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技術系サラリーマンの生活実験

【レースレポート】東海シクロクロス第7戦 大野極楽寺公園 C3

「暑すぎた一日」でした。

1月2日にインフルエンザA型を発症してから3週間半。体調はすっかり戻ったといいたいところですが、まだ呼吸器に少し違和感が残ります。インフルエンザ怖い。昨シーズンC4でチェーン落ちから逆走という大幅タイムロスを経験したこのコース。事前情報ではかなりテクニカルになったとのことでした。正直相性はよくないコースです。しかしC3で勝手にライバル認定した方も増えてきて、シクロクロスがますます楽しくなってきています。今回も大いに意気込んで参加したのですが・・・

 

 

■事前の準備〜メンテナンス

・ブレーキを「左前」にした

1月2日にインフルエンザA型を発症し、家族から隔離されて布団の中で正月休みを過ごすことになった私。それなりに寝込みましたが、起きている間は暇なので、Kindle Fire  HD8インチでの映画鑑賞を楽しみました。「デッドプール 2」を連続で2回見たその夜、熱にうなされる夢の中でユアン・マクレガーの如くトイレから仄暗い水の底へ落ちた私は、水の底でモリーナ・バッカリンに出会い、「ブレーキを左前にせよ」とお告げを受けました。色々混ざってました。

 

ブレーキ左前。つまり自転車のフロントブレーキを左レバーに割り当てるという事ですが、何故か日本ではマイナ(なはず)です。かくいう私もこれまでブレーキは「右前」でした。しかしこれまでのシクロクロスで、以下の観点からブレーキ左前の方が良いのではとボンヤリ感じていました。

・後輪ブレーキを利き手で繊細にコントロールしたい。

・フロントブレーキはそこまで「ガツン」とかける事は無い。(握力が弱い左手にフロントを割り振ってもよいかも)

 

と言うわけでブレーキを左前に変更しました。

変更前

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変更後

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乗って確認した結果最終的にはワイヤをクロスさせる形に落ち着きました。

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ワイヤリングは初めてのパターンだったので取り回しはだいぶ悩みましたが、変更前と比べてヘッドバッチが正面からハッキリ見えるようになり個人的には満足行く仕上がりになりました。これで調子良ければ来シーズンは「日泉ケーブル」で仕上げたいです。ワイヤリング変更からレースまで1週間。自転車通勤をワイヤリングを変えたシクロクロス車に切り替えて、通勤中に公園や河川敷に寄って走りを確かめ感覚を慣らしました。

 

・チューブレスバルブにねじロック剤を塗布した

レース2日前の金曜日の朝、自宅前の下り坂を下っていたところ前輪のエアが抜け出しました。触ってみるとペコペコ。自転車を押して下ってきた坂を駆け上がり、階段4階の自宅へ駆け上がってバイクチェンジ。普段の通勤用自転車で仕事に向かいました。レース前からメカトラでピットインとは幸先悪い。

帰宅後前輪を確認してみるとすっかりエアが抜けビードが落ちていました。シーラントも漏れてる。エアタンクで空気を入れるとビードは問題なく上がります。パンクの原因を特定するため、家族全員風呂に入った後の残り湯にホイールごとタイヤを突っ込んで「水調べ」です。結論、バルブホールからエアが漏れていました。これまでの使用でバルブの根元が緩んできていたようです。オフロード走行をするため激しい振動が起きるので確かにバルブは緩みやすくなるはず。レース前に気づけて良かったです。

しっかりバルブが固定されてエアが抜けないことを確認してから、固定ナット緩み止めのおまじないとして「ねじロック剤」を塗布しました。

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ねじロック剤の代名詞「LOCTITE」。あとで緩められるように「222低強度タイプ」です。

 

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バルブ固定ねじに塗布しました。紫色のがそれです。少し待ってから余分な分はふき取ります。個人的なチューブレスタイヤの取り扱いノウハウがまた一つ増えました。

 

 ■レース前日

普段通っている自転車店Circlesの「シクロクロスクリニック」に家族で参加しました。

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シケイン越えを練習する息子

普段はレースに出ない息子もみんなで遊ぶ感覚が楽しいようで、練習会では積極的でした。本人が出たがらない限りはレースに出すつもりはないのですが、練習会の後は「次のレースは出てみようかな」とのこと。私自身も大変練習になったのですが、心臓を追い込まないテクニック練習はライダーのレベルが混在していてもみんなで楽しい練習ができるので、初心者のハードルを下げる良い会だと感じました。

 

■レース当日

・レース前

5:00起床で5:30出発です。途中コンビニに寄っても一般道で1時間半弱で到着できます。大野極楽寺公園は駐車場とコースが近いので焦らず行けます。夜が明けてきた7:00ちょい前に到着できました。車もBUCYO COFFEEブースのすぐ近くに止められて申し分なし。受付を速やかに済ませてBUCYO COFEEEのコーヒーを飲みながら試走時間を待ち、試走開始です。走ってみるとコースは難しく、そして面白いコースに仕上がっていました。東海シクロクロスのコースレイアウトでは最もテクニカルなコースといえるのではないでしょうか。試走は大渋滞。バックストレート側の階段は私のテクニックでは登れなくなっていました。しかし今年は霜が降りておらず、路面が乾いています。去年は霜が溶けた後路面がグズグズになったのでありがたい。

問題は寒さです。今年もタイミングよく寒波がやってきたので、霜は降りてなくても猛烈に寒くなることが予測されました。暑がりの私ですが中年になってくると寒さのダメージが全然抜けなくなってきます。今回はしっかり防寒対策をすることにしました。

 

今回導入した新兵器がこちら。

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オーダージャージのサンボルトの「ウォームアップパンツ」です。

store.shopping.yahoo.co.jp

 

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この通り側面のジッパーを全開にする事で、シューズを脱がずにタイツが脱げます。スタートギリギリまで脚を保温できます。Facebook のタイムラインに流れてきた時から気になっていたのですが、迷っているうちにLサイズが売り切れになっていました。ところがレース前の水曜日に56Cycleにトレーニングに行くと、56さんから「齋藤さんのために最後の一着取っておいたから。大野極楽寺で要るでしょ。買っていきやぁ!」と一声。買いました。

試走からアップ、レース寸前まで履きっぱなしだったのですが、適度な厚みで本当に快適でした。問題は我が家にとってはシクロクロスでしか役に立たないこと。妻からは「夫婦でシクロクロスやっていなかったらこんなモノにお金出すのは理解できなかった」との一言。全くごもっとも。

 

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Photo by @cappellitto

今回C3の出走時間が変更になっているので少し焦りました。脚にオイルを刷り込みローラー台でアップ開始です。それにしても寒い。脚も芯が固い感じです。しかし脚の固さは無視して心拍を上げることに集中してアップ。心拍が上がり切った後に少し休んで再び心拍を上げます。15分弱でアップは完了。気温は低く、風もそれなりにあったのでインナーは長袖に。これが失敗でした。コースがテクニカルで下手な私は落車の恐れが十分あったのでアームカバーを装着。上着をダウンジャケットに変えて招集を待ちます。

 

・実際のレース

今回はボディNo.16で2列目。今シーズン初めて2列目に並べました。うまくスタートできれば前に出るチャンスがあります。遅れなく招集を終わらせ2列目一番右のグリッドに入りスタートを待ちました。自分の実力通りの走りしかできないのに、スタート前はいつも本当に緊張します。スタート2分半前にジャケットとウォームアップタイツを脱ぎました。

ホイッスルでスタート。

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Photo by youka_0045 完全に出遅れ・・・ 

今シーズン初めてスタート直後に左足のクリートがうまく嵌りませんでした。周りはぐんぐん加速していきます。心の師匠の教えである「クリートが嵌ってなくてもペダリングして前に進め」の言葉を忘れずとにかく進みます。1列目の選手はあっという間に前方へ。クランク4回転くらいでやっとクリートが嵌り加速開始。20番手くらいで第一コーナーに侵入しました。

左前に設定したブレーキは調子よく、コーナリングスピードを調整しやすかったです。これは今後も続けてみます。しかしそれにしてもコーナーが難しい。少しスピードを乗せるとアウト側に膨らむし、侵入とスピードコントロールが問われるレベルの高いコースに感じました。テクニックに自信のあるライダーでも十分に楽しめる作りと言えたのでは。

しかし一周目は渋滞もあってペースが上がらない上に、妙に「掛からない」。

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Photo by youkan_0045 気合の乗ったライバルにあっさりパスされる。

4列目スタートだったライバルにもあっさりかわされます。

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Photo by youkan_0045 「あっ、抜かれちゃった・・・」

バックストレート側の階段を上ったところの平地は本来私は掛けまくらないといけないところだったのですが、全然足が回らず、前のライダーからどんどん離されます。なんだろうこの感じ。

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Photo by @cappellitto 背景を見るとグループライド中か?というくらいあっさり抜かれています。

 

バックストレートを終えて下り始めたあたりでやっと違和感の正体に気づきました。

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Photo by @cappellitto バックストレート後の下り。ベストラインを求めて。

「暑い」のです。朝からぐっと冷え込んでいたのですが、なぜかC3のタイミングだけ太陽がばっちり出てきてぐんぐん気温が上昇。無茶苦茶暑くなってきていたのでした。私のインナーは起毛気味のロングスリーブ、さらにネックウォーマー(取るのを忘れていた)をしたままだったので暑すぎました。パワーはまぁまぁあるけど体重が重たすぎる私は発熱量が高い。新手のスタンド使いの攻撃であっという間に老化してやられるパターン。

坂を下ったあとのキャンバーを越え、公園の外周路に入って思い切りペダルを回したあたりでやっと気力が戻ってきました。

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Photo by youkan_0045 キャンバー苦手です。

2周目でライダーもばらけて走りやすくなってきて、やっとペースアップです。それにしても暑い。暑さで顔がゆがみます。ネックウォーマーの存在には気づかない。何とか1周目で抜かされたライバルをパスし、やっと全力走行に入れた感じになりました。しかし自分が全力で走れるということは他のライダーも全力ということ。常に背後に誰かの激しい息遣いとチェーンの擦れる音や変速の音が聞こえます。ここからは意地の走り。4周目の坂の下りもインを攻めるつもりでしたが内側から追い込んできたライダーに弾き飛ばされまっすぐ下ることに。

 

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Photo by Kikuzo 愛知牧場より階段の段差が低く登りやすい。

 

走っているとバイクを押しているライダーを結構見かけました。ありがたく追い抜きます。大野極楽寺公園では全カテゴリーでメカトラを見かけました。メカトラには気を付けて走っているつもりですが、自分でなくてよかった。抜かされた分だけメカトラのライダーを抜かした感じで何とかゴール。

 

レース後少し落ち着いたところでジャケットを着こみ、妻の招集に向かいました。そこで「暑かった」という話をしている最中にネックウォーマーをしたままということに気が付きました。ネックウォーマーを外すのを忘れるくらい緊張してしまうとは・・・

今回落車への恐れでアームカバーはしましたが、インナーはメッシュの夏用で十分でした。ネックウォーマーなどもってのほか。私のシクロクロスは基本薄着で決まり、ということがよくわかりました。

 

 レース後のタイムを確認すると、

1周目 6:50.8

2周目 6.25.2

3周目 6:28.8

4周目 6:31.1

と、いくら渋滞したとは言え一周目のタイムが遅すぎです。2周目と25秒差とは・・・どれだけ掛かっていなかったのか丸わかりです。そして難易度の高いコースだったことでバイクコントロールの下手さがモロに出ました。練習した結果がそのまま出ているだけなのですが、限られた時間でバイクコントロールの練習をうまくやれていない自分に反省です。順位%は43%。うーんイマイチ。このままでは全然勝てる気配がありません。

 

■リザルト

カテゴリ:C3

順位:22/51位(43%)

タイム:26:2615(+2:09)

 

■まとめ

 ・自分に厚着は向かない。薄着でGo。でもレース前は体を冷やさないように。

・バイクコントロールの差がはっきりわかるコースだった。来年も挑戦したい。

 

■余談

自分の結果はイマイチだったわけですが、この日はうれしいことがたくさんありました。C4AでずっとボディNo.1を背負っていた友人がついに優勝し昇格したこと。初めて彼と遭遇したのは何年前だったかの各務原アウトドアフィールド。同じC4で落車で絡んだことを覚えています。この日の走りはまさに「勝つ」走りでした。ついに再び同じレースを走れることになりました。

朝の試走では「下りが怖くて乗れない」と半泣きだった妻がレース中に覚醒し下りを克服、レース後に「今までで一番楽しいコースだった」と言っていたこと。妻はもともと大の運動嫌いなのですが、シクロクロスで「できなかったことができるようになる」というスポーツの喜びを見出しました。帰りの車はずっとその話になりました。ちなみに妻は自分のスタイルとしてジーンズを履いて走っているのですが、レース中ずっと56さんが私に「奥さんにレーパン勝ってあげやぁ」と言っていたのが印象的でした。今回妻がうまく走れた要素に、CL1、CL2、CL3が混走のレースになったことが上げられると思います。自分より早い男性ライダーと同時に走るよりも女性とのほうが安心して走れたとのこと。今後もこの形式にしてもらいたいです。

 

次戦は東海シクロクロス終戦、大好きなワイルドネイチャープラザの2回目です。前回の反省を生かして少しでも上位に食い込みたい。今から楽しみです。