【書評】後は野となれ大和撫子 著:宮内 悠介
日本SF大賞の受賞暦がある宮内悠介の著書は初めてです。Facebookのタイムラインで本書を知り、Kindle版ならすぐに買えるので購入。その日のうちに読んでしまいました。
中央アジアの架空の小国アラルスタン。後宮(ハレム)の制度があり、初代大統領は文字通りの後宮と、大統領諮問機関としての役割を担わせ、さらに女性を囲うことに興味がなかった二代目大統領が、戦火等で行き場を失った女性を出身国問わず受け入れ、高等教育機関としてそれを発展、国力を養う場としている設定です。
2代目大統領が暗殺され、国の危機であるのに政治の中核を担っていた男たちは逃げ出し、まさに国が倒れようとするその時、後宮の女性達は自分達の居場所を守るため臨時内閣を組閣し、国を守るための戦いを始めます。
正直私は中央アジアの歴史や情勢に疎く、作中の設定は馴染みがない物ばかりなので、設定に細かく突っ込みを入れずに純粋な娯楽作品として読む事ができました。冒険活劇というべきなんでしょうか。戦い、駆け引き、窮地に追い込まれる主人公、運命的な出会い、など盛り沢山です。
と、ここまでは安っぽい紹介しかできないのですが、私なりの本書の面白さを考えた時、「ニヤニヤしてしまう」だと思います。
正直いろんなものを詰め込み過ぎだと思うんです。でも、作中に詰め込まれたものが多いため、どれかが引っかかってニヤニヤしてしまう、そんな感じです。アマゾン等の紹介文を読んで本書を「読んでみようかな」と考える方は、何らかの「オタク気質」を抱えていると思います。それがどんな方向性であっても、作中の何かがその「オタク気質」に引っかかると感じました。私は「オタク気質」を「マイナなものを愛する心」と捉えているのですが、そもそも読書自体がマイナな趣味なので、つまり本書は読書が好きならきっと楽しめるはずです。
「オタク気質」を抱えすぎている私にはニヤニヤしてしまうシーンが多かったと同時に、唸るシーンもありました。特に「三権分立」の下りはしびれました。ここはぜひ実際に読んでいただきたいと思います。
相当綿密な取材に基づいたと思われる情報量で、重たいテーマながら勢いよく、明るく物語が進んでいきます。
自分の中に何らかの「オタク気質」を抱えている方に、本書を強くオススメします!
・・・そんなに「オタク気質」」を抱えていない人にも、きっとオススメできると思います。多分。
【自転車実験室】スポークを1本だけ交換する
大変楽しんだ「白州の森バイクロア3」で、前輪のスポークをキャンプ用の椅子にぶつけてしまい、曲げてしまいました。
見ての通りバッチリ曲がっています。このため、ホイールは振れてしまい、さらに一度テンションをかけたスポークを曲げてしまったので、ここからニップルを回して振れ取りしたらスポークかリムを破壊してしまいます。
という訳で修理です。
◼︎スポークは1本なら安い
計算したスポーク長は全て記録を残してあるので、それを元にスポークを買いに行きます。よく行く自転車店CirclesとCulture Clubはどちらも1本から売ってくれるのでこういう時に大変助かります。
Philwoodの#14ストレートスポーク1本と真鍮ニップル1個で¥90でした。
◼︎スポークの交換
今回、スポークの交換にあたり1つ試したい事がありました。
「チューブレスリムテープを交換しないで出来ないか?」という事です。現実的には無理なので、対象のスポーク穴のみリムテープに穴を開けて、パッチを当てる様に出来ないか?という事です。完全に推奨外でケチ臭い作戦ですが、とりあえずやってみます。
タイヤを外して対象のスポーク穴のリムテープをカッターでくり抜きます。
穴が空きました。
実はすでにこの時点で思惑に対しては失敗の予感です。以前に後輪の交換の際、タイヤのビードが乗っかる丘の部分(ハンプと言うそうです)にスポーク穴が被って、そこで変形したリムテープからエアが漏れることに確信を抱いたのですが、前輪もわずかに穴がハンプに被っています。
OC(オフセンター)ではない前輪も、スポークが可能な限りハブに直線的に伸びる様に、角度がつけてあります。これを「穴振り」と呼ぶそうです。
この影響でリムの外周側の穴が中心からズレて、ハンプに被ってしまう事になります。
しかし被っている量はわずか。淡い期待を抱きながら作業を進めます。
取り外したスポーク(右)と新品のスポーク(左)を比べると、「これでもか」というぐらい曲がっているのがわかります。テンションを抜いて初めてこれくらい変形していた事がわかりました。
ホイールを組む時、良くニップルをリムの中に落として取り出すのに難儀したので、余ったスポークでニップルの呼び込み工具を作りました。
以下の写真のように使います。
新しいスポークをハブ穴に通して、うまいこと目的の穴まで持ってきて、ニップルを軽く回して仮組みです。ラジアル組みならスポークを通すのに悩む必要はありませんが、いわゆるタンジェント組ではスポークを通すのに若干難儀します。
仮組みできました。
組み直す度に感じるのですが、シマノのDULA-ACE9000系のハブはハブ穴が小さく、#14のスポークを通すのがギリギリです。スポークのネジ山が引っかかって本当に通しづらい。本来は#15を通す前提の設計なのかもしれません。果たして現在77kgある私の体重で、#15のスポークがシクロクロスで耐えうるのかは別途計算してみたいところです。
スポークが通せたので、振れ取り台にセットして本締め、振れ取りです。
我が家の振れ取り台はミノウラのFT-1なのですが、安価故に支柱を閉じる機構がなく、振れ取り中にグラグラします。なので、クイックレバーで締めて作業をしています。
これが微妙に面倒で、ParkToolsの振れ取り台のような剛性の高い振れ取り台が欲しい...
交換するスポークが1本だから1本だけ締め上げれば良い、というわけではなく、経年劣化したスポークの中に1本だけ新品のスポークを混ぜるので、全体のバランスが狂います。全体を少しずつ締めて振れを取り、ホイールをしごいてまた振れを取り、これを繰り返してセンターを出します。
振れも取れ、センターもバッチリ出ました。
以前はミノウラのFT-1についていたセンターゲージを使用していましたが、今はCulture Clubで取り扱っているUNIORのセンターゲージを使っています。
メリットとしては、
・タイヤが付いた状態でセンターが確認できる
チューブレスレディリムはタイヤの付け外しが面倒ですし、未だ使ったことが無いチューブラーなら言わずもがなです。
・私の作業方法である「クイックレバーをつけたまま振れ取りする」場合に使いやすい
ホイールセンターを確認するために、ハブ軸に当てる金具に切り欠きがあり、クイックレバーをつけたままでもしっかりハブ軸に当てる事ができます。
という以上2点から結構気に入って使っています。
◼タイヤを嵌め直す
タイヤを嵌め直す際に面倒なのが、固まったシーラントを取り除く作業です。
私はまず水洗いしてヌメリを取り、その後手のひらで擦って落としています。もっと楽な作業方法が無いものか、今後研究の価値がありそうな作業です。
さて、今回のケチ臭い作戦です。リムテープを、穴が隠せる程度に小さく切りました。
チューブのパッチ当てのイメージです。
周辺をきれいに拭き取り、テープをしっかり張ります。
ちゃんと穴が塞げているように見えます。
で、この後タイヤを嵌め直して、シーラントを入れてエアを入れます。
・・・失敗です。エアを入れるのはGIANTのCONTROL TANKを使用しています。
何回か試して、リムテープのパッチ当ての箇所以外からエアが漏れている音がします。
当初の予想通り変形したリムテープからエアが漏れていると考えられます。リムにもよると思うのですが、やはりA23でチューブレス運用の場合、リムテープはタイヤ交換のたびに張り替えるのが理想のようです。
古いリムテープを剥がして、新しいリムテープを1周張って、再びエアを入れます。
今度はパチパチとビードが上がる音がします。ピューという高い音はバルブの組み付けけが甘かったせいでバルブの根本からエアが漏れていた音でした。後からバルブの根本を締め直して、追加でエアを入れ直して完了です。新品のタイヤの様に気持ちよくビードが上がってはくれませんでしたが、すでに2シーズン使っている上に5、6回付け外ししたチューブレスタイヤのビードが上がってくれるのはタイヤの耐久性設計が良いからだと思います。
というわけで、修理した箇所はきれいにまっすぐなスポークになりました。
が、この後のブレーキ調整の途中にもう1本曲がっているスポークを発見してしまうのでした・・・
1本目の曲がり方が分かりやすかったせいで見落としていました・・・これだってよく見ていたらすぐに気付けたはず。「あっスポーク曲がってる修理しなきゃ」で短絡的に1本だけだと思い込んだマヌケっぷりです。
1本曲げたら他にも曲がっている可能性があるのは当然なのに、チェックが甘かったです。作業前の丁寧な点検は仕事も趣味も一緒ですね。恥ずかしい。
とりあえず振れは取れているし、センターも出ているから直近の使用では大した問題では無いのですが、このままでは気持ち悪いので近いうちにこれも修理します。
◼まとめ
最後に私のマヌケっぷりが露呈したのですが、自作の手組みホイールの利点として、スポーク1本だけの修理が自分でできる事が上げられると思います。面倒な作業の部類に入ると思うのですが、私は大好きです。ただ、それなりの時間が必要なので失敗すると更に時間がかかってしまうので、それが一番面倒です。
・チューブレスレディリムのリムテープは毎度交換したほうが良い
・スポークを曲げてしまったら、他にも曲げていると考えよ
・趣味でも(趣味こそ?)作業前点検は大事
まあ面倒なのは私だけなので、また作業ができて練度が上がる、と前向きに捉えてしまうことにします。 今度はミスなく作業を進めたいな。
【レジャースポット】乳岩峡に行ってきた
豊橋在住の友人のお誘いで、愛知県新城市の乳岩峡にハイキングに行ってきました。大変な景勝地で、短時間ですが冒険感たっぷりな大変楽しいハイキングになりました。また行きたい。
◼︎アクセス
JR豊橋駅から約50km。新城市の温泉地である湯谷温泉を通過してさらに奥地に入った所にあります。
峡谷の登山道入り口付近に車を停めることができるのですが、そこまでの道幅が細くUターン用のスペース以外ではすれ違う事が出来ません。
今回12:30頃に現地に着いたのですが、Uターン用のゼブラゾーンに駐車している車があったせいで駐車、Uターンに難儀しました。
ちょうど車に戻ってきた登山客がいたので駐車できましたが、時間帯によっては注意しないとバックで戻る羽目になりそうです。それにしても車が多い。なかなか人気のスポットのようです。
◼︎どんな所?
予備知識無しで行ったのですが、国の「名勝天然記念物」だそうです。石灰質の白い岩が目立ちます。
登山道入り口横がすぐ川です。
川の水が本当に美しい!もうちょっと暑い時期に水着を持って来たいです。
写真の川の付近は少し開けていて、ここなら落ち着いてお弁当が食べられそうです。
この後登山道を登ってわかったのですが、道が細く、落ち着いてお弁当を食べる場所が途中の東屋しかありません。軽く腹ごしらえをして、軽食を持って登るのが良さそうです。
なお、私はDocomo回線を使用した格安Simである「U-mobile」をiPhone6sで利用しています。格安SimとはいえDocomo回線なので、圏外になったことは少ないのですが、登山道入り口から山頂まで、ほぼ圏外でした。
登山道は全長2kmも無いそうですが、なかなか険しいので複数人で行くのが良さそうです。
◼︎険しい登山道
子供達は平気な顔でグイグイ登っていくのですが、岩と木の根が突き出していて段差も大きく、なかなか険しいです。 段差を登るたびに大腿直筋にしっかり負荷が掛かるのがわかります。しばらく写真のような風景が続きます。所々で清流が見え、その美しさが素晴らしい。
iPhoneのカメラではその奥行きが撮れなかったです。いいカメラを抱えている登山客も多くいたのですが、なるほど納得です。
◼︎さらに厳しくなる登山道
ものすごい岩壁です。木の根の階段を越えて進みます。とにかく子供達の動きが速いので、妻と友人夫婦を置いて子供達を追いかけます。
写真の箇所を過ぎると、
急な階段の始まりです。
階段というより梯子に近い角度です。子供達はヒャーヒャー言いながら大喜びで登って行きます。この後は本当に梯子もあります。
それにしても険しい。
この階段の先は岩を潜るように通る必要があり、アドベンチャー感が高すぎです。どうやってこんな所に階段使ったんや。
先ほどの階段を抜けると岩場から空が見えます。途中に見える手すりまでは岩を登ります。
コレ登山というよりロッククライミングやで。
下を見ると岩の隙間に大穴が。
コレは落ちたら助からない。
先ほどの岩場を抜けると、シダ植物が目立つシングルトラックになります。
子供達の足が速すぎて写真がしっかり撮れなかったのですが、ちょうどこの辺りが「通天門」と呼ばれる石門で、壮大な景色です。実際に訪れて景色を眺めるのが一番だと思います。
◼︎少し下って「乳岩」へ
「乳岩」と書いて「ちいわ」と読むそうです。
「通天門」をくぐって少し下り、登り返した所に「乳岩」への登り口があります。私は岩の上に出れるものだと思っていたのですが、道は岩の中(!)に続いていました。
登ってくるのは高所恐怖症気味の妻です。
私が写真を撮った位置が頂上で、洞窟の中です。綺麗なドーム状になっていて、どういう経緯でこんな形状になったのか想像がつきません。洞窟の中から見える景色が本当に美しくて、タケコプターとかがあったらそのまま飛んで行きたい気持ちになりました。
洞窟の中には弘法大師にまつわるらしい地蔵尊が複数あり、御賽銭を置いて行く人が多いようです。
「乳岩」からの下りは鉄の階段のルートとは別に下れるようになっています。段差が大きいので膝を痛めないように注意して下山しました。
登り始めてから下山するまで約2時間。しっかり登山した感覚がありました。
山頂でコーヒーを飲もうと思ってコーヒーセットを持っていったのですが、そんな場所なかったので下山してから川辺でコーヒーを入れておやつタイムにしました。
お湯を沸かしている間にも登山客が結構通ります。
鳳来湖からのルートも有るようで、ガチな雰囲気の登山客を複数名見かけました。中には新城のトレイルランニングイベント「DAMONDE TRAIL」のTシャツを来たいかにもな方も見えたので、トレーニングコースでもあるのかもしれません。
登山道入り口にある看板です。
距離は短くても道が険しいので、登山初心者の我が家にはたっぷり登山感が味わえました。駐車場には何台か自転車が停まっていたので、自称サイクリストな私としては、豊橋駅から自転車で乳岩峡の駐車場まで来て登山、帰りは飯田線「三河川合」から輪行帰宅という「Bike to 乳岩峡」というのも面白そうだなと思いました。
登山を終えて、名古屋への帰路は国道301号で山を越えて豊田市へ抜けるルートを使いました。最近妙に新城市に縁があるのですが、車なら高速道路を使わなくても2時間弱で新城から名古屋へ戻れるルートとして気に入っています。信号が少ないし、作手を越えたらほぼ下り基調で、意外と早いです。
時間が許すなら、帰りに湯谷温泉で汗を流して行くのも良いと思います。泊りならなお良しかな。
◼終わりに
写真に撮りきれない美しい峡谷で、まさに景勝地と呼べる素晴らしい場所でした。ただ、「ハイキングコース」というより「トレッキングコース」ですね。短時間でしっかり登山が楽しめて、私のような登山初心者には十分なコースでした。家族連れも多く見かけたので、地域の人にとってはメジャーな登山道なのかもしれません。私は兵庫県西宮市の出身で、登山道が近い六甲山は険しいが気軽な登山としてよく家族で登りました。そんな印象です。今度はもっとゆっくり登りたい、そんな場所でした。おそらく登山愛好家にもオススメできると思います。また行きたい。
【イベントレポート】白州の森バイクロア3に行ってきた
シクロクロススタイルのレースを主とした自転車イベント、「白州の森バイクロア」にキャンプインで参加してきました。
控えめに言って「最高」。これがもうとにかく楽しいイベントで、来年も是非行きたい、行かざるを得ない楽しさでした。
◼︎意外と名古屋から行きやすかった開催地
山梨県北杜市白州町のキャンプ場、「べるが尾白の森キャンプ場」です。ウイスキーが好きなら気になるサントリーの白州蒸留所が近くにあります。私が住んでいる名古屋市からは230km程度。朝5:30に出発して、途中トイレ休憩を入れても9:00までに到着しました。
会場は中央道の小淵沢出口からすぐなので、アクセス良しです。
◼︎快適なキャンプ場
バンガロー、オートキャンプサイト、テントサイト大小があります。駐車場(¥1,000)からキャンプサイトまで少し歩くので、オートキャンプサイト以外の場合は台車があった方が良いと思います。後から気がつきましたが、荷物を運ぶのにリヤカーを借りる事ができるようです。
我が家はキャンプサイト大(¥9,000)を選びました。約5m×5mとの事でしたが、キャンプ場の1区画(約10m×5m)を2グループで共有する形です。でも、十分な広さで、Mont-bellのムーンライト7型テントと、Hillebergのタープ20XPが問題なく張れました。
区画は丸太で分けてあるので分かりやすかったです。
トイレも綺麗で、水場も近く快適です。特筆はごみステーションがあるという事。分別してあればビン、缶もOKなので、片付けが大変楽でした。これはありがたい!
10:30位に設営が終わって早速ビールであります。私が出るレースは19:15スタートなので1杯ならまぁエエやろ、という感じです。
バイクロアでは酒類の販売をしているブースがありますが、ビールが目立つのです。甲州ワインとかが多いのかな、と思いきやクラフトビールを扱うお店が出店していて目移りします。
しかし、このせいでコースの試走をせずじまいなのでした…
◼︎イベントと出店ブース
我が家はレースに出るつもりで来たので、その他のイベントはノーマークだったのですが、キャンプサイトの中でYBP ProjectのBMXショーが!コレが猛烈に盛り上がりました。間近で見れたのは初めてなのですが、興奮度が高すぎて語彙力が下がります。
ライダー6名の中にシクロクロスアイドルのコッシーこと腰山雅大氏がいます。本人は謙遜していましたが、凄まじいパフォーマンスでシビれました。日本のトップライダーとトレインを組んで飛べるのは本人もトップライダーだからこそ。夜にレースでもぶっちぎりの優勝だったのでちょっと超人過ぎとちゃうかな。
出店ブースも楽しくて、特に楽しんだのが伊那の自転車店CLAMPさんの「森の自転車ゲームセンター」。楽しすぎて写真を撮っていないのですが、¥100で障害物を試乗車のMTBで越えていくゲームが楽しめる太っ腹企画です。5〜6回トライしましたが完走できず。来年も開いて欲しいです。
◼︎レース
・サンセットレース 5/27 19:15〜19:45
今回、5/27は憧れていたサンセットレースにエントリーしました。「スターライト幕張」はカッコよくて憧れますが、日が落ちてからののレースはC1のため、C4の私は走れません。夜のシクロクロスというスリリングな体験を普段のカテゴリを問わず経験できるとは、これを走らずして、と言う感じでした。
勝手が分からないので、手持ちのライトで1番明るいライトであるCatEyeのVolt800をフロント、リアにCatEyeのRapid3、さらに息子から渡された劇場版ドラえもんの光るオマケをサドルレールにぶら下げてスタートです。ヘッドライトはPetzlのジプカプラスを着けました。
エントリーが遅かったせいでほぼ最後尾スタート。怪我をしない様に安全に走り出す事にしました。
トップ集団は結構ハイペースであっという間に文字通り「見えなく」なりました。緩やかなS字の舗装路をちょっと走ったら林間のダブルトラックが始まります。ここからシクロクロスの基本である「試走の必要性」を味わう事になります。
1周目、想像以上の視界の悪さに驚きます。前のライダーのライトもあるのに視界の処理が追いつかない。コーステープが見えてきても、そこでどちらに曲がるか分からないのです。抜かされた人に「右だよ」とか教えてもらう始末。更に倒木がトンネル状になった箇所やシケインになっている箇所があり、見えてからビビる事になりました。さらに、切株や木の根を気付かずに踏んで何回も落車しそうになりました。切株や大きめの石を踏むたびタイヤがブリブリと悲鳴を上げて、リムがコツコツ言う音が聞こえます。私のテクニックではチューブレスじゃないと何回パンクしていたか分からないくらいです。
バイクに着けていたライトで進行方向は見えても、小さなヘッドライトではコーナーの先が見えないので、ある程度強力なヘッドライトの必要性を感じました。
1周走って「残り5周」のコール。ろくにアップしていないので心臓は爆発しそうです。バイクロアではローラーアップしている人を全く見かけませんでした。みんな心拍の上昇とどう付き合っているのでしょうか。
周回が多かったので少しずつコースに慣れてきて、パックになっていた人と抜きつ抜かれつでゴール。出し切った感がありました。
翌日確認したリザルトでは11/30位。C4の私がが試走しないで走った割には上出来ではないでしょうか。
レースが終わって、テントに戻ってから流し込んだビールの美味いこと!こういう楽しみはシーズン中のシクロクロスでは出来ないので特別感がありました。
その日最後のレースである「ミッドナイトファイアーレース」の前に、キャンプ場の隣にある天然温泉「尾白の湯」で汗を流します。20:30締め切りなので急ぎました。来年も注意しておかないと。
・ミッドナイトファイアーレース 5/27 21:30〜22:00
染みわたるインペリアル・スタウト。これを最高と言わずして何と言うのか。
これは出走はしなかったのですが、是非観戦したかったレース。「ファイアーシケイン」というクレイジーな障害物有りのショートコースのレース。写真は観戦しながら飲みたかったMikkeller Tokyoのインペリアル・スタウト「Black Hole」。Alc13.1%の濃厚で沁みわたるビールです。こいつをちびちび飲みながら観戦するレースの楽しさといったら!
ちょっとだけレースの様子を。
これは走るより見る側がいいかな。
・チームラリーファミリークラス 5/28 13:00〜14:30
翌日のレースは、チームラリーに出走しました。 今回の白州の森バイクロアでは、妻子は「ちょっとだけ走れたらいい」というスタンスだったので、ファミリークラスのチームラリーにエントリーすることに。私が走る時間が長くなるので、他のレースにはエントリーせずこれに絞りました。我が家にとって初のファミリーリレーです。
作戦としては、90分間で最初に私が4周走り、小学2年生の息子が1周、次に妻が2周走り残り時間は私が走るというもの。
家族3人で試走をすると、林道サイクリングの気分でそれだけで楽しかったです。ただ、試走してみて息子には階段のセクションと急な坂2箇所の計3箇所が越えられない事がわかりました。そこで、息子が走るときは私が先回りしてサポートすることに。運営にも確認をとると小学生へのサポートは可とのことだったのでそうすることにしました。
走り出してみると、前日に会場で会った友人が、「うまい棒をたくさん持ってきた」と言っていた理由がわかりました。
Photo by lilukitchen 勢い良くかぶりつき過ぎでしょ・・・
喉が乾くお菓子を抱えたエイドステーションにするためだったんですね・・・
シクロクロスでは観客のガヤが楽しみの一つでもありますが、これは口がパッサパサになるしキツい。でもだんだん楽しくなってきてついつい食べにいってしまうのです。
Photo by lilukitchen テンションが上ってきて吠えながら坂を駆け上がる
違う意味の苦しさがありましたが、これが楽しい!もっと余裕を持って食べてもよかったかな・・・
4周走って息子に交代です。計測チップの交換やバイクの交換はスムーズに出来、去年参加したシマノバイカーズフェスティバルの経験が生きました。
走り出した息子をランニングで追いかけます。が、めっぽう速い。ついていけなくなり、全力で走って追いかけ、階段と坂に先回りしてアシストします。でもそれ以外は放っておいてもグイグイ走っていきました。4周走ったあとのトレランだったので、私の心臓も限界に近かったです。
途中で落車したらしく、ピットに帰ってきた息子もヘロヘロになっていました。
そして妻に交代。
スローペースだけど落車せずに走れて楽しかったそうです。妻が1周走ったくらいで「そろそろ準備か」と思っていると息子から「もう1周走りたい」とのお言葉が。
というわけで再び息子を追いかけトレラン状態に。落車して嫌になったかな、と思いきや本当に楽しそうに走っていました。去年より若干簡単になったというコース設定が良いのでしょう。でも追いかける私は本当に苦しかった・・・
私に交代したところで残り時間は10分弱。私のペースでは後1周ちょっとしか走れないので、最後は全力を出し切りました。
順位が全くわからないままのゴールでしたが、たっぷり走れたし、息子の熱い走りが見れて本当に楽しかったです。
表彰式では入賞していなくても抽選でプライズが当たる可能性があると聞いていたので、表彰式に言ったところ我が家が3位のコール!5チーム中の3位ですが、正直期待はしていなかったので、初のファミリーリレーで表彰台に登れて本当に嬉しかった。
こんな楽しい思い出ができたら、来年もどうしても参加したくなります。
頼むから小学校の運動会と日程が被らないでくれ・・・
◼まとめ
昨年、バイクロア主催の1人であるもんじゃ氏から、我が家にピッタリのイベントだと聞いて参加することを決めましたが、果たしてドンピシャでした。
会場の平和な空気や、遠方の友人との再会や、新しい出会いもあり、そしてみんな楽しそう。
天気が良かった事もあり雨にも降られず、森の中で日差しが遮られて気温もちょうどいい。
緊張感のあるレースも好きですが、気負わず楽しくダートコースを走れるイベントは、貴重な気がします。
主催の皆様、運営スタッフに出店者、そして参加者の皆様に感謝して、来年も遊びに行けることを祈りたいと思います。
また来年!
【自転車実験室】チューブレスレディOC(オフセンター)リムの弱点
今年は、前から興味があった「白州の森バイクロア」に参加する事にしました。キャンプとシクロクロスを組み合わせたようなイベントで、シクロクロスで走りたい上にキャンプイベントも楽しめそうで、我が家にとっては家族で遊びに行くのにちょうど良さそうなのです。
公開されている昨年までの写真を見ると、林間のコース設定。昨シーズンの最後に後輪のタイヤをチューブレスのSUNDタイヤに切り替えてからそのままだったので、イベントを控えた1週間前にノーマルチューブレスCXタイヤに切り替える事にしました。
で、早速タイヤを交換しようとしたのですが、ある程度予測していた通りビードを上げられません。これが表題の「チューブレスレディOC(オフセンター:以下OC)リムの弱点」であります。
◼︎チューブレスレディOCリムの弱点
タイヤ装着後、ある程度の期間が経つとリムテープを交換しないとビードが上げられない。
です。
OCリムは、その名の通りスポーク穴がリムのセンターからズレたリムで、10〜11速等多段のリアホイールを組むのに最適なリムです。ズレはセンターからせいぜい2〜3mmなのですが、ホイールを組む上ではこれが絶大な効果を発揮します。しかし、このオフセットがチューブレスレディリムとして運用する時の弱点になって来るのです。
以下の写真が問題の箇所です。
これは私がシクロクロス用として使用しているホイールの後輪で、VelcityのA23OCというリムを使って組んでいます。
リムテープはNotubesの19mm幅を使用しており、貼ってから約5ヶ月が経過しています。写真中央部のテープが丸くくぼんでいるのがわかるでしょうか。
チューブレスレディリムは、気密性の高いテープでリムの穴を塞ぐ事でチューブレスタイヤの装着を可能とします。そして、OCゆえの穴の位置が弱点になってきます。
むちゃくちゃ雑ですが、絵を描くとこんな感じです。
OCリムはスポークを通す穴がオフセットしているため、穴がリムの段差、つまりタイヤ装着状態でビードが乗っかる部分に重なっています。
リムテープが劣化して、この穴の箇所がくぼんでくると隙間からエアが漏れ、ビードが上がってくれません。
というわけでリムテープの貼り直しです。
まずはテープを剥がして清掃です。
この穴ですね。OCリムだと穴がセンターからオフセットしているため、完全にビードがかかる段差に穴が重なっています。
経年劣化でテープが穴に潜るように変形し、段差に隙間ができてしまうのです。
テープを貼りました。流派が色々あると思うのですが、私はバルブ穴にテープが重なるように1周させています。ロード用のタイヤは高圧なので二重三重に巻くと聞いたことがありますが、シクロクロスは低圧なので1周分で十分だと思います。
貼り方が雑ですが、目的はリムの穴を塞ぐ事なので、段差の部分に密着していれば良しとしています。チューブレスレディ用のリムテープは固く、ピッタリ貼ろうとすると私の腕前ではシワが寄ってしまい上手く貼れません。
バルブ穴部分のテープにカッターでちょっと傷を着け、
#2のプラスドライバーでズブリ!とやってしまいます。穴が空いたらバルブを突っ込みます。バルブ固定用のナットをしっかり締めて完了です。
バルブはVelocity純正のものですが、固定用のナットを閉める時に、写真に写っている四角いゴムパッキンが回りやすくタイヤが嵌めにくくなるため、個人的にはイマイチです。寿命がきたらNoTubesに切り替えたいと思います。
この後は急用ができて急いで作業をしたため写真がありませんが、シーラントを適量入れ、GIANTのControl tankを使って空気を入れました。ビードは1発で上がり、2日経ってもエアの漏れは無く、何も問題無い印象です。
チューブレスタイヤの組み付けでは、よく「中性洗剤を使う」という記事を見かけますが、私は使ったことがありません。中性洗剤の目的はビードを滑りやすくして上げやすくするためのものなので、私は代替品としてシーラントをごく薄くビードに塗るようにしています。乾燥するまではシーラントは結構滑ります。
レース会場でリアタイヤ交換の時にこの現象が起きていたら走れなくなるので、予備のリムテープとシーラントは常備しておいた方が良さそうです。
◼︎まとめ
・OCリムでチューブレスタイヤ使用の場合、タイヤを外した際にリムテープがスポーク穴に沈んでいたらリムテープを交換した方が良い。
・チューブレスレディ用リムテープとシーラントは常備。レースにも持って行く。
自分でホイールを組むようになってから、私にとっては10〜11速の後輪にはOCリムがベストという結論になりましたが、頻繁にタイヤを交換する場合にはリムテープがコスト高になります。シクロクロスシーズン中にノーマルとSUNDで最低2回はタイヤをスイッチしたいので、ここは必須コストとして組み込んだ方が良いのかもしれません。
ただ、シーズン中にタイヤを組み替えないのであれば1シーズンしっかりチューブレスとして機能しますし、何と言ってもその組みやすさ、手組みホイールとしての完成度の上げやすさから、後輪は可能な限り今後もOCリムを使いたいです。(ディスクブレーキ車ではその限りではありませんが)
◼︎今後の課題というか妄想
・OCリムの穴を安価に塞いで、リムテープの寿命を延ばす方法は無いか?
・カンパニョーロのホイールように、穴のないリムを手組用として入手出来ないか?
・そもそも自分の考える手組み用の最高のリムって何だろう?
最後はどうでもいいですね。
さて、週末は楽しみにしている白州の森バイクロア。早く週末にな〜れ!
【自転車実験室】Tanpan組み付け位置のナゾ
先日私のシクロクロスバイクに組み付けたWolf Tooth Tanpan SH-10。
組み付けた後に、1枚の写真が私に組み直しを訴えてきました。まず結論を述べますと、
◼︎結論
トップルーティンのシクロクロスバイクでは、Tanpanはハンドルバー付近に組み付ける。
です。
◼︎考えに至った経緯
問題の写真が、Wolf Toothの公式サイトに載っていたこれです。
ハンドルバー付近にTanpanが組み付けられています。でも、他の紹介記事で見かけるのはリアディレイラーに直付けされたものばかり。もちろん公式サイトにも以下の写真のようにリアディレイラーに直付けされたものが載っています。
つまり、Tanpanには2通りの組み付け方があります。では、ハンドルバー付近に組み付ける場合ってどんな場合だろう、と考えていたら脳内で何かが繋がりました。
以下の写真は、先週組み付けたばかりの写真に、リアディレイラーに後ろ向きの力がかかった時に想定される力の伝わり方を記入したものです。
リアディレイラーの構造上ピボットの回転方向の抵抗はほとんど無いため、リアディレイラーに対して後ろ向きの力がかかった時、
アウタワイヤが短かく直線的 = 応力の逃げ場が無い
ので、Tanpan本体や、ディレイラーハンガ、シートステーのアウタ受けへ余計なダメージが蓄積しそうです。私のシクロクロスバイクはトップルーティンのため、シフトワイヤがシートステーを伝ってきます。そのためアウタワイヤがこの通り短くなり、非常にスッキリした見た目になりました。
が、ここが盲点でした。
さて、以下のWolf Tooth公式サイトの写真の通り、アウタワイヤがチェーンステーから出ている場合は、アウタワイヤが湾曲しているため、リアディレイラーに後ろ向きの力がかかっても応力の逃げ場があります。
つまり、Tanpanはチェーンステーからアウタワイヤを引く場合はリアディレイラー直付けで問題ありませんが、トップルーティンでシートステーからアウタワイヤを引く場合は直付けは避け、ハンドルバー付近に組み付けた方が良いのでは?という考えに至りました。
また、私のMTBの変速システムを確認するとMTB用10速のシフトワイヤ調整ダイヤル(バレルアジャスタ)はシフタ側にしか付いていません。
明確な根拠は不明ですが、シマノのMTB用ワイヤ式変速システムはシフタ付近でワイヤ調整をする前提の設計になっていると推測できます。
Tanpanもワイヤ調整器なので、シフタ付近に組み付けるのは筋が良さそうです。というわけで、先週組み付けてから1kmも乗っていないのに早速組み換えです!致し方なし。
◼︎ハンドルバー付近に組み付ける
Wolf Tooth公式サイトの写真を見ると、ハンドルバー付近に組み付けるには「Ferrule」と呼ばれるアダプタが必要なようです。別売り可能みたいです。「Ferrule」って知らない単語で、調べて見ると「フェルール」と読み、ワイヤなどを通すための金属の筒や環を意味する単語のようです。
ただ、私の購入したモデルにはアダプタはついていないので代替品を準備する必要があります。しかし自転車用スキマ部品の大家Problem Solversにもそんなパーツありません。
で、考えたのがコレです。
ホームセンターで売っている内径6mmのホースにシフトアウタエンドを突っ込んだモノです。
これにTanpanを突っ込み、
シフトアウタを接続すると何とかなりそうな感じです。
自転車に組み付けてみました。
側面から見ると
こんな感じ。
ハンドルを左右に切っても、
大きく干渉する感じはありません。
まぁこんなもんやろ。Tanpanが目立ちますが私としては許容範囲内です。ブレーキアウタの取り回しは少し悩んでいるのですが、これはまたの機会ですね。
リアディレイラーへの取り回しはこうなりました。
シフトアウタが適度に湾曲し、力の逃げ場がありそうです。変速調整は、Tanpanのバレルアジャスタだけで簡単に決まりました。前回リアディレイラー直付けで調整した時より早く調整出来たように感じます。やはりMTB用のワイヤ式変速システムは、シフタ側で調整するのが筋なのでしょうか。
組み付けた時の収まりの良さは断然リアディレイラー直付けなのですが、ハンドルバー付近に組み付けられることが確認できた結果、ワイヤリングの自由度が上がり、変速調整もしやすかったです。
後は実走でテストするのみ。来シーズンのAJOCCカレンダーも公開されましたし、気分が盛り上がってきました!!あとは走る時間を作るという最も難しい課題が待っています(白目)。
追記:
念のためWolf Toothに直接問い合わせをしてみたところ、「君の場合はハンドルバー付近への組付けがオススメ」と回答をもらい、更に「Ferrule」と呼ばれるアダプタを送ってくれる事になりました!海外の個人ユーザーに誠実に回答してくれて嬉しかったです。コレは、ファンになりますね。。。
【自転車実験室】Wolf Tooth Tanpan SH-10の導入
私にとってのシクロクロス2016-2017シーズンは終わり、気持ちはすでに2017-2018シーズンです。
昨シーズンまでに体験したトラブルに対応するため、パワーやテクニックはトレーニングしかないわけですが、メカトラについては機材の見直しで改善できるのが自転車の楽しいところ。今まで私がシクロクロスで経験したメカトラ代表例は、単純に乗車テクニックが低いからですが、
・パンク
・チェーン落ち
の2種類です。落車してステムやハンドルの向きが変わった事もありますが、それはまた別の問題ですね…
パンクについては、IRCのチューブレスタイヤ「SERAC CX」を導入してから発生しなくなり、今までならパンクしていたであろう場面も持ちこたえてくれました。これは来シーズンも使い続けたい。
そしてもう1つがチェーン落ちです。
過去にも3回チェーン落ちを経験し、さらには2016-2017シーズン最終戦で盛大な単独落車をメイクしてチェーン落ちまでやらかした私としては、2017-2018シーズンはチェーン落ちの対策をしてから挑みたいところです。対策の一つとして上がっていたのが、今回のエントリの本題である「Wolf Tooth Tanpan SH-10」の導入です。
シマノのロード用シフトレバーでMTB用のリアディレイラーの変速ができるようになる、シフトワイヤーの引きしろを変換するパーツです。11速用の「SH-11」もありますが、我が家の自転車のドライブトレインは全て10速もしくはシングルなので10速用です。GEVENALLEのGXという手もあるのですが、ぶっちゃけ初期投資が高いので今回は見送りです。でもカッチョいいのでいつかは使ってみたい。
さて、Tanpanですが、マニアックなシクロクロッサーにはご存じの方は多いと思いますが、改めてまとめてみます。
◼︎シクロクロスにMTB用のリアディレイラーを導入するメリット
・ダンパー付きのリアディレイラーが使える
MTB用のリアディレイラーには、チェーンが暴れて落ちるのを防ぐためのダンパーが入ったモデルがあります。ダンパーをONにするとテンションプーリーの動きが渋くなり、チェーンが暴れる量を減衰しチェーン落ちの確率を低下します。
・ロー側の歯数が大きいカセットスプロケットが使える
MTB用のカセットスプロケットは、ロー側の歯数が大きく、最小ギア比を下げることが出来ます。シマノのMTB用のカセットスプロケットのロー側最小ギアの設定は32t。シクロクロス用でメジャーなインナーチェーンリングの歯数36tとのギア比は1.125。使い所は別にして強烈な設定です。
実は昨年5月に購入していたのですが、リアディレイラーの調達ができないままシーズンが終わってしまいました。未知の機材なので今から導入してクセを掴み、万全でシーズンインしたいのでこの時期に組み付けてしまう事にしました。
◼Culture Clubで組み付け
ついでにChrisKingのBBのグリス再充填もしたかったので、今回も昨年のオーバーホールで利用したCulture Clubのレンタルピットで組み付けです。
簡単な整備は自宅でこなしていますが、初のパーツの導入なので工具、ケミカルが十分に使えるのCulture Clubは、何かと便利なのです。
今回、ついでにホイールのフレ取り等実施し、3時間利用して¥4,500でした。
これを高いと取るかは価値観次第だと思いますが、
・作業で出た可燃、不燃ゴミは引き取ってくれる
・ケミカル、工具の不足なし
・不足パーツはその場で買える(特にワイヤーエンドみたいな小物)
・高価なSST(特殊工具)が借りれる
・作業中にスタッフと自転車談義ができる
・併設のカフェ「PFM」で食事ができる
等、私にはメリットが多いのです。ガチのメンテナンスで丸一日使っても¥5,000。頻繁に利用するのは難しいですが、決して高くはないと思います。
というわけで組み付けできました。
ちゃんと変速できています。
Tanpan以外のパーツの組み合わせは、
シフター:Shimano ST-5700(10速105)
リアディレイラー:Shimano RD-M675-GS(10速SLX)
カセットスプロケット:Shimano CS-HG81(10速11T-32T)
チェーン:Shimano CN-4601(10速Tiagra)
です。
組み付けについては、Wolf Tooth本国サイトのマニュアルが十分に詳しく、リアディレイラーの調整ができる方であれば何の問題もないと思います。問題は組み付けた後の変速調整で、Tanpanのプーリーにシフトワイヤーが馴染むまで少し調整の手間が必要でした。
◼組み付けてみた印象
想定外のメリットとしては、リアディレイラーのワイヤールーティンがスッキリしたことです。
私のシクロクロスバイクはシフトワイヤがトップルーティンのため、リアディレイラーのアウター受けがチェーンステーについています。Tanpanを実装すると写真のとおりアウターワイヤが短くなり、いかにも引っかかりにくそうです。キャリアダボにも干渉していません。
また、変速時のレバーの抵抗も、正確にはプッシュプルゲージを使わないとわかりませんが、そんなに気になりませんでした。
デメリットとしては、チェーンのテンションが高くなるので摺動抵抗(フリクションロス)が大きくなる事が上げられると思いますが、ロードレースと違ってもともと路面抵抗が大きいシクロクロスでは、低いギア比で十分相殺される印象です。
作業をした日は雨が降っていたので、ちょっとテスト走行したのみでまだ本格的に実走ができていません。次の週末はトレイルに走りに行きたい。
ただ、ホイールのフレ取りやハブのグリスアップ、ブレーキの調整などオーバーホールのレベルでメンテしたい項目が山盛り。。。
早くメンテナンスを終わらせて、次のシーズンまでの半年間しっかり走って成績につなげたいものです。来シーズンが待ち遠しいです。