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技術系サラリーマンの生活実験

【自転車実験室】ホイール組み失敗談

今回は、実際に自分でホイールを組んだ時の失敗の話です。ホイールの組み方は調べればいくらでも出てくるので、そこは割愛します。

 

名古屋には、 CULTURE CLUBという、自転車に必要な工具全てを借りる事ができるレンタルピットサービスを提供している素敵なお店があります。

 

名古屋在住でまず手組みホイールに挑戦したい!という場合はCULTURE CLUBに行けば、いきなり工具を買わないで済むのと、工具の使い勝手を知る事が出来ます。スポークカットを自分でやらないのであれば(スポークカッターも借りれます)、自宅で落ち着いて仮組みしてから、振れ取り台を借りに行くと調子いいと思います。私はそうする事にしました。

 

◾️第1の失敗 - 振れ取り作業時間の見積もり

初めての振れ取り作業は、イメトレして行きましたが途中で混乱してしまい、思っていた以上に時間がかかりました。仮組が済んでいるから半日で終わるかな、と勝手に考えていましたが、休日は基本子連れの私、子供からの割り込みが入る度に記憶が飛んでしまい、予定していた持ち時間では終わりませんでした。1日自由時間が取れるなら、工具やケミカルの制約が無い上、アドバイスも受けられるCULTURE CLUBが断然オススメですが、初めての作業に時間制限があると厳しかったです。「おさるのジョージ」のレンキンス夫人はちゃちゃっとこなしていました。尊敬です。

 

対策:振れ取り台とテンションメーターを買う。

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 買いました。ミノウラの「FT-1 COMBO」とPARKTOOLの「TM-1」です。amazonでセットで¥17,000程度。振れ取り台にセンターゲージが付いてきます。PARKTOOL等の振れ取り台は、ハブを支持するアームがダイヤルで動かせてガッチリ固定できるのですが、高価で手が出ませんでした。
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 よくできているな、と思ったのは「縦振れゲージ」が思ったより見やすい事です。十分使える性能でした。これで毎日寝る前にコツコツ作業を進めました。
 
◾️第2の失敗 -テンションチャートの読み間違い
これは恥ずかしい。
テンションメーターの目盛りは、そのままスポークテンションを示している訳では無く、付属のチャートで値を読み替える必要があります。今回使っているスポークは、φ2.0のストレートスポーク。目標のテンションを「107kgf」とした時、チャートからは目盛り「24」となるのですが、ここで勝手に「表のタイトルは上側」と思い込んでしまい、誤ってφ1.8mmの時の値を読み取ってしまいました。

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結果、テンションダルダルのホイールが組み上がった事になります。「クロス用のホイールだから柔らかめ」と思っていた自分が恥ずかしい。
「目盛り24に対して21なんだったら、変動としては12.5%減だし大した事ないのでは?」という感じがするかもしれませんが、今回リアホイールは反ドライブ側のテンションをドライブ側に対して64%と設定していたので、
21 / 24 × 0.64 = 0.56 
となり、当初予定していたドライブ側テンションの56%のテンションとなり、横剛性の釣り合いが全然取れない事になります。
 
対策:思い込みを捨て、説明書をきちんと読む。
 
◾️第3の失敗 -作業用オイルの選定ミス
 リム穴とニップルの接点の滑りを良くする為、オイルを指すのがセオリーのようですが、初めてのホイール組みの際、家にあると思っていた「KURE5-56」は在庫切れでした。代わりに使ったのが家にあった「RESPOチタンスプレー」です。これが失敗でした。
このオイルは大変粘性が高く、摺動部にしっかい喰らい付いて、高い耐久性を保つのが売りです。ホイールが組み上がった後に脱脂はしたのですが、きっちりリム穴に残っていたようです。
恐らく残っていたオイルと、前述したダルダルテンションが原因だと思われますが、組み上がったホイールは実走1回で見事にテンションが緩んでしまい、ブレブレとなってしまいました。緩んだホイールを見ると、リム穴からまだオイルが染み出してきていました。
凄いよRESPO! 逆にRESPOに対する信頼感はうなぎ登りです。
 
対策:ラスペネかKURE5-56のような粘性が低く洗浄しやすいオイルを使う
 
 
以上の通り失敗を重ねましたが、ホイールはレースまでに組み上がり、当日はしっかり働いてくれました。
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Photo by Kikuzo
設計上では問題なかったとしても、実走で機能するのはやはり感動します。表彰台にも登れたし、こんなに嬉しいことはない...
 
これからも懲りずにまだ組む事にします!