【レースレポート】2018-2019東海シクロクロス最終戦 ワイルドネイチャープラザC3
いろんな意味で、私の今シーズンを象徴するレースでした。走力、スキル、機材、すべてがかみ合わず最も満足のいかない結果に。しかしありがたいことにシクロクロスは逃げていかないのです。挑もうとするライダー全てを受け入れる何かがそこにあります。
振るわなかった今回のレースも現実。興味がなければ心底どうでもいい話なのですが、それでも、シクロクロッサーにはそれぞれの小さなドラマがあるのです。
■事前の準備〜トレーニング
・ペダリングに対する意識を意図的に変えた
去る2/11(月/祝)に「sfiDARE CRIT3.5」という練習会に参加した時の事です。日本ではマイナーなピストクリテリウムですが、104サイクルの児玉夫妻のお陰で東海圏では練習会があります。
練習会でタイムトライアルをした時に、もがいてもスピードが乗らない事について、NAGARA BICYCLE GARAGEのHASEさんから「踏み抜くペダリングのせいで脚が綺麗に回っておらず、それがブレーキになっている。」と指摘を受けました。自分のペダリングを改めてよく考えると確かにその通りでした。前から薄々気づいていたのですが、ペダリングの得手不得手が直接出るピストクリテでそれを実感し、意識改革を試みることにしました。その後すぐの56Cycleで56さんにその話をしてみると、「踏み下ろすペダリングになっているのはその通りで、自覚の領域に来たなら回すペダリングに切り替えていこう」と言われました。果たして意識的にペダリングを「回す」ように変えてみると、
「メッッッチャ辛い。」
今まで心拍175bpmで270W/20分でこなせていたところが心拍185bpmで250Wにまで低下。脚に対する疲労もこれまで外側広筋に一番疲労が残っていたのが、大腿直筋から内転筋、そして大臀筋に疲労が広がるようになりました。特に3セット目は尻の表面に寒気が走るくらいです。これまではローラー台でパワーをしっかり出す意識は絶やさず頑張ってきましたが、ペダリングの質を考えるところまで至っていませんでした。そこから2週間。自転車通勤と56Cycleでのローラーで回すことを意識するようにしました。こんな短期間で成果が出るわけないのですが、来シーズンに向けて意識する項目になりました。
・Simworksのシクロクロスクリニックに参加した
我が家にとってお馴染みの自転車店Circlesの商社部門であるSimworks主催の練習会です。これは前回の大野極楽寺公園の前に参加した時の写真ですが、今回もレース前日に開催してくれました。ハードなパワー系トレーニングはしませんが、地味にテクニックに効いてくる練習ができます。シクロクロスの乗車テクニックは一人でやるより人の意見を聞きながらのほうが確実に効果が出ると感じています。
■事前の準備~メンテナンス
・後輪を壊してしまった
今回のハイライトがまさにここです。メンテナンスなのに壊してしまうとは・・・
しばらくメンテナンスに時間を避けず、2/22(金)の夜にやっとタイヤをSERAC CX EDGEに交換しようとしたときのことです。私のレース用ホイールは自分で組んだ手組ホイールの初号機。下手なままあちこちいじったせいで、レースごとに振れてくるのを誤魔化し々で使ってきていました。タイヤ交換のついでに振れ取りしようとしたところ、途中でニップルをナメてしまいました。
ニップルが歪んでしまっているのがお分かりいただけるでしょうか。
かなりのスポークテンションで張っている状態で不用意に回してしまったようで、ニップルレンチのかかりしろがゆがんでしまいました。もはやまともにニップルレンチをかけることができません。幸い自宅にはニップルの予備があるので、外して締めなおすことに。
KNIPEXの名作ウォーターポンププライヤ「コブラ」でつかみニップルを外すことを試みました。
結果、
オワタ\(^o^)/
ニップルがメゲました。
こうなったらもうどうしようもありません。翌日は前日試走に行く予定なのに、レース用の後輪を壊してしまうとは…ホイール組み愛好家としては、破壊用のスポーク切りと予備のスポークを用意しておきたいと考えるに至りました。
自宅には10年前に買ったロードバイクに最初からついていたキシリウムエキップの後輪が残っていました。私のドライブトレインは10速なのでホイールとしてはまだ使えます。チューブドでタイヤを組みつけました。
もともと使っていたリムはVelocityのA23OC。リム幅23mmです。それに対してこのホイールはリム幅19mmと狭い。そこでブレーキワイヤは長さを調整したのですが、焦っていたせいでブレーキシュー角度を調節するのを忘れてしまいました。これが後にレースでトラブルを招くことになります。
本当は土曜日のうちにホイールを修理すべく、壊したニップルの部分だけスポークとニップルを買いなおしたのですが、時間が足りず振れを取り切れませんでした。結局諦めてこのままキシリウムエキップとSERAC CX EDGEの組み合わせで走ることに。
誰かが言っていた気がします。「大事なものは、予備を用意しておくんだ」私にとってはスペアのホイールセットですね。
■レース当日
AM4:00にアラームで目が覚めました。一瞬で「シクロクロス行くぞー!」とテンションが上がります。着替えて前日に車に積みきれていなかった荷物を積み、妻と息子を起こし、AM5:00に出発しました。途中のトイレ休憩込みで6:15頃に会場に到着。スタートに近い場所に車を止められました。
・息子のレース(CK2)
今回は今シーズン初めて息子が「シクロクロス出てみる」と言い出したので息子も出走することに。そのまま走り出すのは不安なので朝一の講習会に参加しました。
東海シクロクロスでは、朝一の試走時間に、C1ライダーによる子供や初心者向けの講習会を実施しています。コースを試走してポイントを教えてくれるので、初心者にお勧めです。
いざレースが始まってみると、今シーズン初のレースにも関わらずしっかり走っている息子に感動しました。
周りはジャージを着た子供たちの中一人だけ長袖Tシャツにジーンズ。コーナリングや砂地での走行は他の子についていけないのですが、シケインでの乗降車だけ異常なうまさを見せました。
・ウォーミングアップ
ウォーミングアップ用のローラー台を更新しました。
MINOURAのフロントフォーク固定型ローラー台「FG220」です。とある方から適正価格で譲っていただきました。
今まで使っていたGROWTACと比べて断然軽く、セッティングが楽です。負荷装置はついていますがこれは正直間に合わせです。センターヤスリ目のタイヤでは負荷が軽すぎる印象でした。家でローラートレーニングができる環境の方はレースでのアップ専用と割り切って、自宅では高負荷のローラーを別に用意したほうが良いと感じました。築古の集合住宅に住む私は今自宅用にミノウラの新作である「LSD9200」が欲しくなっております。まだ我慢。「FG220」はいずれきっちりレビューしたいと思います。
■実際のレース
今回のレースにはテーマがありました。それは
「前走者にぶつからない」
というもの。
前回のワイルドネイチャープラザでは前走者にぶつかりまくってしまい大変ご迷惑をおかけしました。タイムも落ちるしいいことは何もありません。後列からスタートならスタートで遅れても落ち着いて後ろから通れそうなところを探して進もうと考えました。
エントリーリストが確定してから確認すると、順位は低いながらも地道に参戦し続けてきたせいで、今回ボディNo.はなんと「8」。しかもDNSの方がいたためフロントローに並べました。うまくスタートすれば前の人にぶつかる可能性が低くなります。並べたのは右から2番目。最終コーナーの砂が掘れており、下手にスタートすると過去にやらかした通り前転の恐れがあります。
気温も上がってきて全く寒くなかったので、比較的リラックスしてホイッスルを待てました。
ホイッスルと同時にスタート。少し出遅れましたがそこまで悪くないスタートでした。第1コーナーに向けてスピードを乗せて行き、なんとか7番手で第1コーナーに侵入しそうという時に、前走者の集団がインに切り込んできました。ふつうに考えたら当然なのですが、その時思ったよりスピードが出てしまっていた私はブレーキも間に合わず前走者のOTAKUHOUSEにぶつかってしまいました。早速テーマを破ってしまう体たらく、後ろは大渋滞です。本当に申し訳ない。フロントローで熱くなりすぎてしまったのでした。速やかに降車して走りだそうとしたら自転車が持ち上がらない。なんとOTAKUHOUSEの後輪のスポークの間に私の左側の下ハンが潜り込んでいます。焦っているせいでうまく取れない。周りはランに切り替えた人々が巻き起こす砂埃。
Photo by Kikuzo まさに困惑する瞬間
やっとの事でハンドルを抜き取り、走り出したOTAKUHOUSEを見届けて自分も自転車を押して走り出しましたが、何か異常に自転車が重い。余裕がなくて人物を確認できませんでしたが後方からどなたかの「齋藤さん後輪ロックしてる!」の声が。
後輪を確認すると左側のブレーキシューがリムのブレーキ面の下に潜り込んでいました。
こんな感じでブレーキ面の下にシューが潜り込んでいました。
再現すると上の写真のような状態でした。今回急遽後輪を変えた時にワイヤ長は調整していたのですが、ブレーキシューの角度まで細かく調整できていませんでした。恐らく第1コーナーで落車した際に一瞬ホイールが歪みその時にシューが潜り込んだのでしょう。
見た瞬間は「???」でした。恐らく放心というやつ。やっとの事で状態が理解できた私はブレーキのアームを掴み力技で元に戻しました。シューの角度がさらに変わってしまったけど致し方なし。集団はすでにはるか先に。「また最下位スタートか…」数年前のスタート直後の前転落車を思い出します。あの時は諦めもついて気を取直しましたが、今回は気持ちがポッキリ折れる音が聞こえました。しかしまだレースは始まったばかり。自転車を押して走り出しました。
Photo by Kikuzo 孤独な再スタート。前には誰もいない。
第4コーナーでやっと集団の最後尾に追いつきました。この時点で心臓がはっきり苦しい。集団から離されないようになんとか走ります。当然なのですが、集団になると試走のように思った通りに走れない。今度はぶつからないように慎重に走ります。苦しい上に気持ちが盛り上がらない状態でさらに苦しくなってきます。コーナーも失敗しまくり。走りはガタガタです。
Photo by Kikuzo やっと集団に追いつく。この時点で心拍はガタガタ。
途中で関西から遠征してきているHARIMAXを発見。「追い抜かそう」やっと火がつきました。「捕まえたぞー」と声を掛けてパス。やっと気持ちが元気になってきました。途中で先日の大野極楽寺公園公園のC4を1位で上がってきたオーニシさんも追い抜きます。
2周目の第4コーナーの手前です。前走者がバランスを崩したのか降車しそうな気配、今度こそぶつかりたくなかった私はブレーキングして降車を試みましたが、集中力が切れてきたのかブレーキを失敗、ハンドルを右に切る形でバランスを崩した私。
Photo by Kikuzo 「うぉっ、ヤッベ」
そのまま前輪が砂に突き刺さりました。
Photo by Kikuzo 意図してジャックナイフを決めているワケではない。
この瞬間を捉えていたKikuzo氏には見事としか言いようがありません。このまま前転してコースアウトしたくなかったので必死でバランスを取り、なんとか着地。再び降車して自転車を押します。
Photo by Youkan_0045 乗れるはずの下りも乗れない
もう走りはガタガタ、心拍は限界、どんどん集中力が落ちます。しかし少しでも来シーズンに活かすために残りの時間も限界ながら手は抜きたくない。必死の形相で自転車を押していると「ブログ読んでるよ!」の声援も。有難い事です。が、返事をする余裕全く無し。申し訳ありません。
最終のゾンビ坂でFAT Bikeで駆け上がってきたM2のHASEさんに捉えられます。
Photo by つっつん HASEさんが迫る
砂の上を走るのはFATの方が有利と言えども、登りの押しはFATの方が不利なはず。しかし追い抜かされるしかないくらいヘバっていました。体重が重くランのダメージが大きすぎです。下りに入るとあっという間に差を開けられました。HASEさんが残した轍を頼りに最後の砂を走りますが、また砂に沈んでしまい押すしかない状態に。もう足も腰も限界。ワイルドネイチャープラザで好成績を出したいなら、ランの走力向上も課題ですね。
最後のシケインを越えたあとは後ろを振り返る余裕もありませんでした。
Photo by Kikuzo
ゴールめがけてモガくしかなかった。第3戦と違うのはビブの肩紐でゼッケンが隠れていない事だけ。孤独なゴールでした。テーマは達成できず、パッとしない順位でかなり凹んでしまいました。
■レース後
すぐに妻の走るCL2が始まるのでジャケットだけ着て応援に行きます。
Photo by kinu 自転車と同じブランドのTシャツなんだぜ
今回妻はCL2で一人だけTシャツにジーンズのスタイル。担ぎ方はなんか変なのですが、砂の上の乗車率は異常に高く、「こんなとこ乗って行けるのか…」と驚きました。逆にランは異常に遅いので順位には繋がりませんでしたが、砂を走れたのは相当楽しかったようです。凹んでいる私とは対照的でした。
妻が走り終わった後にBUCYO COFFEEで食事です。
今シーズン最後のクロス会場でのランチは無念の味でした。
■リザルト
カテゴリ:C3
順位:37/57位(64%)
タイム:32:50.1(+3:36)
Lap1:11:02.1
Lap2:10:53.0
Lap3:10:55.0
ラップタイムを確認すると、あれほど派手にトラブって永遠とも言える虚無感を味わった1周目と2周目で11秒しか差がありません。1周目で追いつくために出し切ってしまい、2周目以降はヘバってペース一定になったという事でしょうか。それにしてもC3の1周目の最速タイムは9:38.0、私の最速タイムと1:15も差があります。もともと全く勝ち目が無いという事ですね…
■まとめ
・前走者にぶつからないように降車する判断が遅い。
・大切なもの(特にホイールセット)は予備を用意する。
・まだC2に上がる走力はバイク、ラン共に無い。トレーニングする。
さて、今私の手元には当日出店していたSimworksブースで破格で売っていた「A.Dugast Small Bird Neoplane」があります。
私はチューブラーホイールを持っていません。これから来シーズンに向けてリムの選定から機材の準備を始めていきます。私の中では色々あって準備不足だった2018-2019シーズンに対して、2019-2020シーズンは身体、機材共にアップグレードして挑みたいです。
満足いかない結果だったとしても、1シーズンを走れた幸福を喜びたいです。また8カ月もしたら次のシーズンがやってくるのですから。
" #2019-2020シーズンはすでに始まっている "
See you next season!
【レースレポート】東海シクロクロス第7戦 大野極楽寺公園 C3
「暑すぎた一日」でした。
1月2日にインフルエンザA型を発症してから3週間半。体調はすっかり戻ったといいたいところですが、まだ呼吸器に少し違和感が残ります。インフルエンザ怖い。昨シーズンC4でチェーン落ちから逆走という大幅タイムロスを経験したこのコース。事前情報ではかなりテクニカルになったとのことでした。正直相性はよくないコースです。しかしC3で勝手にライバル認定した方も増えてきて、シクロクロスがますます楽しくなってきています。今回も大いに意気込んで参加したのですが・・・
■事前の準備〜メンテナンス
・ブレーキを「左前」にした
1月2日にインフルエンザA型を発症し、家族から隔離されて布団の中で正月休みを過ごすことになった私。それなりに寝込みましたが、起きている間は暇なので、Kindle Fire HD8インチでの映画鑑賞を楽しみました。「デッドプール 2」を連続で2回見たその夜、熱にうなされる夢の中でユアン・マクレガーの如くトイレから仄暗い水の底へ落ちた私は、水の底でモリーナ・バッカリンに出会い、「ブレーキを左前にせよ」とお告げを受けました。色々混ざってました。
ブレーキ左前。つまり自転車のフロントブレーキを左レバーに割り当てるという事ですが、何故か日本ではマイナ(なはず)です。かくいう私もこれまでブレーキは「右前」でした。しかしこれまでのシクロクロスで、以下の観点からブレーキ左前の方が良いのではとボンヤリ感じていました。
・後輪ブレーキを利き手で繊細にコントロールしたい。
・フロントブレーキはそこまで「ガツン」とかける事は無い。(握力が弱い左手にフロントを割り振ってもよいかも)
と言うわけでブレーキを左前に変更しました。
変更前
変更後
乗って確認した結果最終的にはワイヤをクロスさせる形に落ち着きました。
ワイヤリングは初めてのパターンだったので取り回しはだいぶ悩みましたが、変更前と比べてヘッドバッチが正面からハッキリ見えるようになり個人的には満足行く仕上がりになりました。これで調子良ければ来シーズンは「日泉ケーブル」で仕上げたいです。ワイヤリング変更からレースまで1週間。自転車通勤をワイヤリングを変えたシクロクロス車に切り替えて、通勤中に公園や河川敷に寄って走りを確かめ感覚を慣らしました。
・チューブレスバルブにねじロック剤を塗布した
レース2日前の金曜日の朝、自宅前の下り坂を下っていたところ前輪のエアが抜け出しました。触ってみるとペコペコ。自転車を押して下ってきた坂を駆け上がり、階段4階の自宅へ駆け上がってバイクチェンジ。普段の通勤用自転車で仕事に向かいました。レース前からメカトラでピットインとは幸先悪い。
帰宅後前輪を確認してみるとすっかりエアが抜けビードが落ちていました。シーラントも漏れてる。エアタンクで空気を入れるとビードは問題なく上がります。パンクの原因を特定するため、家族全員風呂に入った後の残り湯にホイールごとタイヤを突っ込んで「水調べ」です。結論、バルブホールからエアが漏れていました。これまでの使用でバルブの根元が緩んできていたようです。オフロード走行をするため激しい振動が起きるので確かにバルブは緩みやすくなるはず。レース前に気づけて良かったです。
しっかりバルブが固定されてエアが抜けないことを確認してから、固定ナット緩み止めのおまじないとして「ねじロック剤」を塗布しました。
ねじロック剤の代名詞「LOCTITE」。あとで緩められるように「222低強度タイプ」です。
バルブ固定ねじに塗布しました。紫色のがそれです。少し待ってから余分な分はふき取ります。個人的なチューブレスタイヤの取り扱いノウハウがまた一つ増えました。
■レース前日
普段通っている自転車店Circlesの「シクロクロスクリニック」に家族で参加しました。
シケイン越えを練習する息子
普段はレースに出ない息子もみんなで遊ぶ感覚が楽しいようで、練習会では積極的でした。本人が出たがらない限りはレースに出すつもりはないのですが、練習会の後は「次のレースは出てみようかな」とのこと。私自身も大変練習になったのですが、心臓を追い込まないテクニック練習はライダーのレベルが混在していてもみんなで楽しい練習ができるので、初心者のハードルを下げる良い会だと感じました。
■レース当日
・レース前
5:00起床で5:30出発です。途中コンビニに寄っても一般道で1時間半弱で到着できます。大野極楽寺公園は駐車場とコースが近いので焦らず行けます。夜が明けてきた7:00ちょい前に到着できました。車もBUCYO COFFEEブースのすぐ近くに止められて申し分なし。受付を速やかに済ませてBUCYO COFEEEのコーヒーを飲みながら試走時間を待ち、試走開始です。走ってみるとコースは難しく、そして面白いコースに仕上がっていました。東海シクロクロスのコースレイアウトでは最もテクニカルなコースといえるのではないでしょうか。試走は大渋滞。バックストレート側の階段は私のテクニックでは登れなくなっていました。しかし今年は霜が降りておらず、路面が乾いています。去年は霜が溶けた後路面がグズグズになったのでありがたい。
問題は寒さです。今年もタイミングよく寒波がやってきたので、霜は降りてなくても猛烈に寒くなることが予測されました。暑がりの私ですが中年になってくると寒さのダメージが全然抜けなくなってきます。今回はしっかり防寒対策をすることにしました。
今回導入した新兵器がこちら。
オーダージャージのサンボルトの「ウォームアップパンツ」です。
この通り側面のジッパーを全開にする事で、シューズを脱がずにタイツが脱げます。スタートギリギリまで脚を保温できます。Facebook のタイムラインに流れてきた時から気になっていたのですが、迷っているうちにLサイズが売り切れになっていました。ところがレース前の水曜日に56Cycleにトレーニングに行くと、56さんから「齋藤さんのために最後の一着取っておいたから。大野極楽寺で要るでしょ。買っていきやぁ!」と一声。買いました。
試走からアップ、レース寸前まで履きっぱなしだったのですが、適度な厚みで本当に快適でした。問題は我が家にとってはシクロクロスでしか役に立たないこと。妻からは「夫婦でシクロクロスやっていなかったらこんなモノにお金出すのは理解できなかった」との一言。全くごもっとも。
Photo by @cappellitto
今回C3の出走時間が変更になっているので少し焦りました。脚にオイルを刷り込みローラー台でアップ開始です。それにしても寒い。脚も芯が固い感じです。しかし脚の固さは無視して心拍を上げることに集中してアップ。心拍が上がり切った後に少し休んで再び心拍を上げます。15分弱でアップは完了。気温は低く、風もそれなりにあったのでインナーは長袖に。これが失敗でした。コースがテクニカルで下手な私は落車の恐れが十分あったのでアームカバーを装着。上着をダウンジャケットに変えて招集を待ちます。
・実際のレース
今回はボディNo.16で2列目。今シーズン初めて2列目に並べました。うまくスタートできれば前に出るチャンスがあります。遅れなく招集を終わらせ2列目一番右のグリッドに入りスタートを待ちました。自分の実力通りの走りしかできないのに、スタート前はいつも本当に緊張します。スタート2分半前にジャケットとウォームアップタイツを脱ぎました。
ホイッスルでスタート。
Photo by youka_0045 完全に出遅れ・・・
今シーズン初めてスタート直後に左足のクリートがうまく嵌りませんでした。周りはぐんぐん加速していきます。心の師匠の教えである「クリートが嵌ってなくてもペダリングして前に進め」の言葉を忘れずとにかく進みます。1列目の選手はあっという間に前方へ。クランク4回転くらいでやっとクリートが嵌り加速開始。20番手くらいで第一コーナーに侵入しました。
左前に設定したブレーキは調子よく、コーナリングスピードを調整しやすかったです。これは今後も続けてみます。しかしそれにしてもコーナーが難しい。少しスピードを乗せるとアウト側に膨らむし、侵入とスピードコントロールが問われるレベルの高いコースに感じました。テクニックに自信のあるライダーでも十分に楽しめる作りと言えたのでは。
しかし一周目は渋滞もあってペースが上がらない上に、妙に「掛からない」。
Photo by youkan_0045 気合の乗ったライバルにあっさりパスされる。
4列目スタートだったライバルにもあっさりかわされます。
Photo by youkan_0045 「あっ、抜かれちゃった・・・」
バックストレート側の階段を上ったところの平地は本来私は掛けまくらないといけないところだったのですが、全然足が回らず、前のライダーからどんどん離されます。なんだろうこの感じ。
Photo by @cappellitto 背景を見るとグループライド中か?というくらいあっさり抜かれています。
バックストレートを終えて下り始めたあたりでやっと違和感の正体に気づきました。
Photo by @cappellitto バックストレート後の下り。ベストラインを求めて。
「暑い」のです。朝からぐっと冷え込んでいたのですが、なぜかC3のタイミングだけ太陽がばっちり出てきてぐんぐん気温が上昇。無茶苦茶暑くなってきていたのでした。私のインナーは起毛気味のロングスリーブ、さらにネックウォーマー(取るのを忘れていた)をしたままだったので暑すぎました。パワーはまぁまぁあるけど体重が重たすぎる私は発熱量が高い。新手のスタンド使いの攻撃であっという間に老化してやられるパターン。
坂を下ったあとのキャンバーを越え、公園の外周路に入って思い切りペダルを回したあたりでやっと気力が戻ってきました。
Photo by youkan_0045 キャンバー苦手です。
2周目でライダーもばらけて走りやすくなってきて、やっとペースアップです。それにしても暑い。暑さで顔がゆがみます。ネックウォーマーの存在には気づかない。何とか1周目で抜かされたライバルをパスし、やっと全力走行に入れた感じになりました。しかし自分が全力で走れるということは他のライダーも全力ということ。常に背後に誰かの激しい息遣いとチェーンの擦れる音や変速の音が聞こえます。ここからは意地の走り。4周目の坂の下りもインを攻めるつもりでしたが内側から追い込んできたライダーに弾き飛ばされまっすぐ下ることに。
Photo by Kikuzo 愛知牧場より階段の段差が低く登りやすい。
走っているとバイクを押しているライダーを結構見かけました。ありがたく追い抜きます。大野極楽寺公園では全カテゴリーでメカトラを見かけました。メカトラには気を付けて走っているつもりですが、自分でなくてよかった。抜かされた分だけメカトラのライダーを抜かした感じで何とかゴール。
レース後少し落ち着いたところでジャケットを着こみ、妻の招集に向かいました。そこで「暑かった」という話をしている最中にネックウォーマーをしたままということに気が付きました。ネックウォーマーを外すのを忘れるくらい緊張してしまうとは・・・
今回落車への恐れでアームカバーはしましたが、インナーはメッシュの夏用で十分でした。ネックウォーマーなどもってのほか。私のシクロクロスは基本薄着で決まり、ということがよくわかりました。
レース後のタイムを確認すると、
1周目 6:50.8
2周目 6.25.2
3周目 6:28.8
4周目 6:31.1
と、いくら渋滞したとは言え一周目のタイムが遅すぎです。2周目と25秒差とは・・・どれだけ掛かっていなかったのか丸わかりです。そして難易度の高いコースだったことでバイクコントロールの下手さがモロに出ました。練習した結果がそのまま出ているだけなのですが、限られた時間でバイクコントロールの練習をうまくやれていない自分に反省です。順位%は43%。うーんイマイチ。このままでは全然勝てる気配がありません。
■リザルト
カテゴリ:C3
順位:22/51位(43%)
タイム:26:2615(+2:09)
■まとめ
・自分に厚着は向かない。薄着でGo。でもレース前は体を冷やさないように。
・バイクコントロールの差がはっきりわかるコースだった。来年も挑戦したい。
■余談
自分の結果はイマイチだったわけですが、この日はうれしいことがたくさんありました。C4AでずっとボディNo.1を背負っていた友人がついに優勝し昇格したこと。初めて彼と遭遇したのは何年前だったかの各務原アウトドアフィールド。同じC4で落車で絡んだことを覚えています。この日の走りはまさに「勝つ」走りでした。ついに再び同じレースを走れることになりました。
朝の試走では「下りが怖くて乗れない」と半泣きだった妻がレース中に覚醒し下りを克服、レース後に「今までで一番楽しいコースだった」と言っていたこと。妻はもともと大の運動嫌いなのですが、シクロクロスで「できなかったことができるようになる」というスポーツの喜びを見出しました。帰りの車はずっとその話になりました。ちなみに妻は自分のスタイルとしてジーンズを履いて走っているのですが、レース中ずっと56さんが私に「奥さんにレーパン勝ってあげやぁ」と言っていたのが印象的でした。今回妻がうまく走れた要素に、CL1、CL2、CL3が混走のレースになったことが上げられると思います。自分より早い男性ライダーと同時に走るよりも女性とのほうが安心して走れたとのこと。今後もこの形式にしてもらいたいです。
次戦は東海シクロクロス最終戦、大好きなワイルドネイチャープラザの2回目です。前回の反省を生かして少しでも上位に食い込みたい。今から楽しみです。
【レースレポート】東海シクロクロス2018-2019 第6戦 愛知牧場Day2 C3
東海シクロクロスの 愛知牧場は土日の2Day開催です。
インフルエンザA型発症から10日ぶりに自転車に乗った前日のレースから開けて一夜。JCX戦に組み込まれている東海シクロクロス第6戦ももちろん出走です。
■Day1のレース後
病み上がりということもあり、体のダメージがハンパない感じでした。レース後に定番のBUCYO COFFEEのプロテインドリンクとカレーきしめんを食べていたのですが、後から猛烈な空腹感を感じドテ煮とドテ串セットを平らげる。
カレーきしめんにしっかりネギを盛る。んまい。
帰宅してからも肉を食べ、21:30に就寝、あっという間に意識を失いました。
■レース当日
・レース前
前日21:30に就寝した後、夢でうなされて1:00に目が覚めました。会場は定かではないが、雪が降り続くシクロクロス会場の駐車場で車が動かなくなり、視界がどんどん失われていく恐ろしい夢です。家族3人川の字で寝ている我が家。隣の息子を確認すると布団から飛び出しているので布団をかけなおし、再び就寝。5:30まで眠りました。
起床後妻と息子を起こし出発。自宅から会場までは車で30分。つくづく近いコースで大変助かります。毎回愛知牧場でもいいくらいです。
6:30には駐車場に入り、少し仮眠したあとに受付を済ませました。前日はヘルメットを忘れましたが、この日はさすがに忘れませんでした。前日にしっかり走っているので試走はせず、気持ちを落ち着けます。体は疲れますが2dayレースの良さはコースを把握できることですね。
この日は妻も出走だったので、準備は少し忙しかったです。ほかのシクロクロス会場と比べると恵まれているほうですが、東海シクロクロスの会場の中では愛知牧場は駐車場からコースまで若干離れています。荷物を運ぶのが面倒なのです。周りを見渡すとコールマンの台車を使っている人が結構います。来シーズンこそは自分も使いたくなってきました。C4の応援をして、CL2で出走する妻を見送った後からアップを開始します。
相変わらず呼吸が苦しい。心拍系で胸を締め付けられる感覚が嫌だったので、この日も心拍系はあきらめました。足回りにたっぷりイナーメのCXオイルを刷り込み、短時間でアップをします。食事はゼリー飲料のみ、便通も予定通りあり、ウォーミングアップの段取りは確立されてきました。スターティンググリッドに移動し、妻のレースの終盤を見届けて招集開始です。
・実際のレース
前日と打って変わって快晴のDay2。ゼッケンNo.は28と前日より下がりましたが、それでも3列目の右から2番目に並べました。C4で落車による怪我人が発生したこともあり、パンプセクション前のコースが若干変更になっているアナウンスがありました。変更箇所を自分で確認できていないので不安を感じます。
ホイッスルでスタート。前日に走っていることもあり、第1コーナーは路面が締まっているインから進入することは決めていました。愛知牧場はホームストレートの道幅が広いこともあり、レーサーがばらけてインに入りやすかったです。密集状態でコーナーの真ん中に侵入すると砂利を踏んで滑りやすいのが予測できていたのでここは及第点。第2コーナーまでの坂を駆け上がります。
Photo by Kikuzo ゼッケンNo.7の後ろが私。インから第2コーナーへ侵入。
10番手付近で第2コーナーへ進入。シクロクロスでライダーの列が伸びると、よっぽどの走力がない限りは後ろに沈んでしまいます。 私としてはこのスタートダッシュは必死のパッチ。第3コーナーのバームを越えたあたりから、心臓に違和感を感じ始めます。
「ハッヒ、ハッヒ!」自分の呼吸の音がおかしい。一気に限界に追い込まれた感覚です。ライダーの隊列はどんどん縦に伸びます。ペダリングの度に呼吸は苦しくなり、自分の呼吸音が激しく耳に響きます。おそらく前日よりペースが速いのかどんどん呼吸が苦しくなります。
Photo by Kikuzo 鉄塔裏の登り返しまではなんとか踏ん張るが・・・
鉄塔の登り返しまでは何とか踏ん張って走るのですが、このあたりから後続にズバズバ抜かれ始めます。今写真を見返すとよくわかるのですが、ただでさえダートでのダンシングが下手なのに、砂利が浮いたラインを走ってしまっています。トラクションが効かず、全然前に進む感覚が無い。しかし走っているときはそこまで意識が回りませんでした。余裕がない証拠ですね。
落車しないようにラインは考えていましたが、とにかく呼吸に余裕がない。相変わらず自分の呼吸音が激しく聞こえます。
Photo by Kikuzo バーム走行中も全く表情に余裕がない。
2周目でシングルギアで走っている友人に腰を叩かれ抜かれてしまいます。しかし体に余裕がない。登りはヘロヘロで少しずつ後退していきます。下りは集中力が切れてきて、ラインの選択が甘くなってきます。タイヤがめげる感じが怖い。今回前後ともタイヤの空気圧は1.8barに設定したのですが、コンディションと私の体重を考えると2.0barでも良かったと感じました。試走が足りなかったです。
3周目くらいから走力が近いライダーと固まってきます。抜きつ抜かれつの攻防が楽しいが苦しい。
Photo by Kikuzo ずっと苦悶の表情・・・
いつも勝てないU17のライバルにも刺されます。
Photo by Circles これが倍以上の年齢の差か・・・
昨シーズンより短くなったとは言え相変わらず苦しい通称「モーモー坂」。写真をみるとこれまたライン取りを失敗しています。激しい声援が聞こえるのに前に進んでいる感覚が無い。これは消耗する・・・
Photo by Igami ラインが砂利の上。これは登り辛い・・・
前日のDay1で会話を交わした同じC3のライダーにも抜かれました。しかしこのあたりから少しずつ心臓が回復してきます。抜かれたライダーとの距離はあまり離れていない。追いついて「腰ポン」してやる!、と心を決めました。
4週目のシケインを越えた後に追いつき、「腰ポン」を決めました。そのまま「ゴルゴタの丘」の階段に侵入。最後の「モーモー坂」の上りに入るまで彼の前を走っていました。「抜かれてたまるか」の気持ちで「モーモー坂」の上りに進入。ここで初めて上半身と下半身の感覚が一致し、「登れてる」感覚が脚に響いてきました。疲れ果てた足が、やっと路面とペダリングに釣り合ったようです。「このまま登り切りたい!」と思ったところで刺されてしまい最終コーナーへ。
Photo by Igami フィニッシュラインがはるか遠くに見える・・・
空は綺麗。ライバルとフィニッシュラインは遥か彼方。もはやもがいても順位は上げられないのですが、最後の意地でもがき切りゴール。走力の無さ、ダートの登りの下手さを思い知ったレースでした。
しかしレース直後に私が「腰ポン」したライダーと会話を交わすと、レース後ならではの友情を感じました。お互い限界で走っているので、その中で争ったライダーはみんな私にとっては大事なライバルです。はっきり中年と呼べる年齢になって、こういう戦いができることを本当に幸せに思っています。これだからシクロクロスはやめられない。
レース後のタイムを確認すると、
1周目 8:05.7
2周目 8:09.8
3周目 8:08.4
4周目 8:02.7
と、「腰ポン」してやる!と決めた4周目だけタイムが大幅に向上しています。コースに慣れたこともあると思うのですが、やはりライバルに追いつこうとする気持ちがタイムを向上させてるのですね。しかし伸び悩むタイムが示している通り、正月休みにトレーニングできなかったことがモロに響いています。もっと上位で争えるようにトレーニングを積みたいところです。
■リザルト
カテゴリ:C3
順位:36/64位(45%)
タイム:32:26(+3:17)
■まとめ
・登りでラインを選べておらず、トラクションコントロールがうまくいっていない。
・ペースは安定しているようだが、まだ向上の余地が大いにあり。
・「勝手にライバル認定」は楽しい!
■余談
2日間に渡った愛知牧場ステージ。前日のC3のレースでC2に昇格したライダーの一人は、私が昇格を決めた昨シーズンの愛知牧場で戦い、1位となった人物でした。帰宅前に会話をする時間があり、「いつか追いついて見せる」と声をかけることができました。「待ってます!」と言われて本当にうれしかった。
今回のレースでは、妻が誘ったことで自転車に全く乗らない友人が子連れで2組も観戦に来てくれました。愛知牧場が立地的に誘いやすかった事が大きいです。2組とも結構楽しんでくれたようでした。もっと「走らない人」に観戦に来てもらえる環境作りに自分も貢献したいと感じました。
そして新たなライバルとの出会い。私は「勝手にライバル認定」を心がけているのですが、そんな私に声を掛けてくれる方が増えてきている印象です。これが本当に張り合いになります。
レースを終えて帰宅後は、あらかじめ買っておいた冷凍餃子で晩御飯です。
帰りに外食をするのもよいと思いますが、そうすると帰宅後何もする気力がなくなってしまいます。しかし手間はかけたくないので冷凍食品という手段は気楽でいいです。おそらく次のレース後も晩御飯は冷凍餃子で決まりでしょう。
次は2週間後の大野極楽寺公園。少しでも上位に絡めるように対策をして挑みたいと思います。
【レースレポート】東海シクロクロス第5戦 愛知牧場 C3
愛知牧場。
昨シーズンの東海シクロクロスで、C4で2位となりC3への昇格を果たした思い出の地です。さらに自宅から一般道のみで車で30分という超好立地であるこのコース。万全の態勢で臨みたいところだったのですが、そうは問屋が卸さないのがトラブルの多い私の人生。苦しいレースでした。
■事前の準備 ~ トレーニング
ありがたいことに正月休みがもらえる仕事ということもあり、ここ数年は元旦からほぼ毎日自転車に乗っています。今年も元旦に実家から六甲山山頂に上り、今年一年の無事を祈願しました。
今年は寒かった。
路面に雪は積もっていませんでしたが、六甲山ヒルクライムルートの一つである逆瀬川ルートの途中にある温度計が示すのは-4℃。去年より2℃低い。
無事山頂へ。
毎年写真を撮っているポイントに自転車を止め、上ってくる太陽に今年の無事を祈願しました。誤算だったのは、自分の走力が上がっていて自己ベストを更新、思ったより早く山頂についてしまったことです。山頂の温度はGarminの温度計では-7.2℃。めっちゃ寒い。周りで火をおこしカップラーメンを食べている人々がうらやましい。
日の出まで20分も待機することになり、来年はダウンジャケットを持ってくることを決意しました。元旦の祈願を終えてディープウィンター用ジャケットの上にウインドブレーカーを重ねて下りに入ると、学生と思われる自転車乗り集団に遭遇したのですが、そのうち2名が「半袖」でした。思わず「半袖ェ?!」と声が出てしまったのですが、「おはようございます!」とさわやかに挨拶をもらいました。モンスターめ。おじさんには無理や。
さて翌日1/2の夜から、猛烈に熱っぽくなってきて、寝込んでしまいました。1/3に妻の実家に行く予定だったのですが、運転もままならないほどへばってしまい、妻と息子だけ妻の実家に行ってもらい、私は自分の実家でひたすら眠るのみ。眠っては起きるを繰り返し、暇になったらAmazonビデオで映画を見て布団から出ない生活。毎日自転車に乗るつもりだったのがグダグダです。見ていなかった「デッドプール2」を1日で2回見た後に夢の中でお告げがあったのですが、それはまた別の機会に。
1/4に実家付近の内科にかかった結果「インフルエンザA型」であることが発覚。予防接種と元旦の祈願もむなしく実に10年ぶりのインフルエンザ発症でした。薬で熱はすぐに下がりましたが、気管支系にはっきりダメージが。結局元旦のみしか走れず超不完全燃焼でした。愛知牧場はレース前からコースの一部を開放していて、試走が可能にもかかわらず一度も走りに行けませんでした。
■事前の準備 ~メンテナンス~
・ブレーキシューを交換した
トレーニングは全くできなかったのですが、せめてメンテナンスだけでもと思いブレーキシューを交換しました。毎年恒例の年の瀬の走り納めで雪の中を走った結果、ブレーキシューがほぼ無くなりました。
下の新品と比べるとその差は歴然。ブレーキシュー単体は前後で¥1,200弱ですので安いものです。私のシクロクロスバイクは前後ブレーキともPAUL Componentを使っているのですが、初期状態ではKOOLSTOPのシューが着いてきます。もともとのシューがなくなった時点でシマノのVブレーキ用に変更しています。初期投資はシマノのほうが高くなりますが、2回ほどシューを交換するとシマノのほうが安くなってきます。
・シューズのスパイクを外した
第3戦、4戦と着けていたスパイクを外しました。愛知牧場には南山協会の十字架まで駆け上がる通称「ゴルゴタの丘」と罰当たりな名前の付いた階段があります。シューズにスパイクがついていると断然階段が登りにくくなります。東海シクロクロスでは愛知牧場、大野極楽寺公園では階段があるのでスパイクはなしです。
・タイヤを変更した
タイヤをSERAC CX EDGE前後から前SERAC CX MAD、後SERAC CXに変更しました。前回のワイルドネイチャープラザの反省もあり、後輪だけラテックスチューブでチューブドにしました。愛知牧場もハードな登りでトルクフルな走りが求められるためです。一度はドライコンディションでは転がり重視で前後EDGEも考えましたが、自分にはテクニックが乏しい。グリップ重視です。
■Day1(第5戦)
・レース前
正直準備不足でした。インフルエンザ明けで全然頭がレースモードになっておらず、「何を準備したらエエんやっけ???」でうまく準備が進みません。早く 寝たい、という気持ちと準備がうまくいっていないという板挟み。咳も鼻水も出て完調ではない私は睡眠を重視して22時に眠りました。翌5:30起床。財布の入ったウエストポーチだけ持って車に乗り込み出発します。
自宅から愛知牧場までは一般道のみで車で30分。超近い。6:30には会場入りしました。駐車場に入ってから「ヘルメット忘れた・・・」
シューズもある。グローブもウェアもサングラスもある。しかしヘルメットがない。中年ならではのボケが始まっています。ヤバい。一度もコースを走っていないのにヘルメットなしでは試走もできないしレースにも出れません。さらに私は頭が大きく、アジアンフィットのLサイズのヘルメットしか被れません。自宅に取りに行けない距離ではない。しかし今取りに行くと一度も試走しないままのレースになる。悶々としているとヘルメットのサイズが同じ友人の服部さんを発見!試走の1周だけヘルメットを貸して欲しいとお願いしたところ快く了承を得ました。走るレースが違うのでレースでも使って良いとのこと。本当に助かりました。レース会場で助けてくれる友人の有難さ。自分も常にこうありたいと思いました。時間も限られていたので試走は1周で終了。あとはC4のレースを観察して走りを決めることにしました。
今回もアップは短め、アミノバイタルショットの赤を2本レース前に食べました。アップの時にインフルエンザの影響か呼吸が苦しく、心拍系は外しました。心拍計のベルトすら苦しい状況。こんなのでレース走れるのか・・・
・実際のレース
丸一日曇天で気温はあまり上がっている印象はありませんでした。ぶっちゃけ寒い。しかし風は弱いのでレース中は暑く感じると思い結局半袖で出走。周りを見渡すとC3で私以外に半袖はotakuhouseくらいでした。
今回ゼッケンNo.23で3列目。C4の走りを観察していて可能な限り右側からスタートしようと決めました。ホイッスルでスタート。ほかのコースと違ってホームストレートが広いので比較的安心してスタートダッシュができました。第1コーナーをインで曲がり坂を駆け上がって第2コーナーに15番手くらいで侵入しました。悪くはない立ち上がりです。
Photo by Kikuzo ヘルメットの形悪くないな・・・
貸してもらったヘルメットも違和感なく快調です。GiroのsavantのアジアンフィットLサイズ、悪くない。次期ヘルメット候補に入りました。
登りに入ると一気に体調の悪さが体に突き刺さります。鼻も喉も肺も苦しい。さらに乗り方が悪くトラクションコントロールがうまくいきません。漕ぐたびに後輪が滑り全然前に進む感じがない。
Photo by Kikuzo 必死の表情。全く進む感じがしない。
結局悪くなかったのは立ち上がりだけ、そのあとずるずる順位を下げて行きます。2周目の終わりくらいから横っ腹が痛くなってきました。ゼリー飲料以外は食事をとらず、レース前にしっかり便通があったにも関わらず、内臓に負担がかかっている感覚です。必死走っているのですが腹が痛く全然ペースが上げられない。昨シーズンの感覚と全然違います。カテゴリが上がって周りが速くなっただけと思いたい。少し短くなった名物モーモー坂も後輪が滑り、うまく登れません。体重の重さがモロに出る、自分の登りの弱さを実感しました。
結果は25/54位の45%。順位%は第4戦より少し上がりましたが、モヤモヤする結果となりました。しかしコースは楽しかったし、友人の応援もよく聞こえて、シクロクロスを走れる喜びを感じました。もっと万全で走りたかった。
ラップタイムを確認すると
1周目 7:43.4
2周目 7:44.3
3周目 8:00.2
4周目 8:06.1
と、3周目でガクッとタイムが落ちており、2周目の終わりで感じた横っ腹の痛みがモロに出ている感じです。
■リザルト
カテゴリ:C3
順位:25/54位(45%)
タイム:31:34(+2:32)
■まとめ
・インフルエンザはキツい。
・Giroのsavantイイ感じ。
・登りのトラクションコントロールが課題。
翌日は同じ愛知牧場Day2。はっきり言って結果は振るわなかったのですが、得るものが大きい素晴らしいレースになりました。そちらは次のエントリで。
【レースレポート】東海シクロクロス2018-2019 第4戦 ワイルドネイチャープラザ C3
東海シクロクロスの名物コース「ワイルドネイチャープラザ」。私が最も愛するコースです。砂で自転車に乗れなかったら降車して走るしかない砂。「自転車のレースなんだから自転車乗らせてくれ」という声を聞いたこともありますが、私は人間としての総合力を求められている気がして、全身全霊を尽くすに足りるコースと捉えています。砂の上を走れると凄く気持ちいいんだけど、走れないと凄く悔しいんだ…
他にも苦手だけど好き、という声も聞きます。1シーズンに2回ワイルドネイチャープラザがあるのは正直嬉しいのです。
■事前の準備〜メンテナンス
・シフトワイヤを交換した
シフトワイヤを、ごく一部で話題の「日泉ケーブル」に交換しました。
少しワイヤ周りのメンテをサボっていたせいで、変速が渋くなっていました。私の自転車のリアディレイラーは、MTB用である10速SLX。これを105のデュアルコントロールレバーで変速するため、WolftoothのTanpan 10速用を使っています。ワイヤの引きしろを変換するため、その分レバーの引きは重たくなります。さらにインナワイヤに付着した汚れがアウタワイヤの中に残り、変速が渋くなってきます。せめてシフトワイヤだけでも交換しようと話題の「日泉ケーブル」を取り寄せました。
インナワイヤを袋から取り出して驚いたのが、「柔らかい」という事。シマノのシフトワイヤを自分で交換したことがある人なら、必ずその柔らかさに驚くはずです。本当に柔らかい。
シマノのケーブルグリスをインナワイヤに擦り込んで組み付けます。アウタワイヤは元々着けていた長さに合わせてカットします。アウタワイヤも柔らかい。特に苦労することもなく組み付けは完了しました。変速してみると、シフトダウンの引きが断然軽くなった印象です。これはクセになる。私の自転車は変速がリアだけなのでアウタワイヤは余りました。次回はインナワイヤだけを買えば良さそうです。これも次回はブレーキワイヤも変えたい。
・タイヤを変えた
雨の平田で懲りたSERAC CX EDGEに前後共交換しました。私にとっては33C以下のタイヤで砂区間の乗車率を上げるのはもはや人生のテーマの一つ。本当はチューブラータイヤも使ってみたいですが、それはまだ先の話になりそうです。
万全を期すために、リムテープは新品にします。心の師匠の教えに従いリムテープは3重巻きです。2重は一度に巻いて、最後だけ別に巻きます。次に交換するときに1枚だけ更新すればいいからというケチな理由です。
バルブホールははんだこてで溶かして開けます。バルブより細いこて先のはんだこてを使います。
空きました。
ちょっぴり失敗ですが、大勢には影響ないのでこのまま使います。
1回失敗してしまいました。これは1度バルブを通した後。
穴のテープだけ、穴の中に潜り込んでいないのがおわかりいただけるでしょうか。この状態だとバルブとテープが密着しないのでどれだけ頑張ってもエアが漏れてしまいます。もったいないけどやり直しました。
■事前の準備〜トレーニング
・ロングライド
全面雪となった全日本選手権を思いつつ、知多半島を走りました。
2週間前と同様に知多半島の広域農道で南下し、師崎経由で東側を北上して130km。
師崎では久しぶりに「ジャコデス」で「じゃこソフト」を食べました。ソフトクリームにちりめんじゃこがかかった狂気のソフトクリームですが、塩味が効いてウマい。ぜんざいの塩昆布のような感じです。ライド自体はこの日は風が強くペースが上がらなくてまた脚がズタズタになりました。
・56Cycle
水曜日に56cycleでローラー練です。
脚が重たかったのですが、パワーは意外と出て、しんどい割には先週より脚は回っています。20分×3セットの最後の1分走で449W(5.75倍)を記録。調子はむしろいいようです。ロングライドをすると、結構疲労するのですがその週半ばくらいには調子が上がってくる印象です。もっと乗れ、という事か。
・コソ練
河川敷の芝生でコソ練です。これは成果が感じられるまでまでもうちょっとトレーニング内容は試行錯誤ですね。
■レース前日
今回は久しぶりに前日試走に行けました。家族そろってピクニック気分です。久々の砂の走行にテンションが上がります。空気圧は1.7barに設定。意気揚々と走り出しました。思ったより、先週の雨が聞いているのか砂は締まっており走りやすい。ほかの方が走ったことで耕された部分も力任せである程度乗っていけます。この段階では「轍をトレースする」ということを忘れていました。試走1周目の砂区間を走り終わり、森区間に入り始めたくらいで後輪に違和感が。
リムとビードの隙間に砂が噛み込んで、エア漏れをおこしてしまいました。シーラントが染み出しています。こうなると現場で作業し直していたら試走時間は終わってしまうし、寒さで消耗しそうです。ここで試走は諦めることにしました。結局1周回走り切らずに前日試走は終了。しかしここでトラブルが明らかになってよかった。レース中にこうなっていたら泣いてました。おそらく原因は、リム自体が過去に私が与えたダメージでベコベコに歪んでいることと、砂区間で高トルクがタイヤにかかってしまうせいであると考えています。軽いギア比で負荷の高い路面を走るときが一番タイヤにトルクの影響があり、猛烈にタイヤがよじれます。以前から感じていたのですが、チューブレスタイヤは私のような体重が重いライダーが低圧にしすぎると、今回のような路面でよじれてエア抜けし、タイヤがビードから外れる印象です。リムの影響も大きいと考えているのですが、その話はまた別の機会に。
帰宅後タイヤの整備が待っているのでその日の晩御飯は外食にすることにしてラーメンでカーボローディング。前回もこんな感じだった気がするな…
愛想のいいご夫婦で経営されている老舗、清潔な店内で気分良く食事が出来ます。ここの名物は何と言っても「メンマ」。これに尽きる。
見よこの麺が見えないほどのメンマ。
私が頼んだのが「スペシャルメンマ」で、チャーシュー多目+メンマ多目です。太く歯ごたえのあるメンマは他では食べられないもので、この店のオリジナル。スープは薬膳系です。1年に1回はこのメンマを食べたくなります。これを第1段階はそのまま、第2段階はお酢を少しずつ足して、第3段階で辣油を足して味の変化を楽しむのが好み。大量のメンマの繊維質で翌日の整腸作用も期待できそうです。美味かった。
チューブレスの後輪を復帰させても、翌日のレースで同様の結果になってはいけないと考え、後輪はチューブドにする事に。ここで、かつてC1をチューブドで走っていたとあるライダーの言葉を思い出しました。「ラテックスチューブはしなやかでパンクに強い」と。
帰宅途中で自転車店Circlesに寄り、奮発して高級チューブを買いました。
Challengeのラテックスチューブです。税込み¥2,700。こんな高いチューブ買うの初めてや。
赤い。触ってみるとブチルチューブと全然感触が違います。
リム側を見ると確かに細い砂が残っています。綺麗に洗い流しました。勿体ないのでテープはそのまま使います。
タイヤは、チューブレスしか手持ちがないのでこれもそのまま使います。シーラントを綺麗に洗い流して乾燥、
少しでもタイヤ内のチューブの動きを良くするため、パナレーサーのタイヤパウダーをこれでもかとまぶしました。
ここからの作業は意外と手こずり写真を撮る余裕がありませんでした。まずチューブが初期状態ではリム外周より短く、ビードフックに噛み込まないようにタイヤをはめるのに苦労してしまいました。何回もリムとビードの間にチューブを挟んでいないか確認しながら空気を入れなおし、確信を得たところで空気をしっかり入れてビードを上げました。空気を入れた後のタイヤの感触は確かにブチルチューブの時よりしなやか。これは期待出来ます。
作業が終わったので風呂に入ったら早々に就寝。22時までには眠りに着きました。
■レース当日
睡眠しっかりで朝は4:45に起床。5:30までに出発して、6:30きっかりに会場入りしました。ライバル庄司店長が近くに車を停めていたので挨拶して7:30まで仮眠、その後受付を済ませました。
悩ましいのが試走。ジャージも着ずにジャケットとジーンズ。今回は砂区間を少しだけ走って補修した後輪の感覚を確かめ、前日試走で走れなかった森区間のパターンを確かめました。結局1周走らず。後は他の方のライン取りを観察しました。空気圧は前1.6bar、チューブドにした後輪は1.65barにセット。
C4の応援をしている間に感じたのは、「思ったより砂の乗車率が高い」という事。これはC3でも絶対乗車率が高い。つまり私には不利です。
CL2の招集に向かった妻に息子を帯同させて私は準備に移ります。昨日食べた大量のメンマのおかげかお通じも良くスッキリ。
イナーメのCXアップオイルを太ももとふくらはぎ、そして尻にしっかり擦り込みローラーアップです。前回の新城の時と同様に3分回して3分レスト、そして3分の計9分。アップの前後にアミノバイタルの赤をそれぞれ1本ずつ食べました。太ももがまだ少し硬い気がしますが、心拍がしっかり上がったので良しとします。
■実際のレース
招集寸前に尿意を催しトイレに。トイレを済ませて大急ぎで招集エリアに戻ります。この時盛大なミスをしていたのですが、レース中までそのミスには気が付かないのでした。今回はボディNo.27で3列目。位置は真ん中になってしまいました。両サイドに選手がいるとスタート後にビビってしまうので嬉しくはありません。
ホイッスルと同時にスタート。案の定集団に飲み込まれる感覚にビビって前に出れず後ろに下がってしまいます。第1コーナーの砂区間に突入した直後に、ふらついた前走者にぶつかってしまいそうになりついしっかりブレーキングして激しく落車。ほぼ前転でした。そこに後続もぶつかります。申し訳ない。速やかに立ち上がり自転車を押します。砂の第2コーナーを抜ける頃にはほぼ最下位。またか、という感じ。めげずに3箇所目の砂を安全にランでクリアし、このあたりでやっと数名パス、再び乗車して走り出します。
Photo by youkan_0045 この時はまだ重大なミスに気がついていなかった・・・
この辺りで何故か、随分前に関西シクロクロスに参戦していた時に受けたスクールで、三船さんから言われた「自転車通勤で路側帯の白線を外さず走る練習とかしてますか?」を思い出しました。次の砂区間で「白線の上をトレース、白線の上をトレース」と頭の中で呟きながら見つけた轍に突入しました。果たして自分でビビるスピードで自転車が進みます。あっという間に前走者に追いついてしまい、ラインを変更できるテクニックがない私はブレーキしても間に合わずそのまま前走者に衝突、もんどりうって前転してしまいました。ぶつかった方には本当に申し訳ない。その後も同様の状況でぶつからないようにハードブレーキングしてしまい落車、結局1周目で3回も落車をメイク。砂の上でラインを切り替えるテクニックのない私は早く降車しないと駄目だと反省しました。
再び起き上がって走り出した時に、その前から感じていた尻の違和感にはっきり気がつきました。「ビブの肩紐かけるの忘れてた…」招集寸前のトイレのあとに、そのままビブの肩紐をかけるのを忘れていたのです。必要以上に大きい尻のおかげで尻丸出しは免れましたが、危ないところでした。なんとか走行中に右肩だけビブをかけて走りました。Kikuzo氏やYoukan氏にこの写真を捉えられているかと思うと猛烈に恥ずかしいのですが、レースで全力を出せないほうが悔しいのでこのまま走ります。恥の多い人生を送っている気が猛烈にします。
Photo by youkan_0045 なんとかライバルの庄司店長とジャガーをパス。右肩に肩紐があるのがおわかりいただけるだろうか・・・
2周目からはライダーもバラけてきて走りやすくなってきます。他のライダーのチーム員が「ここは硬いからここで乗れ!」みたいな指示を盗んで自分も乗車します。その後轍を捉えると砂も走りやすいのは間違いない。チューブドにした後輪もパンクする気配もなくしっかりグリップしています。ラテックスチューブ乗り心地いい。森区間では前走者に追いつくも、テクニックがなく追い抜かせません。低めに設定されたシケインはバニーホップはせずセオリーどおりのクリア。途中で右肩にかかったビブの肩紐に違和感を感じ左肩にスイッチ。こんな切り替えいらない。
今回森区間では、前回の新城で56さんにアドバイスされた「コーナー進入前に2枚シフトダウンせよ」を徹底してみました。ライン取りはそこまで悪くないけど、立ち上がりのギアが重すぎて足を削り自爆している、との指導でした。
Photo by Kikuzo 左肩にビブの肩紐がかかっていることがおわかりいただけるだろうか・・・
友人たちの激しい声援のおかげでブーストがかかり、3周目の地獄坂でなんとか3人をパス、順位を上げます。最後のシケインを越えたあと、ホームストレートで全力疾走、前走者にギリ追いつけずゴール。ヘロヘロでした。足の疲労よりも心臓のダメージのほうが大きい。今回も心拍数は平均180bpm、最大190bpm。最近足より先に心臓が持たない感じです。無駄なエネルギーを使いすぎているということでしょうか。
Photo by Kikuzo 上からかけたビブのせいで背中のゼッケンが見えない・・・
ゴールしたあとフラフラで退避路を歩いていると、マーシャルから「ゼッケンが見えない!」と激しい指摘が...外側からビブの肩紐をかけたせいで背中のゼッケンが隠れて見えなくなってしまっていたのでした。本当に申し訳ない。こんな無意味なネタ作りがしたいわけではないのです。単純に自分がボケていただけです。進行性の痴呆なのか。ヤバい。
■リザルト
カテゴリ:C3
順位:22/41位(53%)
タイム:29:08(+5:04)
■まとめ
他のライダーに散々ご迷惑をおかけしましたが、リザルトを見ると今シーズンは89%→75%→53%と順位が上がってきています。少しずつでも順位を上げて、シーズンが終わるまでには最前列スタートで走り出したいですね。
・砂区間のの走行は轍のトレースが基本。
・ぶつかる前にすばやく降車。判断が遅すぎた。
・トイレに行ったらビブの肩紐をかけるのを忘れるな
次は年明けの愛知牧場2day。昨シーズンに昇格を決めたハードコースです。我が家からは車で30分しかかからない超高立地。電車でも乗換なしで会場入りできます。条件は良いのだからコンディションで言い訳は効きません。万全で挑みたいと思います。
【レースレポート】東海シクロクロス2018-2019 第3戦 ふれあいパークほうらい C3
「あつものに懲りてナマスを吹く」と申します。ドライコンディション向きのIRC SERAC CX EDGE で雨の平田リバーサイドプラザを走り、タイヤの滑りっぷりに懲りた私は、砂のワイルドネイチャープラザ以外はEDGEは使うまいと決めて、タイヤを前MAD、後ろをノーマルCXに変更して今シーズンを走ることにしました。
第2戦の「各務原アウトドアフィールド」はのっぴきならない家庭の事情により参加できなくなってしまい、約1か月ぶりのシクロクロスになりました。
■目次
◼︎事前の準備~メンテナンス
・BBのグリスアップ
初戦が雨で少し泥まみれになったし、BBのグリスアップをすることに。
私の自転車にはクリスキングのBBをインストールしてあり、専用工具でBBのグリスアップが可能です。ただ、自分では持っていないので名古屋の自転車店CultureClubのレンタルピットを借りて作業しました。
クランクを外してみると・・・
うわぁ・・・
泥とグリスが絡み合ってハンパない状態です。
きれいにしました。
汚れを落としたら、専用工具を使ってグリスを注入します。
Photo by CltureClub
このように専用工具とグリスガンを使ってBBにグリスを注入すると、ベアリングの隙間から古いグリスがムニムニはみ出してきます。真っ黒でした。はみ出してくるグリスがきれいになるまで注入し、余分なグリスをふき取ります。左右両方とも作業します。
クリスキングのBBはぶっちゃけシマノ純正より大幅に高いのですが、この作業ができるのが楽しみでもあります。新しいグリスで気分がすっきりします。正直この専用工具は欲しい。
・リアホイールのスポークを結線した
前回のエントリで書いたのですが、リアホイールの反ドライブ側のスポークを結線しました。
私のシクロクロス用ホイールは自分で組んだ手組ホイールです。11速用ハブであるFH-9000を使っているので、どうしても反ドライブ側のスポークテンションがタルくなるのです。今回、少しでもホイールの状態を良くしたくて、手組ホイールの剛性アップが期待できる亜鉛メッキワイヤと鉛フリーはんだで結線しました。結果は踏みごたえが良くなり何となく「掛かる」印象です。
しかし、はんだ付けを在庫があった低出力のはんだこてで実施したせいではんだ付けの仕上がりが悪かったです。これははんだこてを買いなおして今後もテストしていきたいと思っています。
・タイヤを替えた
フロントにIRC SERAC CX MAD、
リアにIRC SERAC CXのグリップ重視仕様です。
リアにいたっては装着してからほとんど実装していないので保護ワックスがバッチリ残っています。今回の新城ステージはドライのハードパック、EDGEのようなセンターヤスリ目を使用された方も多いようですが、私のテクニックでは運動場側の砂で滑る恐れがありました。転がりよりも落車リスクを減らす安全策がベストと考えました。
・シューズにスパイクをつけた
例年通りなら新城はかなりのハイスピードでシケインに侵入します。降車時の着地を確実にするため、今回はスパイクを付けることにしました。Sidi純正が1セットで¥800弱。10mmのレンチで取り付けできます。
■事前の準備~トレーニング
参加できなかった第2戦の後の水曜日、56Cycleでのローラー練は全く調子が上がりませんでした。レースの後はかなり疲れますが、それでも高負荷で走っていないとより高負荷には耐えられないということがよくわかりました。なかなかトレーニングの時間が取れないのですが、1週間で最低2回は後負荷のトレーニングを実施したいところです。
今回のレース1週間前は、本当に久しぶりのチタイチに行ってきました。
130㎞強しっかり負荷をかけることを意識して走りました。特に知多半島を南下する時に広域農道を選ぶとアップダウンのインターバルが可能です。知多半島最南端の師崎でラーメンとイカ焼きを食べて帰路につくと足がスカスカ。後半かなり苦しんで帰宅。しばらく長距離を走っていなかったので体がガタガタになりました。が、翌週の56Cycleでのトレーニングは調子が良くなっていて、やはり意識して高負荷のトレーニングをすることの重要性を実感しました。レース以外は土日も走りに行きづらいのですが、何とかしてトレーニングの時間を確保したいです。
■レース前日
妻が岡崎で友人と会う約束があったので前日試走はせず、息子と同級生である友人の子を預かって岡崎の南公園で過ごしました。小学生にもなるとトランシーバーを持たせて解き放つと2人で勝手に遊んでるので親としては楽。
南公園は観覧車まである格安遊園地で、岡崎でもメジャーな公園です。一時期よく行っていました。今の私は走る二人を見通し距離で追いかけるので精一杯。
夕食は友人の提案で蒲郡のラーメン店「だし・麺 未蕾」へ。
行きたかった所や…
すぐ食べてしまったのでラーメンの写真はありません。焼豚麺にしたのですが焼豚が贅沢に乗ってます。スープはあっさり系で出汁が効いている。麺は博多豚骨系のような細麺です。という事は「替玉」があるはず、と思ったら「和え玉」なるものが。少しだし汁と薬味が乗っており、「和え玉」単体でも美味い。大満足でしっかりカーボローディングできました。少し停めにくいけど駐車場も7台分あるのでまた行きたい。
そのまま名古屋に帰宅するのも面倒だったので、今回は新城に前泊しました。
新城には「湯谷温泉」という温泉郷があり、レース会場の「ふれあいパークほうらい」から車で10分です。その中に「幡豆 別館」という忌野清志郎が愛した温泉宿があります。そこの若主人が更に別館として作ったのが素泊まりを目的とした「Hoo!Hoo!」です。
家族3人で一部屋素泊まり利用で¥8,460。お風呂は建物内にはなく、「幡豆 別館」を¥800/1名で利用するか、地域の公衆浴場「ゆーゆーありーな」を利用するかです。写真を撮っていないのが残念なのですが、1階の受付がバーカウンターになっていて、新城の地元のお酒を提供しています(22時まで)。パリッとしたご主人が飲み物を提供してくれます。このカウンターが本当に素敵で、翌日がレースでなかったらしっかり飲みたい所でした。
オシャレなリビングで宿題をこなす息子
宿泊した「い」の部屋は板張りで布団。トイレと洗面台は廊下にあります。部屋にはテレビがないので静かに過ごせます。ミニスーファミがやりたくて持ってきていた息子は涙目になっていましたが…
レース寸前の宿泊として格安で快適な睡眠が得られました。宿でゆっくり過ごす事が目的なら「幡豆 別館」に泊まりたいですが、外で遊ぶことを目的にしたら素泊まりは気楽です。レース以外でも利用したい。
■レース当日
22時就寝の5時半起床で睡眠バッチリです。「Hoo!Hoo!」では朝食用にフルグラとコーヒー、紅茶がリビングに用意してあります。妻と息子は食べていましたが私はコーヒーのみ。朝食を摂っていると徐々に日が昇ってきて、川面の風景が見えてきます。気分いい。ゆっくり準備して6:40に宿を発ちました。
会場には6:50ちょい過ぎに到着。近い。時間が早いのでBUCYO COFFEブースの近くに駐車できました。このあたりからちびちびスポーツドリンクを飲み始めます。朝の試走はコースを確認することに集中して走りましたが、レーシングスピードで走ることを忘れていました。これが後から効いてきます。今回のタイムスケジュールではC3は午後から。出走までだいぶ時間があります。ただ、レース前に固形物を食べると必ず横っ腹が痛くなる私は食事は我慢です。水分を多く取り、まめにトイレに行き、少しゼリー飲料を食べ、レース開始を待ちます。観戦は主に運動場側にしました。運動場側のほうが路面が滑りやすいので、ほかのライダーがどんなラインどりで走っているか観察です。観戦していると、意外というか予想通りというかシケインで落車するライダーが結構います。かなりハイスピードで進入して、シケイン手前の砂利で滑る感じです。予想は当たった。階段では少しスパイクは邪魔なのですが。
CL2の妻のレースが終わり昼の試走時間になりましたが、コースは頭に入っているので試走はせず、砂埃だらけの自転車を軽くふいて空気圧確認、今回は前後とも1.8bar。
招集30分前にアップを開始しました。足全体と腰にイナーメのCXアップオイルを刷り込んで、3分間高めのペースで回し、心拍数が186まで上がったことを確認して3分レスト、再び同じペースで3分回し、心拍が172まで上がったのを確認してあとはゆっくり、計10分ちょっとのアップです。朝方は寒かったですが、天気が良いため昼からぐんぐん気温が上がり、暑くて汗だくです。汗冷えしないように着込んで招集を待ちます。今回ボディNo.は32で4列目スタート。スタート直後に大外から抜いて前に出られないかと一番右端のグリッドに入りました。
■実際のレース
スターティンググリッドに収まってみるとライバルが並んでいます。記念写真。
ライバルと並ぶ
暑かったので妻が準備してくれた水を回し飲みしたりして、和やかな雰囲気です。ホイッスルでいざスタートしてみるとコース右側の縁石まで密度高くライダーがばらけてしまい、第1コーナーまで誰も抜けずに侵入しました。大外から回り始めると前走者にぶつかりそうになりついつい減速。ここで前に出たいところなのですがうまくいきません。第2コーナーに入るころにはかなり長い隊列の最後尾になってしまいました。やはりスタートでうまく前に出ないとかなり後ろに下がってしまうのは相変わらずです。
Photo by Kikuzo
しかしこの第1コーナーのシビアな感覚は好きです。シクロクロスを走る実感を感じます。走り始めると、朝の試走でレーシングスピードで走っていなかったツケが回ってきます。コーナーの侵入速度がよくわからないのです。周りとは全然違うペースで入ってしまい、ぜんぜんついていけません。今の自分がコーナーを処理できる限界速度に体が慣れていないせいでめちゃくちゃギクシャクします。結局順位は上げられないままほぼ最下位で1周目を終えます。
2周目後半くらいになってくると、ライダーがばらけてきてコーナーに入りやすくなるので、徐々にペースが見えてきます。このあたりからペースが合うライダーが出てきてやっと「レース」になってきました。タイヤはしっかりグリップしてくれているので、コーナーの不安感はありません。タイヤチョイスは正解でした。あとは今の自分にできる限界で走るだけです。C3では、走行スピードが速い選手でも意外と降車ポイントでもたつく場合があるので、私にとって今回の抜きどころは運動場から芝生区間に入る階段からシケインまで。階段でもたついている選手に追いつき、芝の直線で距離を詰めます。
Photo by Kikuzo
この直線は凸凹が激しく、尻を浮かせて漕ぎます。サドルに座って走ってしまうと下からの突き上げであっという間に腰を痛めます。スピードが乗ってくると前との距離が詰めれて、シケインで追いつく感じです。シケインを超えて次のコーナーまで全力で踏もうとするのですがこの辺りで心拍のピークが来ます。心臓が飛び出しそう。
後からC1を観察していると、スピードを乗せた後シケインまで、かなり早い段階で降車準備をして、惰性走行でシケイン手前に突入していました。私の場合は足を止めるのが遅くて必要以上に消耗している感じです。
最終コーナー手前では心拍は限界、一気に集中力が低下します。心臓がキュってなる。何回もラインをミスしてステージ前の砂利に突入してしまいました。
Photo by Youkan0045
何回かペースが近いライダーと抜きつ抜かれつになって、楽しい時間が過ごせましたが、順位は上げられずゴール。コースの見通しがいいせいで、前のパックが見えているのに届かない悔しい感覚です。でも、身体的には出し切ったので今の実力がはっきりわかりました。帰宅して走行データを確認すると心拍は平均186bpm、最大196bpmで、マジに限界に達していました。順位を上げるにはまだまだ精進が必要ですね。
レースが終わってやっと固形物にありつけました。BUCYO COFFEブースでプロテインとカレーうどんです。うまい。レース中激しく動いているのに横っ腹は痛くならなかったので、朝食に固形物を食べないのは自分に合っているようです。今後も続けます。
■帰宅
最後に一波乱あったCM1までしっかり観戦して帰宅です。早いライダーの走りは本当に参考になります。
帰りの車の中で妻から、「レース後の選手にかける言葉にデリカシーが無さすぎる」と説教を喰らいお通夜状態で帰宅。中年男性は前頭葉の働きが低下してきてブレーキが効かなくなってきて思った事をそのまま言ってしまう、とNHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」で言っていました。頭が老化している事を実感。反省です。
帰宅後気を取り直して鶏胸肉とお揚げをたくさん炒めて晩御飯を作りました。付け合せはブロッコリーです。
SBのカレー粉は七難隠すので本当に便利。
激しい疲労を感じつつ、22時には就寝しました。シクロクロスって、レースそのものも楽しいのですが、事前の準備から帰宅、次のレースまでいろんな要素があって、充実感がすごくあります。今回も多くの経験が得られました。次回は私が一番好きなコースである砂の「ワイルドネイチャープラザ」。今から楽しみです!
◼︎リザルト
カテゴリ:C3
順位:30/40位(75%)
タイム:30:34(+2:13)
■まとめ
・第1コーナーまでに前に出られないのが課題。少しでも前に並べるように順位を上げたい。
・体がレーシングスピードに慣れてない。普段からレーシングスピードでの実走がいる。
・タイヤのグリップ大事。当分前MAD、後ろCXで行く。
【自転車実験室】シクロクロス用リアホイールのスポークを「結線」してみた
私のシクロクロス用の主ホイールは、VelocityのA23リムとDURA-ACE9000系グレードのハブで自作した初号機にあたるものです。
少しはマシに組み上げられるようになるまで失敗を繰り返し、シクロクロスのC4で2回の表彰台を経験した、まさに私を育ててくれたホイールです。思い入れのあるホイールですが、少し不満に思う所もあり来シーズンこそ組み替えたいと考えています。不満に思っている所についてはまたの機会に。
しかしまだ今シーズンはこのホイールで走りきりたい。しかし何らかアップグレードはしたい。方法はないか考えた結果が古から手組みホイールの技術として伝わる「結線」であります。
■結線とは
タンジェント組みのホイールのスポークの交差点を針金等で縛り、スポークのたわみによるパワーロスを削減する事を狙いとした技術です。
「ソルダリング」と呼ばれているようですが、これは針金が解けないようにはんだ付けで固定する事に由来していて、スポークそのものをはんだで固定するわけではありません。私の印象では「バインディング」の方が近いのではと感じています。
シマノのロード用ドライブトレインが11速化した時から、ハブのドライブ側のフランジは10速の時よりセンターに寄り、ホイールを組んだ時のスポークの偏りが大きくなりました(オチョコ率の増大)。結果ドライブ側と反ドライブ側のスポークのテンション差が大きくなり、10速時代と比べて大変組みにくくなっています。実際私の組んだリアホイールも、ドライブ側のスポークはカッチカチに張ってありますが、反ドライブ側のスポークはタルく、握ってみるとフニフニたわみます。レースが終わるとよくスポークの交差点に草が挟まっているので、レース中は激しくスポークがたわんでいる事がわかります。
スポークがたわむという事は、伝わったパワーの一部が逃げてしまい、あまり「掛からない」事になってしまいます。ここでテンションの低い反ドライブ側のスポークの交差点を縛り、たわみを抑制する事で「掛かり」を良くするのが今回の結線の狙いです。実際の効果はあると期待していますが、どれ程の効果があるのか数字で測れないのが悩ましい所です。
しかし、「究極の回転体」と称される高級ホイール「ライトウェイト」でも「結線」している事を考えると、効果はあるはずです。
■針金を巻く
タコ糸やテグスと瞬間接着剤を使う手法もあるようですが、「針金を使ってはんだ付けで結び目を留める」という古来から手法を使う事にしました。
針金を買ってきました。φ0.3mmの亜鉛メッキ品¥105です。「結束など」と表書きがあるのでちょうどええやん。サビ防止のためステンレス品にして、ステンレス用のはんだを使う事も考えましたが、スポークごとはんだ付けしてしまう可能性もありやめました。
結び方についてはいろいろ方法があるようなのですが、自分で色々やってみて、以下の方法に落ち着きました。
スポークの交差点に写真の通り針金をかけ、軽く引っ張ります。
交差するように反対側に巻きます。この時針金の両側をペンチで掴んで軽く引っ張りながら巻いています。
そこから両側とも4回ずつ巻きました。
4回ずつ巻いた後に、巻いた針金の内側をくぐらせるように交互に通します。ここで通し方が悪いと針金がキンクしてしまいうまく通せず、最悪切れてしまいます。
通せました。
通した両端をねじってまとめます。
この時点でスポークを握ってみてもスポークの交差点は動きません。動く場合は巻き方が緩いです。
さらに針金をねじります。
ねじった部分を少し残して余分な部分をニッパーで切ります。
飛び出した部分を折りたたんで結線部分に沿わせます。これを反ドライブ側の交差点の数だけ繰り返します。
できました。スポーク数28本のホイールなので反ドライブ側の交差点7箇所です。
作業は振れ取り台で行いましたが、机の上でも問題なさそうです。
■はんだ付けする
針金を巻き切ったので、はんだ付けで解け留めをします。
組み込み系ハードウェアエンジニアの私としては、はんだは「鉛フリーはんだ」を使います。
そもそも「はんだ」は、電子デバイスの製造現場で電子部品を回路基板に溶接して電子回路を構成する溶接材です。鉄の自転車のオーダーフレームで「フィレット溶接品」の仕上げと材質は違えど基本は変わらない物です。
はんだには、大きく分けて旧来から使われている「共晶はんだ」と「鉛フリーはんだ」の2種類に分類されます。「共晶はんだ」はスズと鉛の合金で、溶けやすく柔軟性が高く、大変作業性が良い特性があるのですが、有害物質である鉛を含んでいるため、現在のメジャーな電子デバイスの製造現場では使われていません。ホームセンターに行くと普通に売っているのですが。環境負荷物質低減のため、現在一般的に用いられているのが「鉛フリーはんだ」です。
材質をみると「スズ、銀 、銅」とあります。
電子デバイスのメーカーによってはこの配合比率にノウハウがあり、秘中の秘の技術の一つです。旧来の「共晶はんだ」と比較すると、硬く溶けにくく、物性としては「割れやすい」傾向があります。
はんだは割れます。「ドラえもん」でママが映らなくなったテレビを「やく60度」からのチョップで復元するシーンがありますが、あれは経年劣化で割れたはんだで部品の接触不良が起き、テレビの映りが悪くなったところを、チョップの衝撃で接触が一時的に回復し、映りが戻る、というその筋のエンジニアであれば仕組みが理解できるシーンであります。
引用:Google画像検索
スポークの交点という負荷がかかる所に割れやすい「鉛フリーはんだ」を使うのは物性的にはイマイチですが、私も組み込み系ハードウェアエンジニアの端くれ、DIYでも環境負荷物質の低減に取り組まねばなりません。そもそも家庭ではんだ付けをしなければこんな事で悩まなくて良いのですが...
はんだコテは、今回普段から使っている40Wのものを使います。ホームセンターで¥1,000ちょっとで買えます。
こんな感じでホイールの内側にある針金の結び目をはんだ付けします。
はんだ付けができました。
針金の結び目だけにはんだを盛っています。
が、個人的な感想としては仕上がりはぶっちゃけNGです。
スポークにはんだこての熱が逃げてしまい、うまくはんだが盛れませんでした。結線に使う場合はもうちょっと出力の高いはんだこてを使った方が良さそうです。次回はフラックス(後述)を使い、60Wのはんだこてを使ってみたいと思います。本当は温度調節機能付きのはんだこてが欲しいのですが、家庭用としては高級過ぎます...
フラックスは、はんだ付けを行う時に仕上がりを良くするための酸性の薬品です。通常「ヤニ入り」と表書きに書かれているはんだにはフラックスが含まれていますが、それでも仕上がりが悪い時に使います。酸性の薬品のため、はんだ付けが終わった後にそのまま放置しているとあまり良くないので、作業後は「フラックスリムーバー」で洗います。今回のようなスポークの結線の場合は、電子回路ではないのでパーツクリーナーで問題ありません。
結び目にしかはんだを盛っていないため、ホイールの外側にははんだは流れて行かず、針金の巻き方のみです。巻き方については今後も実践と検証が必要ですね。
■全体を通しての感想
時間がなかったので、自宅前の坂で何回か立ち漕ぎしてみましたが、踏みごたえがしっかりしたように感じます。ちょっとうれしくなって汗をかくまで繰り返し往復してしまいました。ホイールの剛性が上がった印象というべきでしょうか。個人的には成功です。あとはレースの結果につながるかどうか。
しかし、作業の点でいうと大変めんどくさいものでした。私ははんだ付けは特に悩まずできるのですが、針金の巻き方は大変悩みました。市販の完組ホイールのほぼ全てが結線されていないのは、「工程を考えると利益に見合わない」ということと、「販売店での修理にクオリティの差が出過ぎる」ためと感じました。ライトウェイトのような超高級ホイールの場合、完成状態で結線されているのはそれで良いと思うのですが、スポークが折れたときに修理したい中級グレードのホイールの場合、結線してしまうと販売店で作業技術の差が出てしまい、クオリティコントロールが効かなくなると感じました。
しかし私の場合は個人の趣味なので今後も継続していけます。来シーズンにホイールを組み直すときも結線は実施したいと思います。また一つ楽しみが増えました。