【雑記】シクロクロッサーの私に足りないもの
先週の東海シクロクロス第4戦を反省し、自分の地足の無さについてモヤモヤしていると、シクロクロスを始めた時期に感じたある事を思い出しました。
■速いライダーとの違いを考える。
kikuzo氏の写真を観察しながら、私の知っている速いライダー達の事を考えると....
この人も、
この人も、
この人も、
この人も!
・・・お気づきでしょうか。
ここです!みんなココの筋肉が「ポコッ」となっているのです!
正式名称は「外側広筋」ですが、友人女性が「ポコ筋」と素敵な名前をつけてくれていたので、今後はそう呼びたいと思います。
シクロクロスで速い人の脚を観察すると、ポコ筋が大変発達している事が多いのです。
対して私の脚を見てみると、
なだらかです。ぜんぜんポコッとしていません・・・
つまり、速いライダーにあって私に足りないものの一つとして上げられるのは、「発達したポコ筋」であります。
ポコ筋(外側広筋)について調べてみますと、
外側に位置し下腿を伸展しますが、若干下腿を内旋方向に回旋します。
とあります。
すると、速いライダーはペダリングで脚を伸ばす時に、若干つま先を内側に向けるように動かしている、ということではないでしょうか。何故そのようにペダリングしているのか、今の私にはまだわかりませんが、おそらくパワーが出しやすいペダリングなのだと思います。
つまり、私の脚は体重に対して必要なパワーが出せない筋力、ペダリングだと考えました。
シクロクロスで勝とうと思ったら、「テクニック」と「パワーウエイトレシオ」の両方が必要なはずです。つまりパワーが無い私は、勝てる要素の一つが単純に足りていないのです。
テクニックは自転車で悪路を走る機会を増やすしかないので、とにかくシクロクロスへ参戦することが近道。パワーウエイトレシオを上げるには、体重を減らしつつ筋力を上げる必要があります。ただ、過去の実績から体重を減らすのはかなり困難と考えられるので、狙った筋肉を強化する方向で行きたいと思っています。
効率の良いトレーニングを目指すなら、今の時代ならパワーメーターの導入ですが、そこまでの資金力が無いためレースの結果で評価をしたいと思います。高価な測定機器が無いから実験できません、ではエンジニアとしてはイマイチですし。
■今後のトレーニング目標
・自転車通勤中のペダリングを意識的に変える。
・ポコ筋を意識した筋トレ
・Runトレは今後も継続
うまく行くか、レースの結果でしか判定できませんが、次回の東海シクロクロス第5戦平田リバーサイドプラザまで約1ヶ月弱。少しでも成績が上がるように色々やってみます。
【レースレポート】東海シクロクロス第4戦 各務原アウトドアフィールド C4B
レース後、車に戻って悔し涙を流す結果となってしまいました。
1ミスが大きく響いてしまうのがシクロクロス。それを実感したレースでした。
■事前の練習
今回は平田リバーサイドプラザの反省から、普段ろくに練習できないのを改め、2週間でできうるトレーニングをしてみました。
・往復12kmの自転車通勤で、可能な限り「中腰乗り」
平田リバーサイドプラザで感じた、路面の衝撃を受けないように中腰になると足腰が持たない、というところを反省し、通勤中に可能な限り中腰で走ってみました。あっという間に太ももの前側が疲労して、継続できない。やはり体重に対して姿勢をキープする力が弱いようです。ただ、僅かなトレーニングでも2週間で少し継続時間が伸びたので、若干の効果はあったと思います。
・ラントレーニング
少しでも心肺機能を鍛えるため、22時までに帰宅できた場合、足で走ることにしました。我家は古い集合住宅の4階のため、ローラー練は困難。かと行って実走だと思いの外準備に時間がかかります。Circlesの10周年パーティで久々に会った友人から、「準備が少なくて気軽」と言われた事で思い立ち、眠っていた安いジョギングシューズを引っ張り出しました。確かに準備が少なく、一瞬で身体があったまるため、短時間で負荷をかけやすい。我が家の周辺は坂が多いので苦しかったです。5km/h程度で40分強。脚はしっかり筋肉痛になりました。今後も続けたいと思います。
■前日試走
今回も前日試走の時間を作ってもらえました。コースは、草の中に石がゴロゴロ隠れている硬い路面。コース設営は本当に大変だったと思います。岐阜車連の皆様、レースだけではなく設営もしているBUCYO、ハッチさん等主催の皆さんの力に頭が下がるばかりです。
走ってみたところ、昨シーズンより走れる感覚がありました。タイヤが良い、というのもあって、しっかりグリップして曲がれます。ただ、コーナーで脚を回していると、内側のペダルが路面にヒットしてバイクが跳ねる、という事が多くありました。なのでコーナーで脚を止めて、脱出から脚を回すことにしました。
たまたま試走中のハッチさんとタイミングが合い、少しだけ稽古をつけていただくことができました。後について気づいたのが、全然ブレーキを引きずる音がしないということです。後で聞くと「ほぼノーブレーキ」とのこと。周回カウントのクランクもノーブレーキ、ノーペダルで差を開けられてしまいました。レベルの違い、と言ってしまえばそれまでですが、何故?となるとコーナー進入前の減速と、ラインの選定、そして重心の位置に大きな違いがありました。コーナリング中に尻がサドルから浮いていて、バイクの上下動を身体が受けないようにさばいています。反対に私は座ったままのため、路面の影響で身体がぶれ、どんどん減速してしまっているのです。頭ではわかりましたが、まだまだ練習が必要ですね。
試走後に小雨が降り虹が・・・
翌日のレースの祈願をして帰宅しました。
■実際のレース
さて、虹に願いは届かず、というか自分のせいなのですが、全く良いところがないままレースは終わってしまいました。前回の結果もあってゼッケンNo.4でフロントロー。申し分なしです。
・スタートミス
左から2人目の私は明らかに出遅れ…
Photo by Kikuzo
各務原はスタート後の舗装路が長いので、フロントはアウターにかけました。リアは5枚目にかけてしまっていたのが失敗でした。号砲で後輪を滑らせてしまい出遅れ。全力で回して何とか3番手で第1コーナーに入りました。前の2名に意識が行って、路面への意識が薄まりました。
・コースアウト
スタートミスが響き、 前を走るゼッケンNo.1、2の方に追いすがるので必死になってしまい、オーバースピードで第1コーナーに入ってしまいました。結果、第1コーナー直後のコブか石でフロントがはねてしまい、制御不能になって反対側のコーステープに突っ込んでしまいました。落車しなかっただけマシですが、ここで4〜5人に抜かされてしまいました。その後の4コーナーで直前を走っていた方が落車。なんとか止まれましたが、降車してパスするしかなく、その間に2名に抜かれます。
・立ち漕ぎで加速できない!
Photo by Kikuzo
やはり「ダンシング」には及ばず「立ち漕ぎ」の領域です・・・未舗装区間を超えて舗装路に入ると、周りの方は早くなるのですが、それに着いていけない。アウターにかけて立ち漕ぎしますが、力がペダルに伝わっている感じがしないまま筋肉が消耗していきます。3周目くらいで「下ハン」と気付くのですが、ハンドルをしゃくり過ぎていてイマイチ握りにくい。少し脚を回しやすくなりましたが、前との差を詰める程ではありませんでした。Kikuzo氏の写真を見ても、何だろうこの「顔だけ」必死な感じ。
下手な立ち漕ぎで筋肉を消耗し、どんどんコーナーをさばく余裕が無くなって、結局13位。1人も抜けず、前の人が見えない状態でゴール。
レース後、今までで一番消耗していたらしく、普段は楽しみなC1のレースをほぼ観戦できないまま眠ってしまいました。ある意味出し切ったのか?
■反省点
・1ミスが響くメンタルの弱さ
スタートミスがそのまま響いて、試走では全力で飛び込んでもこなせていた第1コーナーでミス。自分史上では派手に跳ねた事もあり、頭が真っ白になりました。その後前との距離を詰め過ぎて、落車した方を避けきれず立往生。その後も心の余裕が無く、コーナーで細かくミスをしました。誰にも追いつけなかったのが辛かった…
・立ち漕ぎの弱さと、舗装路を走る力が弱い
「ダンシング」には程遠い私の「立ち漕ぎ」。全身がギクシャクしてパワーが伝わっている感じが全然しません。ポジションの見直しと、単純な反復練習が必要です。舗装路の立ち上がりで明らかに差を付けられてしまいます。また、舗装路でも差を付けられるので、パワーもペダリングスキルも足りない。伸び代いっぱいや(涙)。
■良かった点
今回は全く良かったところがない、と思っていましたが、メカトラがありませんでした。特に後輪に入れたIRC SERAC CX X-guardは、今までの私ならパンクしていたところをしっかり仕事してくれました。後輪のリムがコツコツいっていたので、何回か危ういところがあったはずです。タイヤは本当に重要ですね。
■まとめ
リザルト
出走:C4B
順位:13/33位(38%)
タイム:26:38(+1:37)
・1ミスを後に響かせない。
・単純なトレーニング不足。
・ポジション見直し。
今回のレースでライバルの佐藤氏は昇格。差を見せつけられました。
帰宅中の車内で「何も良いところが無かった」としょげる私に、7歳の息子から「まだチャンスはあるし、落車した人を踏まずに怪我させなかったんだから良いじゃん!」とありがたい言葉を頂きました。これを糧に翌1/15の第5戦、平田リバーサイドプラザに挑みます!
【書評】老人と宇宙(そら) 著:ジョン・スコルジー
面白かったので2度、3度と読んでしまう小説ってあると思います。最近また読み返して大変楽しめたのが、この「老人と宇宙」です。シリーズ4部作(一応5巻もあるのですが、それは別にいいかなという感じです)のSF戦争小説シリーズで、分別のついた大人向けの娯楽作品です。
世界観は、75歳以上の老人(!)だけが入隊を許される宇宙軍に主人公「ジョン・ペリー」が入隊し、エイリアンと戦うという物ですが、そのブッとんだ設定からも想像できる通り固さは無く、ご都合主義の読みやすい作品になっていると感じています。
私はSF小説が好きですが、いわゆるハードSFと呼ばれる「科学的に正しい」小説は、知識が無いと理解が追いつかず、なかなか読み進むのが難しい所があります。最近読んだ「順列都市」も大変面白かったのですが、コンピュータサイエンスの概念が膨大で、イメージをつかむまでかなり時間がかかりました。
対してこの「老人と宇宙(そら)」は、科学的な設定をあまり意識しなくても読める、単純な娯楽作品です。どこが面白いのか、という事を語るとネタバレになりやすいのですが、この著者の作品は、「エイリアンの描写が妙に細かい」という特徴があります。映画「MIB」シリーズをイメージしていただけると良いかもしれません。
著者であるジョン・スコルジーの作品は気に入っていて、「レッドスーツ」、「アンドロイドの夢の羊」と読んできましたが、作品の魅力としてはユーモアやジョークが目立つ所と、「上手くパクっている」という所では無いかと感じています。あとがきでもパクっている事は明言している著者ですが、元ネタを知っているならニヤニヤできる種類のパクりかたで好感が持てます。「オマージュ」とか「リスペクト」と言われる種類の物ですね。
戦争物としては、今でも年1回は見るスタンリー・キューブリックの名作「フルメタルジャケット」でも新兵の訓練パートが有名ですが、本作でも75歳とはいえ主人公は新兵ですから、訓練パートが存在します。私はちょっと「ほほぅ」となった内容でした。
4部作読んでみると、主人公の「ジョン・ペリー」という名前にも、日本人としては含みがあったのかな?とか感じてしまいます。著者は東洋文化にも詳しいようですし、意識していたのかもしれません。
長編で4部作ですので、たっぷり楽しめます。単純な娯楽作品として、本書はオススメします。
【レースレポート】東海シクロクロス第3戦 平田リバーサイドプラザ C4B
今回のレースを終えて、「立ち漕ぎ」のトレーニングを強化する事にしました。
東海シクロクロス発祥の地、平田リバーサイドプラザ。毎度お世話になっている岐阜県自転車競技連盟の本拠地と言ってもいい位、東海地方で自転車競技をする人には馴染みの深い会場です。コースはど平坦の芝、という印象を覚える会場ですが、昨シーズンでは全く走れなかった印象がありました。とにかく私の技量ではスピードを乗せられない印象が残っています。それは何故だったのか。今回のレースでやっと合点がいきました。
■事前の練習
芝で走れない自覚があったので、前回のワイルドネイチャープラザから、週一ですが最寄りの河川敷の芝で練習をしていました。自宅から往復1時間、準備と片付け20分、練習40分の計2時間の練習です。走行時間はタイマーをセットして、40分間休まず全力で走ります。速度を上げてコーナーに進入する練習と、必ず担ぎで走る事を取り入れ、心拍が高い状態で走る事を心がけました。写真の左手に見えるキャンバーを担ぎで登ったり、結構密度が高い練習ができた気がします。平日は自転車通勤しかトレーニングらしいことができないので、休日の僅かな時間が本当に貴重です。
■前日試走
今回は妻の後押しもあり、前日試走の時間を作ってもらえました。今まで試走の時はコーナーに重点を置いて、曲がりにくいコーナーを何回も練習していたのですが、今回はとにかくレースの速度を意識して全力で走る事にしました。遠くに見える人を全力で追うイメージです。
最初の連続Uターンの区間が特に厳しい路面でした。
Photo by Kikuzo
全力で走ってみてわかった事は「振動がスゴい」という事です。芝の平坦路に見えるのですが、固く締まった土が凸凹しており、速度を上げると視界がブレる振動です。長袖インナーが腕に擦れて痒くなりました。とくに写真にある第1コーナー進入直後からシケインまでの区間が強烈でした。あっという間に首と腰が痛くなり、まともに走れなくなってしまいました。これが前述した「まともにスピードを乗せられない」理由でした。当時、今よりベーススピードが低かった私は、振動が少なかったため芝に隠れている凸凹に気付かず「何でこんなに進まないんだ」と感じていたのです。
■レース当日
今回試してみたかった事として、「まともにアップをしない」というのがありました。
前回のワイルドネイチャープラザでアップの仕方がよくわからなくなってしまった私は、まず1回アップをやめて走ってみることにしました。今回のレースはAM9:00にはかなり気温が上がっており、寒い感じはありませんでした。厳冬期のレースなら身体が固まってしまうのでアップが必要だと思いますが、今回は暑かったのでナシとしました。結果、スタートまで身体は冷えず、気分良くスタートまで過ごせました。
ゼッケンNo.7でセカンドロー。スタート後の舗装路は接触して落車するのが怖いので、無理に前に出ようとせず先頭集団にピッタリくっついて、落ち着いて第1コーナーへ侵入しました。
この時点で6〜7番手で進入。
Photo by Kikuzo
ここからが苦しい凸凹路面ですが、前日の試走で尻をサドルからわずかに浮かして中腰状態で漕ぐと少しマシに進むと感じていたので、それを意識しつつ走りました。シケイン後に2人ほど抜かれましたが、ペースを崩さないように走りました。
前を走っている方を抜かすチャンスがあり、2周目の中頃で6位くらいだったでしょうか。前に、ライバル視している佐藤氏の姿が見えるではないですか。後で知ったのですが、シケインで落車して順位を落としていたようです。勝てないと思っていたのに目の前にいるので、必死に追いすがりました。ですが彼のほうが上手、コーナーの進入までは距離を詰めれても、脱出で逃げられてしまいます。
私は小さいターンが苦手なので、道幅が狭いUターン区間は降車して走り、少しでも距離を離されないように走りました。ですが4週目位で1人に抜かされ、さらに距離は広がり、その後は追いつけず。追いつけなかった理由は、心肺機能ではなく太ももと腰の痛みでした。今回アップをしていませんでしたが、以外に心肺機能はもったのです。
C2ライダーの友人から、「ダンシングはしないの?」と聞かれたことがあります。渡しの場合は「ダンシング」ではなく「立ち漕ぎ」です。下手なので基本的に避けて来ましたが、今回のレースは振動が激しく、中腰で漕がざるをえない状況でした。結果、まず太ももの前側が痛くなり、続いて腰が痛くなりました。私の脚には、中腰でペダリングを続ける力が備わっていないのを思い知らされる事になりました。そのままゼッケンNo.と同じ7番手でゴール。前には追いつけませんでした。
■反省点
・振動に耐える太腿の筋力が無い
その日4位だったライバル佐藤氏はレース後スッカスカだったのに対し、私は太腿の前側と腰の痛みが酷いかわりに心拍はすぐに回復しました。コレは出し切れていない。振動をいなすために中腰で走ると太腿の前側が痛み、腰周りが力んで痛くなってしまいました。痛みが無ければもっと出し切れていたはず。以前から立ち漕ぎするとすぐに前側の筋肉が疲れてしまっていたので、体重に対して弱いのが明らかになりました。筋トレします。
・グローブ無しが自分に向いていない
暑かったのでグローブ無しだったのですが、振動がモロに腕に来て力んでしまいました。少しでもグローブのグリップに頼ればもう少しましだったのでは。夏用のグローブは今年ストックの2着とも破れてしまい、その後買っていませんでした。平田リバーサイドプラザはもう一度あるので準備しておきたいと思います。
■良かった点
・シケインを一定のペースでこなすことができた
Photo by Kikuzo
過去に左足がペダルから離れず前転したことがあるので、今回は
1.シケイン前で左足を先に外して土踏まずでペダルに乗る
2.右足を外して降りる
という手順で降りました。結果足がもつれず毎回同じ歩数で越えることができました。
写真では躍動感が全くありませんが、背筋も伸びているし、自分としては上出来です。マウントも焦らず、気を落ち着けて乗れました。
・順位を大幅に落とさなかった
スタートは良くてもその後ズルズル順位を落とす場合が多いのですが、今回は抜かれたけれど抜き返す事もあり、少しレベルアップした感じがあります。ライバルに追いすがろうとする気持ちも後押ししたと思います。「負けへんで」のメンタルが肝心ですね。
・アップ無しでも意外と走れた
アップ無しにしたのは、子連れでレースに来ているので、子供の様子を見ながらレースまでに効率よく準備をするのが私には難しいためです。アップをするとスタートまでバタバタで心理的に余裕がありませんが、今回は余裕を持ってスタートに立てました。20分〜30分のこの時間が大きい。それでもまあまあ走れたという事は、若干は先週までのトレーニング効果があったと考えています。短時間でもキツめのトレーニングをすると少しは向上する事を実感しました。
■まとめ
リザルト
出走:C4B
順位:7/30位(23%)
タイム:28:38(+1:18)
・太ももの前側を意識してトレーニングする
・短時間でもいいからトレーニングする
・ライバルを意識するのは大事
次回は2週間後の第4戦、各務原アウトドアフィールドです。滑りやすい丸石がゴロゴロ転がっている走りにくいコース。次こそ表彰台に絡む走りをしたいです。
【レースレポート】東海シクロクロス第2戦 ワイルドネイチャープラザ C4A
結論から申しますと、「惨敗」でした。
JCXシリーズにも組み込まれているワイルドネイチャープラザ。長い砂区間が容赦なく足を削るハードかつテクニカルなコースです。昨シーズン表彰台に登れた事もあり意気込んでいたのですが、とにかく練習不足でした。練習不足を補うため、何とか前日試走だけは時間を作りコースを走ってみて、感想は「思ったより砂を乗っていける」という事でした。あくまで主観ですよ。後から考えるとこれが大甘でした。
■レース当日
レース当日は4:30に起きて、妻子の朝食用のサンドイッチを作りながら朝食を取り、まだ寝ている息子をパジャマのまま車に押し込んで出発です。
自宅から会場までは1時間半弱。ちびちび水を飲みながら現地を目指します。起床時からレースまで、細かく分けて約2Lの水を飲んでいます。私の場合これでレース前に必ずお通じがあり、渇いた感覚もなくスッキリした状態でレースに挑めています。
7時には会場に到着。前日に試走をしているので落ち着いて準備をして、SimWorksブースでローラー台を借りてアップをしました。今回C4Aなので9:00スタート。私は前回の成績もありゼッケンNo.4でフロントローに並べました。いいスタートを切りたいので、スタート直後の砂を避けて進行方向右から3番目のグリッドに入りました。フロントローは6名という指示があったので余裕があります。
Photo by Kikuzo
スタートはいつも緊張します。
舗装路スタートという事もあり、なかなかスムーズに飛び出して、最初の直線はスピードに乗って進めました。最初の砂区間に2番手で進入です。
Photo by Kikuzo
もっとスピードを乗せても良かったと今は思います。
問題は砂区間に突入してからです。最初の砂区間は何とか乗車で越え、次の砂のUターンは降りて舗装路区間へ。舗装路を終えたあたりで3位でした。
良かったのはここまで。松林のコーナーを抜けて緩やかな砂の登りに突入した時点で、心肺が持たなくなってしまいました。砂のダウンヒルに突入する頃には息が上がってしまい、足が動かない。普段の歩きよりも遅いんではないかというくらいになってしまいました。ここからズルズル順位を下げて、2週目の中盤でやっと回復。それまでは目がチカチカして「早く終わってくれ」という感じで気持ちがグラグラ揺れました。混走していたCM3Aのライダーに飲み込まれつつ19/47位、40%でフィニッシュ。
■反省点
・思ったより砂区間を乗れる人が多い
私が「思ったより砂を乗っていける」という事は、他にも乗っていける人が多いという事です。本当に大甘でした。ただ、屋根がある区間の細かい砂も乗車で越えれたり、昨シーズンより乗れる区間が増えていたのは単純に嬉しかったです。砂は乗れないと苦しいだけですが、乗れると本当に楽しいです。今シーズンはもう1回あるので、今から楽しみです!
・ウォーミングアップに問題あり?
ウォーミングアップでしっかり心拍を上げたつもりだったのですが、レース序盤は心拍音がはっきり聞こえる位追い込まれてしまいました。レベルは低いにしても、中盤に回復してきたのでアップの仕方次第でもう少しコンディションが変わらないものか。アップ不足と、やり方がマズい可能性があります。やり方を考え直さなくては。
・心肺機能が弱い。
Photo by Kikuzo
太ましい身体です。。。
ここでお恥ずかしながら私の体型を公開すると、
身長:170cm
体重:75.8kg(BMI26.2)
体脂肪率:15.3%
と、見たまんま体重が重たいのです。体脂肪率だけ見ると標準的ですが、同じ身長のサイクリストと比較する(するまでも無いか)とはっきり言って「デブ」であります。体重に対して心肺機能が追い付いていないのは明白です。痩せろよ、という話ですが、意思が弱く減量には今まで成功していません。なので、心肺機能を高めるトレーニングを何とかこなして、あわよくば痩せる、というという方向に持って行きたい。言うだけではなく実施しないと…
これを書いている今、足の筋肉痛はあまり無いのです。心肺機能が追いつかなかった証拠だと思います。
・ちょっとした段差に弱い
最初の砂区間から次の砂区間までの砂が締まった区間などに細かい段差が隠れていました。この段差を上手くいなせずペダリングが止まってしまいました。結果スピードが落ち、砂を乗り切る勢いが無くなってしまいます。身体が重たいため、上下の動きに速く反応できずペダルが回せないのです。単純な話ですが普段から未舗装路の練習が要りますね。
■良かった点
・トレーニングのモチベーションが上がった
ここ最近仕事も忙しく、土日も色々と用事が重なってトレーニングをする気力がわかず、ほとんど何もできませんでした。でも、レースに出ると今の自分の力が浮き彫りになるので、意思の弱い自分の尻を叩く力になります。
他のレーサーと運営のおかげで、自分の中に火が灯るのです。生活にも張りが出ます。
・やっぱり観戦は楽しい
今回のワイルドネイチャープラザは、JCXシリーズに組み込まれているため国内のトップレーサーが数多く参戦しています。天気も良かったし観戦は本当に楽しかった。家族で会場を練り歩き、その走りを間近で観戦できるのが純粋に楽しいのです。我が家は今回夫婦共に出走しているので、「あの区間をあんな走りでクリアするのか!」という驚きを夫婦で共有できるのも、門戸が広いシクロクロスの楽しみだと思います。
Photo by Kikuzo
観戦中の我が家。こうやって知らない間に家族写真まで押さえてもらっているのです。
■まとめ
リザルト
出走:C4A
順位:19/47位(40%)
タイム:31:42(+5:06)
・スタートは悪くない気がする。今後も継続。
・心肺機能の向上と減量が課題。
・悪路走行の経験を増やす工夫が必要。
次回は東海シクロクロス第3戦、平田リバーサイドプラザに参戦予定です。平地の芝コースですが、パワーもテクニックも要求される厳しいコースになるはずです。今回の反省点を少しでも活かせるように行動して、次回のレースも楽しみたいと思います!
【自転車実験室】リアホイール組み直し 〜組み立て編〜
さて、スポークも買ってきたところで早速組み直しです。まずはホイールをバラすわけですが、ここでスプロケットを忘れずにはずしておかないと、後で泣く事になります。
■パターン図を描く
今回は初めて組むパターンのドライブ側4本組、反ドライブ側6本組の「ヨンロク組」です。また、前みたいに逆イタリアンにならないように、事前にパターン図を描きました。
バルブホールと、ハブのロゴの位置が合う事と、スポークのアヤ(スポークの交差点)の部分がバルブホールに重ならないようにパターンを決めます。クロス組の場合スポークを交差させるため、ハブへのスポークの通し方が4通り発生します。ここでは
赤:ドライブ側の内から外に通す
橙:ドライブ側の外から内に通す
青:反ドライブ側の内から外に通す
緑:反ドライブ側の外でから内に通す
と色分けしました。
この絵ですが、Excelで描いています。CADを使うこともなく、これ位なら意外と簡単に描けるので重宝してます。線の前後の配置を変えられるので、実際に組んでいるのと同様の雰囲気の絵が描けます。ハブとスポークの穴位置が少しずつズレていますが、分かればよしとします。
■スポークを通す
パターン図を基に、ハブにスポークを通していきます。
FH-9000のスポーク穴は、私の実測ではφ2.2mm。#14のスポークはφ2.0で結構ギリギリです。実際に通してみると、ハブの内から外に通す場合、スポークのねじ切り部がフランジに引っかかって通しにくいです。#15だとスルッと通せると思います。
残り半分を通します。
ハブを立てて通していくと、すでに通したスポークが外れそうになるので、横にして通していきます。写真の状態まで通してから、反ドライブ側の通し方が逆である事に気がつきました。通し直しです。パターン図を描いていても間違えた訳ですが、逆に描いていなかったら組み付けるまで気付かなかったと思います。
今回一度にスポークをハブに通しましたが、1本ずつ通してリムに組み付けるのと、全て通してからリムに組み付けるかは好みの問題だと思います。ただ、スポークを1本ずつ通すと、最後の方のスポークは結構大胆に曲げないと通せなくなってくるので、私は心理的にスポークを全て通してからリムに組み付けるようにしています。
■リムを組み付ける
リムとハブを床に置いて、最初の2本を仮組します。ドライブ側から見て、バルブホールの左側を組みました。この時ニップルは外れない程度に締めるだけです。これを起点にドライブ側を仮組していきます。
組めました。
同様にして反ドライブ側も組んでいきます。組みあがったら振れ取り台にセットして、ニップルを均等に締めていきます。
仮組の段階ではこの通りスポークのネジ山が見えているので、私はネジ山が隠れる位に締めてから、テンションの調整に入るようにしています。
この段階ではまだスポークもフニャフニャですし、ホイールもブレブレです。
スポークの本締めに入る前に、ハブとリムのスポーク穴にラスペネを少しずつ注します。負荷がかかる箇所のスベリを良くして、テンションの調整をしやすくするのが目的です。テンションが上がってきたら、スポークの交差点にも注します。
帰宅後や、朝早く起きた時にぼちぼち振れ取りして、組み上がりました。
レースで激しくリム打ちさせたためリムが歪んでおり、振れ取りには限界があります。歪んだところ以外はだいたい振れが取れているので良しとします。諦めも肝心です。
スポーク穴の左側が歪んでいるのがわかるでしょうか?これは修正後で、最初はもっと歪んでいました。リムが歪むくらい激しくリム打ちしたのに、IRC SERAC CXはパンクもせず 、リムから外れもせずしっかり働いてくれました。これまで使ってきて、かなり信頼度が上がっています。
■タイヤを組み付ける
振れも取れたので、タイヤを組み付けます。チューブレス運用なので、専用のテープをリムに貼って、バルブを取り付けます。今回のタイヤは11/6の東海シクロクロス第2戦、ワイルドネイチャープラザに備えて「IRC SERAC CX SAND」です。
タイヤを組み付ける前に下準備として、ビード直近の「ヒゲ」を切り落とします。
最初は切っていなかったのですが、外した時にリムに「ヒゲ」が巻き込まれていたのを発見して、それ以来切り落としています。リムへの密着度が高くなって欲しいというおまじないです。
タイヤの組み付けは、リムの相性がいいのか石鹸水を使うことも、専用タイヤレバーを使うことも無く、手だけでアッサリ組み付きます。シーラントが石鹸水の代わりになるように感じます。シーラントを約40ml入れて、フロアポンプで空気を入れると、CO2ボンベを使うことも無くビードが上がりました。
ここから規定空気圧最大まで空気を入れて、シーラントが行き渡るようにホイールをクルクル回して、一晩寝かせて完了です。
2、3回付け外ししたSERACはフロアポンプではビードが上がりませんでしたが、新品は余裕です。IRCの山田さんもフロアポンプでビードが上がりやすいように設計しているとおっしゃっていましたが、偽り無しです。
これでワイルドネイチャープラザへ向けた足回りの準備は整いました。昨年より上の順位を目指して、あとは練習有るのみですね!
■まとめ
・スポークパターンは間違えやすいので、事前に図を描く。
・スポークは全てハブに通してからリムに組み付けると、曲げる量が少なくて済む。
【自転車実験室】リアホイールを組み直す 〜設計見直し編〜
■センターが出ない!
ホイールを組んだ当初から感じていたのですが、想定したテンションで組み上げると、リムが反ドライブ側に寄ってしまい、センターが出るように組み上げると、ドライブ側のテンションは想定より高く、反ドライブ側は低くなってしまいました。先日のIRC TIRE 90th Annivesary Cupの時も前の週にチェックしたら振れていて、振れを取ったらリムが反ドライブ側に寄ってしまいました。タイヤを装着した状態で使えるセンターゲージを持っていないため、タイヤを装着し直すのが面倒になり、レースはブレーキを調整してそのまま走りました。
■センターが出ないとはどういうことか?
仮説としては、
「スポークの長さが合っていない」
ということでは無いかと考えました。想定したテンションでリムが半ドライブ側に寄ってしまうということは、ドライブ側のスポークが長過ぎる、という事ではないか?ということです。
①スポークテンションを見直す
このホイールを組んだ当初の設計値が以下の通りです。
ここで注目したいのが、赤枠で囲った「スポークテンション」です。
この時、ドライブ側のスポークテンションを「107kgf」に設定しました。これは使用しているテンションメータの換算表で出しやすい値だからです。
私が使用しているParkToolのテンションメータでは直接kgf単位でスポークテンションを出すことができません。ここで思うところあり、テンションメータの目盛りとスポークテンションの関係をグラフにしてみました。
テンションメータの目盛りとスポークテンションの関係が二次曲線です!
つまりこのグラフから、
目盛りとテンションは正比例しない事を理解していないと、狙いに対する誤差が大きくなる。
という事が言えます。
テンションが低いときにニップルを回すのを慎重になり過ぎると、テンションメータの読み方次第で思ったよりテンションが低くなってしまったり、テンションが高い時に大胆に回すと、テンションメータの目盛りはあまり変化がなくても、実際のテンションは大きく変動している可能性があります。
これで当初疑問に思っていた、「ドライブ側のテンションは想定より高く、反ドライブ側は低くなってしまう」ということの説明がつきます。ドライブ側に対して反ドライブ側のテンションは、
68.57 / 107 * 100 = 64.08(%)
で、大きな開きがあります。少しでもテンションの差が小さくなるように工夫して、反ドライブ側のテンションを高くできればこの問題は解決に近づきそうです。
②組み方を変える
スポークテンションは、構成部品の寸法で決まってきます。ハブやリムの寸法は変えられませんが、スポーク長だけは組み方で変えることができます。ネットで調べたところ、「ヨンロク組み」という組み方を発見しました。
大阪のホイール組みを得意とする自転車店のようです。行ったことはありませんが、ブログの情報量が凄まじく、読み込んでしまいました。かなり有名なようで、あちこちで関連情報を見かけました。
「ヨンロク組み」は、ドライブ側を4本組、反ドライブ側を6本組とする組み方です。
実際にExcelで計算してみると、
68.57kgfから70.68kgfで約3%テンションを上げることができる計算になりました。
たかだか3%と思われるかも知れませんが、関係するスポークはこの場合14本あります。
14本すべてが3%ずつテンションが上がると考えると馬鹿にならない数字です。
「のむラボ」の「ヨンロク組み」の目的は左右のテンション差是正の工夫と書いてあります。尊敬です。
③各部寸法の見直し
先程の「のむラボ」のブログを読んでいると、目を疑うエントリがありました。
エントリの中身に、私が使用しているFH-9000の寸法が書かれており、フランジ⇔センター間の寸法が私が設計に使用した値と違います!
慌てて私もシマノの製品仕様書の情報を探しに行きました。
私が使っている28hはフランジ間が56.5mm、オチョコ率と呼ばれるフランジオフセットが9.95mmとなっています。計算すると、
ドライブ側:56.5 / 2 + 9.95 = 18.3(mm)
反ドライブ側:56.5 / 2 - 9.95 = 38.2(mm)
となり、のむラボのエントリとも値が合致します。
私が当初実測から出していた寸法は、
ドライブ側:17.1mm
反ドライブ側:36.05mm
だったので、センターが1mm程度ずれていた事になります。これで想定したテンションで組むとリムが反ドライブ側に寄ってしまうことの説明が付きます。結局採寸ミスかよ!工業製品を使うときは、現物の実測は必須ですが、仕様書を読み込むのも必須です。仕様書の読み込みが足りないとは、お恥ずかしい限りです。
以上の3点から設計を見直し、スポーク長を再計算して、以下の通りとしました。
ちなみに、フランジ⇔センター間の寸法を修正した後でも、スポーク長は小数点以下しか変化しませんでした。確かに300mm程度あるスポーク長に対して1mm程度の横ずれでは、スポーク長の整数部が変化しないのは納得です。ですが、これでも想定したスポークテンションで組めなかったわけですから、まだ検討が足りない部分が有るということです。今後も組み続けて経験値をためていきたいですね。
スポーク長が決まったので、早速お馴染みの自転車店Circlesにスポークとニップルを買いに行きました。
スポークがPhilWoodの#14ストレートで¥80/本、ニップルはPhilWoodが在庫切れだったので、DT Swissのブラスニップル¥20/個、スポークカットとプレップ塗布で工賃¥1,000。プレップは長さが違うスポークで色違いを塗布してあり、工賃は正直安いと思います。合計で¥3780(tax in)でした。リムは¥10,000近くするし、ハブも高いですが、スポークとニップルだけならそんなに高くないので組み直しに踏み切ります。
次回は実際に組み立てていきます。