【レースレポート】TXWC2019に参戦しました。~準備編
去る2019年8月5日(月)の夜、私は仕事の疲れで朦朧としたままリビングのソファに座り込み、Facebookのタイムラインを眺めていました。馴染みの自転車店Circlesがシェアしていた「TXWC2019」の情報に目が行くと、反射的にエントリしてしまいました。
「トラッククロスワールドチャンピオンシップ2019」。固定ギアの自転車でシクロクロスを走る「ちょっとおかしいんじゃないですか?」というレース、そのワールドチャンピオンシップが日本で開催されるとは。
参加資格はブレーキ無し固定ギアの悪路走行用自転車を用意すること。私は固定ギアの悪路走行用自転車を持っていません。しかし、自転車の事は後から考えるとしてコレは参加する意義があります。だって「ワールドチャンピオンシップ」やぞ。
乗るしかない、このビッグウェーブに。
■トラッククロス用自転車の選定
勢いでエントリしたものの、肝心の自転車がありません。手持ちの自転車を改造して何とかしたいところ。手持ちから考えられる手は
・シクロクロスバイクを固定ギア化する
・通勤用のピストにシクロクロス用タイヤを履かせる
の2択でした。流石に新たに自転車を買うのは収納場所も資金も余裕なしです。前者は最近オーバーホールが完了したばかりで、ディレイラーを外すのが面倒だし、エンド幅130mmの固定ギアの後輪が必要です。
後者である私のピスト、SOMA FABRICATIONSのDELANCEY(廃版)は、写真の通りフロントホークのタイヤクリアランスが25cでこの隙間なので、33cくらいのタイヤが履けません。
しかし後輪のクリアランスを確認すると、意外とあります。
これは・・・いけるんちゃうか、ということで昨年のシクロクロスで使った「IRC SERAC CX」 を履かせてみると、
このクリアランス。で、
エンドに対してアクスルの位置が真ん中くらい。
「イケる・・・」
後輪が入るとなったら、前輪はホークをシクロクロス用に差し替えればよいことになります。これで方針は
「通勤用のピストのホークをシクロクロス用に差し替えて対応」
に決定しました。
そうと決まればさっそく確認です。昨シーズンのシクロクロスで使ったENVEのカーボンホークはCHRISKINGのヘッド用下玉押しを付けたまま眠らせてあるので、それに差し替えることにしました。
しかしホークの差し替えには1つ懸念がありました。私のホークは、コラムスペーサなしのツライチでカットしてあるので、私のピストのにはコラム長が足りない可能性があります。測ってみると、
ヘッドチューブ長が100mm、
ステムのコラムクランプ長が45mmです。
対してピストのヘッドチューブ長は
110mmでした。10mm足りません。
しかしシクロクロスもピストもCHRISKINGのヘッドパーツを使っているので、今より10mmコラムクランプ長が短いステムを使えば行けることになります。一般的なステムだとコラムクランプ長は40mm程度なので、それよりも可能な限り短いステムを使えば、今回のTXWC2019はしのげそうな気がしてきました。これはステムが重要パーツです。
■部品の準備
部品代にあまりお金を掛けられないので、中古部品を扱うCultureClubで部品を調達です。主な調達部品は
・コラムクランプ長40mm以下のステム
・小さいチェーンリング
です。どちらもハードル高め。
ギア比については、通勤用のピストに用意してあるギア比は最小で46t/16tの2.875。過去にギア比2.2のシグルスピードで腰が崩壊したことがある私としてはもっとギア比を下げたい。しかしピストのクランクはPCDが130mmなのでそんなに小さいチェーンリングは付けられません。ドキドキしながらCultureClubに向かうと、薄歯用だが39tのチェーンリングと、コラムクランプ長38mmでステム長80mmのステムが見つかりました。チェーンリングが39tなら、コグを20tにすればギア比1.95で良さげな気配。買いました。ステム、チェーンリング共に¥800で、合計¥1,600。これにアマゾンで¥1,500でグランジの20tのコグを買って合計¥3,100。
妻のMTBから外されて眠っていたanswerのハンドルと、数年前にTKC productionsのテイスケさんからおまけで貰ったまま眠らせていたグリップも追加して部材がそろいました。こんな値段でワールドチャンピオンシップと呼ばれるレースに出ようとは・・・
■自転車の改造
部材が揃ったらさっそく工事の開始です。
もともとピストについていたスチールのホークを抜き、手持ちのENVEのカーボンホークに上玉押しを押しこもうとしました。
・・・入らない。
どれだけ頑張っても入りません。ハンマで打ち込むのはやめました。
私のピストに付いているCHRISKINGのヘッドは2005年製。現行のヘッドと違って、上玉押しが一体型です。現行品はある程度コラムの太さを許容できる作りになっているのですが、この時期のものはシビアでした。ENVEのホークのコラムはもともとの鉄ホークのコラムより若干太いようで、2005年製CHRISKINGのヘッドの上玉押しは入りませんでした。途方に暮れていましたが、もともと鉄コラムのホークが刺さっていた訳で、「鉄のコラムなら入るかもしれない」と思い至り、シクロクロスの鉄ホークを試してみると上玉押しが入りました。
「イケる・・・」
こうなればカーボンホークはあきらめ、鉄ホーク対応で決定です。
心配していたコラムクランプ長もこの通り何とかなりそうです。
結果、こうなりました。
前輪には昨シーズン使っていたシクロクロス用のホイールに、江上商店の江上代表から譲ってもらった「WTB NANO 40c」で対応。後輪のホイールは通勤号そのままにタイヤだけ「IRC SERAC CX」に。
ハンドル周り。
チェーンリングは39tです。
コグはグランジの20t。チェーンはもともと使っていたものを2コマ詰めるだけで対応できました。何とかなっちゃいました。
・・・何とかなっちゃってるかどうかは実際不安ですが、これで行くしかありません。
不安を抱えつつも、レース当日を待つしかありませんでした。
~つづく~