【自転車実験室】カングーにヒッチキャリアを着けた話
PDWなど気の利いた自転車用品の問屋さんであるTKCプロダクションのブログを読んでから約4年近く経った今、最近東海シクロクロスの駐車場を見渡すと、結構ヒッチキャリアの着用率が高いのです。
2017年の各種イベント等を我慢して貯めた私のヒッチキャリア購入積立がついに火を噴き、我が家もついにヒッチキャリア導入に至りました。
シクロクロスやMTBなどダートライドを楽しむようになると、自転車の車での輸送が問題になります。
我が家の車はRenaultのカングー(2010年式)。
後席を倒すと荷室が広がるので自転車もまあ積みやすく、現状運転手込み3人+3台の輸送が可能です。
しかし悪天候のレースの後だと車内はドロドロになるし、頑張ると4人+4台の輸送ができるのですが、全ての自転車の前後輪を外すことになるのと、荷物が積みにくくなるので大変面倒なのです。
名古屋から東海シクロクロスへの参戦なら荷物も少ないので大した問題にはならず、「まぁなんとかなるか」で過ごしてきたのですが、2017年の白州の森バイクロアに参加した時に猛烈にヒッチキャリアが欲しくなりました。バイクロアのようにレースとキャンプを両方楽しむイベントになると荷物が多すぎて、あの手この手でパズルのように積み込むのですが、正直疲れました。
家庭平和の(主に私が楽をする)ために憧れのヒッチキャリアの導入です!
◼キャリアの選定
欲しいのはヒッチキャリアだったのですが、なにぶん高い買い物。それなりに悩みました。
車の外に自転車を積載するとなると、手段はルーフキャリアかリアハッチにベルトで留めるタイプのキャリア。カングーは全高が1830mmと高いため、いつかトンネルの天井に自転車をぶつけると思いルーフキャリアは却下。
リアハッチにベルトで固定するタイプは、カングーのリアは観音開きのため取り付けが超面倒。やはり理想はヒッチキャリアでした。
ヒッチキャリアにもいろいろありまして、TKCプロダクションのブログで紹介されているのはKuat の NV2.0。基本2台積載で、オプション装着で4台の積載が可能です。
多機能でかっこいいのですが、それ故キャリア本体が重たいし高価なのです。我が家は3人家族なので、基本3台積載できれば充分です。
・比較的軽い
・3台積載可能
・タイヤ固定タイプ(トップチューブ固定タイプはキッズバイクが載せにくい)
の条件で検討の結果KuatのTransfer3に決定!
(2台タイプのTransfer2もあります)
機能が絞られているためお値段もNV2.0の$629に対して$389と安価です。購入はアメリカのBackcountry.comでした。
年末の12/27に注文して、翌年の1/6に届きました。早い!送料は$100。高いと思いましたが20kg以上ある荷物をアメリカから送ってもらうんだから当然です。
輸送はUPSですが、UPSは土日が休みで平日しか配達してくれません。あらかじめUPSの日本法人にメールで追跡番号込みで連絡しておくとヤマト運輸に引き継いで、土日の配達に対応してくれます。これで土日の受け取りが可能になります。
◼ヒッチメンバの購入
ヒッチキャリアの取り付けで最大の問題は、キャリアを取り付ける「ヒッチメンバ」です。SUVなどには純正オプションがある場合もありますが、車種によっては車体に穴を開けたり、バンパの加工が必要だったり、そもそもワンオフの場合があったりとなかなか大変です。
そんな中、ほぼ無加工ボルトオンで装着可能なヒッチメンバを製造している会社が名古屋市の隣の大府市にあるではないですか!
ルノーカングー ビボップ ヒッチメンバー SUNROCKY 福伸工業
昭和を感じるホームページですが、注目はFAQです。情報量が多く凝り性な印象を受けます。同じ匂いを感じる…
すでに取り付け実績のある商品があるのがありがたい。何回かのメールのやり取りで、持ち込みで取り付けをお願いすることにしました。
ホームページに書いてある価格は、トウバータイプのトレーラに対応するためのヒッチボールと電源カプラ込みの値段です。今回の目的では不要だったので削ってもらいました。
また、通常は亜鉛メッキ(銀色になる)仕上げですが、バンパーの色に合わせて黒色塗装にしてもらいました。
◼ヒッチロックの購入
Kuat Transfer3に付いていたヒッチピン(ヒッチメンバからヒッチキャリアの脱落防止用のピン)は、ネジ締めしてコッタピンで脱落防止するタイプ。アーレンキー1本で取り外せてしまいます。
そこで、盗難防止のため鍵で止められるタイプを購入しました。
メーカーが違うのですが、Kuat純正は輸入しないと手に入りません。国内で流通しているものを探した結果これにしました。
注意したいのが、Transfer3はヒッチメンバの口金1.25インチと2インチ兼用になっているため、ヒッチピンを通す穴が、1.25インチ用に多くある3/8インチ用の穴になっています。
外側の角形パイプを外すと1.25インチ角に対応できる仕組みです。公式には「3台積載時は2インチ角で使用すること」、とあります。
そのため、ヒッチロックは「2インチ角対応、ピンの直径は1.25インチ角用の3/8インチ」の物を買う必要があるはず。
新たに購入したのはAmazonで調達可能な1.25インチ角と2インチ角兼用のタイプ。軸にパイプを被せることで2サイズに対応しています。
¥3,000でした。これで盗難防止のロックが…
入らんやないかい!
仕方がない気もするのですが、なんと別のメーカの3/8インチのヒッチピンは入りませんでした。甘かった…
採寸するとTransfer3に付属のヒッチピンのネジ山部の方が、新たに購入したヒッチピンの直径より小さい…しかしKuat純正はアメリカからだと送料が結構かかるし頭を抱えてしまいました。
・・・よく見ると先端部のコッタピンを付ける部分の形状が似ていますね…
付きました!
新たに買ったヒッチロックの鍵部のみ付属のヒッチピンに取り付ける事で目的達成です!
マジで焦った。
新たにKuatのTransferシリーズを購入される方は、純正の"Lock kit"を合わせて購入される事をオススメします。
◼かかった費用
1.ヒッチキャリア本体:$389
2.ヒッチキャリア送料:$100
3.UPSの消費税:¥2,000
4.ヒッチロック:¥3,000
5.ヒッチメンバ:¥72,360
ヒッチメンバ代内訳
5-1.ヒッチメンバ牽引部品レス¥52,920
5-2.黒色塗装¥8,640
5-3.取付工賃(配線無し)¥10,800
合計するとシクロクロスのレースに使える自転車が新車で買える金額ですね…
しかし今乗れる自転車はありますし、新しく自転車を増やすより、自転車に乗ることを楽しむ装備に投資したかったので後悔はありません。
◼Kuat Transfer3のレビュー
3台用なので流石にデカく、カングーに取り付けて3台積載するとこんな感じになります。
まあまあ高めに設置できるので、アプローチアングルは稼げる感じです。実際まだコンビニ等のスロープで底打ちはしていません。
後ろから見るとこんな感じ。
700cの私のクロスバイクとロードバイク、息子の20インチBMXを積載しています。
NV2.0では20インチの積載にはオプションが必要とのことですが、Transferではオプション無しで20インチが積載可能です。
積載の作業はとても簡単で、
後輪を台に乗せてベルトで留め、
前輪をこのアームで固定するだけです。慣れればあっという間にできます。
自転車を下ろして本体を立てるとこうなり、
後部のはみ出し量も少ないです。この状態で走行してキャリアが揺れてもリアドアに当たることは無かったです。しかしキャリアが揺れてカタカタいうので、そこが心理的に慣れるまで時間がかかりそうです。
購入してからわかった最大の問題がこちら。
ヒンジが干渉してリアドアが開かないのです!
観音開きゆえの宿命ですね・・・ハッチバック車なら問題ないと思います。
実際に東海シクロクロス第5戦大野極楽寺公園と、第6戦、7戦の愛知牧場で使用しましたが、汚れた自転車をそのまま載せられるので片付けが大変楽なうえ、車内をフルに使えるので荷物の片付けや、着替えがしやすい!「カングーの車内って広いんや・・・」と今更ながら実感しました。
リアドアが開かない問題はありますが、車内の後部座席を倒すことでトランク部の荷物は取り出せるし、トノボードの上に着替え類を置けば十分な量が積載できます。
さらに車内に1台積む事が可能なので、4人4台の遠征も容易になりました。
こうやってヒッチメンバを付けると、他のキャリアも試してみたくなってきました。この1台だけで終わらなそうな予感がしています。
先日のレースで知ったのですが、知人がカングーにこのキャリアをつけていました。
トップチューブ保持タイプなのでキッズバイクの積載は厳しいのですが、何とギリギリリアドアが開くのです!
これは、ちょっと試してみたい。
欲は尽きませんが、とにかくレース後の片付けが楽になり、大変有意義な買い物でした。 ご家族連れのシクロクロッサーの皆様、ニューバイクやニューホイールセットの購入を検討されているのなら、先にヒッチキャリアはいかがでしょうか。片付けが楽になって、レース会場で遊べる時間が増えること請け合いです。大いにオススメします!