【自転車実験室】干渉するサドルバッグをなんとかするパーツを作った話
ここに2つの大型サドルバッグがあります。アメリカのカリフォルニア州発,"OUTER SHELL ADVENTURE"の"Drpper Seatpack"と"Expedition Seatpack"です。どちらも昨今のバイクパッキングに合わせて設計された大型サドルバッグで,めちゃカッチョイイので発売した当時にどちらも買ってしまいました。いろんな意味で今の私にはどちらも買えません。買える時に買っておいて本当によかった・・・

"Drpper Seatpack"は公称10.5L,"Expedition Seatpack"は公称16.0Lとどちらも大容量です。しかし何かと荷物が増えがちなバイクパッキングでは,容量が大きいことも武器になります。

私のシクロクロスに大きい方の"Expedition Seatpack"を装着した場合が上の写真です。

こんな感じでタイヤとサドルバッグの間に十分なクリアランスがあります。

容量が小さい"Drpper Seatpack"ならタイヤとサドルバッグのクリアランスはだいぶ余裕があります。
さて,SDA王滝グラベル部門に出場したり,キャンプツーリングするために2022年に組んだグラベルロードにこのサドルバッグを装着すると,"Drpper Seatpack"ならタイヤとサドルバッグ間に十分な余裕がありますが,

"Expedition Seatpack"を装着するとタイヤとサドルバッグが干渉してしまうのです・・・

シクロクロスとグラベルロード,どちらもオフロードを走ることを目的にしたバイクですが,そのキャラクタは明確に差があり,曲がりくねったショートコースを走るシクロクロスに対して,不整地の長距離を想定したグラベルロードでは,ハンガ下がり(BBハイト)が低くなります。私の足の長さは変わらないので,BBハイトが下がると自然とシートポストの突き出し量が短くなり,タイヤサイズが700×33cまでと規定されているシクロクロスに対し,700×40c以上,下手すると700×50c以上を履くグラベルロードではタイヤ外周もシクロクロスより大きくなり,サドルとタイヤのクリアランスが狭くなることになります。
サドルバッグを買った時にはシクロクロスバイクしかなかったので,どちらも装着できて何も問題なかったのですが,新しく組み上がったグラベルロードには"Expedition Seatpack"を装着することができず,「大きいサドルバッグも使いたいのに・・・」とずっとモヤモヤしていました。
3年近くモヤモヤしていましたが,今年2025年についに解決策を思いつきました。それが以下の写真のパーツです。3Dプリンタで印刷しました。材質は安価なPLA,赤いほうで黒く見える部分はt=1.0mmのエラストマーシートです。

なんと名付けたものか決めかねますが,目的は「シートポストはそのままに,サドルバッグのベルクロをシートポストに巻き付ける部分を,バイク後方にオフセットさせる」というものです。
2025年1月,私は念願の3Dプリンタを購入しました。 ” Bambu Lab”の"P1S"という多色印刷用AMSがセットになったモデルです。セールで12万円強でした。

少しずつ練習しているフリーの3D CADソフト”Free CAD”でモデリングして,

”Bambu Lab”の標準アプリで印刷します。

これがなかなかの印刷精度で,今回M5のナットを埋め込む部分はJISの呼び径通り9.2mmで作ったのですが,ぴったり収まりました。

写真右側がシートポストをオフセットさせた位置を想定しています。右上の角を落としているのは,とんがっているとサドルバッグへ突き刺さる感じだったためです。ここらへんの形状の最適解はまだ経験不足でわかりません。とりあえず,といったところ。
ここからは見た目がわかりやすいのでこのまま赤い方で組み付けますが,4mmのアーレンキーでシートポストに組み付けます。私のグラベルロードはシートポストアングルが74°で,それに合わせて天地が水平になるように作っています。

3Nくらいでボルトを締めたら十分な感じです。全然動きません。シートポスト径φ27.2mmに合わせて設計しましたが,思った以上にしっくりはまります。
あとはサドルバッグのベルクロ部を隙間に通して,


固定すれば完了です。

この通り,無事タイヤとサドルバッグの間にクリアランスが生まれました。これで私のグラベルロードでも"Expedition Seatpack"を使えます!
黒いほうで"Expedition Seatpack"を装着してみました。シートポストが黒いので,遠目に見ると目立ちません。ボルトとナットを黒にすればより目立たなくなると思います。

アイデアがうまく形になって満足していますし,個人で樹脂整形品を気軽に製造できるようになって本当にイイ時代です。市場に出す製品としては耐久性が不明ですが,私個人で使う分には全く問題ありません。少しでもサドルバッグに余裕がある方がパッキングも楽になりますし,お土産を詰める余裕もできるというものです。足の短い私ならではの悩みでしたが,こういう隙間パーツで解決できると気分がいいものです。3Dプリンタも少しずつノウハウが溜まってきて,もうちょっと他の目的のパーツも作れそうです。次はボトルケージにチャレンジしてみようと考えています。
復活した大久保そば(山形県天童市)に行ってきた

2023年の11月に惜しくも閉店となりましたが,先代の娘さん夫婦が引き継ぎ3代目として復活し,たまたま天童市に行く機会が訪れたので,しっかり食べに行って来ました。自身としては5年ぶりに訪れた「大久保そば」は変わらない味を提供しており,気分よく過ごすことが出来ました。天童市に訪れる機会があったらぜひ行ってほしい蕎麦の名店「大久保そば」,その個人的な食レポです。
所在地
「大久保そば」は山形県天童市の象徴とも言える「舞鶴山」のふもとにあります。ガチ古民家のその建物は,「大久保そば」のルーツである山形県村山市大久保から移築されたと言われるもので,ちょっとやそっとでは出せない風格があります。村山市大久保も蕎麦所で,いわゆる名店が各所あります。村山市にも蕎麦を食べに行きたい。
メニュー

メニューにある「板そば」が一般に知られるざるそばと違うところです。

杉の柾目の浅箱で提供されるこのスタイルが村山市をルーツにする蕎麦屋の特徴で,いわゆる「田舎そば」。ふすまの香りも高く,黒く,太く,硬い。

つるっと啜る,というより「食べる」と言ったらいいのでしょうか。とにかく食べ応えがあります。今回は大盛りを注文。昔盛りの分量は確か2食超えだったはず。天童のそば通は昔盛りをさらっと食べます。

蕎麦を頼むと茄子の漬物が付いてきました。経緯は把握していませんが,山形ではこの青い茄子の漬物は定番で,甘いような苦いようなしょっぱいような独特の風味があります。晩飯を食べた天ぷら屋でも同じような漬物が出ました。
蕎麦は蕎麦で食べたかったのですが,サイドメニューも外せないのです。
特にイチオシなのが店の前にあったノボリにも書かれている「昆布巻き」です。

身欠き鰊を昆布で分厚く巻いたこの昆布巻き,この分量で¥600です。すごいボリュームなので注文するなら二人で1つ,三人で1つでも良いでしょう。

昆布の層が大変分厚いのですが,しっかり煮込まれているためか大変柔らかく,あまり抵抗なく歯が通ります。味付けは意外にもあっさりで甘辛さは控えめです。食べ切れない場合は持ち帰りも可能ですし,単品で購入することもできます。私はこの昆布巻きが大好物で,これだけ食べるなら独り占め,かつこれだけで丼飯3杯はいける勢いです。

まあまあの健啖家を自認している私ですが,今回一人では食べ切れなかったので,2切れだけ持ち帰りその日のおやつになりました。
今思えばもう一つ買って帰ればよかった・・・
さらに定番サイドメニューのゲソ天。¥300は安い。

塩は振ってあるのでそのままいけます。柔らかく,香ばしい味わい。これでビール飲み始めたら止まらないでしょうけど,「大久保そば」ではビールは提供していないのである意味安心です。今回はとりチャーシューまでは辿り着けませんでした。誰かシェアする人を連れてこないと・・・
蕎麦をワシワシと堪能していたら,先代が蕎麦湯と一緒に茄子の煮浸しとだだちゃ豆を持ってきてくれました。

なんでこんなに天童の料理は茄子が溢れているんだろうか。そのあたりはまだわかりません。そして枝豆の王である「だだちゃ豆」。独特の匂いと大ぶりでコクのある味わい,私の幼少期には山形県でしか食べられないと言われていましたが,流通の改善で他の地域でも食べることができます。が,高価です。しかしとにかくうまい。山形に来るとモリモリ食べられます。ビールのつまみはこれだけで良いと言える大変美味な枝豆です。
これだけモリモリ食べて会計は¥2,100でした。安い。
店内
私が入店した時は満席でしたが,食べ終わる頃には客がはけていたので少し店内の写真を撮りました。

ベビービョルンのバウンサーが置いてあったり,

子供向けの絵本やおもちゃの棚があります。

実際座敷が広いので,赤ん坊も転がしておけます。5か月というお子さんを連れたお客さんもいらっしゃいました。乳児を連れた場合は座敷のある飲食店は大変便利で,さらにお店もそれを歓迎している空気も感じます。乳児連れで外食したい方にも大変お勧めしたいところです。

「たづえで」は山形弁で「つかまって」の意味。
細くてつるっと行くタイプの蕎麦も好きですが,私はこの黒く,太く,硬い食べごたえのある蕎麦が一番好きです。会計時に「変わらぬ味を提供します」と力強い言葉をいただきました。これからも末長く営業していただきたい。
山形県天童市の「大久保そば」は,老舗としてのスタイルが確立された蕎麦屋ですが,今代のやる気も感じられる地域密着の蕎麦屋です。天童市内には他に有名店「水車そば」もありますが,個人的には天童市で蕎麦屋といえばやはり「大久保そば」をイチ推ししたい。代替わりしてもその空気は失われず,ナイス蕎麦体験を得ました。ぜひ蕎麦好きに食べに行ってほしい,そんなお店です。
おまけ:舞鶴山
大久保そばがある舞鶴山は天童市名物「人間将棋」の将棋盤がある山ですが,その本体(?)は山頂にある大ケヤキにあります。

私は天童市にきたら必ず訪れる場所で,大ケヤキの脇にある展望台からは天童市が一望できます。

山に囲まれた街です。2024年は異常に暑いせいで,10月半ばというのに紅葉が見えません。

「人間将棋」の盤面にはマスの記載があります。この見た目が結構好き。
【レースレポート】2023年9月SDA王滝100kmグラベル
2022年9月に初めてSDA王滝42kmグラベル部門に出走してから1年,今年もSDA王滝の季節がやってきました。昨年は42kmに出走したので,今年はさらなるアドベンチャーを求めて100kmにエントリしました。しかし昨年のSDA王滝のあとからはうまくトレーニングの時間を確保できず,プヨプヨの体になってしまいました。体はプヨプヨになった上に昨年よりもハードな距離に挑もうとしている以上,相当に過酷なレースになることは目に見えていたのですが,それでも走ってなんとか完走することができました。
走り終わっての正直な感想は「もう二度とグラベルで100kmは走らない」ですし,おすすめできるかというと「やめておいた方がいい」です。体が出来上がっていない自分が悪いのですが,自転車を趣味にし始めて過去イチできつい体験になりました。これを書いている今も全身がガタガタで,キーボードのパームレスト柔らかいやつで良かったと思えるくらいです。しかし過去イチきつい体験をしたからにはしっかり記録に残し,もしSDA王滝グラベル100kmに出てみようかな,という奇特な方の参考になればと思います。なるのかな。
■装備品
以下の写真は昨年度の42kmに出走した時のもので,その時と基本的な装備は変わっていませんが,少しだけアップデートされています。

①ウェア類
(1)パッドが分厚いグローブ
グローブは新調しました。昨年に激しい振動で手を痛めたので,少しでもマシになるようにパッドの分厚いグローブに。カステリを選んだのは特に理由はなく,買いに行ったときにちょうど良さそうだったのがこれだったというだけです。赤く引いてあるゴムがバーテープやブラケットとなかなか相性良し。右端は昨年使ったGIROのもの。普通に使うぶんには何も問題ないのですが,今回はとにかく手のひらを保護するためのパッドが欲しかったです。

②自転車の装備品
今回はあえてボトルケージを外し,自転車にボトルをつけないことにしました。昨年度ボトルが泥まみれになり,とても飲む気になれなかったことが理由です。さらに下りで落としたりすると取りに行くのが猛烈に面倒です。実際にレース中記憶している範囲で8本のボトルの落とし物を見かけました。あとは以下の通りです。
(1)フロントライト,リアライト
(2)タイヤはグラベルキングSK 43c
チューブレス状態,タイヤインサートなし,イメジのシーラント70ml/ 本,空気圧前2.2bar,後ろ2.4bar
(3)大き目のサドルバッグ
チューブ2本,Co2ボンベ3本,Co2インフレータ,チューブレス用プラグ,
タイヤブート,工具,タイヤレバー,小型のはさみ,タイラップ
②バックパックの装備
バックパックは昨年も使用したSalomonの「Active Skin 8L」です。通気性がよく,ベストのような形状で肩に食い込まず,激しい動きでも全然ずれません。付属のソフトフラスク2本で1Lの水が運べます。
(1)ハイドレーションパック2L
自転車からボトルを外した分,ハイドレーションパックを背負うことにしました。Salomonのソフトフラスクと同じメーカであるHydrapak製。実際に使ってみてハイドレーションパックがベストという結論になりました。とにかく水を飲むのが楽。疲れてくるとボトルを取る動作すら面倒です。
(2)レインコート上下
(3)大き目の携帯ポンプ
(4)補給食

今回は100kmですので昨年より増やしているのですが,ちなみに私の体重は80kg@170cmと自転車乗りとしてはデブなので,あとから考えるとスポーツようかんとアミノバイタルショットはあと1本ずつ増やしておいたほうが良かったです。。アミノバイタルゴールドの顆粒は前日の夜,レース前,レース後で3本です。
(5)貴重品
ジップロックに車の鍵とファーストエイドキットを入れるくらいです。
■レース前日
①会場入り
受付と車検を済ませるため昨年度と同じく前日入りです。レースの集合場所である松原スポーツ公園からは周辺の銭湯が遠く,一度会場入りしてからお風呂に行くのは面倒だったので先にお風呂を済ませてから会場入りすることにしました。お風呂は昨年度と同じく「せせらぎの四季」です。設備も綺麗だしお食事処も充実してるしおすすめですが,駐車場が少し狭く14:40の時点では満車でした。料金は入浴料¥700/大人1人,今回はバスタオル¥270も借りました。タオルを洗って乾かす手間が省けます。入ってみると昨年に引き続き今年も私の誘いでグラベル100kmに参加することになった友人(犠牲者)に遭遇しました。「どうなるやろね・・・」とお互い不安な表情。

王滝参加者と思われる車で駐車場が混雑してました。
会場は去年よりにぎやかな雰囲気になっていました。単純に参加者が増えています。

会場入りしたら受付と車検です。車検はWolftooth等の輸入代理店として有名なalternative bicyclesの北澤さんが対応されていました。日本国内では珍しいフレームにシルバーのGRXの組み合わせに「今日イチかっこいいよ」のお言葉をいただきなかなか嬉しい。

車検が終わったらブリーフィングです。コースやルールの詳細な説明がなされます。今回はエントリが1,300人を超えたとの事。「汗をたくさんかいてミネラルが失われるので補給をしっかりしてほしい」という言葉がありましたが,まさにレース中にミネラル補給がいかに大事か実感することになります。

受付が終わったら夕食です。翌朝が早いのでかなり早い時間に軽めの夕食です。発売したての「カップヌードル極上」と会場で買った「MANA BAR」というエナジーバーを食べました。夕食を軽くするためこの日の朝昼はしっかり食べています。

夕食が終わったら浜松の自転車店グリーンコグのサイトにお邪魔してカードゲーム大会です。10人も集まってゲームできる機会はなかなかなく,これが前夜祭的な感じでとても楽しいのです。今回は「ニムト」と初めて遊んだ「お邪魔者」というゲームに2種類,どちらも楽しめました。もっと遊びたいところですが翌朝が早いので21時に切り上げて,今年はアミノバイタルゴールド顆粒を1本飲んで就寝です。
■レーススタート前
100km組のスタート時刻は6:00,しかしレースは3:30頃から始まっていました。これがなかなか忙しかったです。夜は妙に暑くてなかなか寝付けなかったのですが,予定していた3:30頃にはバッチリ目が覚めました。もうすでに周りはゴソゴソ動き出している気配です。スタート前の整列は4:30からなのですが,その前にスタート地点付近に自転車を置いておいて,4:30に一斉に並べるのがSDA王滝の「整列」とのこと。

3:30にスタートライン付近に行ってみるとすでに50台近い自転車がコースの脇に置かれています。私も比較的空いていそうなところにとりあえず自転車を置きました。

目の前のMTBは120kmにエントリされている猛者のものでした。自転車を置いたらすぐに朝食です。

どん兵衛のかき揚げそば大盛りをよく噛んで食べます。炭水化物と塩分を補給,食べたらすぐにトイレに急行です。4:30に整列なのでそれまでに済ませるつもりだったのですが,トイレは整列に間に合うか心配になるくらい渋滞していました。何とか4:11にトイレを済ませ,腸の中は空っぽ,胃の中に食べたどん兵衛が残っているだけです。これなら消化は追いつくはず。トイレを済ませたら急いで自転車の元に移動です。

整列時間が近づくと「整列まであと5分」とアナウンスが入り出しました。どんどん人が集まってきます。4:30残り10秒に近づくとみんな自転車を担ぎ,残り5秒からカウントダウンが行われ,4:30になると同時に一斉にコース内にコーンバーを乗り越えて自転車を運び込んでコース内に置く,という流れでした。

何とか舗装路部分に置くことができました。後方からスタートすると林道に入った時に渋滞し,周りを気にしながら走るのが大変というのを昨年経験していたので,何とか渋滞しにくそうな前の方でスタートしたかったのです。
整列が終わったら着替えと装備の確認です。車に戻ろうとするとトイレの渋滞はさらに伸びていて,最後尾からは30分以上待ちそうな勢い。早めに済ませておいて良かった。車に戻ってハイドレーションパックとソフトフラスクに水を合計3Lいれ,補給食をバックパックのポケットに収納,ビブのパッドにはシャモアクリームをこれでもかとベタ塗りして着替え,車の中においていく貴重品やモバイルバッテリなどの熱に弱いものはクーラーボックスに収納し,車の鍵をかけて5:23に準備完了です。なかなか忙しい。

スタートライン付近に戻ると車列は駐車場の端まで伸びています。

5:45からスタートセレモニーが始まり,シード選手のコールアップ,ご祈祷,山へのお祈りと続きカウントダウン,6:00定刻,ホーンの音と共にスタートです。スタート直前に塩タブレットを1つ口に入れました。
■レース
6:00〜
スタート後6kmまでは先導車が付きサイクリングペースでパレードランという事だったのですが,先頭はまあまあのペースで進み隊列はあっという間に縦に伸び,おかげで混雑せず落ち着いて進めます。しばらくは友人と並走で走りましたがすぐに置いていかれました。

林道に入ってしばらくすると景色が変わってきます。思わず止まって写真取りました。後ろから来たMTBの人たちに「余裕やな!」と声をかけられました。このときはまだ舗装路の下りも多かったので余裕がありました。前日のブリーフィングで「30kmくらいで灯りの無いトンネルを通る」と聞いていたのですが,なかなかトンネルに近づいている気がしない。気分を変えようと7:43,距離25.53kmで塩タブレットを2個食べたのですが,即足に効いた気がします。「ハイドレーションパックにはサプリメント溶かしておいた方が良かったかな」とぼんやり考えたのがこの辺り。
7:54 距離29.96km 灯りのないトンネル

しばらく舗装路を下って登って前日のブリーフィングで注意されていたトンネルにたどり着きました。途中で弱虫ペダルの作者である渡辺先生に遭遇。今年も参加されていたようです。トンネル内は灯りがなく真っ暗ですが,ダブルトラックのように舗装されていて走りやすく,そこまでビビる必要はありませんでした。トンネル内にも誘導スタッフがいて親切。とにかく安全に走り抜けます。
8:39 距離39.27km 第一関門

トンネルを抜けたらそこはひたすらガレた上りでした。とにかくせっせと登って第一関門を目指して走り,制限時間から‐1:20で第一関門に到着。このあたりから腰と手が痛くなってきてしまいました。アミノバイタル赤1本と塩タブレット2個を補給。美味え。アミノバイタルの苦味が全く気にならないくらいスルスル入ります。
8:50 距離40.89km 第一関門直後の下り

グラベルバイクでの王滝参戦は,とにかく下りの過酷さが全てだと思います。第一関門から1kmくらいしか走っていないのに,長い下りが始まるということで集中力を上げるためにアミノバイタルショットを1本補給。空は青く山はきれいに見えて景色は最高です。気温が意外と低く,暑さはあまり感じませんでした。ある意味,この写真を撮ったポイントあたりからが今回の苦しい旅の始まりでした。すでに40km走っていて制限時間にも1時間以上余裕がある。このペースなら完走できるやろ,という甘い考えがこのあとの下りで破壊されます。
10:13 距離57.30km
下って登ってまた下るとしばらく平坦な道が続きました。ところどころぬかるんでいたり水たまりがあったりとなかなか泥跳ねが激しい。ボトルを外したのは正解でした。フロントのブレーキキャリパに泥水がかかったのかブレーキをかけていなくてもローターが「ショリショリ」と音を立てています。しかしちょっと前の登り下りのダメージが全然抜けず,ローターの状態を確認する余裕がありません。ふくらはぎにも違和感を感じてきたのでスポーツようかんと塩タブレットを2個補給。塩タブレット食べた途端にふくらはぎの違和感が少し増しになった感覚があったので,思った以上に体からミネラルが抜けていたようです。日陰で涼しかったので甘くみていたのですが,思った以上に発汗していたようです。
11:13 距離66.03km
しばらくガレた上りが続きました。第二関門まであと4kmというところなのに,消耗激しくアミノバイタルショット1本と塩タブレット2個を補給。手,首,腰,膝が路面からの振動を吸収しきれなくなり,痛みだしました。このあたりから実時間よりも体感時間が長くなってきます。ある程度走ったつもりなのに,サイクルコンピュータを見ると全然距離が伸びていない。制限時間は10時間,距離は100kmなので平均10km/h以上で走れば完走できるはずですが,ガレた上りは4km/h程度になってしまい,下りも8km程度しか出ない。焦ります。
11:35 距離69.8km 第二関門

66km付近で補給したあとから少し下ると第二関門に到達しました。下りが苦しく気を失いそうな気分でした。たまらずスポーツようかんを1本食べたあと,補給食を入れていたポケットに羊羹やゼリーがないことに気が付きました。塩タブレットだけはジャージのバックポケットに入れていましたが,補給食はバックパックの左ポケットに入れて,ゴミを右ポケットに入れる段取りにしていたのですが,羊羹を食べ終わった時点で左のポケットがカラ。「あと30kmもあるのに塩タブレットしかないのか・・・」かなり絶望感に襲われました。とにかく気分転換しようとトイレに行って出てくると,MTBに乗った56Cycle の先輩がやってきました。疲労から「もう下りイヤだ」と愚痴を言うと「そもそもグラベルで走ろうなんて1ミリも思わんよ」とのお答え。ごもっともだと思いました。
第二関門から第三関門までは約10kmの下り基調。私にとって地獄の始まりです。下り始めて300mくらいのところで荒れた路面に前輪を突っ込んでしまい落車。体は柔らかい草に突っ込んで無事でした。自転車を見るとチェーンが落ちています。リアディレイラーのスタビライザーを解除して冷静にチェーンを戻します。下りではチェーン落ち防止のためにチェーンリングはアウターに入れていたのですが,GRXのスタビライザーを持ってしてもチェーンが落ちてしまう勢いで,怪我をしなかったのが不思議なくらいです。まだツイてる。
12:46 距離79.6km 第三関門
第三関門までは本当に地獄の下りでした。とにかく手のひらと腰が痛い。振動に耐えられなくなったら降車して自転車を押しながら痛みが収まるのを待ち,また乗車して下り,また耐えられなくなったら降車して自転車を押すの繰り返しになりました。後ろからくるMTBの方々に「頑張って」とか「グラベルキツいよね」とか声をかけて頂いたのですが苦しくて愚痴っぽい返事しかできませんでした。申し訳ない。半泣きになりながらなんとか第三関門に到着。約10kmの下りに1時間以上かかっています。第三関門ではエナジーバー「MANA BAR」が提供されると聞いていたので,それを希望に必死で下ってきました。

救いの「MANA BAR」ブース。

もらった「MANA BAR」が涙が出るほどうまい。ブースの方にお願いしてもう1個貰いました。感謝。何口にも分けてよく噛んで食べ,塩タブレットを2個を舐めているとMTBに乗った友人が第三関門にやってきました。「残り20kmで制限時間まではあと3時間だからなんとかなるやろ!」と強がっては見ましたが,実際には「これ本当に完走できるんかな」と不安になっていました。ここで不安になりながら時刻と距離のメモを見返すと,3本持ってきたはずのアミノバイタルショットはまだ2本しか食べていないことになっています。改めて全身のポケットを探すと,ゴミを入れていたポケットからまだ食べていないアミノバイタルショットが見つかりました!このときの気持ちをなんと言ったものか・・・
グラベルシングルスピード100kmにエントリしている友人が第三関門にやってきました。彼は昨年グラベル100kmを完走しているだけあってなかなか余裕の表情。私の「グラベルシングルスピードなんておかしいで」の発言に対して「平地以外は変速ありとあまり変わらん」とのこと。さすがであります。補給食が残っていたことも分かったし,彼の発言に何故か勇気付けられ完走目指して走り出しました。
13:30 距離84.14km

第三関門を過ぎてしばらく登ると,視界がひらけて景色が見える場所がありました。雲は見えるけど青空も広がっていて,見える山々が本当に綺麗でした。「とんでもないところに来ちゃったな」とつくづく実感。
14:11 距離89.05km 最後の補給
残り10kmが近づいたところで発見したアミノバイタルショット1本と,塩タブレット1個を補給しました。ここからはほぼ下り。両手の親指と人差し指の間に豆が出来てしまい,ブラケットを握りしめると痛い。鬼ハン状態にすると少し楽なのですがブレーキが握れない。ショックを吸収しようと二の腕を緩めると振動で二の腕がブルブル揺れて痛みます。膝も腰も痛んで下半身で衝撃が吸収できずあちこちが痛みます。痛みに耐えられなくなったら登り下り関係なく自転車を降りて押して歩き,痛みが収まってきたら乗って惰性で下ります。気が遠くなる時間帯でした。自転車を押して下っていると飛ぶように下るMTBの人たちに「頑張って」と声掛けいただきました。
14:54 ラスト1km

ゴールまで残り3kmのところに「あと3km」の看板が。「あと2km」を過ぎて「あと1km」の看板が見えたその先に舗装路が見えたとき,半泣きになってしまいました。なんというかよくわからない感情のまま写真を取り,ゴールまでの舗装路を下りました。橋の先に見えるゴールが見えて,ゴールを通過したらそのままへたり込んでしまい,「もう未舗装路走らなくていいんだ」の安堵感から涙が出て,しばらく動けませんでした。オールアウトって多分こういう状態なんだと思います。何にせよ制限時間を1時間残して,私のSDA王滝100kmグラベルは走行距離98.86km,総上昇2,308m,経過時間8h59mにて「完走」という目標を達成して終わりました。本当に良かった…
走り終わった自転車を確認すると,しっかり泥跳ねのあとが残っています。1度チェーン落ちはありましたが,パンクはせずほぼトラブル無し,無事これ名馬でした。過酷なレースを耐え抜いて,ますます自分の自転車が好きになりました。フレームが折れるまで乗り続けます。



■おわりに
冒頭に述べた通り今回SDA王滝100kmグラベルを走った正直な感想は,「もう二度とグラベルで100kmは走らない」なのですが,SDA王滝自体は素晴らしいイベントで,もう100kmは走りたくないけど42kmなら「辛楽しい」体験ができてまた走りたいと思えてくるのが不思議。それにMTBならグラベルロード程の振動はないはずで,それならまた100km走れる気がします。
レースを振り返ってグラベル100kmをもう少しマシに走り切るとした時に,もうちょっと「こうだったら良かった」という点を上げると,
・ハイドレーションパックの水には足攣り防止のサプリメントを溶かしておきたい。
何度か塩タブレットに助けられたのですが,ミネラル補給を目的にしたサプリメントをハイドレーションパックの水に溶かしておいたらもっと補給しやすかったと感じました。とにかく路面がハードなので,集中力を切らさないように補給が命です。SDA王滝の会場で試飲した中には甘すぎないものもあったので,来年は試してみたいです。
・王滝にはサスペンションフォークがほしい
レース中にリジッドフォークのシングルスピードMTBの人に遭遇しましたが,そういう特殊な猛者を除いたら,基本的にサスペンションフォークありの自転車で走るべきだと思います。廃盤になったCannondaleのSlateで走ってる人を見かけましたが,正直羨ましかったです。
・補給食は余るくらいでちょうどいい
苦しい時に「補給食足りなくなるかも」という状況は精神が蝕まれます。補給食は余って,他の人に分けることができるくらい持った方が良かったです。来年は42kmにしようと思っていますが,補給食は今回の100kmと同じ量を持ちたいと思います。
昨年アドベンチャーするつもりでグラベルロードを組んでから1年ちょっと,これでもかというアドベンチャーを経験しました。王滝のグラベル100kmはもういいけど,今回完走した事で少し自信がつき,他の道には挑んでみたくなりました。SDA王滝は100km以外で来年も走る事を心に決めて,次のアドベンチャーを考えたいと思います。
【自転車実験室】シクロクロス用チューブラータイヤをテープで貼った話
何とか傷ついた後輪のスポークを交換した前回から,今度はタイヤ貼り付けの工程です。

びっしり残ったリムセメントとCXテープ。再びリムセメントでタイヤを貼り直すことを考えると,かなりの手間がかかります。自身2回目のシクロクロス用チューブラータイヤ貼りは,このリムセメントの面倒くささとサヨナラすべくテープでの貼り付けを試みることにしました。今回のエントリでは実作業の記録を日付と共に残します。平日にまとまった時間を作りにくい状況でも,何とか貼れちゃうよという記録です。
- ■'22.10.16(日) リムセメント除去とタイヤにリムの癖をつける。実働4h(3.5h+0.5h)
- ■'22.10.18(火) タイヤを貼る。実働0.5h
- ■'22.10.19(水) リムをマスキングする。実働0.5h
- ■'22.10.20(木) タイヤとリムの隙間にコーキングする。実働0.5h
- ■'22.10.22(土) 試乗
- ■まとめ
■'22.10.16(日) リムセメント除去とタイヤにリムの癖をつける。実働4h(3.5h+0.5h)
日曜日はリムセメントを除去します。

使用するのは「もう使わないから」ということでもらった年代物の「リムセメントクリーナ」です。感謝。今でも同じものが買えます。

CXテープは,繊維に接着剤を含浸させた構造のようで,繊維質がびっしり残っています。

これに「リムセメントクリーナ」を塗布します。蓋についている刷毛で押し込むように塗布していきます。少しだけ待つとリムセメントが柔らかくなるので,紙ウエスでふき取っていたのですが,作業を進めていると「これはかなり時間がかかるぞ・・・」と感じ方針転換。集中して作業していたので写真を撮っていませんが,百均で買ったマイクロファイバクロスにリムセメントクリーナを染み込ませてひたすらこする作戦にしました。結果個人的な印象としては当たりで,紙ウエスで拭き取るより早かったです。

リムセメントとCXテープが除去できました。マイクロファイバクロスで少し作業が速くなったといってもホイール前後で合計3h弱かかっています。準備と片付け込みで3.5h。これは大変だ・・・もうちょっと効率いい方法はあると思いますが,個人的には勘弁いただきたい作業です。

タイヤはA.Dugastを使いたいところですが,TUFOのPRIMS 33 SGです。テープを使うのは初めてですから,作業にしくじりがあって高価なタイヤがレース中に剥がれたりしたらショックが大きいので,入手可能な中で一番安いものを選びました。お店に買いに行く時間がなかったので通販しましたが,実売で¥5,000/本しません。A.Dugastの1/3の価格です。箱が立派です。安いものを選ぶならあえてチューブラーにしなくてもよいかもしれませんが,昔「安くてもチューブラータイヤ一択。」との言葉をいただいたことがあります。

開封してみるときれいに折りたたまれて袋詰めされていました。バルブキャップがついていません。私はバルブキャップを付けたいので別途用意します。

開封して現物を確認してみると,しっかりした造りです。タイヤを広げるときに硬さを感じました。色から推測すると表面はブチルゴム,チューブもブチルゴムでしょう。

ふんどしにシリアルナンバと原産国の記載があります。チェコ共和国製です。

タイヤを貼る前に,まずはリムに乗せてエアを規定最大まで入れます。これで1日放置してタイヤにリムの癖を付けます。タイヤは硬かったですが,リムに乗せるのはそこまで苦労しませんでした。前後で作業時間0.5h。このまま24h以上寝かせます。
■'22.10.18(火) タイヤを貼る。実働0.5h
月曜日まるまるタイヤを放置して,今回の本題であるテープでのタイヤ貼りです。昨年ぐらいにニュース記事で見かけて,ずっと気になっていました。

エフェットマリポサのカローニャです。リム側とタイヤ側でそれぞれ接着剤の性質を変えており,その結果強力な接着が可能とのこと。

サイズはフタバ商店のWebサイトを確認し,SMを選んでいます。対象のリムはTNIのCX22でリム幅23.2mm,おそらくいけるはずです。

製品の裏側にリム幅とテープのサイズの選び方が書いてあります。フタバ商店のWebサイトと記載が違う・・・リム幅基準か,貼り付け領域基準かで記載方法が変わるのは理解できますが,製品とWebサイトの記載は合わせてほしいな・・・
不安を抱えながらテープを貼ったら幅はピッタリでした。良かった。バルブホールを避けてテープを貼ります。

テープを貼り終わったらちょっとだけテープが残りました。リム1本分で1巻。前後貼るにはテープを2本用意する必要があります。

バルブホール付近のセパレータを少しだけ剥がして,

タイヤを乗せて2bar弱エアを入れ,タイヤのセンターを出します。

タイヤのセンターを出したらセパレータをすべて引き抜きます。

セパレータを剥がしたら,タイヤに規定空気圧最大までエアを入れます。テープの糊がつぶれて少しはみ出しているのがわかるでしょうか。ここまでタイヤ1本で15分です。前後で30分。仕事から帰宅したヘロヘロ脳でもアッサリ終わる簡単さ。リムセメントでタイヤを貼る時の緊張感と全然違います。これでタイヤが剥がれないなら本当に価値がある。
■'22.10.19(水) リムをマスキングする。実働0.5h
テープが水にさらされて劣化するのを防ぐため,タイヤとリムの隙間をコーキングするための下準備です。これが結構慎重に作業する必要があるので疲れます。

貼れました。前後で実働0.5hです。疲れたのでこの日はこれで終了です。
■'22.10.20(木) タイヤとリムの隙間にコーキングする。実働0.5h
コーキング剤はセメダインのバスコークのクリアを使います。安くて量がちょうどいい。

学生時代のバイクツーリングの途中で寄った展示会で,小汚い学生の私にも丁寧な商品説明をいただき,カタログとノベルティグッズまでもらいました。それ以来接着剤はよほどのことがない限りセメダイン製を購入しています。

ノズルを付けて先端をカットし,

タイヤとリムの隙間に充填して,付属のヘラで整えます。バスコークは硬化速度が速いので,ヘラで整え終わったらすかさずマスキングを剥がします。

塗布できました。この作業も前後で0.5hです。仕事から帰宅してからの限られた時間で少しずつ作業を進めて,木曜日までで作業がすべて終わりました。あとは金曜日丸1日コーキングが完全硬化するのを待つだけです。
■'22.10.22(土) 試乗
空気圧を1.7barに設定して,食料品の買い物ついでに試乗に出ました。

乗ってみた印象はなんというか「普通」でした。1.7barでも正直少し硬く感じるくらい。A.Dugastのタイヤは乗った時に「乗り心地いい!」と私でも感じられましたが,その時の感覚が特別だったようです。いたって普通。舗装路面でハンドルをこじってみたりしましたが,タイヤがよじれる感じがありません。硬いんだな。A.Dugastと比較すると乗り心地が悪くなりましたが,チューブラータイヤを使う目的はパンクのリスクを可能な限り下げるためなので,贅沢言っていられません。ほかにも整備したいところが各所ありますが,とりあえず一番肝心なタイヤが準備できて一安心です。
■まとめ
今回の作業で,シクロクロス用チューブラータイヤをリムセメントで貼る時と,テープで貼る時を比較すると以下私の中では以下のようなイメージです。
※表をうまく入れる方法を調べるのが面倒でこのままです。いずれ直します…
┏━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┓
┃ ┃ リムセメント ┃ テープ ┃
┣━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃ 貼る前の下準備 ┃ セメント塗り3回 ┃ テープ貼るだけ ┃
┣━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃ タイヤのセンター出し ┃ 緊張感高すぎ ┃ 余裕 ┃
┣━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃ 貼り直し ┃ 面倒 ┃ 剥がすだけ ┃
┣━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃ 長期信頼性 ┃ 2.5年もった実績 ┃ 不明 ┃
┗━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━┛
テープでのタイヤ貼りは不安な点は長期信頼性だけで,それ以外はメリット高すぎでした。あとは実際に走って確かめるしかありません。まずは2022-2023シーズン東海シクロクロス初戦 おおが城山公園にエントリしました。テープでのシクロクロス用チューブラータイヤ貼りの効果は,2023シーズンの終わりに明らかになります。
【自転車実験室】シクロクロス用チューブラーホイールのスポークを7本だけ交換した話
待ちに待った2022-2023のシクロクロスシーズンが始まっています。例年通り私は東海シクロクロスで開幕するのでまだシーズンインとはいえませんが,全国のシクロクロッサーの皆様におかれましてはシーズンインを果たし,結果に一喜一憂している方もいらっしゃるかと存じます。そんな中,私は諸所の事情が重なり2022年10月に入っても一切機材の準備が進んでいません。特に一番肝心のタイヤ,そしてタイヤの前にホイールセットです。昨シーズンまで使っていたホイールセットをそのまま使えばいいのですが,ちょっとそのまま使いたくない事情があったのです。
2022年の白州の森バイクロアを最後に,長らく酷使したチューブラータイヤとサヨナラしました。

導入したのは2019年ですから,2年半使ったことになります。ホイールから力いっぱい引っ張ったらアッサリ剥がれました。これでよく今まで持っていたな,という感じです。手で引っ張るのと走行中の力のかかり方は違うということでしょうか。トレッドも剥がれ,サイドウォールは黒ずんでボロボロです。肝心のふんどしには浸水した後は見られなかったので,リムとタイヤの隙間に施したバスコークでのシールは問題なかったようです。しかしよく持ちました。Dugastのネオプレーンは2シーズンしっかり使える印象です。ちなみにこのタイヤを剥がしたのが2022年の8月。そこから2カ月タイヤを剥がした状態のホイールが転がっている状況を放置していました。さっさとタイヤを貼り直す作業に移ればよかったのですが・・・
今回タイヤを剥がしたらどうしてもやりたいことがありました。自身初のチューブラーホイールセットを組んでから,わずか3レース目でチェーンをスプロケットのインナー側に落としてしまい,ドライブ側のスポークをゴリゴリ削ってしまっていたのです。
【レースレポート】東海シクロクロス2019-2020 第5戦 愛知牧場day2(JCX戦) - I'm curious about... -コレが気になる-

Photo by Kikuzo チェーンを落として必死で直す。あっという間に集団から置いてけぼりです。
貼ったばかりの高価なチューブラータイヤを剥がすのは忍びなく,可能な限り振れを抑えはしたがブレブレの後輪で2020年から走り続けてきました。グリップはいいけどすぐにシュータッチするイマイチな状況を続け,「次にタイヤ交換の時にスポークを交換するんだ」と決めて2年半,ついに交換の時がやってきました。
スポーク交換前のホイールです。

リムはTNIのCX22の28h,ハブはFH-9000,スポークは星スポークのWingStarプレーン#14,ニップルはDT SWISSのカラーアルミニップル(青)です。
ハブの近影です。ドライブ側の内側から外に出しているスポークにしっかり傷がついているのがわかるでしょうか。
ドライブ側の内側から外に出ているスポーク7本全部傷がついて曲がっています。ついに交換する時がやってきました。
スポークをすべて交換してもよいのですが,28本すべて交換となるとまぁまぁの出費になります。出費の絶対値を下げるため,曲がったスポークだけ交換する作戦です。

交換するスポークは事前に星スポークに注文して取り寄せていました。なじみの自転車店Circlesでは現在WingStarスポークの1本売りをしておらず,72本セット¥8,316で販売しています。¥115.5/本ですので価格は妥当ですが,72本も使う予定がありません。アマチュアメカニックですからスポークを余らせても困るだけです。今回スポークが¥170/本×7,送料と事務手数料が¥1,000,プラス税で総額¥2,409でした。スポーク1本あたりに換算すると¥344になりますが,出費の絶対値は低くなります。星スポークに注文すると毎回真鍮ニップルをスポークと同数送ってくれるのですが,ぶっちゃけいらないです。また,鈍い色のWingStarに対してピカピカに鍍金された真鍮ニップルは色が合っていません。どうせ同梱するなら鍍金なしの真鍮ニップルにしていただきたいところです。

ニップルに関しては2年半シクロクロスレースで使ったこともあり,全数交換することにしました。今回使用するニップルSimWorks by Hoshiのアルミニップルです。今回28個使うので44個余ることになりますが,青のアルミニップルが好きですし,前輪の補修用にも使うということで72個セットを購入しました。スポークと違ってかさばらないですし。72個入りで¥2,090です。

余っていたDT SWISSのニップルと見比べると色が違います。マットな印象。また,掴みしろがDT SWISSよりも大きく好感が持てます。これ以降のホイール組みにはSimWorks by Hoshiのニップルを使うことにしました。

下準備としてスポークにプレップを塗布しました。

さて,ホイールを振れ取り台にセットして交換対象のスポークの取り外しです。

まずはすべてのニップルを緩めます。もともと塗ってあったプレップが効いていたのか硬くてニップルを舐めそうな勢いです。星スポークからアルミニップルを買うと,掴みしろが3.4mm角のニップルが届くのですが,SimWorks by Hoshiのニップルは同じ星スポーク製でも掴みしろが3.2mm角です。星スポークのニップルのつもりで3.4mmのニップルレンチを使うと舐めてしまい泣くことになります。ご家庭でニップルレンチの使い分けはあまり発生しないと思うので,気を付けないといけないのは私だけだと思いますが・・・

すべてのニップルを緩めたあと,交換対象の7本のニップルを取り外し傷物のスポークを取り除きました。

新しいスポークを通します。交換対象が通しやすい位置で助かりました。ハブの掃除をしていなかったので汚い。早く掃除したい。

交換対象のスポークにニップルを仮止めしたら,残り21個のニップルを交換します。交換しないスポークにプレップを塗るのが面倒だったので,ニップルにつまようじでプレップを突っ込みました。もうちょっといい方法ないかな。

すべてのニップルの交換が終わったら振れ取りです。外したニップルの一部をリム内部に落としてしまいましたが,そのまま振れ取りします。振れ取り中にぽろぽろ出てくるので。ニップルは仮止めからある程度までは先ほど写真に出てきたParkToolの黒のニップルレンチで締めます。二面掴みなので早く作業ができます。対して本締めには四面掴みのニップルレンチを使います。ParkToolにも四面掴みのニップルレンチはありますが,これだけDT SWISS製を持っています。

我が家のニップルレンチ一式です。左側が二面掴み,右側が四面掴み,上側が3.4mm角,下側が3.2mm角です。ParkToolの四面掴みニップルレンチはカバーが青→赤の二重になっています。個人的な印象ではニップルへのレンチのかけやすさはParktool,ニップルレンチそのものへの力のかけやすさはDT SWISSといったところです。

組めました。マスキングテープが張ってあるのが今回交換したスポークです。振れ取りよりもスポークを通してニップルを仮止めする作業のほうが面倒でした。

取り外したスポークです。ごっくり曲がっており,しっかり傷がついています。

取り外したニップルです。何個か床に転がっていったので数が合いません。リムと当たる部分のアルマイトがしっかり剥げています。
新品に交換してきれいになりました。あとはハブを洗わないと・・・これで後輪の振れも取れてあとは新しいタイヤを貼るだけなのですが,

問題はびっしり残ったリムセメントとCXテープの跡です。これをきれいにするのが超面倒くさい。チューブラータイヤは一度貼ってしまうとパンクのリスクも低くてサイコーなのですが,この貼り付けと貼り直しは確かにものすごく面倒くさいことを実感しました。ショップのチューブラータイヤ貼り/交換工賃は正直妥当かむしろ安いと感じます。もうちょっと簡単に運用する方法がないものか,模索が続きます。
しかし2022年10月半ばでこの状況,東海シクロクロスの2022-2023シーズンインまでにタイヤ貼り付けは間に合うのか,本当に心配になってきました・・・
【レースレポート】2022年9月SDA王滝42kmグラベル
7月に新しくグラベルロードを組んでから,毎週バンバン走りたかったのに思ったように時間がとれず,少しモヤモヤを抱えていました。そんな折に浜松の盟友がSDA王滝42kmグラベル部門に出走すると知り,私も走るしかないと決めてエントリーしました。私自身はSDA王滝の経験は全くなく,経験のある方と一緒にグラベルを走りながら話すと「あれは修行」「特に楽しいわけではない」「出なくても別に大丈夫」とかネガティブな意見しか聞かないのですが,そういう人に限って過去10回以上参戦していたりと,ある意味言動不一致な状況がずっと気になっていました。シクロクロスのようなハードだけど楽しみを見出してしまうとやめられない何かがあるはず。それを見つけに私は王滝村に向かうことにしました。各種の事象を鑑み3年ぶりに開催されたSDA王滝は,結構無理してスケジュール調整して参加したのですが,その価値のあるレースでした。すでに来年の参戦をイメージしています。
■装備品
初のレースですので悩みました。直近の天気予報は雨だったため,レインコートは上下運びたい。王滝参戦記録のブログを読み漁ると,バックパックを使用される方が多いようです。
結果,以下の出で立ちになりました。

Photo by テンチョー
①自転車の装備
(1)ボトル2本
(2)フロントライト,リアライト
(3)タイヤはグラベルキングSK 43c
チューブレス状態,タイヤインサートなし,空気圧前後とも2.3bar
(4)大き目のサドルバッグ
チューブ2本,Co2ボンベ3本,Co2インフレータ,チューブレス用プラグ,
タイヤブート,工具,タイヤレバー,小型のはさみ,タイラップ
②バックパックの装備
正直自転車に乗る時にバックパックを背負うのはあまり好きではないのですが,レインコートをフレームバッグに詰めるのもイマイチと感じ,Salomonのトレイルラン用を購入しました。
(1)バックパックはSalomonの「Active Skin 8L」
付属のソフトフラスクに水を充填
(2)レインコート上下
(3)大き目の携帯ポンプ
Topeakのロードモーフ
(3)補給食
アミノバイタルショット赤×2本,スポーツようかんチョコ×2本,かし原塩ようかん×4本
(4)貴重品
結果,このActive Skin 8Lは大正解でした。後述しますがレース中の泥はねであっという間にボトルケージのボトルは泥だらけになり,飲み口も泥汚れで飲む気になりませんでした。バックパックに付属していたソフトフラスコから水を補充すれば持ったので,王滝のような長時間のオフロードではバックパックで水を運ぶのがベストと感じました。次回参戦時にはボトルケージは外します。
■レース前日
前日に受付と車検を済ませるため,前日入りしました。平日に準備が全くできなかったので9/17朝起きてから準備開始,出発してから中津川のルビットタウンで食料品やらを購入し,到着したのは15:00頃でした。受付を済ませ,車検です。
車検はあっさり終わりました。「きれいな自転車ですね」とお褒めの言葉をいただきましたが,「新車です!!」と答えると「新車で王滝!?」と驚かれました。アドベンチャーするために組んだ自転車ですので走って泥だらけ,傷だらけになるのは本望です。
受付と車検を終わらせたら風呂です。風呂に入らないと気が済まない。しかし王滝村から入浴施設はまぁまぁ離れています。正直詳しくないので,教えてもらった「せせらぎの四季」に行きました。
行ってみるとキャンプに行く途中に何度も通りかかっているけど結局行ったことがなかった日帰り温泉でした。入ってみると「金泉」です。酸性の源泉に錆びた鉄分が溶け出し赤茶色に濁ったそのお湯は,有馬温泉を有する兵庫県南部出身の私には安心感が湧く温泉です。時間は早かったのですが,同行していた友人の勧めで併設のお食事処で夕食を取ることにしました。彼はもともと参加予定ではなかったのですが,私の誘いで参加を決めた犠牲者です。

山賊焼き定食¥1,000(税込み)です。衣にしっかり味がついていて,食べ応えがありました。「あんまりお腹空いてないな」と思ったのですが結局ペロリでした。

風呂も夕食も終えて駐車場に戻りました。キャンプ可能な大型用駐車場に陣取っていた浜松のグリーンコグのサイトにお邪魔して,適当にビールを飲みカードゲームを楽しみました。
車中泊が可能になったことで前夜祭感があり,充実した前日になりました。地域の旅館を利用することも必要だと思うのですが,レース前日にキャンプで前夜祭感があるのもよいと思います。来年もキャンプインの選択肢があればよいな,と思いました。カードゲームを楽しんだ21:30には就寝。普段はこんなに早く眠りに付けないので気分良かったです。
■レース
雨予報だったのですが綺麗に晴れました。

私は42km部門に参戦なので8:00出走ですが,100km部門に出走の方々は4:30整列開始,6:00出走です。思ったより気温が高かったので暑さで3:00過ぎに目が覚めたのですが,すでに準備を始めている方々のライトがチラチラしていました。王滝の朝は忙しい。
6:00スタートの100km組を見送ります。まずは神主の祝詞から始まり,御嶽山に向かって二礼二拍手一拝で締めます。お祈りで始まるスタートが私には新鮮ですが,「お山」に入らせていただいてレースをするからには必須と感じました。シクロクロッサーの私はカウベルを持ってスタート地点に観戦に行っていたのですが,厳かな雰囲気からカウベルはまばらにしか鳴らせませんでした。さて100km組を見送ってから42km組のスタート8:00まで2時間あります。お湯だけ沸かしてインスタントの天ぷらそばとコーヒーをいただきます。本当はコーヒーはミルを持ってきて挽くところから始めたかったのですが,準備の時間がなかったのでドリップパックです。

朝食を食べてから,昨日お世話になったグリーンコグの方々と7:00に集合して連れ立ってスタート地点まで自走です。
駐車場の松原スポーツ公園からスタート地点の滝越地区まで約10kmあります。これが思ったより登らせるのでしっかりアップになりました。ここまではサイクリング感覚。7:45くらいにスタート地点に到着すると,すでに42km部門に参加の方々はしっかり集合していました。どおりで7:00の駐車場が静かなはずです。出遅れたので最後尾スタートになりました。
MTB42kmのエントリーは286名,グラベル42kmのエントリーは36名。都合300人近くがスタートラインに集合していることになります。

シクロクロスが基本の私にとってはこの人数でコースインは初めてです。
8:00になったらホーンの音が鳴り響き,一斉に出走開始です。普段林道を走る時はこんな人数で走らないので,林道で隙間なくMTBが密集している状態が新鮮でした。写真を撮る余裕はありません。最後尾スタートだったので少しずつ隙間を見つけて前に進みますが,ひたすら登りですのでそんなにペース上がりません。
上記にコースのリンクを貼りましたが,コースは2周回で半分は登り,半分は下りです。登りの途中で下りが一服あるのですが,ここで前後リジッドのグラベルロードの不利を味わいます。登りで抜いたフルサスのMTBがすいすい下っていく中で,濡れた落ち葉と石の路面に恐れをなし,歩くようなスピードでしか下れません。グラベルロードでダートを下る場合,腰を浮かせて足と腕のすべてを使って振動をいなす必要があり,フルサスバイクと比較すると足と腕への負担が激しいのです。命からがら下って登り返し。普段は苦手な登りがありがたく感じます。
レース中1周目の下りで,「ここは」というスポットを見つけたので写真を撮りました。撮影中に何人も抜かれたけど気にしない。写真を撮る体力が残っていたのはここだけでした。
ボトルの水が全然減っていないのがお分かりいただけるでしょうか。バックパックに付属していたフラスコが使いやすく,またガレた登りではボトルに手が伸ばせず飲めませんでした。
2周目に突入すると登りが本当にきつく,どんどんペースが落ちます。体力もそうなのですが,何より手のひらが痛いのです。下りの振動で上半身が飛ばないようにブラケットをしっかり握っていたのですが,そのせいで親指の付け根にダメージが残り,グローブ越しに擦りむいたような痛みが走ります。ブレーキレバーを握るたびに痛みが走る。下ハンを握ると握りこむポイントが違うせいで痛みが少し緩和されました。ここからは下ハンを握って登り,首が痛くなってきたらブラケット,下りは常時下ハンの流れになりました。まだポジションが決まり切っていない私のグラベルロード,しゃくりすぎたブラケットのせいで下ハンを握るとブレーキレバーが遠い。足腰の痛みもありますが,なにより手のひらの痛みとの戦いです。同じくグラベルロードで出走している方と会話しながら登りましたが,「下りがキツい」が共通の意見でした。前後2.3barで走りましたが,衝撃をいなす意味でも空気圧はもう少し下げてもよかった気がしています。
何とか登っていくと1周目よりも登りで押して歩いている方を多く見かけます。路肩でパンク修理中の方も多く見かけるようになりました。100km組との合流地点で,明らかに私より走れるシュッとした雰囲気の方がマーシャルにリタイアを告げていたりします。バイクをよく見るとハンドルバーにタイヤインサートがグルグル巻きにしてあり,心中お察しというところですが距離が短いと言ってもこちらもそんなに余裕はありません。私もかなりラインを選んだつもりですが,パンクしなかったのは運が良かったと思います。でもコース後半の半分の下りは路面が安定していて舗装路区間もあり,スピードが乗せられて本当に楽しかったです。出し切ったのかゆっくり下っている方を発見したので,しっかり踏んで追い越しました。表彰に絡めないといってもレースですから。しかし手の親指の付け根は激しい痛みを訴えていました。上半身が吹き飛ばないようにブラケット下側に小指と薬指をしっかりかけて,人差し指と中指でブレーキレバーを握り,親指は添えるだけ。走りながら乗り方が進化しました。
レースが終わってゴール時点の自転車。ダウンチューブとボトルにびっしり泥がついています。
チェーンリング側。
泥のシクロクロスほどではないですがまぁまぁしっかり泥がついています。
ボトルケージに装備したボトルには,このとおり飲み口にも泥が付着するので正直飲む気にはなれませんでした。泥を一緒に飲むことでお腹を下すわけにもいかず,次回以降はボトルを外す決意ができました。
ゴール地点となったエイドステーションでは,ゴールした友人どうしで労う姿があちこちで見受けられました。チャリダーの取材が入っていたこともありにぎやかです。グリーンコグの仲間たちが全員ゴールするのを待って,昼食に向かいました。スタート/ゴール地点のとなった滝越地区には「水交園」という飲食店があります。着の身着のまま向かいました。腹ペコだったので。

二八蕎麦¥1,200と味噌串焼き¥600,どちらも税込みです。空腹感とレースで消費したミネラル分を補う上で最高でした。
水交園で食事後,いざ駐車場に戻るかといったところで激しい雨が降ってきました。
レース中にこの雨だと心が折れていた可能性が高いし,何より下りが怖くて完走できなかった可能性が高いです。本当にレース中快晴で助かりました。ツイてる!
レースの結果は9位。タイムは3h04m22sでした。速報では20名の記録しかなかったため,DNSもしくはDNFが16名だったことになります。レースでシングルリザルトは久しぶりです。しかし1位の方のタイムは2h20m台。1周で20分以上も差がある。レベルが全然違いました・・・
■帰宅前の風呂
私は自転車に乗ったらすぐに風呂に入りたいタイプです。レース後もすぐに風呂に入りたい。帰りに寄ったのはこちらです。
旅館自体はなんというか,「実家感」というんでしょうか。旅館のロケーションは最強と言える場所なんですがなんというか「実家感」。これは実際に行って確かめていただきたいと思います。日帰り入浴用の駐車場が狭いのは難点ですが。

ロケーション最強の理由。
旅館の一番奥に内湯の温泉があります。こちらも前日に行った「せせらぎの四季」と同じく「金泉」です。木曽福島周辺の天然温泉には「金泉」が多いのでしょうか。「棧温泉」の源泉は冷泉で,浴室にはボイラーで加熱した「金泉」と源泉そのままの水風呂があります。これを交互に入ると適切なサウナ感があって調子いい。初めて訪れた「棧温泉」はレース後にバッチリでした。たまたま入浴者が友人たちだけだったため,レース談義に花が咲き,大変充実した入浴になりました。
■次回の王滝に備えて
初参加のSDA王滝は,風呂から始まり風呂に終わって大変充実した結果になりました。浜松のグリーンコグとその仲間たちのおかげで大変楽しい時間が過ごせましたし,久しぶりのシングルリザルトでなかなかの満足感があります。限界まで出し切った感がありますが,100kmでしか見れない景色があると思われるので,次回は100kmに参戦してみたいと考えています。次回までの教訓としては,
(1)ボトルケージは使わず,ハイドレーションバッグで水分を賄う。
(2)トレイルランニング用バックパックで工具以外の自分に必要な装備はすべて運べる。
(3)宿を取らない場合はレース前後の温泉のリサーチが必要。
といったところでしょうか。
今回初参戦で感じたことは,普段は走れない特別なコースだということです。自宅近郊の荒れた県道とはわけが違う路面が長く続くのは,ここでしか味わえない体験だと思います。結局何回も参戦している人たちは,その特別な何かを求めて王滝を目指していたのでしょう。私もそういう何かを見つけた気がします。走り終わった直後は私もお腹いっぱいでしたが,今は「もう一回くらい走っておきたいな」の気持ちが出てきているので。来年無事開催されることを祈りつつ,そろそろシクロクロスのシーズンインです。自転車含めて何も準備できていないので,王滝の余韻に浸りつつ準備を進めたいと思います。
【自転車実験室】フルオーダーのフレームでグラベルロードを組んだ話
2022年7月,フルオーダーのハンドメイドフレームでグラベルロードを組みました。

Photo by もんじゃ
Sycip Bicycles Gravelroad with Shimano "GRX Limited 2X"
フレーム:Sycip Bicycles Gravelroad round top
ヘッドパーツ:CHRIS KING Inset7 ネイビー
フォーク:Wisky Parts Co. No.9 CXLR Fork
ハンドルバー:Wisky Parts Co. No.7 12F Drop Bar
バーテープ:SUPACAZ SUPER STICKY KUSH STARFADE プラチナ
ステム:Benefit Stem 90mm ±6° (Wisky Parts Co. No.7 Stem 90mmに変更予定)
シートポスト:Wisky Parts Co. No.7 alloy aluminum seatpost 0mm offset
サドル:fizik TERRA ARGO X3 kiumレール 160mm
BB:CHRIS KING Threadfit24 ネイビー
コンポーネント:Shimano GRX Limited 2X
ホイールセット:自作手組ホイール
ペダル:Shimano PD-M9100 ノーマル軸
2022年でビルダー歴30年というJeremy Sycipに依頼して作ったグラベルロードフレームは,同じくJeremyに作ってもらったシクロクロスフレームとキャラクタが完全に違い,同じビルダーでもジオメトリの違いでこれほど乗り味が違うのかという驚きをもたらしてくれました。2016年にJeremyが来日した際にその人柄に触れ,「次のフレームもJeremyに依頼しよう」と決めてから6年が経過し,私の今の思いを詰め込んだ自転車が完成しました。
今回自転車を組む上での1番の問題点は全世界的なサプライチェーンの混乱で部品が入ってこない事で,使いたかったグラベルロード用コンポーネント"GRX"も揃う目処が立たない状況でした。しかしフレーム完成に狙いすましたように”GRX Limited”が調達でき,なんというか不思議なタイミングの良さがありました。

Photo by もんじゃ シルバーポリッシュのクランクがカッコイイ・・・

Photo by もんじゃ 真鍮のヘッドバッチがマットネイビーのフレームにピッタリでした。
と,自転車の紹介はここまでとして,今回の本題は「組んだ話」です。
今回フレームをオーダーすると同時に,フレームの下処理から始めるいわゆる「ゼロ組み」がやってみたかったことでした。ホイールは自分で組むようになりましたが,自転車そのものは本当の意味で組んだことはありません。「ゼロ組み」はやってみたがりの私の憧れの作業でした。
自転車に乗ることは好きでも,組み立ても好き,という人は限られていると思います。これ以降は組み立てが好きな人向け,というか自分の忘備録も兼ねた記録です。正直写真も文字数も多く,終盤は時間に追われて写真が撮れていない状況です。誰の役に立つかわからない,むしろ完全に俺得情報でしかない「フルオーダーフレームでグラベルロードを組んだ話」の始まりです。
作業は2022年7月16日(土)と7月17日(日)の丸二日を使って行いました。
場所は私にとっておなじみのレンタルピット「カルチャークラブ」です。
■7月16日(土)の作業
①フレーム下処理
作業開始前のフレームです。フレームカラーがイメージしていた通りで本当にうれしい。

いわゆる完成車と違って,ここからパーツを組み付ける前にフレームに下処理が必要になります。
(1)シートチューブ内研磨

電動ドリルに専用のヤスリを付けて,

シートポストクランプを外してからシートチューブに突っ込んでやすりがけします。トップチューブとシートステーの溶接が原因でシートポスト内側には細かいバリがあります。このままだとシートポストが傷だらけになるのでやすりがけです。まずヤスリを突っ込み,それからドリルを回転させ,グリグリと全周を研磨します。
(2)ヘッドチューブ下処理
1.面取り

ヘッドチューブとヘッドの当たり面は塗装が乗っており,平面が出ていない事とこのままヘッドを圧入すると塗装が割れてしまいます。そのため塗装を削り平面を出します。

まず普通の金属ヤスリでヘッドチューブ外側の角の塗装を削り,切削の下準備をします。最大限顔を近づけて慎重に削ります。

うっすら下地の金属が見えるくらい。C面取り0.1mmくらいの感覚です。これをヘッドチューブ上下とも実施します。失敗を考慮して目立たない下側から作業しました。
2.リーミング

「リーミング」は,加工済みの穴を拡げるような作業を指します。ヘッドチューブ内側は溶接が原因のバリがありますし,真円が出ているとは限りません。専用切削工具で削り,ヘッドパーツを圧入するのに適切な穴に整えます。慎重に真っ直ぐ工具を入れて削ります。

工具の刃に細かい切り粉があるのがわかるでしょうか。この作業もヘッドチューブ上下とも実施します。
3.フェイシング

こちらも専用切削工具を使います。刃に指定のオイルをしっかり塗って,

ヘッドチューブに直角に当てます。軸の中心がずれないように慎重に合わせました。時計回りにゆっくり均等に回して行きます。

刃の隙間から削いだ塗装がリボンのようにピロピロ出てきます。

削れました。うっすら塗装が残っていますが,指で撫でても出っ張りは感じなかったので,「まぁこんなもんやろ」でヨシとします。削りすぎてヘッドチューブ長が変わると困ります。
(3)BBシェル下処理
ヘッドチューブと同様にBBシェルもフェイシングをします。
1.タッピング

BBシェルにはすでにネジ山が切られていますが,溶接により歪みが大きくなる場所と聞いています。またネジ山に汚れが乗っていたりするので,写真のような専用のタッピングツールを使用してねじ山のクリーニングも兼ねてタッピングします。左右で回転方向が違うので,向きに注意です。クランク側が少し渋い気がしましたが,削りすぎは避けたい。「まぁこんなもんやろ」で諦めます。
2.フェイシング

BBシェルのネジ山で工具の位置決めをするタイプの切削工具です。工具の重みで切削面にムラが出ないようにフレームを横倒しにして作業します。

こちらもピロピロと削った塗装が出てきます。フレームを裏返して両側とも作業します。
②ヘッドパーツ圧入

ヘッドパーツは圧入式です。CHRIS KINGのヘッドパーツには刻印があるのですが,圧入する時の刻印の向きに流派があるようです。私は今回上ワンについては菱形のマークが前後に来るように組み付けることにしました。

圧入される面にグリスを塗り,専用工具で圧入します。軸がずれないように全方向から角度を確認して慎重に圧入します。

上下とも圧入できました。下ワンのロゴは5箇所あり,今回私はKINGとKINGの間が中心に来るように組み付けました。マットネイビーのフレームに艶ありネイビーのヘッドパーツが映えます。
③BB組み付け

BBはThreadFitなのでねじ込むだけです。CHRIS KINGのBBはシマノ 対応のBBツールで締めると滑って外れ,フレームやBBを傷つける可能性が高いので,専用のソケットを使います。
ここまでの作業はさらっと書いていますが,工具の下準備と作業の説明はカルチャークラブスタッフのカモちゃん(7月末には異動)にサポートいただきました。アマチュアメカニックにとって強力なサポートを得られるカルチャークラブのレンタルピットは本当に助かります。自転車いじりがしたいが少し自信がない方には強く推奨いたします。丸1日ピットを借りて¥5,000。自宅に自転車を置く場所さえ確保できているなら,ピットの作業費は月極でガレージを借りるより安いはずです。
④チェーンステーカバー貼り

今回変速はフロントダブルで,インナーチェーンリングは31tの設定です。チェーンの暴れでチェーンステーにチェーンが当たる可能性が高いので,チェーンステーカバーを貼ります。しかし売っているものは妙にツヤツヤしていて,マットネイビーのフレームカラーに合う気がしない。結局自作しました。
参考になったのは強いシクロクロッサーとして名高いスクミズ氏のブログです。
トラックの幌を修理するためのパッチシール「ペタックス」の黒です。適度なシボがあり風合いがマットネイビーのフレームに合いそうです。幌に使う素材なので耐候性も期待できます。事務用のロータリーカッターで整形し,かどまるproで角を落としました。

貼れました。フレームの雰囲気を崩さず,目的を達成してくれました。長さは再考の余地ありですが,うまくいったと思います。上の写真にはタイヤが組み付いたホイールが写っていますが,タイヤの組みつけもこの時ついでに行いました。今回使用したタイヤ"SimWorks Volummy"はめちゃくちゃ着けやすかったです。リムとの相性も良かったのか,レバーも使わずあっという間でした。
■7月17日(日)の作業
コンポーネントの調達がこれほどうまくいくとは,というタイミングで"GRX Limited 2X"が届きました。7月15日にシマノから販売店向けに発送,7月16日にCirclesに到着,検品を済ませた後7月17日朝に私の手元に届きました。おそらくアマチュアメカニックとして"GRX Limited 2X"を組付けたのは私が国内最速ではないでしょうか。
店頭に並ぶ前にコンポーネントを届けていただいたCirclesに感謝します。

箱のデザインは鈍い茶色。私が欲しいのは中身なので,箱とはすぐにサヨナラしました。
⑤ブレーキキャリパ組み付け

ブレーキキャリパには最初からホースが組み付いていました。ホースの先は封止されていて,オイル充填済でした。

今回のフレームは,リアブレーキラインはタイラップを使う必要がなく,ダウンチューブ内を通る設計になっています。リアエンド側からホースを通していきます。

ダウンチューブ内にはブレーキホースを導くリードのようなものがないため,作戦を考えました。土日はAM4:00から開いている上州屋に行って,安い道糸を買ってきました。何となく5号を選定。

作業途中の写真がありませんが,以下の手順で進めました。
1)ブレーキホース先端をビニールテープで保護
2)ちちわ結びした道糸をヘッドチューブ側の穴からダウンチューブ内一杯に押し込む
3)BB側の穴からブレーキホースを押し込み,ヘッドチューブに突き当たるまで押し込む
4)突き当りの手ごたえを感じたら道糸を引っ張り,ちちわ結びの輪の中にブレーキホースが通ったかの手ごたえを確認する。
5)通った手ごたえがあったら,道糸を引っ張りながら少しずつBB側のホースを引き抜く。
6)ホース先端のビニールテープが穴から見えたら,千枚通しなどでテープをひっかけ,穴の外にホースを導く。
箇条書きにすると6項目ですが,実際には作戦はハマり,3分かからずホースは通りました。もう一度試した時には少し手こずった感がありますが,それでも3分かからず。予想よりアッサリ完了し再現性もあり。これでブレーキホースの交換は不安がなくなりました。
⑥STIレバー仮組み→ブレーキホース組み付け

ブレーキホースが通ったら,STIレバーへ接続です。あらかじめハンドルバーを組み付けておき,レバーのポジションをざっくり決めます。レバーに対してホースの長さを決めたらカットします。

カットしたホースのエンドにプラグを打ち込みます。このシマノの専用工具はこんな時にしか使わないので,カルチャークラブで借りれて助かりました。

STIレバー側のホース接続ボルトを8mmのオープンエンドで外します。オイルが入っているので下にウエスを引いてから外しました。

ホースの接続ボルトを外したら,ホースを通してそのあとホースのエンドプラグとセットになっているオリーブ(真鍮製の部品)を通します。このままレバーに突っ込んで奥まで当たってからボルトを締めると,オリーブがつぶれて密着し,レバーからオイルが漏れなくなる仕組みです。しかし今回この「ホースのエンドプラグとセットになっているオリーブ」に大いなる罠が潜んでいました。

上の写真の破片がなんだかわかるでしょうか。砕けた「オリーブ」です。なんと”GRX Limited”のレバーには最初からオリーブが入っており(しかも傾いていた),私は「ホースエンドプラグとオリーブはセット」という先入観から,レバーの中にオリーブを残したままオリーブ付きのホースを突っ込み,そのまま締めこんでしまったのです。
何を言っているのかわからねーと思うが,おれも何が起きたのかわからなかった・・・
頭がどうにかなりそうだった・・・
反対側のレバーのホース接続ボルトを開けた時に,何気なく奥を覗いたら傾いたオリーブが入っていることに気が付き,その場で倒れそうになりました。慌てて最初に締めたレバーのボルトを外すと,中に異様な形につぶれたオリーブが入っているのが見えました。「はい死んだ!今俺の限定版レバー死んだよ!」の叫びを必死に抑えてピッキングツールでつぶれたオリーブを半泣きで取り出しました。が,進みつつある老眼でピントが合わずうまく取り出せません。もう写真を撮る余裕なんかない。1時間半つぶれたオリーブと格闘しても取り出せず,気持ちが折れて膝から崩れ落ちそうになったところで,カルチャークラブスタッフのノブくんがラジオペンチ片手に立ち上がり,数分の作業の結果つぶれたオリーブを取り出してくれました。神。
カルチャークラブは基本自己責任作業ですが,今にも泣きそうな中年を見かねて助け舟を出してくれました。目のピントが合っていなかったせいでオリーブを取り出そうとする角度が悪かったそうです。本当に助かりました。

レバー側のねじ山をピッキングツールで結構傷つけてしまったので,ボルトに止水テープをこれでもかと巻いてホースをねじ込みました。何とかホースの接続を完了。本当に血の気が引きました。
⑦ブリーディング

キャリパが閉じるのを防止するブロックを突っ込み,ブレーキオイルのブリーディングです。GRXのキャリパにちょうどいいブロックがなかったので,斜め向きにブロックを入れてビニールテープで固定しました。

レバー側にオイルキャッチタンクを付けて,ブリーディング開始です。レバーをポンピング→キャリパ側のボルトを緩めてオイルを排出を繰り返してホース内のエアを抜いていきます。この作業もある意味キリがないので,「まぁこんなもんやろ」で諦めて終了します。
ここから先はカルチャークラブの予約時間終了が迫っていたので突貫作業となり,写真はありません。が,気づいたポイントは記録しておきたいと思います。
⑧コンポーネント組付け
クランク→フロントディレイラー→リアディレイラー→リアホイールにスプロケット組付け→ホイールをフレームにセットしてチェーン組付け,の順で作業しました。ブレーキディスクは最後まで組み付けません。油の着いた手で触ると面倒だからです。
チェーンは事前に超音波洗浄器で洗い,変速調整の前にチェーンルブを塗布しました。
⑨ワイヤリングとペダル組付け,変速調整
シフトワイヤは高級品ですがニッセンを指定。しなやかなワイヤは一度使うとシマノに戻れません。フロントディレイラーの調整が少し難しいですが,粛々と進めます。変速調整に便利なので,ペダルもこの時組付けています。
⑩コラムカットとシートポストカット
オーダーフレームなので,フォークコラム長はある程度めどが立っていたのに後回しにした結果は少し面倒でした。ワイヤ類が固定済なので,ソーガイドを固定したバイスまで自転車ごと持っていく必要があり,オリーブ取り出しで私を救ってくれたノブくんにサポートいただきました。本当に感謝。
シートポストはメンテナンススタンドで固定に使うため,作業終盤まで傷つけてよいシートポストを借りて作業していました。本番用のシートポストは,シートチューブ内に120mmくらい入る長さでカットしました。
後から気が付いたのですが,ハンドルバーからレバーを外してしまえばフォークを抜いて落ち着いてコラムカットできました。この時は焦っていて気が付きませんでした。反省です。
⑪清掃,ブレーキパッド組付け,ブレーキディスク組付け,ブレーキキャリパ位置決め
ブリーディングの時にこぼしたブレーキオイル等を清掃して,手をしっかり洗ってからブレーキパッドを組付け,ホイールにブレーキディスクを組付け,ブレーキキャリパの位置決めをします。レバーを握りこんでピストンを押し出し,ディスクとのクリアランスを確認しながら位置決め,ボルトを本締めして完了です。正直油圧ブレーキは,片押しピストンのワイヤ引きディスクブレーキより位置決めがカンタンです。ブリーディングの手間だけですね。
⑫ヘッドがた取り,各部ボルト締め付け確認
ブレーキの位置決めが終わったら,各部ボルトの締め付け確認をします。今回締め忘れはありませんでした。
⑬バーテープ巻き
バーテープを巻く前にハンドルやレバーの位置を確認して,バーテープを巻きます。毎度バーテープの最後を斜めにカットするのがうまくいかなかったのですが,今回巻ききった後にペンでカットするラインを引いてしまうときれいにカットできることに気が付きました。
完了はお店の閉店時間をオーバーしており,今回特例で延長してもらいました。
何から何まで本当に感謝です。

何とか丸2日で完成しました・・・
■まとめ
今回フルオーダーのスチールフレームで自転車を組む,いわゆる「ゼロ組み」といわれる作業に挑みました。特にフェイシングや圧入のようなやり直しが効かない種類の作業は貴重な経験になりました。自転車屋さんでない限りはこの手の作業は人生で1・2回あればいいほうだと思います。貴重な経験ができて本当に楽しかった。
次にいつ来るかわからない「ゼロ組み」に備えて反省点を以下に記します。
・オリーブに気を付けろ
レバーの中には最初からオリーブは入っていない,という先入観がありました。限定版のコンポーネントだったからかもしれませんが,つぶれたオリーブを取り出す作業は二度と御免です。次から必ず目視確認します。
・コラムカットの時はレバーを外せ
自転車ごと持っていかなくても,レバーを外せばフォークは抜けます。焦り故ですね。
・小さいバットを何個か用意せよ
本文中には書きませんでしたが,何度かスモールパーツを床に落として探す時間がありました。自前で何個かバットを用意しておけば無駄な時間を使わずに済んだと思います。
いろいろありましたが,自分のためにオーダーしたフレームで自分のための自転車を組むのは,本当に自分の自転車をクリエイトした実感が持てて,自己肯定感爆上げであります。これから新しい自転車でどんな走りができるのか,生き延びる楽しみがまた一つ増えました。