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技術系サラリーマンの生活実験

【自転車実験室】ヨンパチ組みで26インチMTBの後輪を組みました

私はとにかく自転車のホイールが組みたいのです。狙ったスポーク長で上手く組めると嬉しいですし、振れがだんだん取れてくる微調整がまさに振れ取りの醍醐味ですし、組んだホイールがカッチョ良く仕上がって自転車と組み合わせた時に見た目がキマったらたまらんわけです。問題はそんなにホイールばっかり増やせない事。単純に収納場所に困るし、使わないホイールに意味はありません。ホイール組みを趣味にするとここが問題になってきます。悩ましい。

 

さて、前回魔改造されたFOXの15mmスルーのフォークのために、15mmスルーの前輪を組んだのですが、今度は後輪です。前輪の15mmスルーに対して後輪は未だにQRのエンド。2010年モデルのフレームですから当然ですが、まだ買い換える気は無いのでこのままです。

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前回の状態

■スポーク長の計算

ホイール組みを自分でやってみるとすぐに気がつくのですが、多段変速の自転車の後輪は、通称「オチョコ」と呼ばれる問題のため大変組みにくいのです。カセットスプロケットが組み付くドライブ側とその反対側でハブのフランジからリムの穴までの角度が極端に変わってしまい、組み上がる時のスポークテンションがドライブ側と反ドライブ側で大幅に変わってしまうのです。そのためドライブ側のスポークテンションはカンカンなのに、反対側はフニフニ、という事が起きてしまいます。特に11速化したロードハブに顕著です。そして、それを可能な限り是正する手段としてホイールの左右で組み方を変える「異本組み」というテクニックがあるわけですが、私は普段ドライブ側4本組み、反ドライブ側6本組の「ヨンロク組み」にしています。これを反ドライブ側8本組みにしてみたら、どれだけ効果があるのか気になって来ました。

 

実験的に計算してみると、

 ロクロク組:反ドライブ側テンションがドライブ側の62.0%

 ヨンロク組:        ↑         63.8%(+1.8%)

 ヨンパチ組:        ↑         65.8%(+3.8%)

と、上記の結果になりました。ヨンロク組みよりもヨンパチ組みのほうが僅かに反ドライブ側のスポークテンションが高くなります。しかしロクロク組で組んだ場合とその差3.8%。正直やる意味無いかなとは思うのですが、実験的にヨンパチ組みで組んでみることにしました。

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計算は、前回ERDをカタログスペック通り組んだほうがよさそうな結果だったので、ERD = 540mmとし、さらに補正値としてそれぞれ-1mmずつ短くしました。これで

ドライブ側:254mm

反ドライブ側:271mm

となりました。早速Circlesで注文です。

 

■組んでみた

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組めました。ヨンパチ組み、青アルミニップルです。

 

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反ドライブ側のスポークは狙った通りの長さで組めましたが、

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ドライブ側はニップルのほぼツライチ、反駆動側と比べて1mm長かった印象です。前回の前輪の結果をもとに計算結果から1mm短くしましたが、ドライブ側は2mm短くしても良かったようです。次回に反映する事にします。

 

今回初めて8本組みも実施しましたが、結論としては「26インチ32hではやらない方がいい」となりました。

以下の写真をご覧ください。

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スポークの頭に隣のスポークが被っています。

写真手前側から通したスポークの頭に、写真奥側から通したスポークが被っています。リム径に対してフランジ径が十分に小さくないとこうなりそうです。走る分には問題ないでしょうが、スポークを1本だけ交換したい時に超面倒な事になってしまいます。それを考えると今回ローター側を8本組みにしたのは総合するとあまり意味が無かった感じです。これだったら別にロクロク組みでもいいように感じますが、どのみち左右でスポーク長が変わってしまうので、組みやすさから次の機会ははヨンロク組みとしたいと思います。

 

■自転車へ組み付け

今回の後輪はQRのため、ローターもカセットスプロケットも同じロックリング工具で組み付け可能です。タイヤも、GiantのControlTankでスムーズに組み付けできました。エア漏れはありませんでしたが、しばらくするとサイドウォールから所々シーラントがじんわり染み出してきました。

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シーラントが染み出してきました。

装着しているタイヤ「MAXXIS IKON」はノブが低めで転がりが良く、そのくせグリップも良くて軽い、という素敵なタイヤです。が、軽さゆえにサイドウォールが薄く、トレイルで引っ掛けた部分にピンホールが開きやすいようです。シーラントの効果を目の当たりにしました。

 

嬉しくなって組み上がった翌日の通勤で早速乗ってみて、近所の公園で写真を撮ってみたりするわけです。

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近所の公園にて

これで前後とも見た目が揃って引き締まった雰囲気の足回りになりました。何というか、今時(?)な雰囲気になった気がします。こういう時に差し色になってくるシルバーのクランクで良かったなと思います。ますます買い換える気がなくなりました。早くトレイルで走りたい。

今回前後とも星スポークの新作「Wing Star」を使ってみましたが、色味が気に入りました。写真だとうまく撮れませんが、太陽の下だとイイ色合いなのです。走行中に前輪に目を向けると、ちょうどスポークの残像で色が目立ち、見た目の満足度が高いです。売りの耐久性はこれから使ってみて確かめますが、もう1セットこのスポークでホイールを組んでみようと思います。