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技術系サラリーマンの生活実験

震災に寄せて

311の震災以降、日本の中で大きく変わってしまった事と、それでも変わらない事がいろいろあって、震災に関するニュースやらを見ると複雑な気持ちになります。私は被災された方、特に亡くなられた方への言葉をうまく持ち合わせていません。生きている人が、笑って暮らせたら、という願いはあります。


 
私自身の話になりますが、私は兵庫県の西宮市出身で、1995年の阪神淡路大震災で被害を受けた地域です。私は当時高校1年生でした。
 
実家の被害は壁に亀裂が入った事、食器が全て割れた事、マンションのFRPの貯水槽が真っ二つになった事で、しばらく水が使えなかった程度でした。
祖母の家と叔父の家の母屋は全壊。みんな生きていたのは本当に幸運でした。
 
震災の備えてというのは、あれ以来かなり情報が揃ってきて、色んな記事を見るたび大変参考になります。今回は、震災に対しての私の備えを紹介したいと思います。
 
1.体を鍛える
震災の時に1番役に立つのは自分の体です。強い筋力とスタミナは、必ず役に立ちます。
我が家は断水したので、毎日浄水場へ水を汲みに行くか、マンションの貯水槽横の水道1つを全家庭で共有するしかありませんでした。水が入ったポリタンクは、重たいだけではなくバランスが取りにくい。全身の筋力の強さが求められます。私は疲れて1度水汲みが嫌になり、ふてくされて行かなかったことがあります。両親は私を咎めませんでした。体力にはそれなりに自信がありましたが、背負っている物が両親と違ったから、精神力が持たなかったのだと思います。これで体力が無かったら、もっと何もできていなかったでしょう。
今は、当時より体力は落ちたとはいえ、それなりの体力はキープしています。背負う物がある分、当時より動けるのではと思います。
 
2.寝室の家具を減らす
当時、父と母と妹は箪笥のある部屋で寝ており、父は倒れてきた箪笥から母と妹をかばって下敷きになってしまい、脱出できなくなりました。父は決して非力な人物ではなく、国体出場経験のある中量級の柔道家。当時40代半ばで、私は腕相撲で1度も勝てた事がない程でした。
その父ですら、荷物が詰まった箪笥の下敷きになると自力脱出できないのです。まず「家具の下敷きにならない」というのが大前提になります。
 
ましてや就寝中に地震が起きたら、とっさの反応は絶望的です。極力家具を減らすべきだと考えています。現在の家族の寝室には、ベルトで固定したドレッサーのみ。どの部屋で寝て、どの部屋で起きているのかで家具の配置を検討してみてはいかがでしょうか。
 
3.非常持出し袋に現金を常備しておく
非常持出し袋を用意されている方はいると思います。その中身に「現金」は入っているでしょうか?
 
震災発生直後の自宅周辺のコンビニや商店は、商品が散乱していて停電しているのに営業はやめず、地域のために商品を売ってくれました。問題はお釣りです。銀行が開いていないので、小銭とかが用意できない。お釣りが無いときに丼勘定で対応してくれた事もありました。地震でカオスになっても暴動や掠奪が起きにくい日本では、お金のやり取りが通じるので、相手の事を考えるとある程度の種類の現金を常備しておく必要があると考えています。
 
我が家の非常持ち出し袋に入っている財布の中身です。
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1000円札×10枚、500円玉×25枚、100円玉×50枚、10円玉×50枚。ポーチに入れてから防水のためジップロックに入れています。
2つの非常持ち出し袋にそれぞれ同じものを用意してあります。お釣りが大きくなるので、5000円札以上は入れていません。これだけの金額があれば何らかの方法で実家に避難が可能、もしくは銀行が稼働するまでの生活費の一部をカバーできるという見積もりです。
 
4.常にヘッドライトを持つ
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左:PETZL e+LITE。光量は小さいが点灯パターンが多く、赤色灯もある。ホイッスル、ケース付き。
右:PETZL ZIPKA PLUS。光量3段階と点滅が切り替え可。ダイニーマコードを引き出して使う。未使用時にコンパクト。
 
私が震災を経験した時は真冬のAM5:46。北側の部屋で真っ暗でした。部屋を出ようとしたがドアが開かず、停電でまわりが見えず、開かない理由も分かりませんでした。倒れた棚がドアに引っかかっていただけなのですが、見えないせいで気づけませんでした。住み馴れた部屋でそれなのだから、外出先の建物で日が出ていない時間に被災したら、明かりなしでは行動不能です。キャンプが好きな人ならご存じだと思いますが、明かりが確保できて両手がフリーになるヘッドライトは本当に強力です。私は、写真左のものを通勤用の鞄に常備し、右のものを普段の行動用の鞄に入れるようにしています。どちらもコンパクトで邪魔になりません。写真のものは現在ディスコンですが、後継機は販売されています。転ばぬ先の杖として是非。
 
 
震災について、自分以外の方のために尽力されている方々には本当に頭が下がります。私は自分と家族の事で精一杯です。でも、精一杯なので自分と家族の事を真っ先に考えて行動したいと考えています。そして、家族が全員協力できたら、その時は外に対しても行動できるはず。いずれ来ると言われている東海・東南海地震の時になるまで私の行動が結果を出すかは不明です。ですが、今後も考えてアイデアをブラッシュアップしていきたいと思います。