【自転車実験室】シクロクロス用チューブラータイヤをテープで貼った話
何とか傷ついた後輪のスポークを交換した前回から,今度はタイヤ貼り付けの工程です。
びっしり残ったリムセメントとCXテープ。再びリムセメントでタイヤを貼り直すことを考えると,かなりの手間がかかります。自身2回目のシクロクロス用チューブラータイヤ貼りは,このリムセメントの面倒くささとサヨナラすべくテープでの貼り付けを試みることにしました。今回のエントリでは実作業の記録を日付と共に残します。平日にまとまった時間を作りにくい状況でも,何とか貼れちゃうよという記録です。
- ■'22.10.16(日) リムセメント除去とタイヤにリムの癖をつける。実働4h(3.5h+0.5h)
- ■'22.10.18(火) タイヤを貼る。実働0.5h
- ■'22.10.19(水) リムをマスキングする。実働0.5h
- ■'22.10.20(木) タイヤとリムの隙間にコーキングする。実働0.5h
- ■'22.10.22(土) 試乗
- ■まとめ
■'22.10.16(日) リムセメント除去とタイヤにリムの癖をつける。実働4h(3.5h+0.5h)
日曜日はリムセメントを除去します。
使用するのは「もう使わないから」ということでもらった年代物の「リムセメントクリーナ」です。感謝。今でも同じものが買えます。
CXテープは,繊維に接着剤を含浸させた構造のようで,繊維質がびっしり残っています。
これに「リムセメントクリーナ」を塗布します。蓋についている刷毛で押し込むように塗布していきます。少しだけ待つとリムセメントが柔らかくなるので,紙ウエスでふき取っていたのですが,作業を進めていると「これはかなり時間がかかるぞ・・・」と感じ方針転換。集中して作業していたので写真を撮っていませんが,百均で買ったマイクロファイバクロスにリムセメントクリーナを染み込ませてひたすらこする作戦にしました。結果個人的な印象としては当たりで,紙ウエスで拭き取るより早かったです。
リムセメントとCXテープが除去できました。マイクロファイバクロスで少し作業が速くなったといってもホイール前後で合計3h弱かかっています。準備と片付け込みで3.5h。これは大変だ・・・もうちょっと効率いい方法はあると思いますが,個人的には勘弁いただきたい作業です。
タイヤはA.Dugastを使いたいところですが,TUFOのPRIMS 33 SGです。テープを使うのは初めてですから,作業にしくじりがあって高価なタイヤがレース中に剥がれたりしたらショックが大きいので,入手可能な中で一番安いものを選びました。お店に買いに行く時間がなかったので通販しましたが,実売で¥5,000/本しません。A.Dugastの1/3の価格です。箱が立派です。安いものを選ぶならあえてチューブラーにしなくてもよいかもしれませんが,昔「安くてもチューブラータイヤ一択。」との言葉をいただいたことがあります。
開封してみるときれいに折りたたまれて袋詰めされていました。バルブキャップがついていません。私はバルブキャップを付けたいので別途用意します。
開封して現物を確認してみると,しっかりした造りです。タイヤを広げるときに硬さを感じました。色から推測すると表面はブチルゴム,チューブもブチルゴムでしょう。
ふんどしにシリアルナンバと原産国の記載があります。チェコ共和国製です。
タイヤを貼る前に,まずはリムに乗せてエアを規定最大まで入れます。これで1日放置してタイヤにリムの癖を付けます。タイヤは硬かったですが,リムに乗せるのはそこまで苦労しませんでした。前後で作業時間0.5h。このまま24h以上寝かせます。
■'22.10.18(火) タイヤを貼る。実働0.5h
月曜日まるまるタイヤを放置して,今回の本題であるテープでのタイヤ貼りです。昨年ぐらいにニュース記事で見かけて,ずっと気になっていました。
エフェットマリポサのカローニャです。リム側とタイヤ側でそれぞれ接着剤の性質を変えており,その結果強力な接着が可能とのこと。
サイズはフタバ商店のWebサイトを確認し,SMを選んでいます。対象のリムはTNIのCX22でリム幅23.2mm,おそらくいけるはずです。
製品の裏側にリム幅とテープのサイズの選び方が書いてあります。フタバ商店のWebサイトと記載が違う・・・リム幅基準か,貼り付け領域基準かで記載方法が変わるのは理解できますが,製品とWebサイトの記載は合わせてほしいな・・・
不安を抱えながらテープを貼ったら幅はピッタリでした。良かった。バルブホールを避けてテープを貼ります。
テープを貼り終わったらちょっとだけテープが残りました。リム1本分で1巻。前後貼るにはテープを2本用意する必要があります。
バルブホール付近のセパレータを少しだけ剥がして,
タイヤを乗せて2bar弱エアを入れ,タイヤのセンターを出します。
タイヤのセンターを出したらセパレータをすべて引き抜きます。
セパレータを剥がしたら,タイヤに規定空気圧最大までエアを入れます。テープの糊がつぶれて少しはみ出しているのがわかるでしょうか。ここまでタイヤ1本で15分です。前後で30分。仕事から帰宅したヘロヘロ脳でもアッサリ終わる簡単さ。リムセメントでタイヤを貼る時の緊張感と全然違います。これでタイヤが剥がれないなら本当に価値がある。
■'22.10.19(水) リムをマスキングする。実働0.5h
テープが水にさらされて劣化するのを防ぐため,タイヤとリムの隙間をコーキングするための下準備です。これが結構慎重に作業する必要があるので疲れます。
貼れました。前後で実働0.5hです。疲れたのでこの日はこれで終了です。
■'22.10.20(木) タイヤとリムの隙間にコーキングする。実働0.5h
コーキング剤はセメダインのバスコークのクリアを使います。安くて量がちょうどいい。
学生時代のバイクツーリングの途中で寄った展示会で,小汚い学生の私にも丁寧な商品説明をいただき,カタログとノベルティグッズまでもらいました。それ以来接着剤はよほどのことがない限りセメダイン製を購入しています。
ノズルを付けて先端をカットし,
タイヤとリムの隙間に充填して,付属のヘラで整えます。バスコークは硬化速度が速いので,ヘラで整え終わったらすかさずマスキングを剥がします。
塗布できました。この作業も前後で0.5hです。仕事から帰宅してからの限られた時間で少しずつ作業を進めて,木曜日までで作業がすべて終わりました。あとは金曜日丸1日コーキングが完全硬化するのを待つだけです。
■'22.10.22(土) 試乗
空気圧を1.7barに設定して,食料品の買い物ついでに試乗に出ました。
乗ってみた印象はなんというか「普通」でした。1.7barでも正直少し硬く感じるくらい。A.Dugastのタイヤは乗った時に「乗り心地いい!」と私でも感じられましたが,その時の感覚が特別だったようです。いたって普通。舗装路面でハンドルをこじってみたりしましたが,タイヤがよじれる感じがありません。硬いんだな。A.Dugastと比較すると乗り心地が悪くなりましたが,チューブラータイヤを使う目的はパンクのリスクを可能な限り下げるためなので,贅沢言っていられません。ほかにも整備したいところが各所ありますが,とりあえず一番肝心なタイヤが準備できて一安心です。
■まとめ
今回の作業で,シクロクロス用チューブラータイヤをリムセメントで貼る時と,テープで貼る時を比較すると以下私の中では以下のようなイメージです。
※表をうまく入れる方法を調べるのが面倒でこのままです。いずれ直します…
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┃ ┃ リムセメント ┃ テープ ┃
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┃ 貼る前の下準備 ┃ セメント塗り3回 ┃ テープ貼るだけ ┃
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┃ タイヤのセンター出し ┃ 緊張感高すぎ ┃ 余裕 ┃
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┃ 貼り直し ┃ 面倒 ┃ 剥がすだけ ┃
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┃ 長期信頼性 ┃ 2.5年もった実績 ┃ 不明 ┃
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テープでのタイヤ貼りは不安な点は長期信頼性だけで,それ以外はメリット高すぎでした。あとは実際に走って確かめるしかありません。まずは2022-2023シーズン東海シクロクロス初戦 おおが城山公園にエントリしました。テープでのシクロクロス用チューブラータイヤ貼りの効果は,2023シーズンの終わりに明らかになります。