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技術系サラリーマンの生活実験

【レースレポート】第1回エコパシクロクロス

2017-2018シーズンの東海シクロクロスは、第7戦の愛知牧場から最終戦のワイルドネイチャープラザまでは約1か月の空白があります。

 

我が家では遠征の費用と時間の問題もあるので、2017-2018シーズンは東海シクロクロス参戦に絞っていたのですが、さすがに間が開きすぎてレースの感覚が薄れてしまうので、最終戦前に何かレースに出走しておこうと目を付けたのが、今年第1回開催となる「エコパシクロクロス」でした。

 

bikenavi.net

 

■アクセス

レース会場である「小笠山総合運動公園エコパ(以下エコパ)」は、静岡県袋井市にあり、東名高速道路「袋井IC」から車で約15分、名古屋駅から計算しても2時間あれば十分到着できる好立地です。この日は6:15出発で、途中トイレ休憩をはさみましたが7:50には会場入りできました。関東からでも、東京より西側に在住の方であれば、かなりアクセスしやすい会場と思われます。

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また現地に着いてから知ったのですが、「JR愛野駅」から約1.5kmと駅からほど近く、天候が許せば十分輪行参戦が可能な立地と感じました。

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■会場

かつては日韓合同サッカーワールドカップの会場の一つにもなったというスタジアムを有する「エコパ」は、とにかく広い!愛知県でも西三河在住の方には、刈谷市の「総合運動公園」や、岡崎市の「中総(中央総合公園)」より広い、といえば伝わると思います。スタジアム以外にもサッカーコートが複数あったり、この日も地元のスポーツイベントと思われる来場者を多く見かけました。 

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広い・・・

 

公園の奥まで車を進め、「第10駐車場」に止めます。広いうえに舗装された駐車場です。当日は晴れでしたが、雨のレースになった時にこの駐車場はかなりありがたいと感じます。おそらく500人規模で参戦するレースとなっても、十分に全員収容できるのではないでしょうか。

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広くてきれいな駐車場。

 

土の駐車場で雨のレースの場合、駐車場からドロドロになるのでシューズもバイクも汚れまくりで、撤収が猛烈に大変になります。よく訓練されたシクロクロッサーはそんなことはモノともしない印象ですが、特に幼い子連れのシクロクロッサーには子供の靴や服が汚れる率が下がるので、大事な要素ではないでしょうか。

 

ちなみにこの日は快晴で、iPhoneで撮った写真だと分かりにくいのですが、駐車場から富士山が見えました。

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富士山が見えます!

 

特筆したいのは会場に設置されていた「ヒートブース」です。

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電気ポットにお湯が準備されている上、4tトラックの荷台にヒーターを入れて温めてあり、自由に入って体を温めることができました。外が寒かったのでこれは本当にありがたかった。本当はテントで設置する予定だったそうですが、当日はあまりに風が強かったのでテントはやめて、急遽資材を運んできた4tトラックで対応したそうです。準備が大変だったと思いますが、参加者への配慮がうかがえました。

 

飲食ブースは1店舗のみ。第1回開催で参加者が読めないこともあり仕方がないと思うのですが、腹ペコのライダーにはボリューム不足だったことと、ドリンク類が不足していた印象です。東海シクロクロスではBUCYO COFFEEブースで安く豊富に食事とドリンクが提供されるので、BUCYO COFFEEブースのありがたみを思い知りました。

 

■コース

コースは1周役3kmで設定されており、大変バラエティに富んだ内容で面白いコース設定でした。

引用:エコパシクロクロス公式

 

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ピット付近。舗装路区間が長い!

 

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通称「エコパの壁」写真の見た目より傾斜がきつい。

 

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林道もあります。砂利が浮いたダブルトラックで、テクニックの差が出ます。

 

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トンネルもあります。

 

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脇を乗車で抜けられる階段。

 

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キャンバーもあります。

 

コースディレクターは浜松市Kenichi Cycleの斉藤健一氏。「できる限りブレーキなしで走れるコースをイメージしたが、手伝ってくれた人がイジったので一部初心者には難しくなった」とおっしゃっていましたが、難易度的には上級者でも満足できたのではないでしょうか。私が確認している範囲では、1周をすべて乗車でクリアしたのは、2017-2018シーズン東海シクロクロス年間チャンピオンが確定している岩田祐樹氏のみでした。

 

■レース

「エコパシクロクロス」はAJOCCから独立したレースなので、参加カテゴリは自己申告です。「エキスパート」と「マスターズエキスパート」には賞金が出ます!

「エキスパート」の場合優勝は3万円。場合によっては参加費、遠征費、帰りの晩御飯代がカバーできる金額です。強いライダーに参加してもらってレースを盛り上げるのに重要な要素と感じました。

 

高校生以下のキッズカテゴリがなかったのですが、我が家を含めて何人か子供を見かけたので、次回はキッズカテゴリも検討いただけたらと思います。

 

今回は朝すこしゆっくり目に出発したかったので、午後からの60分エンデューロミックス(男女混合)に妻とエントリーしました。チームエンデューロは白秋の森バイクロアで妻も楽しさに目覚めたので参加にあたって不安はありませんでした。自転車のレースの中でもオフロードは、一般的には女性にとっては参加のハードルが高いと思われます。そんな中男女混合のチームエンデューロであれば「ちょっと1周だけ」が可能になります。オフロードに興味はあるけど、ガチガチのレースはちょっと、という女性にお勧めしたいです。レースの前日にエントリーリストを確認すると60分エンデューロミックスのエントリーは我々夫婦のみ(!)。レースは準備の段階から始まっていると言えると思いますが、今回はスタートラインに立った時点で勝利が約束されていたのです。

 

エンデューロはソロ、チーム、60分と90分が一斉スタートです。出走者には東海シクロクロス初代年間チャンピオンのがっきーもいました。ラップされるのは確実だったので、コース内で彼の走りが見れるチャンスがあるのでその点も楽しみでした。

 

今回、レース前にアップしておくつもりだったのですが、午前最後のエキスパートクラスの観戦が面白く、アップをする時間がなくなってしまいました。昼の試走の時にちょっと頑張ってみたのですが、イマイチ身体が温まり切らずにスタート。

 

当日は快晴でしたが風が強く、体感温度が低かったせいか太腿が固まってしまいました。走り出すと太腿の芯が硬くて脚が重たい。レース前のアップの重要性を改めて思い知りました。でも、今回はすでに勝ちが約束されているという初めての状況。順位を気にせずコースを楽しむことに集中できました。

 

スタートしてから3周走って妻と交代です。

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シクロクロスでは寒くても半袖にショートパンツと言うのが妻のスタイル。風が強い上、この時点で8℃という気温の今回のレースでは異常とも言えるスタイルにピットからも「半袖?」という声が聞こえます。私は長袖でした。

 

妻がコースの3/4周くらい走ったところで声をかけると返事がないので、「1周で交代」というのがわかりました。周回は足首に巻いた計測チップでカウントします。ピットに帰ってきた妻の足からチップを外し、自分の足首に巻きます。その間、今回は出走できない息子が自転車を支えてくれました。勝手にピットワークを覚えていっており心強い限り。この時点で残り時間が20分ちょっとあったので、1周10分以内で走れば後3周は走れる計算です。

 

途中で60分ソロに出走しているGreenCogの庄司店長(影武者)を発見!今回は負けへんで。追いついて「腰ポン」を決めました。

 

意外にも途中で妻の「もう1周走りたい」の声が聞こえます。1周でまたピットイン。妻と交代、6周回目に突入しました。今回通称「エコパの壁」と呼ばれる大きいキャンバーがコース内にあったのですが、キャンバーを上るということは下りがあるわけで、下りが怖い妻にとっては大きな課題でした。

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今回の「エコパシクロクロス」では2回とも乗車でクリア!課題克服です。後から聞くと「周りに人が少なかったから落ち着いて下れた」とのこと。第1回開催で参加者が少なめだったことが幸いしたようです。コース奥から妻の姿が見えてきたときにMCの「残りあと3分!もう1周いけるかな~」の声が聞こえます。「エコパシクロクロス」のMCは東海シクロクロスでおなじみのYKO氏。おかげでアウェー感もなくレースを楽しめました。

 

残り2分を切ったところで妻がピットに帰ってきました。交代して7周回目、寒さでまぁまぁ疲れてきていましたが、コースインすると楽しくなってきます。最後のストレートだけフルモガキしてみたりして、存分に楽しみました。

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 レース直後の私。相当楽しかったみたい。

 

■表彰式

90分エンデューロも終わって表彰式です。60分チームエンデューロミックスは我々だけなので、表彰台独占です。慣れていないのでYKO氏からマイクを渡されても何をしゃべったものかわからなくなりましたが、妻がきれいにまとめてくれました。

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商品はなんとイナーメのリカバリー用マッサージオイル! f:id:tkcx3110:20180224133335j:image

50ml入りを人数分で2本もらいました。これはうれしい!

2017-2018シーズンからイナーメのCXオイルをアップ用っとして使い始めていて、気に入っていました。それなりに高級品なので普段使いはキツいのですが、イナーメのオイルは香りも良く、レース前後の勝負オイルとしてこれからも使っていきたいです。

 

■レース後

90分エンデューロミックスに参戦していた浜松市の自転車店GreenCogの方々とは面識があったので(特に店長)アウェー感もなく、ホームレースのような感覚でした。レース後片付けを終えても15時前。早い。

晩御飯の前に、元Circlesスタッフの伊藤氏のお店Happy&Slappyに寄ってから、最寄りの「さわやか」で晩御飯です。

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最初は赤身に驚きましたが、くせになります。

 

もちろんげんこつハンバーグ!オニオンソースに胡椒を強めに振っていただきました。来るのは2回目ですが、レース後の空腹感もあってさらにおいしく感じました。たまらん。16:30入店で30分待ちました。日曜日ということもあり大変な混雑です。でも、待つ価値のあるお店だと思います。帰りも渋滞はなく、ちょっとスーパーに寄ったのに19:30に帰宅できました。早い。全然遠征感がない距離感でした。

 

レースを楽しんで、おいしいものを食べて、早く帰宅。充実のショートトリップでした。次回のエコパシクロクロス(開催を期待しています)は、晩御飯に夫婦思い出の店「中川屋」で「うなぎとろろ茶漬け」を食べたい。

 

■総評

「エコパシクロクロス」は、東海地方からのアクセスも良く、関東からも十分参戦を検討できる会場と感じます。コース設定も面白かったのですが、ポイントはスタートの舗装路区間。距離が長くとれるため、UCIエリート開催のポテンシャルが十分にあると思います。駐車場も広いし、輪行参戦も可能だし、天気が良ければ富士山も見えるので、外国人シクロクロッサーにもアピールしやすい会場ではないでしょうか。

 

運営が大変になるのは十分承知の上ですが、希望としてはショートコースを設定してキッズレースが組み込めると、我が家のような家族には大変ありがたいです。ぜひ運営には検討していいただけたらと思います。

 

素晴らしい休日を提供してもらえて本当に感謝です。来年もよろしくお願いします!

 

【書評】3年の星占い 魚座2018-2020 著:石井ゆかり

占いを信じる、信じないは人それぞれだと思うのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。自分を工業系のエンジニアであると自覚している私は、結構占いってバカにならないと思っています。

 

3年の星占い 魚座 2018-2020

3年の星占い 魚座 2018-2020

 

 

 

先日、リビングに妻(乙女座です)が買ったものが置いてあり、マメに読み返しているようでした。イメージでは星占いの本って毎年「2018年版」みたいな感じで1年単位で発行されていると思っていたのですが、3年分で区切ってあるのは珍しいと感じ、興味を持ったので私も買うことにしました。

ちなみに私は1979年3月3日生まれの魚座、アニオタであっても今はごく一部の人しか記憶していないであろう初代「ガンダム占い」では「ガンダムNT-1/アレックス」、チョバムアーマーを身にまとった連邦軍ニュータイプモビルスーツです。なお、妻は「ガンダム占い」では「ザク2型」で、「ポケットの中の戦争」をご覧になった方にはこの運命的な出会いを感じていただけると思います。めぐりあい宇宙。クリスチーナである私はすでにパイロットがバーニィだと分かっているので、あんな結末にはさせんよ。

 

 

さて、中年と呼べる年齢になってくると、1年単位で考えるのが難しい物事も多く発生してきます。未来に何が起こるかわかりませんが、少なくとも今年の1年だけではなく、その翌年のことも考えておきたくなるもの。3年単位の星占いを発行するというのは、商業的には毎年発行のチャンスをみすみす逃すことになるので、それなりの著者の意図が感じられます。

 

私の分も読んで、妻の分も読みましたが、全体を通して「共感的」な内容であると感じました。自分の今の状態や、考えに「共感」してもらうつもりで読んでみると、なかなかいいことが書いてあるな、と感じます。人に対しての共感する力が欠けているという自覚のある私としては、確かにこんな風に伝えてもらったら、その人の話も聞けるだろうなと感じました。

 

 

占いも結構バカにならん、という私の考えとしては、エンジニアリングにも「占い」の境地が必要と考えているからです。工業に関わっていない方だと、製品設計や計画には厳密な数字に基づいた判断がされているとイメージされるかと思いますが、実際には極限まで厳密な数字を追い込むことは難しく、ある程度の誤差は許したり、その誤差が積み上がった時に何が起きるのかどうしても判断できない場合があり、コイントスみたいな状態で決めて、事が起きてから対処する場合があります。

もちろん決められる事は事前に厳しく決めるのですが….

 

そんな時に使われる「エイヤで決める」という言葉があります。他の業種でも聞くようになったので、それなりに広まってきている概念だと思います。勢いで物事を決める、「人事を尽くして天命を待つ」とでも言うべきでしょうか。設計や評価をして、その時に生み出されるデータは重要な判断材料ですが、あくまで判断材料でしかありません。まだAIが全ての判断を下すディストピアにはなっていないので、判断材料を元に最終的な判断を決めるのは人間で、そこには感情の要素も含まれます。

やれるだけのことはやった上で判断を下す時に、祈るような気持ちで決めることは、人生においてままあると思います。そんな時に「今年のおみくじは大吉だった」みたいな要素が判断に入ってくるのは人間として当たり前の話だと思います。

 

判断や決断(同じか?)を下すには勇気が要ります。その勇気の一助として占いもバカにならんと考えているのです。そして判断を下した結果には、良くも悪くも何かが起きるので、行動するしかなくなります。前に進むには、決めて行動したほうがいい。悩んでいるときには占いの力もアリだと思います。

 

妻も私の分を読んでみて、今の私の状態に内容が合致していると感じたらしく、占いの内容で盛り上がりました。家族や友人のコミュニケーションツールとしての占いもアリですね。

 

なお、著者の石井ゆかりさんの公式ブログのタイトルはなんと「筋トレ」です。

最近トレーニングの効果が出てきて、シクロクロスでの走力が上がってきている私としてはタイムリーなタイトルで、一気に好感度が上がりました。

 

悩みがない方はほとんどいないと思いますが、そんな時の判断材料の一つとして、占いの本はいかがでしょうか。石井ゆかりさんの本は、私にはわるくなかったです。気になった方はぜひ手に取っていただけたらと思います。

 

 

【レースレポート】東海シクロクロス第7戦 愛知牧場Day2 C3

C3へ昇格を果たした前日の第6戦から一夜明けた1月21日。AJOCCにC4が設定されたシーズンにC4に降格して以来のC3でのレースになりました。

 

◼︎事前の準備

前日はとにかくボディケアに集中しました。

帰宅前にNAGARAのHASEさんから「今日はまだ飲むなよ!」と言われた事を守って祝杯は延期、自家製味噌で鶏胸肉を炊いた鍋をしっかり食べて、辻善光氏オススメの太白胡麻油をマッサージオイルに使ってマッサージ、水分をしっかり摂って早めに就寝です。

 

太白胡麻油をマッサージオイルに使うのは結構気に入ってます。マッサージオイルとして見ると安いし、調理にも使えます。匂いも全然気にならない。私が使い始めたら妻も使い始めました。オススメします。

竹本油脂 マルホン 太白胡麻油 300g

竹本油脂 マルホン 太白胡麻油 300g

 

 

 

◼︎レース当日

愛知牧場の駐車場に着いて誘導に従うと、前日と全く同じ場所に駐車できました。

今回は息子もキッズカテゴリで出走するので、まずその準備からです。C3に昇格して時間に余裕が出来たので落ち着いて準備ができました。前日走っているので朝の試走はせず、妻に落ち着いて試走してもらう時間を作りました。

 

愛知牧場ステージでは、朝の試走時間にトップライダーによるキッズの講習会が行われていました。正直大変良い試みと感じていて、子供達が楽しくコースを走れるのは、今のシクロクロスシーンだと大人が走る事よりも重要に感じました。

 

息子のレース観戦を楽しみ、CL2の妻のスタートを見届けてから出店していたSimWorksブースでローラー台を借りてアップしレースに挑みました。出走は11:40で気温が高く、手汗が激しそうだったのでノーグローブにしましたが、結果として良かったです。

 

◼実際のレース

今回ボディNo.は55で、昇格したばかりなので最後列スタートです。DNSがいるとはいえ出走者は50名超。スタートで前に出るのは無理だと諦める事にしました。

 

スタート後の第1コーナーは大渋滞で、全く前に出れません。とにかく落車しないように走りました。第1コーナー後もラインを外すと滑りやすく、前に出れず。ほぼほぼ最下位付近で第2コーナーへ進入です。バームのセクションを越えて下り、鉄塔からの登り返しから道幅が開けて来るので、前のライダーを抜かすチャンスが出てきます。少し路面があれていても、前が開いているラインを選んで全力で脚を回し、少しでも前に出るようにしました。

 

が、このあたりでリアディレーラ付近から異音が・・・・

 

何かがカラカラいっています。トルクを掛けたり、自転車をバンクさせると異音がします。下を向いてリアホイール付近を見ても枝などが挟まっているわけでもなく、正直何かわからない。でも、降りて状態を確認していたら前に出るチャンスは更に下がると思ったので、諦めてそのまま走ることにしました。

 

今度は下りに入ると、ヘッド付近がカタカタ言い出しました・・・

「やっぱりやらかすなぁ・・」と苦笑いです。

でも、やっぱり走っていると楽しくなってきて、とりあえず走れなくなるまで走る事にしました。

 

こうなるとどんどんテンションが上ってきます。

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Photo by Shunsuke Shibata 楽しくて吠える。

 

リアホイールをカラカラ、ヘッドをカタカタ言わせながら追走します。溜まった疲労は感じず、レースの負荷だけです。写真を見ると猛烈に苦しそう(実際に苦しい)のですが、なんというかすごく楽しい。

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Photo by Suguru Endo 勝手にライバル視しているU17の陸斗君と。

 

前日と違って下りは乾いた轍ができて洗濯板状態。ヘッドはカタカタ言うし、衝撃を逃がせない私の顎もカタカタ言ってとにかくビビリました。MTBのライダーの下りには全く着いて行けなかったです。轍は深く、コーナー内側にペダルがヒットする場合も何回かありました。

 

先頭集団には絡めなくても、後続にもレースはあります。抜きつ抜かれつの走りができると気分がアガります。愛知牧場はラインをうまく選べたら、意外と抜き所があるので面白い。

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Photo by Suguru Endo 苦しそうですがこれでも楽しんでます。

 コースが頭に入っていた事もあって、前日より無駄なく走れていた印象です。思った以上に脚も回るので体調も悪くなかったです。

 

 

シクロクロスではいろんな方が写真を撮ってくれて毎回楽しみなのですが、自分で見ても本当に苦しそうですね・・・こんな表情でも苦しさより楽しさが勝っているからスポーツって不思議なものです。

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Photo By Kanta Umeda 表情は苦しそうですが楽しんでます。

 

何人か抜かせましたが、順位がよくわからないままゴール。でも、気負いなく走れて本当に楽しかったです。勝ちに絡めなくても、レースは、シクロクロスは楽しい!

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Photo by Uki Nishihara まったくいい写真撮るなぁ・・・

 

ゴール後リアホイールを確認すると、リアディレーラーのインナーワイヤがスポークに当っていました。後輪のクイックの締め方が甘く、レース中にわずかに緩んでホイールが傾いてしまったと思われます。

またヘッド付近がカタカタ言っていた件は、前日のレース後にステムのトップキャップが少し緩んでいたので、考えなしに増し締めしたのが良くなかったようです。そのためカーボンフォークのアンカーが少し浮いてしまい、ヘッドのガタの要因になったようです。ENVEのカーボンフォークの組み付けには正しい手順が必要ということを知りました。

 

 

順位はC3から発生する「残留チケット」の基準には届きませんでしたが、67%だったので、次からも残留基準には絡めそうな気配です。以前より確実に早くなっている自分を感じます。それに今回は残留云々は関係ないので、これまでC4でシングル順位に絡みながら、友人が表彰台に登るのを嬉しいながらも指を加えて眺めていたのと比べると、気負いなく「追う立場」になれたのは本当に楽しかったのです。トップを走れるのは間違いなく最高の気分ですが、前にいる人を1人、また1人と抜かすのも気持ちが盛り上がってきます。

 

さらに嬉しい事に、前日のレースで熱い駆け合いをしたがメカトラで表彰台に登れなかったライダーが、愛知牧場Day2で昇格。また同じレースで走れるのが嬉しい。

 

そしてどこを走っていても、ライバル(勝手に認定)が見つかるのがシクロクロスだと思っています。次はそのライバルに勝って、表彰台の真ん中に登る目標ができました。

 

■まとめ

リザルト

出走:C3

順位:35/52位(67%)

タイム:32:19(+3:21)

 

・前日のC4の時のタイムと比較すると+0:12で、1周目でもたついて前日より+0:30だった分を吸収できている。コースに慣れたせいか前日よりペースが上がった。

・前日の疲労を持ち越さなかったのは上出来。

・レース前の自転車の点検が足りない。速やかに点検できるように項目を洗っておいたほうがいい。

 

 

次は私にとって大好きなコースである「ワイルドネイチャープラザ」。

決して「得意」というわけでは無いのですが、砂を乗車で越えられると最高に楽しいのです。走ったことがある方に理解いただけるかわかりませんが、「砂を越えた」というより「自分を越えた」感があると思いませんか?

 

 

◼おまけ

今回はCK1に小学2年生の息子が出走しました。

普段はシクロクロスには出ようとはしません。親が揃って積極的にレースに参加していますが、本人が走りたいと思わなければ走らないでいいと思うし、我が家は預ける先も無いので、むしろ親の趣味に付き合ってもらってありがたい限りです。

 

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Photo by Kikuzo レースを終えて。

 

息子の自転車は中古の20インチBMXレーサー。登りがハードな愛知牧場では、ギア比が合わないと正直キツいはず。スターティンググリッドでも「自分だけシングルスピードだ」とブツクサ言っていましたが、走り出すとなかなか熱い走りを見せてくれました。

登りで踏めなくなってからの降車の判断が早い事と、下りが上手い。

他のライダーが転んでしまったターンも上手くこなして、入賞はしなかったものの5/9位55%と大健闘でした。

 

帰りの車の中で下りが上手かった事を褒めると、「バイクはあまり倒さずに、身体を先にコーナーの出口に向けるんだよ」とコーナーの秘訣を教えてくれて絶句してしまいました。

 

コレ、絶対俺より上手いやつや・・・・

 

無理にレースに出したりしたことはありませんが、それでも2歳からストライダーで遊び、3歳のうちにペダルありの自転車に乗れるようになってしまった息子は、すでにテクニックでは私を越えるライダーに成長しているようです。自転車は楽しい遊びなので、自分のペースで大いに楽しんでくれたら嬉しいです。

 

今回の愛知牧場のキッズスクールように、子供が遊べる機会を作っていく活動をしていただけるのは本当にありがたい限りです。自分にできることは何か考えてみたいと思います。

【自転車実験室】カングーにヒッチキャリアを着けた話

PDWなど気の利いた自転車用品の問屋さんであるTKCプロダクションのブログを読んでから約4年近く経った今、最近東海シクロクロスの駐車場を見渡すと、結構ヒッチキャリアの着用率が高いのです。

2017年の各種イベント等を我慢して貯めた私のヒッチキャリア購入積立がついに火を噴き、我が家もついにヒッチキャリア導入に至りました。

 

シクロクロスMTBなどダートライドを楽しむようになると、自転車の車での輸送が問題になります。

我が家の車はRenaultのカングー(2010年式)。

後席を倒すと荷室が広がるので自転車もまあ積みやすく、現状運転手込み3人+3台の輸送が可能です。

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しかし悪天候のレースの後だと車内はドロドロになるし、頑張ると4人+4台の輸送ができるのですが、全ての自転車の前後輪を外すことになるのと、荷物が積みにくくなるので大変面倒なのです。

 

名古屋から東海シクロクロスへの参戦なら荷物も少ないので大した問題にはならず、「まぁなんとかなるか」で過ごしてきたのですが、2017年の白州の森バイクロアに参加した時に猛烈にヒッチキャリアが欲しくなりました。バイクロアのようにレースとキャンプを両方楽しむイベントになると荷物が多すぎて、あの手この手でパズルのように積み込むのですが、正直疲れました。

 

家庭平和の(主に私が楽をする)ために憧れのヒッチキャリアの導入です!

 

◼キャリアの選定

欲しいのはヒッチキャリアだったのですが、なにぶん高い買い物。それなりに悩みました。

車の外に自転車を積載するとなると、手段はルーフキャリアかリアハッチにベルトで留めるタイプのキャリア。カングーは全高が1830mmと高いため、いつかトンネルの天井に自転車をぶつけると思いルーフキャリアは却下。

リアハッチにベルトで固定するタイプは、カングーのリアは観音開きのため取り付けが超面倒。やはり理想はヒッチキャリアでした。

 

ヒッチキャリアにもいろいろありまして、TKCプロダクションのブログで紹介されているのはKuat の NV2.0。基本2台積載で、オプション装着で4台の積載が可能です。

 

多機能でかっこいいのですが、それ故キャリア本体が重たいし高価なのです。我が家は3人家族なので、基本3台積載できれば充分です。

・比較的軽い

・3台積載可能

・タイヤ固定タイプ(トップチューブ固定タイプはキッズバイクが載せにくい)

の条件で検討の結果KuatのTransfer3に決定!

(2台タイプのTransfer2もあります)

 

機能が絞られているためお値段もNV2.0の$629に対して$389と安価です。購入はアメリカのBackcountry.comでした。

年末の12/27に注文して、翌年の1/6に届きました。早い!送料は$100。高いと思いましたが20kg以上ある荷物をアメリカから送ってもらうんだから当然です。

輸送はUPSですが、UPSは土日が休みで平日しか配達してくれません。あらかじめUPSの日本法人にメールで追跡番号込みで連絡しておくとヤマト運輸に引き継いで、土日の配達に対応してくれます。これで土日の受け取りが可能になります。

 

◼ヒッチメンバの購入

ヒッチキャリアの取り付けで最大の問題は、キャリアを取り付ける「ヒッチメンバ」です。SUVなどには純正オプションがある場合もありますが、車種によっては車体に穴を開けたり、バンパの加工が必要だったり、そもそもワンオフの場合があったりとなかなか大変です。

 

そんな中、ほぼ無加工ボルトオンで装着可能なヒッチメンバを製造している会社が名古屋市の隣の大府市にあるではないですか!

 

ルノーカングー ビボップ ヒッチメンバー SUNROCKY 福伸工業

 

昭和を感じるホームページですが、注目はFAQです。情報量が多く凝り性な印象を受けます。同じ匂いを感じる…

 

ヒッチメンバFAQ SUNROCKY 福伸工業

 

すでに取り付け実績のある商品があるのがありがたい。何回かのメールのやり取りで、持ち込みで取り付けをお願いすることにしました。

 

ホームページに書いてある価格は、トウバータイプのトレーラに対応するためのヒッチボールと電源カプラ込みの値段です。今回の目的では不要だったので削ってもらいました。

また、通常は亜鉛メッキ(銀色になる)仕上げですが、バンパーの色に合わせて黒色塗装にしてもらいました。

 

◼ヒッチロックの購入

Kuat Transfer3に付いていたヒッチピン(ヒッチメンバからヒッチキャリアの脱落防止用のピン)は、ネジ締めしてコッタピンで脱落防止するタイプ。アーレンキー1本で取り外せてしまいます。

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そこで、盗難防止のため鍵で止められるタイプを購入しました。

 メーカーが違うのですが、Kuat純正は輸入しないと手に入りません。国内で流通しているものを探した結果これにしました。

 

注意したいのが、Transfer3はヒッチメンバの口金1.25インチと2インチ兼用になっているため、ヒッチピンを通す穴が、1.25インチ用に多くある3/8インチ用の穴になっています。

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外側の角形パイプを外すと1.25インチ角に対応できる仕組みです。公式には「3台積載時は2インチ角で使用すること」、とあります。

そのため、ヒッチロックは「2インチ角対応、ピンの直径は1.25インチ角用の3/8インチ」の物を買う必要があるはず。

新たに購入したのはAmazonで調達可能な1.25インチ角と2インチ角兼用のタイプ。軸にパイプを被せることで2サイズに対応しています。

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 ¥3,000でした。これで盗難防止のロックが…

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入らんやないかい!

仕方がない気もするのですが、なんと別のメーカの3/8インチのヒッチピンは入りませんでした。甘かった…

採寸するとTransfer3に付属のヒッチピンのネジ山部の方が、新たに購入したヒッチピンの直径より小さい…しかしKuat純正はアメリカからだと送料が結構かかるし頭を抱えてしまいました。

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・・・よく見ると先端部のコッタピンを付ける部分の形状が似ていますね…

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付きました!

新たに買ったヒッチロックの鍵部のみ付属のヒッチピンに取り付ける事で目的達成です!

マジで焦った。

 

新たにKuatのTransferシリーズを購入される方は、純正の"Lock kit"を合わせて購入される事をオススメします。

 

◼かかった費用

1.ヒッチキャリア本体:$389

2.ヒッチキャリア送料:$100

3.UPSの消費税:¥2,000

4.ヒッチロック:¥3,000

5.ヒッチメンバ:¥72,360

 ヒッチメンバ代内訳

 5-1.ヒッチメンバ牽引部品レス¥52,920

 5-2.黒色塗装¥8,640

 5-3.取付工賃(配線無し)¥10,800

 

合計するとシクロクロスのレースに使える自転車が新車で買える金額ですね…

しかし今乗れる自転車はありますし、新しく自転車を増やすより、自転車に乗ることを楽しむ装備に投資したかったので後悔はありません。

 

◼Kuat Transfer3のレビュー

 3台用なので流石にデカく、カングーに取り付けて3台積載するとこんな感じになります。

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まあまあ高めに設置できるので、アプローチアングルは稼げる感じです。実際まだコンビニ等のスロープで底打ちはしていません。

 

後ろから見るとこんな感じ。

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 700cの私のクロスバイクロードバイク、息子の20インチBMXを積載しています。

NV2.0では20インチの積載にはオプションが必要とのことですが、Transferではオプション無しで20インチが積載可能です。

積載の作業はとても簡単で、

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後輪を台に乗せてベルトで留め、

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前輪をこのアームで固定するだけです。慣れればあっという間にできます。

 

自転車を下ろして本体を立てるとこうなり、

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 後部のはみ出し量も少ないです。この状態で走行してキャリアが揺れてもリアドアに当たることは無かったです。しかしキャリアが揺れてカタカタいうので、そこが心理的に慣れるまで時間がかかりそうです。

 

 購入してからわかった最大の問題がこちら。 

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ヒンジが干渉してリアドアが開かないのです!

観音開きゆえの宿命ですね・・・ハッチバック車なら問題ないと思います。

 

実際に東海シクロクロス第5戦大野極楽寺公園と、第6戦、7戦の愛知牧場で使用しましたが、汚れた自転車をそのまま載せられるので片付けが大変楽なうえ、車内をフルに使えるので荷物の片付けや、着替えがしやすい!「カングーの車内って広いんや・・・」と今更ながら実感しました。

リアドアが開かない問題はありますが、車内の後部座席を倒すことでトランク部の荷物は取り出せるし、トノボードの上に着替え類を置けば十分な量が積載できます。

 

さらに車内に1台積む事が可能なので、4人4台の遠征も容易になりました。

 

こうやってヒッチメンバを付けると、他のキャリアも試してみたくなってきました。この1台だけで終わらなそうな予感がしています。

 

先日のレースで知ったのですが、知人がカングーにこのキャリアをつけていました。

トップチューブ保持タイプなのでキッズバイクの積載は厳しいのですが、何とギリギリリアドアが開くのです!

これは、ちょっと試してみたい。 

 

欲は尽きませんが、とにかくレース後の片付けが楽になり、大変有意義な買い物でした。 ご家族連れのシクロクロッサーの皆様、ニューバイクやニューホイールセットの購入を検討されているのなら、先にヒッチキャリアはいかがでしょうか。片付けが楽になって、レース会場で遊べる時間が増えること請け合いです。大いにオススメします!

 

【レースレポート】東海シクロクロス第6戦 愛知牧場Day1 C4A

東海シクロクロス第5戦大野極楽寺公園が終わった後、私の元にアメリカから荷物が届きました。

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私のシクロクロスフレームを作ってくれたフレームビルダーJeremy Sycipのオリジナルステムです。

100mm 、0° 。

自転車が完成してから丸4年経った今、私の中でポジションに解が見出され、ENVEのカーボンフォークをツライチでコラムカットするに至ったのです。フレームと同色でペイントしてもらったステムは、4年間乗り込んで退色したフレームと微妙に色が合わず、それがまた自分とこの自転車の歴史を感じて感慨深くなりました。

 

ニューステムで挑む初めてのレースは東海シクロクロス第6戦愛知牧場Day1。その日息子は小学校であるイベントへの参加を希望したため、久々の単独参戦。私のボディNo.はC4Aの2。

出かける時の妻の言葉は、「キッズレースの後すぐC4Aだから、このままだとDay2の段取り忙しくなるから昇格してね」でした。

 

前日の突発の残業で帰宅が24時付近になってしまい、普段しっかり眠らないとしっくりこない私としては、かなり重たい身体と頭を引きずって会場に向かいました。

 

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Photo by kikuzo

 この上ない快晴。今シーズンの第1戦は台風のためあいにく中止となりましたが、東海シクロクロスは全体的に天候が良い印象です。関西シクロクロスへ遠征していた時代は雨も多かったので、随分と印象が違います。

 

会場である愛知牧場までは我が家の最寄駅から乗り換えなしで行けるほど近く、自走、輪行で参戦が可能なほど。車でも早朝なら信号の繋がりが良く、一般道で30分弱で到着しました。

 

会場入りしてからの段取りは流石に慣れたもので、受付から準備を段取り良く進めます。試走して感じたのは「路面が重い」。愛知牧場は東海シクロクロス随一の高低差を誇るコースで、受付やBUCYO COFFEEブースがある位置から下側のコースはちょうど午前中太陽が当たらない区間です。水曜日に降った雨が柔らかい土壌にしっかり染み込み、適度な泥の登りが出来上がっていました。

 

招集直前の尿意でトイレからスタートラインに戻るともう招集は始まっており、ボディNo.2にも関わらずギリギリフロントロー右端に位置取りました。危ないところでしたがツイている。太陽が背中に当たり、C4Aとしては気温が高い。グローブは着用しましたがアームカバーはせず、インナーは夏用メッシュ。

 

いつの頃からか、スタート前は右のペダルに脚を乗せた後、貧乏ゆすりをするようになりました。スタート時のクランクの角度は私の中ではほぼ決まっており、角度を合わせてからはスタートを待つ間の貧乏ゆすりは何ともいえない気持ちになります。

 

ホイッスルと同時にスタート。

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Photo by Kikuzo

スタート直後は緩やかな砂利の登り。スムーズにクリートキャッチできて、第1コーナー付近までは先頭で進みます。

 

ぶっちゃけ路面がルーズなコーナーは苦手です。ビビリが入って大幅に減速し、4番手で第1コーナーに進入、4番手のままバームとパンプセクションをクリア、下って鉄塔下のターンで登り返します。朽ちたトラクター脇を越え、コース最高地点まで4番手のまま離されず着いて行けました。

 

「行けるかもしれない」

体重が重く、登りが苦手な私にとっては登りで離される距離を減らすのは重要な課題。

でもわずかに距離が縮まり、離されませんでした。脚が回っている"脚ごたえ"を感じました。木曜日に行った56Cycleのローラー教室で過去最高の仕上がりを感じたのですが、果たして今まで以上に脚が回っていました。

 

下りも、朝イチのレースで路面が乾ききっていないことが幸いしました。表面が乾いて砂が浮いた状態と違いタイヤが滑りにくく、むしろ離されるでもなく距離が詰められる。通称「ゴルゴダの丘」を越えて下側のセクションに入ったところで1〜3位パックでの争いになってきました。

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photo by Kikuzo 2位にいる・・・

 

後続から追い上げてきた選手が3番手、私が2番手で少し離れたところに先頭の選手がいます。ここから、3人での抜きつ抜かれつの戦いになりました。

 

2周めで私が先頭に。前に誰もいない状態でレースを運ぶのは初めての経験です。不思議な感覚でした。しかし体重の重たい私。「ゴルゴダの丘」の階段での消耗が激しく、一気に詰められてしまいます。またもコース下側で抜きつ抜かれつの展開に。

 

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Photo by Chiho Imai

苦しい「モーモー坂」の登り。シクロクロスで背中に相手の熱気を感じたのはこれが初めてでした。

 

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Photo by Chiho Imai

相手の呼吸を感じる本当に僅差の駆け合い。後ろを振り向いている余裕は全くありません。ブラケット上部を握る鬼ハン状態で姿勢を低く、トラクションが抜けないように必死にペダルを回しました。yko氏のMCでこれほど自分の名前が呼ばれた瞬間はないでしょう。自分にこんな戦いができる時が来ようとは…

 

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Photo by KIkuzo まさかのAJOCCリザルト入りの写真

東海シクロクロスは、本当に声援がスゴイのです。友人達の声援が響きます。私には、正直答えている余裕はありません。でも、本当に響くのです。

 

しかし最終周回、私にはもう脚は残っていませんでした。「ゴルゴダの丘」手前で抜かれ、その後追いつきそうにもなりましたが、泥状態に近かった登りで離されてしまいました。

 

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photo by Kikuzo

必死の形相で漕ぐ最後のホームストレート。そのまま2位でゴール。後ろを振り向いている余裕は無かったのでその時はわかりませんでしたが、結果として3位とは25秒離れていました。

 

出走38名 。2位5% 。念願だったC3への昇格が決まった瞬間でした。

ゴールしてから表彰台へ向かう途中、友人たちから祝福を受けました。

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Photo by Yuki Nishihara

すでにロードーレースやMTBで実績のある選手ならまだしも、一般のシクロクロッサーなら誰もが、自分が今いるカテゴリーで表彰台に登ることが、どれだけ難しいか知っています。

私の場合は4年かかりましたが、この4年間で得たものが噛み合ってきて、やっと形になったレースでした。思うにシクロクロスは、やはり運良く昇格できるものではなく、昇格できる時が来た時に昇格できるものだと感じました。

トレーニングがまともにできないシーズンもありましたが、辞めずに続けていて本当に良かった。これからもずっとシクロクロスを続ける事になるんだろうな、と思っています。

 

一つ悔いが残るとしたら、妻子にこの姿を見てもらえなかったこと。C3のレースでそれを見せるという課題が残りました。

 

◼Bike Spec

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フレーム:Sycip Bikes "ALL around CX"

フロントフォーク:Enve Composite CX

ステム:Sycip Bikes Original Stem 100m , 0deg

ヘッドセット:Chris King NTS 1-1/8"

ハンドルバー:SimWorks Misirlou Bar 430mm

デュアルコントロールレバーShimano ST-5700(105)

ブレーキ:Paul Component MINIMOTO & Touring Cantilever

千鳥(リアのみ):Tomii cycles Cable Hanger "Magic Beans"

サドル:Fizik Gobi

シートポスト:SimWorks Beatnik

ハブ:HB-9100/FH-9100(DuraAce) 共に28h

リム:Velocity A23/A23OC

スポーク:PhilWood Straight Gage #14

ニップル:PhilWood Brass

※ホイールは自作の手組み

フロントタイヤ:IRC SERAC CX Tubeless MUDセンターノブ磨り減り過ぎ

リアタイヤIRC SERAC CX Tubeless X-Guard

ボトムブラケット:Chris King ThreadFit 24

クランク:Shimano FC-5700(105)

ペダル:Shimano PD-M970(XTR)

チェーンリング:Wickwerks Z-RING 38t フロントシングル仕様

カセットスプロケットShimano CS-HG81-10(SLX) 11t-32t

リアディレーラー:Shimano RD-M670(SLX) with Wolftooth Tanpan 10s

 

4年掛けて、自分の試行錯誤の塊が詰まった自転車になりました。

はっきり申し上げて、全く最新のスペックとは言い難い自転車ですが、本当に自分のために作られた、自分の自転車になってきました。いまだ全く飽きることはなく、ずっと乗り続けていたい気持ちになる大事な自転車です。いつかC2に昇格して、C2上位に食い込むようなことがあったらシリアスCXレーサーを組む気がしますが、それでも私はこの自転車にずっと乗り続けるでしょう。

決して最新ではないが、自分が「好きだ」と思える自転車に乗って得られたシクロクロスでの表彰台は格別なもので、これがあるから辞められない、辞めたくないのです。さらに今回昇格までできたのは得難い経験でした。しかしある意味で悔しかった。次は、表彰台の真ん中でC2に昇格したい。今シーズンは最終戦を残すのみとなりましたが、来シーズンへ向けて更に工夫を続けたいと思います。

 

See you next stage!!

【レースレポート】東海シクロクロス第5戦 大野極楽寺公園 C4A

「色々やらかした」というのにふさわしい、年明け最初のレースになりました。

 

◼︎レースの準備

前日の1月13日(土)の夜は猛烈に眠くなってしまい、ウェアの準備がやりきれないまま22時位に寝てしまいました。早めに寝付いたので4:30にスッキリ目覚めるつもりだったのですが、どうにも起きれず4:45に。そこから大急ぎでウェアの準備をして出発です。

 

全く初めての会場なので、いまいち駐車場の入り口がよくわかっていなかったのですが、ナビ頼りで無事6:30に到着できました。

 

到着してから気がついたのですが、心拍計は持ってきているのにGarminが無い。

さらに、とりあえずグローブをまとめて掴んで持ってきたはずなのですが、鞄を探して出てきたグローブを見てみると、すべて右手側で全部違う!両手とも右手の男(J・ガイル)になってしまう・・・

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今回見つかったグローブ達・・・全部右手・・・

 

とりあえず試走の時は左手に右側のグローブをはめて走ったのですが、指先が冷たい!

というか突き刺す寒さで、グローブなしでのレースは考えられませんでした。

このまま両手とも右手で走るのか・・・と思っていたところに友人から救いの手があり、グローブを貸してもらえることになりました。本当に感謝。

 

今回から妻がCL2で走るため、レースは午前中。そのため会場での準備の余裕が少なくなりました。今回私はC4Aだったため招集は8:20。それに合わせてアップを済せたいところ。まずは私から試走に出かけます。

 

今回の大野極楽寺公園は東海シクロクロス初のステージで、誰もが初見のコースです。

さらに普段は一般客が多く訪れる公園との事で前日試走はできないため、コースが全くわからない状態でした。これが走ってみると面白い!キャンバーなども工夫をすると抜き所があり、多めに走っておきたくなりましたが、妻の試走も必要なため2周で終了。妻と交代してアップを開始しました。

 

やはりローラーアップはいい。回し始めは脚が重くて、筋肉の芯が固まっている感じがするのですが、徐々に芯が取れていく感じがします。

 

7:45から20分アップして、その後ゼッケンをつけて、汗を吸ったウェアを着替えていたら8:15。そうすると猛烈な尿意が。大急ぎでトイレに向かい、順番を譲ってもらってスタート地点に戻るとちょうど私のボディNoを呼ぶところ。遠くから声を出してなんとか招集に滑り込みました。

 

久しぶりのC4Aだった事と、妻のレースの準備に気を取られてすっかり時間の感覚が狂ってしまいました。完全にバタバタです。改めてタイムマネジメントを考え直さなくては。

 

◼実際のレース

ボディNo.4で招集に間に合ったのでフロントロー。今回は真ん中を選びました。土の路面はまだ水分が凍っているためか固く締まっていて、問題なくスタートできそうでした。ホイッスルと同時にスタート。

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上手く行きました。直線は完全に前に出ることができました。スタート時のギアの選択、クランクの角度、姿勢は自分の中で決まってきた感じです。しかし第1コーナー進入で滑るのが怖かったので減速しすぎた結果、3人に抜かれて4番手で進入。そのまま舗装路区間を抜けて、未舗装路に入って3回目の右コーナーに入った直後、ペダルからトルクが抜けた感覚が。

 

「チェーン落ちた」と気づいた時点でトルクの抜けた感覚から2周くらいクランクを回していて、足元を見るとクランクアームにチェーンが絡まっています。外側にチェーンが落ちてしまいました。私のクロスバイクはフロントシングルの設定で、フロントディレイラーが無いためチェーンが落ちきってしまい、クランクアームに絡まってしまったのでした。未舗装路に入った下りでほぼトップギアに掛けていたためチェーンのテンションが下がり、そのまま段差を上手くいなせ無かったせいでチェーンを落としてしまったようです。きちんとギアを選択していればしないトラブルでした。

 

落ちたチェーンを直している間にズバズバ抜かれて、顔を上げたときにはもうC4Aの選手はだれもおらず、CM3Aの選手の姿が見え始めていました。

焦って再スタートし少し走ると違和感が。未舗装路開始場所に戻ってきています。フォトグラファーKikuzo氏が「逆走!逆走!」と言いながら走ってきます。

 

切れたコーステープに気づかずミスコースし逆走してしまっていました。戻るにも混乱してしまってコーステープの切れ目に戻れず、結局未舗装路を最初からやり直すことに。さらに気が焦ってスリップダウンし落車。右肘が痛い。

 

昨シーズンのワイルドネイチャープラザの思い出が蘇り、

 

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状態で走り出したら猛烈にテンションが上ってきました。

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Photo by Kikuzo :この時点で最後尾・・・

 

最後尾から、とにかく前に追いつこうと猛然と走りました。走ってみると少しずつ追い抜かせました。もはや順位がどうなっているのかは全くわからない。とにかく前の人を抜かす。それだけ考えて走りました。

 

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Photo by Kikuzo :ほぼ一人旅。

 

予想以上に脚は回って、何人か抜かせると更にテンションが上ってきて、いつもより脚が回っている気がしました。多少腰が痛むけど気にならない。その頃には単純に走ることが楽しくなってきて、少し笑えてきました。

 

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Photo by Kikuzo :右側に落車しました。

 

2周目後半くらいで、年始の休みに教えてもらった「ダートで足を伸ばして乗る」という事を思い出し、乗り方を変えてみると1周目よりコーナーが曲がりやすい事に気がつきました。チェーン落ちした箇所でもチェーンステーがカチャカチャ言っていないし、運が悪かったのではなく、完全に乗り方が悪かったと納得。

 

走っていくとメカトラで止まっている人が意外といて、「自分だけじゃないな」と思いました。これ以降のレースでも結構パンクなどのメカトラが発生していたようです。なれないコースなのはみんな同じだったという事ですね。

 

4周回目位でSimWorksのもんじゃ氏を捉えました。「今何位!」と聞かれましたが「分かんない!」と返事してそのままパス。最終の5周回中盤過ぎた位で、1位がゴールしたアナウンスが聞こえました。もう勝てないのはわかっていたのですが、タレるまで走りきろうと脚は休めませんでした。

 

結局何位かわからないままゴール。全く勝ちに絡めないレースになりました。でも、コースは楽しかったし、追い上げられている自分の走力がアップしていることを感じて、かなり楽しかったのです。絶対速度が速いかは別にして、タレる感じはありませんでした。

 

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借り物のきれいだったグローブは、私の落車とチェーン落ちの修正でドロドロになってしまいました。さらには妻もそのままこのグローブを借りて夫婦揃ってお世話になってしまいました。これはさすがに洗っても返せない・・・いつか別の形で借りを返したい。

なお、帰宅してから荷物をひっくり返すと、私と妻のグローブの左手側がそれぞれ別のかばんから出てきました。すまんアキノリ…

 

妻のレースも終わってリザルトを確認すると、DNF含めて10/29位(34%)。最下位から19人抜かせていた事がわかりました。トップとの差は1:49。あのチェーン落ちとミスコースが無ければ先頭集団に絡めていたのに・・・と悔しくなりましたが、チェーン落ちしたのは私の責任。この経験を次の愛知牧場に活かしたいと思います。

 

■まとめ

リザルト

出走:C4A

順位:10/29位(34%)

タイム:31:03(+1:49)

 

・前日のうちにウェアが準備できるように次は気をつける。グローブ注意!

・リアがトップ側の時はチェーンテンションが落ちているので、チェーンが落ちる

 場合あり。今後要注意。

・追い上げできたから地脚は上がってきたことにする。

 

なんだか毎回やらかしている気もしますが、結局これが実力ということですね。とにかく練習しかありません。でも、今回の追い上げのペースで走れたら、次回の愛知牧場はトップ集団に絡める可能性があると思いたい。次こそ、次こそは・・・

【雑記】特定小電力トランシーバーを導入した

夫婦揃ってシクロクロッサーとなってしまった我が家の場合、親の我々は全カテゴリ観戦したいのですが、8歳の息子は観戦以外にも友達と遊んだり好きに過ごしています。この年頃の男の子は、ちょっと目を離すとすぐ行方不明になってしまうもの(息子からしたら私もですね)。ついつい観戦に夢中になって息子の姿が見えなくなり、焦ってしまう事があります。すぐに連絡が取れるように携帯電話を持たせるのも、月々の基本使用料や壊した場合を考えるとまだ早い気がする。

 

考えたあげく、スマホ全盛のこの時代に、「トランシーバー」を導入しました。4級アマチュア無線技士の免許を持つ私が中学生以来超久々に触れるリグ(無線機の事)は、Amazonで2個¥4,000強の超格安「特定小電力トランシーバー(以下特小)」となりました。

 

特定小電力トランシーバーとは

超ざっくり言うと、「パワーが弱いから無許可で電波を使っていいトランシーバー」です。定義としては空中線電力(アンテナから出る電波の強さ)が10mW以下の製品の事です。最近1番生活で身近な特小は「無線LANルーター」でしょうか。「無線LANルーター」はアンテナのパワーが十分に弱いので、個人が買ってきて無許可で設置できるのです。

 

なお、一般的なスマホの空中線電力は0.25W(250mW)以下。特小のパワーはスマホと比べると1/25のパワー、比較するとゴミみたいなものです。ここに、弱いパワー故のメリットがあります。

 

スマホの電波の話は総務省の以下のPDFに詳しいです。

http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/equ/mra/pdf/n02.pdf

 

◼買ったもの

 私が買った時でAmazonで¥4,190。付属品としてイヤホンマイクとベルトクリップがありますが、電池は付属しておらず、単4アルカリ電池が4本/1台必要です。なお、製品仕様によると電池の持ちは22時間。1回の交換でレース丸1日問題なく使えそうです。

 

本当は国産メーカーのものが欲しくて、テストのためにレンタルしようと思ったのですが、レンタル費も¥4,000くらいするので格安機を買うことにしました。

 

単4アルカリを入れて1台の重さはこんなもの。f:id:tkcx3110:20171226225129j:image

手に持つと思ったより軽く感じます。

 

 iPhone6s(ケース有り)と比較するとサイズはこのくらいです。

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◼メリットとデメリット

そもそも通話オンリーの「トランシーバー」を使った事がある人が少ない時代なのでざっくりメリットとデメリットを上げると、

●メリット

・端末が無線機の中では安い

・基本使用料とかがない

・チャンネルが合っていれば無線機のメーカーは問わない

●デメリット

・長距離通信は出来ない

・メールやショートメッセージは送れない

・チャンネルが合っていたら知らない人に通話を聞かれる

 

デメリットの3つ目は問題かも知れませんが、今時特小を使っている人がほとんどいないので、シクロクロス会場程度では問題ないと考えています。

むしろ大きなメリットは「電波が届けばボタンを押したらすぐ音声を送れる」ことと、「チャンネルを合わせている相手に一斉に送信」にあります。

 

通話時のアクションを考えると、私が使っているiPhone6sの場合、

電話をかける:ロックを解除して電話アプリを立ち上げ、連絡先から相手を選んで発信、相手が呼び出しに気づくのを待つ

電話を受ける:電話がかかってきているのに気がついたら画面の「通話」ボタンを押して、電話を耳に当てて話す

 という感じでしょうか。

 

これが無線機になると、

話す:PTT(Push To Talk)ボタンを押して、一呼吸置いて話す

受ける:無線機から出てくる音声を聞くだけ

というだけで至ってシンプルです。

無線機を使ったことが有る方のほうが少ない現代、このメリットは使ってみないとわからないと思われますが、フェス会場の警備員さんなどが無線を使っている事を考えると、電話では得られないメリットがあることも想像できるかと思います。

 

◼実際に使ってみる

今回の目的はトランシーバーを買うことではなく、シクロクロス会場で息子と連絡が取れるかどうかということ。

というわけで、シクロクロス会場でどれほど通信が可能か確認してみました。

 

テスト会場は2017-2018シーズンの東海シクロクロス第6戦、第7戦の「愛知牧場」。

昨シーズンの私の願いが通じたのか、今シーズンは何と1月20日と1月21日の2day開催です!

名古屋近郊の愛知県民なら誰もが知っている観光牧場で、東海シクロクロス随一のアップダウンと階段がある楽しいコースです。何とレース開催までの期間にコースの一部を開放している期間があり、試走がてらテストに行ってきました。

 

テストの方針としては、受付とBUCYO COFFEEブースが設置されるであろう東屋付近(下図中央の"受付"部です)から、コース内の応援しやすいポイントと思われる箇所と通信を試みました。コース図は東海シクロクロスホームページより引用しました。

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引用元:東海シクロクロス 

 

結果は以下の通りです。

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・・・なんの問題も無いやないか。

表の「CALLボタン」は無線機についている呼び出しボタンで、少しでも電波が通じると相手側の無線機に呼び出し音を鳴らすことができるボタンです。通話がろくにできない電波の届き方でも、「CALLボタン」に反応があれば相手側になんらか意思を伝えることができます。

 

特筆すべきはポイントEの「ジェラートが売っている建屋」です。レース会場の受付からはパターゴルフ場に隠れて直線的に見通すことができません。ですが、問題なく通話できました。無線機の常として、「問題なく通話」は「たまにぷつっと切れるときもある」ですが。

 

これなら、レース会場での息子と連絡に全く問題なく使えます。実際に使う時はイヤホンマイクをして、息子からの呼び出しがあった時にすぐに気付ける状態にする予定です。

 

今回購入したのは2台セットなので、もう1台購入して家族3名で運用を考えています。

追加の1台は子供の頃憧れだったicom製にしたい。

www.icom.co.jp

 

まだ携帯電話を持たせるには早い、と思われるお子様をお持ちのシクロクロッサーの皆様、お子様との連絡手段に「特定小電力無線機」はいかがでしょうか。

チャンネルさえ合っていれば機種問わず通話ができるので、子ども達同士の遊びにも使えるのではと思います。シクロクロス会場でコミッセールでも無いのに無線機をぶら下げていたら恐らく私ですので、質問があれば気軽にお声掛け下さい。

 

◼余談

ここからは完全に余談で、最近のアマチュア無線局免許なしで使える無線機について久々に調べて、いろいろ変わってきている事を知った事についてです。興味の無い方には全く役に立たない話です。

 

最近は局免許なしで使える無線機として、前述の「特定小電力無線機」以外に、「デジタル簡易無線機」と「IP無線機」の2種類が主流になってきているようです。

 

●デジタル簡易無線機

空中線電力(出力)5Wまでの無線機で、総務省へ届け出と、年間600円程度の電波利用料を支払えば使える無線機です。出力5Wと言うと携帯電話の約20倍の出力。高地など携帯電話の電波が通じない地域での通信にもってこいです。登山を趣味にする方は、パーティ内の連絡手段として有効なのではないでしょうか。

 

問題は無線機が高いこと。Amazonで確認しただけでも1台¥30,000近くします。

無線機は1台では運用できないので、まともに使おうと思ったら最低でも¥60,000は覚悟しないといけなくなります。ガチユーザー向けですね。

アイコム デジタル簡易無線(登録局)5Wタイプ IC-DPR6

アイコム デジタル簡易無線(登録局)5Wタイプ IC-DPR6

 

 

しかし出力5Wになってくると、複雑な建屋の中でも通信が可能になってきます。

以下のような記事を読むと機材好きには欲しくなってきてしまう・・・

k-tai.watch.impress.co.jp

 

●IP無線機

携帯電話キャリアの通信網を利用した無線機です。

 

IP501H おもな特長|業務用無線機器|アイコム株式会社

 

IP網を利用することになるので、携帯電話の電波が通じる地域であれば、チャンネルを合わせていたら全国(!)で通話ができることになります。問題は月額利用料がかかること。これもガチユーザー向けですね。

無線機の特徴は同報性、即時性ですので、オリンピックなど複数会場が分散するイベントなどで、主催者が使うのにベストな選択肢のような気がします。

これは買うより期間限定でレンタルするのが良さそうですね。

 

アマチュア無線を知っている身としては、国民の殆どが「携帯電話」という無線機を持ち歩く時代になったのは、普段から感慨深いのです。そしてこんな時代に、一方通行な通話に特化した無線機が無くならない理由を考えてみるのも、ガジェット好きには一興ではないでしょうか。