【自転車実験室】チューブレスレディOC(オフセンター)リムの弱点
今年は、前から興味があった「白州の森バイクロア」に参加する事にしました。キャンプとシクロクロスを組み合わせたようなイベントで、シクロクロスで走りたい上にキャンプイベントも楽しめそうで、我が家にとっては家族で遊びに行くのにちょうど良さそうなのです。
公開されている昨年までの写真を見ると、林間のコース設定。昨シーズンの最後に後輪のタイヤをチューブレスのSUNDタイヤに切り替えてからそのままだったので、イベントを控えた1週間前にノーマルチューブレスCXタイヤに切り替える事にしました。
で、早速タイヤを交換しようとしたのですが、ある程度予測していた通りビードを上げられません。これが表題の「チューブレスレディOC(オフセンター:以下OC)リムの弱点」であります。
◼︎チューブレスレディOCリムの弱点
タイヤ装着後、ある程度の期間が経つとリムテープを交換しないとビードが上げられない。
です。
OCリムは、その名の通りスポーク穴がリムのセンターからズレたリムで、10〜11速等多段のリアホイールを組むのに最適なリムです。ズレはセンターからせいぜい2〜3mmなのですが、ホイールを組む上ではこれが絶大な効果を発揮します。しかし、このオフセットがチューブレスレディリムとして運用する時の弱点になって来るのです。
以下の写真が問題の箇所です。
これは私がシクロクロス用として使用しているホイールの後輪で、VelcityのA23OCというリムを使って組んでいます。
リムテープはNotubesの19mm幅を使用しており、貼ってから約5ヶ月が経過しています。写真中央部のテープが丸くくぼんでいるのがわかるでしょうか。
チューブレスレディリムは、気密性の高いテープでリムの穴を塞ぐ事でチューブレスタイヤの装着を可能とします。そして、OCゆえの穴の位置が弱点になってきます。
むちゃくちゃ雑ですが、絵を描くとこんな感じです。
OCリムはスポークを通す穴がオフセットしているため、穴がリムの段差、つまりタイヤ装着状態でビードが乗っかる部分に重なっています。
リムテープが劣化して、この穴の箇所がくぼんでくると隙間からエアが漏れ、ビードが上がってくれません。
というわけでリムテープの貼り直しです。
まずはテープを剥がして清掃です。
この穴ですね。OCリムだと穴がセンターからオフセットしているため、完全にビードがかかる段差に穴が重なっています。
経年劣化でテープが穴に潜るように変形し、段差に隙間ができてしまうのです。
テープを貼りました。流派が色々あると思うのですが、私はバルブ穴にテープが重なるように1周させています。ロード用のタイヤは高圧なので二重三重に巻くと聞いたことがありますが、シクロクロスは低圧なので1周分で十分だと思います。
貼り方が雑ですが、目的はリムの穴を塞ぐ事なので、段差の部分に密着していれば良しとしています。チューブレスレディ用のリムテープは固く、ピッタリ貼ろうとすると私の腕前ではシワが寄ってしまい上手く貼れません。
バルブ穴部分のテープにカッターでちょっと傷を着け、
#2のプラスドライバーでズブリ!とやってしまいます。穴が空いたらバルブを突っ込みます。バルブ固定用のナットをしっかり締めて完了です。
バルブはVelocity純正のものですが、固定用のナットを閉める時に、写真に写っている四角いゴムパッキンが回りやすくタイヤが嵌めにくくなるため、個人的にはイマイチです。寿命がきたらNoTubesに切り替えたいと思います。
この後は急用ができて急いで作業をしたため写真がありませんが、シーラントを適量入れ、GIANTのControl tankを使って空気を入れました。ビードは1発で上がり、2日経ってもエアの漏れは無く、何も問題無い印象です。
チューブレスタイヤの組み付けでは、よく「中性洗剤を使う」という記事を見かけますが、私は使ったことがありません。中性洗剤の目的はビードを滑りやすくして上げやすくするためのものなので、私は代替品としてシーラントをごく薄くビードに塗るようにしています。乾燥するまではシーラントは結構滑ります。
レース会場でリアタイヤ交換の時にこの現象が起きていたら走れなくなるので、予備のリムテープとシーラントは常備しておいた方が良さそうです。
◼︎まとめ
・OCリムでチューブレスタイヤ使用の場合、タイヤを外した際にリムテープがスポーク穴に沈んでいたらリムテープを交換した方が良い。
・チューブレスレディ用リムテープとシーラントは常備。レースにも持って行く。
自分でホイールを組むようになってから、私にとっては10〜11速の後輪にはOCリムがベストという結論になりましたが、頻繁にタイヤを交換する場合にはリムテープがコスト高になります。シクロクロスシーズン中にノーマルとSUNDで最低2回はタイヤをスイッチしたいので、ここは必須コストとして組み込んだ方が良いのかもしれません。
ただ、シーズン中にタイヤを組み替えないのであれば1シーズンしっかりチューブレスとして機能しますし、何と言ってもその組みやすさ、手組みホイールとしての完成度の上げやすさから、後輪は可能な限り今後もOCリムを使いたいです。(ディスクブレーキ車ではその限りではありませんが)
◼︎今後の課題というか妄想
・OCリムの穴を安価に塞いで、リムテープの寿命を延ばす方法は無いか?
・カンパニョーロのホイールように、穴のないリムを手組用として入手出来ないか?
・そもそも自分の考える手組み用の最高のリムって何だろう?
最後はどうでもいいですね。
さて、週末は楽しみにしている白州の森バイクロア。早く週末にな〜れ!