【自転車実験室】Wolf Tooth Tanpan SH-10の導入
私にとってのシクロクロス2016-2017シーズンは終わり、気持ちはすでに2017-2018シーズンです。
昨シーズンまでに体験したトラブルに対応するため、パワーやテクニックはトレーニングしかないわけですが、メカトラについては機材の見直しで改善できるのが自転車の楽しいところ。今まで私がシクロクロスで経験したメカトラ代表例は、単純に乗車テクニックが低いからですが、
・パンク
・チェーン落ち
の2種類です。落車してステムやハンドルの向きが変わった事もありますが、それはまた別の問題ですね…
パンクについては、IRCのチューブレスタイヤ「SERAC CX」を導入してから発生しなくなり、今までならパンクしていたであろう場面も持ちこたえてくれました。これは来シーズンも使い続けたい。
そしてもう1つがチェーン落ちです。
過去にも3回チェーン落ちを経験し、さらには2016-2017シーズン最終戦で盛大な単独落車をメイクしてチェーン落ちまでやらかした私としては、2017-2018シーズンはチェーン落ちの対策をしてから挑みたいところです。対策の一つとして上がっていたのが、今回のエントリの本題である「Wolf Tooth Tanpan SH-10」の導入です。
シマノのロード用シフトレバーでMTB用のリアディレイラーの変速ができるようになる、シフトワイヤーの引きしろを変換するパーツです。11速用の「SH-11」もありますが、我が家の自転車のドライブトレインは全て10速もしくはシングルなので10速用です。GEVENALLEのGXという手もあるのですが、ぶっちゃけ初期投資が高いので今回は見送りです。でもカッチョいいのでいつかは使ってみたい。
さて、Tanpanですが、マニアックなシクロクロッサーにはご存じの方は多いと思いますが、改めてまとめてみます。
◼︎シクロクロスにMTB用のリアディレイラーを導入するメリット
・ダンパー付きのリアディレイラーが使える
MTB用のリアディレイラーには、チェーンが暴れて落ちるのを防ぐためのダンパーが入ったモデルがあります。ダンパーをONにするとテンションプーリーの動きが渋くなり、チェーンが暴れる量を減衰しチェーン落ちの確率を低下します。
・ロー側の歯数が大きいカセットスプロケットが使える
MTB用のカセットスプロケットは、ロー側の歯数が大きく、最小ギア比を下げることが出来ます。シマノのMTB用のカセットスプロケットのロー側最小ギアの設定は32t。シクロクロス用でメジャーなインナーチェーンリングの歯数36tとのギア比は1.125。使い所は別にして強烈な設定です。
実は昨年5月に購入していたのですが、リアディレイラーの調達ができないままシーズンが終わってしまいました。未知の機材なので今から導入してクセを掴み、万全でシーズンインしたいのでこの時期に組み付けてしまう事にしました。
◼Culture Clubで組み付け
ついでにChrisKingのBBのグリス再充填もしたかったので、今回も昨年のオーバーホールで利用したCulture Clubのレンタルピットで組み付けです。
簡単な整備は自宅でこなしていますが、初のパーツの導入なので工具、ケミカルが十分に使えるのCulture Clubは、何かと便利なのです。
今回、ついでにホイールのフレ取り等実施し、3時間利用して¥4,500でした。
これを高いと取るかは価値観次第だと思いますが、
・作業で出た可燃、不燃ゴミは引き取ってくれる
・ケミカル、工具の不足なし
・不足パーツはその場で買える(特にワイヤーエンドみたいな小物)
・高価なSST(特殊工具)が借りれる
・作業中にスタッフと自転車談義ができる
・併設のカフェ「PFM」で食事ができる
等、私にはメリットが多いのです。ガチのメンテナンスで丸一日使っても¥5,000。頻繁に利用するのは難しいですが、決して高くはないと思います。
というわけで組み付けできました。
ちゃんと変速できています。
Tanpan以外のパーツの組み合わせは、
シフター:Shimano ST-5700(10速105)
リアディレイラー:Shimano RD-M675-GS(10速SLX)
カセットスプロケット:Shimano CS-HG81(10速11T-32T)
チェーン:Shimano CN-4601(10速Tiagra)
です。
組み付けについては、Wolf Tooth本国サイトのマニュアルが十分に詳しく、リアディレイラーの調整ができる方であれば何の問題もないと思います。問題は組み付けた後の変速調整で、Tanpanのプーリーにシフトワイヤーが馴染むまで少し調整の手間が必要でした。
◼組み付けてみた印象
想定外のメリットとしては、リアディレイラーのワイヤールーティンがスッキリしたことです。
私のシクロクロスバイクはシフトワイヤがトップルーティンのため、リアディレイラーのアウター受けがチェーンステーについています。Tanpanを実装すると写真のとおりアウターワイヤが短くなり、いかにも引っかかりにくそうです。キャリアダボにも干渉していません。
また、変速時のレバーの抵抗も、正確にはプッシュプルゲージを使わないとわかりませんが、そんなに気になりませんでした。
デメリットとしては、チェーンのテンションが高くなるので摺動抵抗(フリクションロス)が大きくなる事が上げられると思いますが、ロードレースと違ってもともと路面抵抗が大きいシクロクロスでは、低いギア比で十分相殺される印象です。
作業をした日は雨が降っていたので、ちょっとテスト走行したのみでまだ本格的に実走ができていません。次の週末はトレイルに走りに行きたい。
ただ、ホイールのフレ取りやハブのグリスアップ、ブレーキの調整などオーバーホールのレベルでメンテしたい項目が山盛り。。。
早くメンテナンスを終わらせて、次のシーズンまでの半年間しっかり走って成績につなげたいものです。来シーズンが待ち遠しいです。