒゲ」が巻き込まれていたのを発見して、それ以来切り落としています。リムへの密着度が高くなって欲しいというおまじないです。
タイヤの組み付けは、リムの相性がいいのか石鹸水を使うことも、専用タイヤレバーを使うことも無く、手だけでアッサリ組み付きます。シーラントが石鹸水の代わりになるように感じます。シーラントを約40ml入れて、フロアポンプで空気を入れると、CO2ボンベを使うことも無くビードが上がりました。
ここから規定空気圧最大まで空気を入れて、シーラントが行き渡るようにホイールをクルクル回して、一晩寝かせて完了です。
2、3回付け外ししたSERACはフロアポンプではビードが上がりませんでしたが、新品は余裕です。IRCの山田さんもフロアポンプでビードが上がりやすいように設計しているとおっしゃっていましたが、偽り無しです。
これでワイルドネイチャープラザへ向けた足回りの準備は整いました。昨年より上の順位を目指して、あとは練習有るのみですね!
■まとめ
・スポークパターンは間違えやすいので、事前に図を描く。
・スポークは全てハブに通してからリムに組み付けると、曲げる量が少なくて済む。
【自転車実験室】リアホイールを組み直す 〜設計見直し編〜
■センターが出ない!
ホイールを組んだ当初から感じていたのですが、想定したテンションで組み上げると、リムが反ドライブ側に寄ってしまい、センターが出るように組み上げると、ドライブ側のテンションは想定より高く、反ドライブ側は低くなってしまいました。先日のIRC TIRE 90th Annivesary Cupの時も前の週にチェックしたら振れていて、振れを取ったらリムが反ドライブ側に寄ってしまいました。タイヤを装着した状態で使えるセンターゲージを持っていないため、タイヤを装着し直すのが面倒になり、レースはブレーキを調整してそのまま走りました。
■センターが出ないとはどういうことか?
仮説としては、
「スポークの長さが合っていない」
ということでは無いかと考えました。想定したテンションでリムが半ドライブ側に寄ってしまうということは、ドライブ側のスポークが長過ぎる、という事ではないか?ということです。
①スポークテンションを見直す
このホイールを組んだ当初の設計値が以下の通りです。
ここで注目したいのが、赤枠で囲った「スポークテンション」です。
この時、ドライブ側のスポークテンションを「107kgf」に設定しました。これは使用しているテンションメータの換算表で出しやすい値だからです。
私が使用しているParkToolのテンションメータでは直接kgf単位でスポークテンションを出すことができません。ここで思うところあり、テンションメータの目盛りとスポークテンションの関係をグラフにしてみました。
テンションメータの目盛りとスポークテンションの関係が二次曲線です!
つまりこのグラフから、
目盛りとテンションは正比例しない事を理解していないと、狙いに対する誤差が大きくなる。
という事が言えます。
テンションが低いときにニップルを回すのを慎重になり過ぎると、テンションメータの読み方次第で思ったよりテンションが低くなってしまったり、テンションが高い時に大胆に回すと、テンションメータの目盛りはあまり変化がなくても、実際のテンションは大きく変動している可能性があります。
これで当初疑問に思っていた、「ドライブ側のテンションは想定より高く、反ドライブ側は低くなってしまう」ということの説明がつきます。ドライブ側に対して反ドライブ側のテンションは、
68.57 / 107 * 100 = 64.08(%)
で、大きな開きがあります。少しでもテンションの差が小さくなるように工夫して、反ドライブ側のテンションを高くできればこの問題は解決に近づきそうです。
②組み方を変える
スポークテンションは、構成部品の寸法で決まってきます。ハブやリムの寸法は変えられませんが、スポーク長だけは組み方で変えることができます。ネットで調べたところ、「ヨンロク組み」という組み方を発見しました。
大阪のホイール組みを得意とする自転車店のようです。行ったことはありませんが、ブログの情報量が凄まじく、読み込んでしまいました。かなり有名なようで、あちこちで関連情報を見かけました。
「ヨンロク組み」は、ドライブ側を4本組、反ドライブ側を6本組とする組み方です。
実際にExcelで計算してみると、
68.57kgfから70.68kgfで約3%テンションを上げることができる計算になりました。
たかだか3%と思われるかも知れませんが、関係するスポークはこの場合14本あります。
14本すべてが3%ずつテンションが上がると考えると馬鹿にならない数字です。
「のむラボ」の「ヨンロク組み」の目的は左右のテンション差是正の工夫と書いてあります。尊敬です。
③各部寸法の見直し
先程の「のむラボ」のブログを読んでいると、目を疑うエントリがありました。
エントリの中身に、私が使用しているFH-9000の寸法が書かれており、フランジ⇔センター間の寸法が私が設計に使用した値と違います!
慌てて私もシマノの製品仕様書の情報を探しに行きました。
私が使っている28hはフランジ間が56.5mm、オチョコ率と呼ばれるフランジオフセットが9.95mmとなっています。計算すると、
ドライブ側:56.5 / 2 + 9.95 = 18.3(mm)
反ドライブ側:56.5 / 2 - 9.95 = 38.2(mm)
となり、のむラボのエントリとも値が合致します。
私が当初実測から出していた寸法は、
ドライブ側:17.1mm
反ドライブ側:36.05mm
だったので、センターが1mm程度ずれていた事になります。これで想定したテンションで組むとリムが反ドライブ側に寄ってしまうことの説明が付きます。結局採寸ミスかよ!工業製品を使うときは、現物の実測は必須ですが、仕様書を読み込むのも必須です。仕様書の読み込みが足りないとは、お恥ずかしい限りです。
以上の3点から設計を見直し、スポーク長を再計算して、以下の通りとしました。
ちなみに、フランジ⇔センター間の寸法を修正した後でも、スポーク長は小数点以下しか変化しませんでした。確かに300mm程度あるスポーク長に対して1mm程度の横ずれでは、スポーク長の整数部が変化しないのは納得です。ですが、これでも想定したスポークテンションで組めなかったわけですから、まだ検討が足りない部分が有るということです。今後も組み続けて経験値をためていきたいですね。
スポーク長が決まったので、早速お馴染みの自転車店Circlesにスポークとニップルを買いに行きました。
スポークがPhilWoodの#14ストレートで¥80/本、ニップルはPhilWoodが在庫切れだったので、DT Swissのブラスニップル¥20/個、スポークカットとプレップ塗布で工賃¥1,000。プレップは長さが違うスポークで色違いを塗布してあり、工賃は正直安いと思います。合計で¥3780(tax in)でした。リムは¥10,000近くするし、ハブも高いですが、スポークとニップルだけならそんなに高くないので組み直しに踏み切ります。
次回は実際に組み立てていきます。
【レースレポート】IRC TIRE 90th Anniversary Cup:C4A
2週間続く長雨でまともに練習できないまま、その日はやってきました。東海シクロクロス第1戦、IRC TIRE 90th Annivesary Cupに参戦してきました。
www.irctire90thanniversarycup.com
昨シーズンの東海シクロクロスの最終戦から使い始めたIRCのチューブレスCXタイヤ。練習中のリム打ちでも今までパンクせず、しっかり足下を支えてくれていて、クリンチャーの時にたくさんやらかしていたパンクの不安が減りました。乗るのが下手な分機材は大事ですね。そんなIRC主催のイベント。ましてやシクロクロスとなれば参戦しない訳には行きません。
事前情報から平坦コースというのはわかっていましたが、前日までの雨で芝区間が完全に泥区間になってしまうという、乗車テクニックの差がはっきりするレースとなりました。
昨シーズンの最終戦のC4で3位だった私は、C4AのゼッケンNo.1!シクロクロスでのスタートは重要なので、フロントローには並びたいわけですが、それにしてもNo.1て。恥ずかしいレースは出来ない。凄い緊張感です。
スタートリストが発表された時点で今回の第1目標は決まりました。
「ホールショット」
です。
■第1目標:ホールショット
ホールショットをキメるにはどうしたらよいか。フロントローですので、前を気にぜずいかにスムーズにスタートして、スピードを乗せるかにかかっています。スムーズなスタートのため、練習したのがスタート時の「姿勢」です。
昨シーズンの関西シクロクロスのマキノ(UCI)の前から来日したChrisKing のワークスライダー、Josh Kelleyに教えてもらった事を思い出しました。各種実験してみた結果、私の場合はクランク位置を2時、尻を少し後ろに引き気味の前傾でスタートすると、トラクションをかけてスタートし、左足のクリートキャッチも比較的スムーズである事がわかりました。
スタート時のギア比は路面に合わせて変える必要がありますが、姿勢はほぼこれで問題なさそうでした。
そして本番です。スターティンググリッドに入ると、いつもと視界が違います。前に誰もいない!すでに何レースか行われているため、グリッドは泥でぬかるんでいます。グリッド内に残っている僅かな芝の上に後輪を乗せ、スタート時のスリップを防ぎました。ギア比は36/19に合わせて待機。号砲に注意してスタート。猛然とクランクを回しました。
Photo by Kikuzo
前に出れてる...!
MCの声でいいスタートが切れた事が分かりました。第1コーナーまでぬかるみが2箇所程ありましたが、あまりタイヤも取られずに進めました。写真が無いのと振り返る余裕が無かったので、正直ホールショットだったかはわからないのですが、視界に誰もいない状態で第1コーナーに進入することができました。ですが、少しオーバースピードでした。ブレーキが遅れてしまい、脱出速度を稼げずに曲がることになりました。ホールショットを狙うなら、その後の脱出速度まで考えた組み立てが必要でした。
■第2目標:上手い人の走りを参考にする
シクロクロスで上手い人、と言えば何と言ってもC1ライダーの皆さんです。
今回は朝イチのレースがC1という、自分が走る前にC1ライダーの走りが観察できるまたとないチャンスでした。一般であっても申請すればコースを横断して写真とビデオを取っても良いとのことでしたので、迷わず申請しました。
息子と一緒なので長時間ビデオ撮影にかまけているわけには行かず、要所にカメラを設置して録画、回収して移動を繰り返しました。
特に参考になったのがこの2箇所。
1箇所目がキャンバーセクションの進入から脱出です。
試走のときに下りは怖いと感じていたので、コース右端を下っているのを参考に走りました。段差が潜んでいたのでパンクが怖かったですが、IRCのチューブレスタイヤはパンクせず、スピードを乗せて下ることができました。
2箇所目が泥区間のコーナーです。
しっかりとインベタで走っています。
自分で走るとこのライン取りは難しいのがわかりましたが、この泥ではアウトでもインでもスピードが変わらないので、インベタで走ると走行距離が短くなり、速いということがよくわかりました。また、フロントタイヤがしっかり向きを変えています。私はバランスを崩すのが怖くてハンドルを上手く切れませんでした。でも、何回かはトレースできたので、大いに参考になりました。
反省としては、自分が走る時にビデオをセットできなかった事です。これで比較をしていたら、もっと得るものは大きかったでしょう。次回は比較検証をしてみたいと思います。
■第3目標:ペースを保つ
All-Cityライダー腰山氏のコラムで、気になっていたエントリがあります。
「なるべく出力を平均化させて走る」というのは、個人的にはピンと来るものがありました。今までは離されるとがむしゃらに追いつこうとしてしまい、足が売り切れる場合が多かった印象です。今回は自分の中で85%〜90%位の出力を保ち、最後で使い切るイメージで走る事にしました。
実際にはどうだったのでしょうか。
Stravaの記録では、2周目が7:25、4週目が7:27でほぼ同じタイムです。速くはありませんが、へばってきている最終周でタイムが落ちず、ゴール後は出し切った感があったので、狙いは悪くなかったのではないかと感じています。
レース中は常に苦悶の表情の私ですが、今回頭の中は意外と冷静でした。
Photo by Kikuzo
こんな表情ですが今までより頭が回るようになってきました。後ろにいる方には最後に抜かされ追いつけなかった...
ペースを保つためにコース内に自分でセクションを決めて、その間のタイムを考えながら走りました。泥区間で周回ごとにペースが落ちるのは目に見えていたので、それ以外の区間で少しでもペースを上げられるように配分しました。抜かされ追いつけず、心理的には苦しかったのですが、今はこれが実力なんだと自分に言い聞かせて走りました。今後の課題は、まず30分で使い切る出力で、走れる距離を伸ばして行くことだと感じました。
■まとめ
リザルト
出走:C4A
順位:6/31位(19%)
タイム:29:36(+1:37) ←初めて30分切りました!
・ホールショットを狙うなら、それを想定した試走が必要。
・上手い人の走りはいつでも参考になる。よく観察する。
・自分のペース配分を考える。焦りすぎない。
開催が待ち遠しかった東海シクロクロス。運営に感謝して今年もめいいっぱい楽しみたいと思います!
【レジャースポット】川湯温泉に行ってきた
妻の実家のある和歌山市から車で2時間程度、和歌山県田辺市にある川湯温泉に日帰りで行ってきました。楽しかったのですが、妻が幼少期に一度行ったきりで、ほぼ初めての場所で何かと準備不足。来年もまた来たくなったので、忘備録を残したいと思います。
■アクセス
和歌山駅からだと、阪和道和歌山ICから南下、上富田ICで降りて国道42号を経由し、後は国道311号をひた走るのみです。迷う要素はゼロでした。
阪和道は途中から1車線になるので、渋滞の可能性があります。9/19(金)の朝9時頃の南向きは渋滞無し、17:30頃の北向きは御坊の付近で5kmの渋滞でした。
■どんな所?
大き目の石が転がる川原を掘ると、お湯が出てくるという珍しい温泉です。公式によると源泉は73℃で、川の水と混ぜて調整せよ、との事です。12月〜2月は「仙人風呂」と言って、川を大幅に堰き止め、大人数で入れるスペシャルな温泉になるようです。
■実際に行ってみた
川の下流にスロープがあり、約50台分の無料駐車場になっています。
馴らされてはいますが、大き目の石を敷き詰めただけなので慎重な運転が必要です。
見ての通りゴツゴツの川原です。歩くときは踵にストラップがあるタイプのサンダルが良いでしょう。裸足で歩いてみましたが、熱すぎる&痛すぎるでとても歩けません。
川原に穴を掘ると、明らかに水温が上がるスポットがあります。ただ、どこでもいいわけでは無く、ポイントがあるようです。私は3箇所目で掘り当てました。なお、掘るのには畑仕事に使う大型の剣先シャベルがベストだと思います。この日は義父の畑仕事用のシャベルを借りて行ったので問題無しでした。
こんな感じで川原に湯船を作ります。モロに川なので、川遊びをして身体が冷えたらすぐにあったまれるのが良いです。
川幅も広く、十分川遊びが堪能できます。大き目の浮輪でも余裕です。ただ、水深は浅めなので飛び込みは避けた方が賢明です。この日は盆過ぎの平日のためか人も少なく快適でした。なお、バーベキューは禁止となっていました。
川遊びが終わったあと、1kmしか離れていない「わたらせ温泉」に行きました。
川湯温泉にも公衆浴場はありますが、食事処も完備のこちらにしました。脱衣所のロッカーは¥100の払い戻し無しです。ここはとにかく露天風呂がデカかった。どうやら近くにキャンプ場があるらしく、レトルトカレーとかがやたらと売ってました。キャンププランも良さそうです。
■今回失敗した点
・日除けを忘れた
川原には日を避ける場所が全くありませんでした。自立式のタープかポップアップテントのような日除けが無いと日差しがキツ過ぎます。長袖のラッシュガードもフード付きが良さそうです。今回は傘で凌ぎました。
・座布団を忘れた
川原はゴツゴツです。ゴザをひいても尻が痛いです。座布団必須。椅子は安定して置きづらいです。
・売店が無い
弁当をしっかり持って行ったので食事は問題なかったですが、自販機まで随分歩く必要があります。また、行ってから浮輪を忘れている事に気付きましたが、これも売ってない。川辺にホテルも民宿もあるのですが、全然商売っ気がありませんでした。
■次回の持ち物
□:簡易タープもしくはポップアップテント
□:大型剣先シャベル
□:水着
□:フード付き長袖ラッシュガード
□:座布団、ゴザ
□:踵にストラップのあるサンダル
□:浮輪やゴムボート
□:弁当、水筒、オヤツ
□:携帯電話を入れる防水ケース
□:雨具(雨宿りできる場所が無いので)
海もいいのですが、塩気にやられないという点では川遊びも良いものだと実感しました。キャンププランであればより楽しめそうです。近畿地方の夏のレジャーとして十分選択肢に入ると思います。また来年!
【ライドルート】六甲山を走る
夏季休暇を利用して、実家のある兵庫県西宮市に帰省してきました。帰省の間に2日間走る機会があったので、その事について記したいと思います。
■六甲山の登り口
六甲山の登り口は、私が知る限りでは
・逆瀬川駅からの東ルート
・神戸大学横から六甲山ケーブル下駅を経由し、表六甲ドライブウェイを走る南ルート
・JR神戸駅付近から国道428号線を北上し、西六甲ドライブウェイを走る西ルート
・神戸電鉄有馬線側から裏六甲ドライブウェイを走る北ルート
の4ルートがあります。東ルートは、JRさくら夙川駅から北上する事も出来ますが、交通量が多いのであまりおすすめできません。
今回は逆瀬川駅から東ルートを起点に走ってみました。
■1日目
逆瀬川駅→一軒茶屋→西ルートを下る→表六甲
久しぶりに走って気づいたのですが、阪神競馬場から小林までの短い区間ですが、自転車専用レーンが設定されていました。それ以外の区間も路肩が広く、早朝ということもあり逆瀬川駅までは快適にアプローチできました。
体重が重たく登りが苦手な私には、途中写真を撮る余裕は全くありません。必死の思いで「一軒茶屋」にたどり着きました。
逆瀬川駅から一軒茶屋までは11.2km、843m up、平均斜度7.5%、恥を忍んで晒しますが、私のこの日のタイムは1:05:51でした。
AM6時台のこの日はずっと濃霧で視界は悪かったのですが、山頂の気温は21°C。涼しくて走りやすかったです。
ここから、西六甲ドライブウェイを下ってJR神戸駅付近に下りました。ふと思い立ち、そのまま神戸南京町へ。
さすがにAM6:54ではコンビニしか開いていませんでした。ちょっと補給して再び走り出します。
今度は、神戸大学の横を走って六甲山ケーブル下駅を目指します。
実はここまでの登りがそれなりにキツいのです。日差しを遮るものが無く、平均斜度も7.8%がほぼ一定で続くので休みどころが無い。正直ここへたどり着いた時点でヘロヘロです。
ここからが丁字ケ辻の交差点まで、4.7km、414m up、平均斜度8.8%の表六甲ドライブウェイの登りです。正直かなりキツいです。斜度だけではなく日差しを浴びるので暑い。容赦なくスタミナが削られます。なお、私の足で30:19でした。
登りきってフラフラの状態で地図を確認しながら自販機へ歩いていたら、新聞配達のお兄さんに「ポケモンGoですか?」と声をかけられました。そんな余裕ありません。
この後逆瀬川駅に戻って帰宅。Total86.3km走って、1922m upでした。
逆瀬川駅から一軒茶屋までの登りは人気のルートのようで、盆休みの時期とはいえ早朝にも関わらず結構な数のライダーを見かけました。
■2日目
逆瀬川駅→一軒茶屋→六甲山最高地点→下ってから有馬へ→シュラインロード→裏六甲
中1日空けて、再び逆瀬川駅から一軒茶屋まで走り出しました。足に若干ダメージが残っている割には、1:03:39で少しタイムが縮みました。
実は、一軒茶屋から道路を挟んで反対側に六甲山最高地点への道があり、自転車で上ることが可能です。距離は300m程度ですが、平均斜度は14.4%です。
ここから、大阪湾が一望できます。この日は晴れていたので、清々しい景色で心に響きました。こんな短時間でこんなに登りがこなせるなんて、なんて恵まれた環境なんだ。
山頂からの景色を堪能して、来た道を下りました。東ルートの途中にある県道82号線の分岐まで戻って、そこから有馬温泉を目指すためです。途中、通称「ハニー坂」と呼ばれる斜度15%を超えて、県道51号線に合流し、そこから西を目指します。県道51号線沿いに西に向かうと有馬温泉に到着します。
有馬温泉の名物といえば「金の湯」で、錆びた鉄による濁った泉質が特徴です。建物の外に足湯があり、この日も数名地元の方がいらっしゃいました。軽く談笑して出発です。
県道51号をさらに西に進むと、県道15号に合流する手前神戸電鉄有馬線の有馬口駅があります。写真を撮っていませんでしたが、有馬口駅の西側から踏切を超えて進むと、「シュラインロード」と呼ばれる登りに入ります。
ここが本当に気持ちのいい道で、木陰のため涼しいし、斜度もキツくアドベンチャー感満載です。何箇所か分岐があるので迷う可能性もあります。
この先は行き止まりでした。
荒れたコンクリートの路面だけではなく、シクロクロッサーには大好物であろうグラベルも多少あり、本当に楽しく走れました。
テンションが上がってバイクの写真を撮ったグラベルを抜けると、裏六甲ドライブウェイに合流します。3kmほど登ると六甲山サンセットドライブウェイに合流します。ここから東ルート方面に走り、県道82号で南下して帰路につきました。
この日は68.3km、2013m upで、1日目よりも距離は短いですが登りは多く、ガッツリ走った感で大満足です。
■総評
4日間の滞在の間に2日も走れて、普段では出来ない密度でライドを堪能できたのは本当にラッキーでした。改めて走ると、阪神間のライダーは本当に環境に恵まれているなと感じました。
私の実家からも、速い人なら2時間あれば40km 900m upをこなして帰宅する事が出来るでしょう。都市部に住みながらそれが出来るのは大きな魅力です。
また、ロードバイクに乗りはじめた時にはシュラインロードを走るのは考えられませんでした。シクロクロスを始めて、流行りのグラベルライドを知り、一気にコースの選択肢が増えました。奥の深い六甲山の楽しみ方がより増えて、帰省の楽しみが増えました。
しかし、この2日間でTotal154.7km、3935m upです。憧れのRapha Prestigeではコレと同レベルを1日でこなさないといけない事に気付き、私の足ではまだ遠い事を実感しました。まだまだトレーニングが必要ですね。
【レースレポート】シマノバイカーズフェスティバル2016 4hエンデューロ
初めてのシマノバイカーズは、悔し涙を流しながらのゴールとなりました。
TeamRuedaNAGOYA代表の落合氏にお誘いいただき、シマノバイカーズフェスティバル2016の4hエンデューロに参加してきました。
機材は、今年の頭に自分で組み上げたKONA KULA 2010です。ホイールサイズは26インチで今となっては時代遅れですが、コンポは何気にフルXTで組んであり、私には申し分ないバイクです。
KONA KULA 2010 Original Set Up
肝心のレースですが、今回レーサーは落合氏と私の2名。単純計算なら2hずつ走る事になりますが、シクロクロスでC1ライダーの落合氏とC4ライダーの私では圧倒的な走力の差があります。そこで落合氏が5周、私が3周で交代するプランで走る事になりました。
レースは13:00スタート。11:30位からアップのために試乗車用のコースを走っていたのですが、途中でまさかのチェーン切れ!レースまで1h位しかないので焦りましたが、シマノの有償メンテナンスサービスが出展しており事なきを得ました。自分がつないだ場所が切れたわけでは無かったので少し安心しました。レース中に切れていたら、とヒヤヒヤしました。
■レーススタート
チェーン切れで私がもたついている間に、落合氏が第一走者として5列目位の位置を確保してくれました。さてスタート前になって選手がスタートラインに並ぶのですが、その人数の多い事!
一番後ろの人が見えません…何という参加者の多さ!スタートはこんな様子です。おヒマな方だけどうぞ。
スタート後にしっかり前に出た落合氏は5周回して私にスイッチした時点で、2名組部門先頭で戻ってきました!盛り上がって一生懸命走る私ですが、とにかく登りがツラい!九十九折りかつ芝の登りは、私のような登坂力の低いライダーには猛烈な負荷です。フライオーバーもスピードを乗せて登りにくいコースレイアウトで、容赦なく足が削られて行きます。
■落車
変わって下りでは、一気にスピードが乗ります。私は調子に乗って最初の周回でスピードを見誤り、ピット付近のストレートでバイクが宙に浮いた後に前後ブレーキを握ったまま着地してしまい、盛大にスリップダウンしてしまいました。シクロクロスで落車慣れ(汗)しているのですぐに「落車!」と叫び、速やかに立ち上がり走り出しました。
ドライブトレイン側に倒れてしまったのですが、リアメカもハンガーも無事でした。シャドーディレーラ万歳!
最初の3周を走って落合氏とスイッチ。猛烈な走りで私の遅れを取り戻して行きます。
猛然と走る落合氏
■ディスパッチャーの存在
次にスイッチして3周回走り、ピットに戻ってきたら、子供の面倒を見ていた妻がピットに来ていました。妻は落合氏から伝言を受け取っており、「無理に追い込まず、一定のペースで周回を重ねる事」。2人組ではレース中パートナーとの会話が出来ません。家族が伝言してくれると話が変わってきます。チームエンデューロではディスパッチャーの存在が重要である事がよくわかりました。
ピットから見えるこの登り返しがツラかった…写真ではなだらかなのですが。
伝言を受け取ったことで私の仕事がはっきりしました。考えてみると、そもそも2人の間には大きな走力の開きがあります。レースをプロジェクトとして捉えると、能力の違うチーム員に適切な仕事を分配して、最大価値を狙うのがマネジメントですから、私はバイクを壊さず、追い込みすぎて後で大幅にペースを落とさないように自分の周回を重ねる事が必要です。
以降は下りは飛ばさず確実に処理して、登りはペース一定で走る事を心がけました。ただ、何も改善しなかったわけではなく、ラインの選択でコーナリングスピードを上げることはできるようになって行きました。レベルが低いライダーでも、レース中には常に発見があります。シングルトラックも幾つかラインの選択肢があり、上手く行くと普段の自分にはできない走りになっていました。
■ピットクローズから後半戦
レースは4hと2hの混走です。ここに誤算がありました。本来なら落合氏から私にスイッチするタイミングに、2hの終了が重なってしまい、しばらくピットクローズで余計に周回を重ねさせる事になりました。このダメージが大きかった。余計に2周回した落合氏とスイッチして後半線がスタート。ですがこれでもまだ3位!
私も発奮して走る訳ですが、流石に疲労が溜まってきています。普段シクロクロスではC4の私にとってはレース時間は30分程度。私は1周8分近くかかっていましたから、いくら一定速で走っているとは言え、流石にレーシングスピード。1日にクロスのレースを何回もやるような状態で、ダメージがハンパ無い。3周回終わると倒れこむ勢いで、かといって座り込むと足が動かなくなります。途中でボトルを落としていた事にも気付きませんでした。
■ゴール
レースも残り1h弱となり、順位は4位。3位とのタイム差は1分45秒。そしてタイミング的に私が最終走者になりました。落合氏はピットクローズ時のダメージで足が攣った状態で追い上げ、タイム差22秒に縮めて戻ってきました。私の目にも3位の姿が見える状態です。見知らぬ方に背中を押されてピットを飛び出し、猛然と漕ぐのですが、タイム差を縮めるだけの足は私にはありませんでした。まさに全力を出し切ったと言い切れるのですが、どんどん差が開いていくのです。残り2周で、本当に涙が出てきました。足は重く、背筋はちぎれそうな痛み。そしてチームメイトの走りに応えられない悔しさがありました。
後はとにかく5位に詰められないように必死で走り、4位のままゴール。4h05m、39周回に及んだ戦いが終わりました。
■まとめ
悔しさが残る結果となりましたが、本当に参加してよかったと思えるレースでした。
・ 自分に出来る範囲でチームに貢献できる。
・無理に追い込まず一定で走る。
・機材を壊したり、怪我をしないためにも焦らない。
・レーサーだけではなくディスパッチャーの存在も重要。
・どんなレベルでも、レース中には発見と成長がある。
・タイムを縮めたければ登坂力が大事。
これは来年も参戦したいですね。この様な経験を得られるきっかけを頂いた落合氏に感謝します。シマノバイカーズフェスティバルのチームエンデューロは、レースに出た事がない人にもオススメできる充実したイベントでした。MTBをお持ちの方は、一度参加を検討してみてはいかがでしょうか?
【書評】アンドロイドの夢の羊 著:ジョン・スコルジー
この前読んだ「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をオマージュとしたタイトルの本書。著者のジョン・スコルジーの本は以前に「レッドスーツ」を読んでおり、大いに笑ったのを覚えています。「スタートレック」シリーズなどが楽しめる人であれば大いに「笑える」と思います。
SF小説、特に日本の作品の印象としては、ハードで真面目な物が多いように感じます。ニヤリ、というものはもちろん多いのですが、「爆笑」はあんまり無いと思います。
SF小説に「爆笑」を持ち込める作家、ジョン・スコルジーの本書の第1章は、強烈な物でした。ちょっとこのアイデアは思いつかんと言うか、SF史上では無いネタでは無いでしょうか。ビジュアルを想像すると本当にシュールで、もう何というか表現しづらい。
強烈な個性の宇宙人と地球の交流がある時代の設定で、タイトル通り羊を巡る冒険が繰り広げられます。旧約聖書の時代から、西洋人は羊を巡る物語が好きなんですね。牛でも豚でも鳥でもなく羊。これは今の私にとっては謎です。
本書はハードSFという訳ではなく、SFの体をなした娯楽作品です。笑いあり悲劇あり戦いありグロあり、色恋は無し。決して為にはならず、只々面白いと思える作品です。主人公がスーパーマン過ぎる気もするけど、テーマである羊の正体はなかなか驚きましたし、お話の落とし所も私には満足がいくものでした。
それにしても、出てくる宇宙人のディテールは、妙に描写が細かく変質的な印象を受けます。著者はちょっと頭がおかしい(褒め言葉)んでは無いか、と思っていましたが、元々はノンフィクションライターとのこと。ひょっとしたら、物語の体をとったノンフィクションのつもりで書いているのかもしれません。
Amazonのkindle版では試し読みが可能です。試し読みの範囲が面白ければ、きっと楽しめると思います。子供には薦められませんが、分別のついた大人への娯楽として、本書はオススメします。
今は第1巻がスコルジーの最初のSF小説出版物である、「老人と宇宙」シリーズを読んでいます。こちらはメインストーリーは3部作で、入隊資格が75歳以上の老人(!)であるという宇宙軍の戦いを舞台にした物語です。こちらも娯楽作品として大変楽しんでいます。気になる方は是非。