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技術系サラリーマンの生活実験

【映画評・ネタバレあり】オデッセイ 監督:リドリー・スコット

公開が終わるまでにどうしても見に行っておきたかった「オデッセイ」、大満足でした。猛烈に密度が高い原作のどこを削り、どこを映像化するのか、流石リドリー・スコット。ハズす時もあるけど、SF映画でハマると本当に見事な仕上がりでした。もうリドリーはSFだけ撮ってたほうがエエんちゃうかな。

 
映画を見た方はわかっていただけると思いますが、本当に笑えるシーンの多いハードSFだと思います。映画化された事で原作とは違う笑いどころがあり、飽きさせない。特にエンディングのイントロが流れたとき思わず吹き出したのですが、劇場で私以外笑ってなかったのでこらえました。

 

でも、この映画の元となった原作、「火星の人(現題:The Martian)」も大変素晴らしい小説なのです。
 
 
 
 
映画をすでに見ていて、面白かったと思った人に是非原作を読んで欲しくて、
・映画化にあたって削られたところ
・劇中映像化されているが解説が無いところ
・原作から変更された事
をピックアップしたいと思います。未だ気持ちが高ぶっていて、申し訳ありませんがまとまりがありません。
 
これ以降映画のネタバレありです。
 
 
 
◾️ワトニーとNASAのチャットで、「中継されているから不適切な言葉を使うな」と言われたワトニーが、「よーし」と送り返した文面は一体何だったのか。NASAのスタッフが「oh...」となったその文面は、私も原作で「こう来たか!」と思いました。
 
◾️アレス4のMAVに向かうローバーの天井に穴を開けて、上にバルーンを取り付けた理由は、明確な根拠があります。正確には「蓋をした」のです。劇中では解説されませんでした。
 
◾️「リッチ・パーネル・マヌーバ」の実行を決定した後のクルーの葛藤、特にヨハンセンの葛藤が劇中では描かれていませんでした。「リッチ・パーネル・マヌーバ」実行が失敗した時のためにクルーがNASAに秘密で用意したプラン、流石に映画でやると観客もどっと疲れてしまうと思います。削ったのは賢明だったと思います。
 
◾️MAVの燃料の確保の方法とは?地球から持っていくには重たすぎるそれをどうやっているのか。実際に検討されている方法で、本当によく考えられていると思います。アレスミッションはMAV無しでは考えられない。NASAの頭脳ヤバい。
 
◾️レクリエーションルームでのクルーの足取りが安定し過ぎている。描写が難しいのと、描いても観客には理解できないと判断して削ったと思われます。安定しない理由はヘルメスのサイズによります。
 
◾️セリフの再現度が高いです。あのユーモアあふれるやりとりは、原作だともっと密度高く楽しめます。
 
◾️火星探査機「パスファインダー」が壊れる描写がない。原作では、電気の知識があると納得できる、「パスファインダー」が壊れる描写があるのですが、どう考えても楽しいビジュアルになりませんでした。削ったのは賢明だったと思います。
 
◾️「アイアンマン」の採用。
 
 
 
...まだまだ書き足りないですが、いくらでも増えそうなので堪えます。未だ再び原作を読み返していますが、やっぱり本当に面白い。これはBlu-ray版も購入決定ですね!
 
原作は内容が専門的になりすぎている部分もありますが、パートが細かく分かれているので読みやすいと思います。是非に!