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技術系サラリーマンの生活実験

【イベントレポート】白州の森バイクロア3に行ってきた

シクロクロススタイルのレースを主とした自転車イベント、「白州の森バイクロア」にキャンプインで参加してきました。

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 控えめに言って「最高」。これがもうとにかく楽しいイベントで、来年も是非行きたい、行かざるを得ない楽しさでした。

 

◼︎意外と名古屋から行きやすかった開催地

山梨県北杜市白州町のキャンプ場、「べるが尾白の森キャンプ場」です。ウイスキーが好きなら気になるサントリーの白州蒸留所が近くにあります。私が住んでいる名古屋市からは230km程度。朝5:30に出発して、途中トイレ休憩を入れても9:00までに到着しました。

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会場は中央道の小淵沢出口からすぐなので、アクセス良しです。

 

◼︎快適なキャンプ場

バンガロー、オートキャンプサイト、テントサイト大小があります。駐車場(¥1,000)からキャンプサイトまで少し歩くので、オートキャンプサイト以外の場合は台車があった方が良いと思います。後から気がつきましたが、荷物を運ぶのにリヤカーを借りる事ができるようです。

 

我が家はキャンプサイト大(¥9,000)を選びました。約5m×5mとの事でしたが、キャンプ場の1区画(約10m×5m)を2グループで共有する形です。でも、十分な広さで、Mont-bellのムーンライト7型テントと、Hillebergのタープ20XPが問題なく張れました。

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区画は丸太で分けてあるので分かりやすかったです。

トイレも綺麗で、水場も近く快適です。特筆はごみステーションがあるという事。分別してあればビン、缶もOKなので、片付けが大変楽でした。これはありがたい!

10:30位に設営が終わって早速ビールであります。私が出るレースは19:15スタートなので1杯ならまぁエエやろ、という感じです。

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 バイクロアでは酒類の販売をしているブースがありますが、ビールが目立つのです。甲州ワインとかが多いのかな、と思いきやクラフトビールを扱うお店が出店していて目移りします。

しかし、このせいでコースの試走をせずじまいなのでした…

 

◼︎イベントと出店ブース

我が家はレースに出るつもりで来たので、その他のイベントはノーマークだったのですが、キャンプサイトの中でYBP ProjectのBMXショーが!コレが猛烈に盛り上がりました。間近で見れたのは初めてなのですが、興奮度が高すぎて語彙力が下がります。

 

6 air train!!! #白州の森バイクロア3 #hakushu_bikelore #YBP

Takeshi Saitoさん(@tkcx3110)がシェアした投稿 -

  

ライダー6名の中にシクロクロスアイドルのコッシーこと腰山雅大氏がいます。本人は謙遜していましたが、凄まじいパフォーマンスでシビれました。日本のトップライダーとトレインを組んで飛べるのは本人もトップライダーだからこそ。夜にレースでもぶっちぎりの優勝だったのでちょっと超人過ぎとちゃうかな。

 

出店ブースも楽しくて、特に楽しんだのが伊那の自転車店CLAMPさんの「森の自転車ゲームセンター」。楽しすぎて写真を撮っていないのですが、¥100で障害物を試乗車のMTBで越えていくゲームが楽しめる太っ腹企画です。5〜6回トライしましたが完走できず。来年も開いて欲しいです。

 

◼︎レース

・サンセットレース 5/27 19:15〜19:45

今回、5/27は憧れていたサンセットレースにエントリーしました。「スターライト幕張」はカッコよくて憧れますが、日が落ちてからののレースはC1のため、C4の私は走れません。夜のシクロクロスというスリリングな体験を普段のカテゴリを問わず経験できるとは、これを走らずして、と言う感じでした。

 

勝手が分からないので、手持ちのライトで1番明るいライトであるCatEyeのVolt800をフロント、リアにCatEyeのRapid3、さらに息子から渡された劇場版ドラえもんの光るオマケをサドルレールにぶら下げてスタートです。ヘッドライトはPetzlのジプカプラスを着けました。

エントリーが遅かったせいでほぼ最後尾スタート。怪我をしない様に安全に走り出す事にしました。


白州の森バイクロア3 サンセットレーススタート

トップ集団は結構ハイペースであっという間に文字通り「見えなく」なりました。緩やかなS字の舗装路をちょっと走ったら林間のダブルトラックが始まります。ここからシクロクロスの基本である「試走の必要性」を味わう事になります。

1周目、想像以上の視界の悪さに驚きます。前のライダーのライトもあるのに視界の処理が追いつかない。コーステープが見えてきても、そこでどちらに曲がるか分からないのです。抜かされた人に「右だよ」とか教えてもらう始末。更に倒木がトンネル状になった箇所やシケインになっている箇所があり、見えてからビビる事になりました。さらに、切株や木の根を気付かずに踏んで何回も落車しそうになりました。切株や大きめの石を踏むたびタイヤがブリブリと悲鳴を上げて、リムがコツコツ言う音が聞こえます。私のテクニックではチューブレスじゃないと何回パンクしていたか分からないくらいです。

 

バイクに着けていたライトで進行方向は見えても、小さなヘッドライトではコーナーの先が見えないので、ある程度強力なヘッドライトの必要性を感じました。

 

1周走って「残り5周」のコール。ろくにアップしていないので心臓は爆発しそうです。バイクロアではローラーアップしている人を全く見かけませんでした。みんな心拍の上昇とどう付き合っているのでしょうか。

 

周回が多かったので少しずつコースに慣れてきて、パックになっていた人と抜きつ抜かれつでゴール。出し切った感がありました。

翌日確認したリザルトでは11/30位。C4の私がが試走しないで走った割には上出来ではないでしょうか。

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レースが終わって、テントに戻ってから流し込んだビールの美味いこと!こういう楽しみはシーズン中のシクロクロスでは出来ないので特別感がありました。

 

その日最後のレースである「ミッドナイトファイアーレース」の前に、キャンプ場の隣にある天然温泉「尾白の湯」で汗を流します。20:30締め切りなので急ぎました。来年も注意しておかないと。

 

 

・ミッドナイトファイアーレース 5/27 21:30〜22:00

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染みわたるインペリアル・スタウト。これを最高と言わずして何と言うのか。

これは出走はしなかったのですが、是非観戦したかったレース。「ファイアーシケイン」というクレイジーな障害物有りのショートコースのレース。写真は観戦しながら飲みたかったMikkeller Tokyoのインペリアル・スタウト「Black Hole」。Alc13.1%の濃厚で沁みわたるビールです。こいつをちびちび飲みながら観戦するレースの楽しさといったら!

ちょっとだけレースの様子を。


白州の森バイクロア3 ミッドナイトファイヤーレース

これは走るより見る側がいいかな。

 

・チームラリーファミリークラス 5/28 13:00〜14:30

翌日のレースは、チームラリーに出走しました。 今回の白州の森バイクロアでは、妻子は「ちょっとだけ走れたらいい」というスタンスだったので、ファミリークラスのチームラリーにエントリーすることに。私が走る時間が長くなるので、他のレースにはエントリーせずこれに絞りました。我が家にとって初のファミリーリレーです。

 

 

作戦としては、90分間で最初に私が4周走り、小学2年生の息子が1周、次に妻が2周走り残り時間は私が走るというもの。

家族3人で試走をすると、林道サイクリングの気分でそれだけで楽しかったです。ただ、試走してみて息子には階段のセクションと急な坂2箇所の計3箇所が越えられない事がわかりました。そこで、息子が走るときは私が先回りしてサポートすることに。運営にも確認をとると小学生へのサポートは可とのことだったのでそうすることにしました。

 

走り出してみると、前日に会場で会った友人が、「うまい棒をたくさん持ってきた」と言っていた理由がわかりました。

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Photo by lilukitchen 勢い良くかぶりつき過ぎでしょ・・・

 

喉が乾くお菓子を抱えたエイドステーションにするためだったんですね・・・

シクロクロスでは観客のガヤが楽しみの一つでもありますが、これは口がパッサパサになるしキツい。でもだんだん楽しくなってきてついつい食べにいってしまうのです。

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Photo by lilukitchen テンションが上ってきて吠えながら坂を駆け上がる

違う意味の苦しさがありましたが、これが楽しい!もっと余裕を持って食べてもよかったかな・・・

 

4周走って息子に交代です。計測チップの交換やバイクの交換はスムーズに出来、去年参加したシマノバイカーズフェスティバルの経験が生きました。

 

走り出した息子をランニングで追いかけます。が、めっぽう速い。ついていけなくなり、全力で走って追いかけ、階段と坂に先回りしてアシストします。でもそれ以外は放っておいてもグイグイ走っていきました。4周走ったあとのトレランだったので、私の心臓も限界に近かったです。

途中で落車したらしく、ピットに帰ってきた息子もヘロヘロになっていました。

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 そして妻に交代。

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スローペースだけど落車せずに走れて楽しかったそうです。妻が1周走ったくらいで「そろそろ準備か」と思っていると息子から「もう1周走りたい」とのお言葉が。

というわけで再び息子を追いかけトレラン状態に。落車して嫌になったかな、と思いきや本当に楽しそうに走っていました。去年より若干簡単になったというコース設定が良いのでしょう。でも追いかける私は本当に苦しかった・・・

 

私に交代したところで残り時間は10分弱。私のペースでは後1周ちょっとしか走れないので、最後は全力を出し切りました。

順位が全くわからないままのゴールでしたが、たっぷり走れたし、息子の熱い走りが見れて本当に楽しかったです。

表彰式では入賞していなくても抽選でプライズが当たる可能性があると聞いていたので、表彰式に言ったところ我が家が3位のコール!5チーム中の3位ですが、正直期待はしていなかったので、初のファミリーリレーで表彰台に登れて本当に嬉しかった。

 こんな楽しい思い出ができたら、来年もどうしても参加したくなります。

頼むから小学校の運動会と日程が被らないでくれ・・・

 

◼まとめ

昨年、バイクロア主催の1人であるもんじゃ氏から、我が家にピッタリのイベントだと聞いて参加することを決めましたが、果たしてドンピシャでした。

会場の平和な空気や、遠方の友人との再会や、新しい出会いもあり、そしてみんな楽しそう。

天気が良かった事もあり雨にも降られず、森の中で日差しが遮られて気温もちょうどいい。

緊張感のあるレースも好きですが、気負わず楽しくダートコースを走れるイベントは、貴重な気がします。

主催の皆様、運営スタッフに出店者、そして参加者の皆様に感謝して、来年も遊びに行けることを祈りたいと思います。

 

また来年!

 

 

 

 

 

 

 

 

【自転車実験室】チューブレスレディOC(オフセンター)リムの弱点

今年は、前から興味があった「白州の森バイクロア」に参加する事にしました。キャンプとシクロクロスを組み合わせたようなイベントで、シクロクロスで走りたい上にキャンプイベントも楽しめそうで、我が家にとっては家族で遊びに行くのにちょうど良さそうなのです。

bikelore.jp

公開されている昨年までの写真を見ると、林間のコース設定。昨シーズンの最後に後輪のタイヤをチューブレスのSUNDタイヤに切り替えてからそのままだったので、イベントを控えた1週間前にノーマルチューブレスCXタイヤに切り替える事にしました。

 

で、早速タイヤを交換しようとしたのですが、ある程度予測していた通りビードを上げられません。これが表題の「チューブレスレディOC(オフセンター:以下OC)リムの弱点」であります。

 

◼︎チューブレスレディOCリムの弱点

タイヤ装着後、ある程度の期間が経つとリムテープを交換しないとビードが上げられない。

です。

 

OCリムは、その名の通りスポーク穴がリムのセンターからズレたリムで、10〜11速等多段のリアホイールを組むのに最適なリムです。ズレはセンターからせいぜい2〜3mmなのですが、ホイールを組む上ではこれが絶大な効果を発揮します。しかし、このオフセットがチューブレスレディリムとして運用する時の弱点になって来るのです。

 

以下の写真が問題の箇所です。

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これは私がシクロクロス用として使用しているホイールの後輪で、VelcityのA23OCというリムを使って組んでいます。

リムテープNotubesの19mm幅を使用しており、貼ってから約5ヶ月が経過しています。写真中央部のテープが丸くくぼんでいるのがわかるでしょうか。

 

チューブレスレディリムは、気密性の高いテープでリムの穴を塞ぐ事でチューブレスタイヤの装着を可能とします。そして、OCゆえの穴の位置が弱点になってきます。

むちゃくちゃ雑ですが、絵を描くとこんな感じです。

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OCリムはスポークを通す穴がオフセットしているため、穴がリムの段差、つまりタイヤ装着状態でビードが乗っかる部分に重なっています。

リムテープが劣化して、この穴の箇所がくぼんでくると隙間からエアが漏れ、ビードが上がってくれません。

 

というわけでリムテープの貼り直しです。

まずはテープを剥がして清掃です。

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この穴ですね。OCリムだと穴がセンターからオフセットしているため、完全にビードがかかる段差に穴が重なっています。

経年劣化でテープが穴に潜るように変形し、段差に隙間ができてしまうのです。

 

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テープを貼りました。流派が色々あると思うのですが、私はバルブ穴にテープが重なるように1周させています。ロード用のタイヤは高圧なので二重三重に巻くと聞いたことがありますが、シクロクロスは低圧なので1周分で十分だと思います。

貼り方が雑ですが、目的はリムの穴を塞ぐ事なので、段差の部分に密着していれば良しとしています。チューブレスレディ用のリムテープは固く、ピッタリ貼ろうとすると私の腕前ではシワが寄ってしまい上手く貼れません。

 

バルブ穴部分のテープにカッターでちょっと傷を着け、

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#2のプラスドライバーでズブリ!とやってしまいます。穴が空いたらバルブを突っ込みます。バルブ固定用のナットをしっかり締めて完了です。

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バルブはVelocity純正のものですが、固定用のナットを閉める時に、写真に写っている四角いゴムパッキンが回りやすくタイヤが嵌めにくくなるため、個人的にはイマイチです。寿命がきたらNoTubesに切り替えたいと思います。

 この後は急用ができて急いで作業をしたため写真がありませんが、シーラントを適量入れ、GIANTのControl tankを使って空気を入れました。ビードは1発で上がり、2日経ってもエアの漏れは無く、何も問題無い印象です。

 

チューブレスタイヤの組み付けでは、よく「中性洗剤を使う」という記事を見かけますが、私は使ったことがありません。中性洗剤の目的はビードを滑りやすくして上げやすくするためのものなので、私は代替品としてシーラントをごく薄くビードに塗るようにしています。乾燥するまではシーラントは結構滑ります。

 

レース会場でリアタイヤ交換の時にこの現象が起きていたら走れなくなるので、予備のリムテープとシーラントは常備しておいた方が良さそうです。

 

◼︎まとめ

・OCリムでチューブレスタイヤ使用の場合、タイヤを外した際にリムテープがスポーク穴に沈んでいたらリムテープを交換した方が良い。

・チューブレスレディ用リムテープとシーラントは常備。レースにも持って行く。

 

自分でホイールを組むようになってから、私にとっては10〜11速の後輪にはOCリムがベストという結論になりましたが、頻繁にタイヤを交換する場合にはリムテープがコスト高になります。シクロクロスシーズン中にノーマルとSUNDで最低2回はタイヤをスイッチしたいので、ここは必須コストとして組み込んだ方が良いのかもしれません。

ただ、シーズン中にタイヤを組み替えないのであれば1シーズンしっかりチューブレスとして機能しますし、何と言ってもその組みやすさ、手組みホイールとしての完成度の上げやすさから、後輪は可能な限り今後もOCリムを使いたいです。(ディスクブレーキ車ではその限りではありませんが)

 

◼︎今後の課題というか妄想

・OCリムの穴を安価に塞いで、リムテープの寿命を延ばす方法は無いか?

・カンパニョーロのホイールように、穴のないリムを手組用として入手出来ないか?

・そもそも自分の考える手組み用の最高のリムって何だろう?

 

最後はどうでもいいですね。

さて、週末は楽しみにしている白州の森バイクロア。早く週末にな〜れ!

【自転車実験室】Tanpan組み付け位置のナゾ

先日私のシクロクロスバイクに組み付けたWolf Tooth Tanpan SH-10。

組み付けた後に、1枚の写真が私に組み直しを訴えてきました。まず結論を述べますと、

 

◼︎結論

トップルーティンのシクロクロスバイクでは、Tanpanはハンドルバー付近に組み付ける。

 です。

 

◼︎考えに至った経緯

問題の写真が、Wolf Toothの公式サイトに載っていたこれです。

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 引用:Wolf Tooth Components

ハンドルバー付近にTanpanが組み付けられています。でも、他の紹介記事で見かけるのはリアディレイラーに直付けされたものばかり。もちろん公式サイトにも以下の写真のようにリアディレイラーに直付けされたものが載っています。

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引用:Wolf Tooth Components

つまり、Tanpanには2通りの組み付け方があります。では、ハンドルバー付近に組み付ける場合ってどんな場合だろう、と考えていたら脳内で何かが繋がりました。

 

以下の写真は、先週組み付けたばかりの写真に、リアディレイラーに後ろ向きの力がかかった時に想定される力の伝わり方を記入したものです。

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リアディレイラーの構造上ピボットの回転方向の抵抗はほとんど無いため、リアディレイラーに対して後ろ向きの力がかかった時、

 

アウタワイヤが短かく直線的 = 応力の逃げ場が無い

 

 ので、Tanpan本体や、ディレイラーハンガ、シートステーのアウタ受けへ余計なダメージが蓄積しそうです。私のシクロクロスバイクはトップルーティンのため、シフトワイヤがシートステーを伝ってきます。そのためアウタワイヤがこの通り短くなり、非常にスッキリした見た目になりました。

が、ここが盲点でした。

さて、以下のWolf Tooth公式サイトの写真の通り、アウタワイヤがチェーンステーから出ている場合は、アウタワイヤが湾曲しているため、リアディレイラーに後ろ向きの力がかかっても応力の逃げ場があります。

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 引用:Wolf Tooth Components

つまり、Tanpanはチェーンステーからアウタワイヤを引く場合はリアディレイラー直付けで問題ありませんが、トップルーティンでシートステーからアウタワイヤを引く場合は直付けは避け、ハンドルバー付近に組み付けた方が良いのでは?という考えに至りました。

 

また、私のMTBの変速システムを確認するとMTB用10速のシフトワイヤ調整ダイヤル(バレルアジャスタ)はシフタ側にしか付いていません。

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明確な根拠は不明ですが、シマノMTB用ワイヤ式変速システムはシフタ付近でワイヤ調整をする前提の設計になっていると推測できます。

 

Tanpanもワイヤ調整器なので、シフタ付近に組み付けるのは筋が良さそうです。というわけで、先週組み付けてから1kmも乗っていないのに早速組み換えです!致し方なし。

 

◼︎ハンドルバー付近に組み付ける

Wolf Tooth公式サイトの写真を見ると、ハンドルバー付近に組み付けるには「Ferrule」と呼ばれるアダプタが必要なようです。別売り可能みたいです。「Ferrule」って知らない単語で、調べて見ると「フェルール」と読み、ワイヤなどを通すための金属の筒や環を意味する単語のようです。

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引用:Wolf Tooth Components 

 

ただ、私の購入したモデルにはアダプタはついていないので代替品を準備する必要があります。しかし自転車用スキマ部品の大家Problem Solversにもそんなパーツありません。

で、考えたのがコレです。

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ホームセンターで売っている内径6mmのホースにシフトアウタエンドを突っ込んだモノです。

これにTanpanを突っ込み、

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シフトアウタを接続すると何とかなりそうな感じです。

自転車に組み付けてみました。

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側面から見ると

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こんな感じ。

ハンドルを左右に切っても、

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大きく干渉する感じはありません。

まぁこんなもんやろ。Tanpanが目立ちますが私としては許容範囲内です。ブレーキアウタの取り回しは少し悩んでいるのですが、これはまたの機会ですね。

 

リアディレイラーへの取り回しはこうなりました。

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シフトアウタが適度に湾曲し、力の逃げ場がありそうです。変速調整は、Tanpanのバレルアジャスタだけで簡単に決まりました。前回リアディレイラー直付けで調整した時より早く調整出来たように感じます。やはりMTB用のワイヤ式変速システムは、シフタ側で調整するのが筋なのでしょうか。

 

 組み付けた時の収まりの良さは断然リアディレイラー直付けなのですが、ハンドルバー付近に組み付けられることが確認できた結果、ワイヤリングの自由度が上がり、変速調整もしやすかったです。

 

後は実走でテストするのみ。来シーズンのAJOCCカレンダーも公開されましたし、気分が盛り上がってきました!!あとは走る時間を作るという最も難しい課題が待っています(白目)。

 

追記:

念のためWolf Toothに直接問い合わせをしてみたところ、「君の場合はハンドルバー付近への組付けがオススメ」と回答をもらい、更に「Ferrule」と呼ばれるアダプタを送ってくれる事になりました!海外の個人ユーザーに誠実に回答してくれて嬉しかったです。コレは、ファンになりますね。。。

【自転車実験室】Wolf Tooth Tanpan SH-10の導入

私にとってのシクロクロス2016-2017シーズンは終わり、気持ちはすでに2017-2018シーズンです。

 

昨シーズンまでに体験したトラブルに対応するため、パワーやテクニックはトレーニングしかないわけですが、メカトラについては機材の見直しで改善できるのが自転車の楽しいところ。今まで私がシクロクロスで経験したメカトラ代表例は、単純に乗車テクニックが低いからですが、

・パンク

・チェーン落ち

の2種類です。落車してステムやハンドルの向きが変わった事もありますが、それはまた別の問題ですね…

 

パンクについては、IRCチューブレスタイヤSERAC CX」を導入してから発生しなくなり、今までならパンクしていたであろう場面も持ちこたえてくれました。これは来シーズンも使い続けたい。

 

そしてもう1つがチェーン落ちです。

過去にも3回チェーン落ちを経験し、さらには2016-2017シーズン最終戦で盛大な単独落車をメイクしてチェーン落ちまでやらかした私としては、2017-2018シーズンはチェーン落ちの対策をしてから挑みたいところです。対策の一つとして上がっていたのが、今回のエントリの本題である「Wolf Tooth Tanpan SH-10」の導入です。

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シマノのロード用シフトレバーでMTB用のリアディレイラーの変速ができるようになる、シフトワイヤーの引きしろを変換するパーツです。11速用の「SH-11」もありますが、我が家の自転車のドライブトレインは全て10速もしくはシングルなので10速用です。GEVENALLEのGXという手もあるのですが、ぶっちゃけ初期投資が高いので今回は見送りです。でもカッチョいいのでいつかは使ってみたい。

さて、Tanpanですが、マニアックなシクロクロッサーにはご存じの方は多いと思いますが、改めてまとめてみます。

 

◼︎シクロクロスMTB用のリアディレイラーを導入するメリット

・ダンパー付きのリアディレイラーが使える

MTB用のリアディレイラーには、チェーンが暴れて落ちるのを防ぐためのダンパーが入ったモデルがあります。ダンパーをONにするとテンションプーリーの動きが渋くなり、チェーンが暴れる量を減衰しチェーン落ちの確率を低下します。

・ロー側の歯数が大きいカセットスプロケットが使える

MTB用のカセットスプロケットは、ロー側の歯数が大きく、最小ギア比を下げることが出来ます。シマノMTB用のカセットスプロケットのロー側最小ギアの設定は32t。シクロクロス用でメジャーなインナーチェーンリングの歯数36tとのギア比は1.125。使い所は別にして強烈な設定です。

 

実は昨年5月に購入していたのですが、リアディレイラーの調達ができないままシーズンが終わってしまいました。未知の機材なので今から導入してクセを掴み、万全でシーズンインしたいのでこの時期に組み付けてしまう事にしました。

 

Culture Clubで組み付け

ついでにChrisKingのBBのグリス再充填もしたかったので、今回も昨年のオーバーホールで利用したCulture Clubのレンタルピットで組み付けです。

cc-ngy.com

簡単な整備は自宅でこなしていますが、初のパーツの導入なので工具、ケミカルが十分に使えるのCulture Clubは、何かと便利なのです。

今回、ついでにホイールのフレ取り等実施し、3時間利用して¥4,500でした。

これを高いと取るかは価値観次第だと思いますが、

・作業で出た可燃、不燃ゴミは引き取ってくれる

・ケミカル、工具の不足なし

・不足パーツはその場で買える(特にワイヤーエンドみたいな小物)

・高価なSST(特殊工具)が借りれる

・作業中にスタッフと自転車談義ができる

・併設のカフェ「PFM」で食事ができる

等、私にはメリットが多いのです。ガチのメンテナンスで丸一日使っても¥5,000。頻繁に利用するのは難しいですが、決して高くはないと思います。

 

というわけで組み付けできました。


Wolf Tooth Tanpan SH-10

 

ちゃんと変速できています。

Tanpan以外のパーツの組み合わせは、

 

シフター:Shimano ST-5700(10速105)

リアディレイラー:Shimano RD-M675-GS(10速SLX)

カセットスプロケット:Shimano CS-HG81(10速11T-32T)

チェーン:Shimano CN-4601(10速Tiagra)

 

です。

 

組み付けについては、Wolf Tooth本国サイトのマニュアルが十分に詳しく、リアディレイラーの調整ができる方であれば何の問題もないと思います。問題は組み付けた後の変速調整で、Tanpanのプーリーにシフトワイヤーが馴染むまで少し調整の手間が必要でした。

www.wolftoothcomponents.com

 

◼組み付けてみた印象

想定外のメリットとしては、リアディレイラーのワイヤールーティンがスッキリしたことです。

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 私のシクロクロスバイクはシフトワイヤがトップルーティンのため、リアディレイラーのアウター受けがチェーンステーについています。Tanpanを実装すると写真のとおりアウターワイヤが短くなり、いかにも引っかかりにくそうです。キャリアダボにも干渉していません。

 

また、変速時のレバーの抵抗も、正確にはプッシュプルゲージを使わないとわかりませんが、そんなに気になりませんでした。

 

デメリットとしては、チェーンのテンションが高くなるので摺動抵抗(フリクションロス)が大きくなる事が上げられると思いますが、ロードレースと違ってもともと路面抵抗が大きいシクロクロスでは、低いギア比で十分相殺される印象です。

 

作業をした日は雨が降っていたので、ちょっとテスト走行したのみでまだ本格的に実走ができていません。次の週末はトレイルに走りに行きたい。

 

ただ、ホイールのフレ取りやハブのグリスアップ、ブレーキの調整などオーバーホールのレベルでメンテしたい項目が山盛り。。。

 

早くメンテナンスを終わらせて、次のシーズンまでの半年間しっかり走って成績につなげたいものです。来シーズンが待ち遠しいです。

 

 

【レースレポート】東海シクロクロス第7戦 ワイルドネイチャープラザ C4B

昇格の意気込みで挑んだワイルドネイチャープラザ。結果は10/35位(28%)で、全く勝ちに絡めない走りでした。悔しいのはもちろんですが、それでもある意味、来シーズンの昇格の希望が持てたレースだったのでした。

 

◼レース当日

・食事

今回前日に夜に白米をしっかり食べ、起床から出走まで、固形物を取りませんでした。空腹感はスポーツドリンクで押さえ、とにかく水分をしっかり取る事を意識しました。そのせいかしっかりお通じもあり、胃も腸も空っぽ、喉の渇き無しの自分としてはベストのコンディションでした。

 

・試走をせずにアップ

前回の愛知牧場に続き今回も前日試走をして、コースをビデオに収めました。


東海シクロクロス2017-2018 第7戦ワイルドネイチャープラザ 前日試走

下手に試走するとチェーンもシューズも砂まみれになるので当日試走はせず、アップ中もずっとビデオを見てコースをイメージしました。アップは出店していたSimWorksでローラーを借り、レース30分前に心拍を最大まで上げる事だけにしました。アップ後アスリチューン赤を食べてスタートグリッドへ。

 

・スタート直後に落車

ゼッケンNo.9でしたが、DNSの選手がいたためかフロントローの真ん中に並べました。スタートグリッドは舗装路で、好条件です。

スタート前にMCのYKO氏から「スタート直後の砂で落車しないように」とアナウンスがありました。言霊だったのか、正にその通りになってしまいました。

号砲とともにスタート、間違いなく一番手で飛び出しました。そしてシフトアップした直後、前輪が砂に沈みました。

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Photo by kikuzo

写真中央でまさに転倒しようとしているのが私。

そのまま前転。盛大に落車しました。気負いとテクニック不足がまとめて現れた瞬間でした。後続が上手かったおかげで大事故には至りませんでした。「落車〜」の声を聞きながら何とか立ち上がって乗車します。既にほとんどのライダーに抜かれているため急いでペダルを踏みましたが空転。フロントのチェーンが落ちていました。

 

大急ぎでチェーンを戻し走り出します。この時点で最下位。今度はフロントブレーキが鳴っています。どこかがイカれたのかフロントブレーキが片効き状態になってしまいました。

後からわかったのですが、右ブレーキブラケットがズレたのと、落車の衝撃でフロントホイールが振れたためでした…

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正面から見た時にタイヤが左にズレているのがお分かりいただけるでしょうか。

 

・追い上げる

既に集団は遥か向こう、ただでさえ走行抵抗が高いコースでブレーキを引きずった状態、

 

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という気持ちで何だか笑えてきました。

もうこうなったら言い訳抜きで走るだけです。必死に走りました。砂区間は無理に乗ろうとせず速やかに降車し、森区間は真剣に重いギアを踏みました。砂で手間取っている人をまとめてパスし、少しずつ順位を上げました。

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Photo by kikuzo

最後尾から必死で追い上げます。ヘルメットのズレが直せるわけもなく。

こう見るとゼッケンの位置高いな...

 

それにしても今回の砂の登りは地獄でした。足が本当に止まりそうで、呼吸音が明石家さんまの笑い声みたいに「ヒーヒー」言いました。苦しいのは他のライダーも同じ。足が止まらない事だけを良しとして登りました。

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Photo by kikuzo

それにしてもゼッケンの位置高いな...

3周走って結果は10/35位。最下位から25人パスした事になります。酷いスタートでしたが、第2戦でズルズル順位を下げて19/47位だった事を考えると進歩がありました。

 

昇格したくて挑んだレース、勝てないのがわかっても腐らず楽しく走れたのは、少し前進した自分を感じたからかもしれません。未来を信じる中年なので。

それにしてもブレーキ引きずりながらはキツかった...

 

◼事前の練習

・トレーニング方法を教えてもらう事にした。

前回の愛知牧場で、WAKO'sの洗車サービス・レクチャを受けて感動し、人に教えてもらう事の重要性を再認識した私は、自転車のトレーニングについても専門家に教わろうと考え、レースの翌日に友人に教えてもらったこのお店を訪ねました。

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もちろんヒルクライマーとして有名ですが、東海地方のシクロクロッサーならば知らぬ者はいないと思われる偉大なM1ライダー、筧五郎氏の自転車店、「56CYCLE」です。

 

56CYCLE」では「ローラー教室」というローラー台でのトレーニング指導を行っており、各人の能力に合わせてメニューを組んでもらい、1時間半程度、黙々とローラー台を回します。ここで愛知牧場からの一月で計4回、トレーニング指導を受けました。

リンク先の料金表より現在は安いです。気になる方はお問い合せください。

 

たかだか4回で何が変わる、といったところかも知れませんが、まずトレーニング密度が高いこと、質問すると何でも答えてくれる事が本当にありがたかったです。

・ハンドル、サドルのポジション

ペダリング

・セルフマッサージの方法

・アップの仕方

等、色々教わったことを全部今回のレースに突っ込みました。実際、落車した後追い上げられたのは、「ローラー教室」効果があったと感じています。

筧五郎氏は言語化が大変上手く、私のような理屈っぽい人間が納得できるようにしっかり説明してくれました。特に響いたのが「変えてみて、その効果を確かめろ」という事です。自分で考えてトレーニングをしていたつもりですが、イマイチ成果につながっていなかったので、トレーニング方法を変えるために「56CYCLE」を訪ねたのでまさに我が意を得たりでした。

 

私の2016-2017クロスシーズンが終わったので、妻から「通う回数は減らして欲しい」と要請がありましたが、少なくとも来シーズンまでは今後も月1以上で通いたいと思います。

 

・夜の炭水化物を減らした

何かと話題に上がる「低炭水化物ダイエット」です。朝と昼はご飯も食べますが、夜はプロセスチーズや豆腐+ごま油+塩とかで可能な限り1ヶ月弱我慢してみました。

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 お徳用プロセスチーズ¥399。もう手放せない。

結果体重は78kgから75.5kgまで2.5kgダウンし、効果があったように感じます。

これでもまだ私の身長170cmに対しては重たいので、今後も継続してみます。

 

■まとめ

リザルト

出走:C4B

順位:10/35位(28%)

タイム:28:36(+2:30)

 

・食事の取り方が上手くいった。

・「追い上げ」ができた。密度の高いローラー台トレーニングは短期間でも効果あり。

・テクニックは単純に練習不足。

 

今回のワイルドネイチャープラザでは、友人が3名もC3昇格を果たす事になり、嬉しい半面自分と比較すると悔しいのもまた確か。来シーズンこそは私もC3への昇格を果たします。ここからが私の2017-2018シーズンの始まり。パワー、テクニック、体重、改善すべき箇所がたくさんあるので、これから良くなるばかり、のはず。自分に希望を持って挑戦したいと思います。

 

そしてAJOCC加入2年目の東海シクロクロス、今シーズンも大変楽しませていただきました。運営の皆様に深く感謝します。来シーズンが待ち遠しいです!

 

 

【書評】ハイペリオン、ハイペリオンの没落 著:ダン・シモンズ

俺は傑作を読んだ!確信させてくれる作品でした。

 

 

  

 

 

あまりの面白さに一気に連続で4冊読んでしまいました。28世紀辺境惑星「ハイペリオン」を舞台に綴られる物語。あまりの情報密度に脳が震える感覚を味わいました。早く続きが読みたくて、Kindle本として購入しましたが、文庫版で買い揃えて常備しておきたい傑作です。

 

私は知識がありませんでしたが、「ハイペリオン」と「ハイペリオンの没落」は18世紀に早逝したイギリスの詩人、ジョン・キーツの未完の作品名と同じもので、ジョン・キーツをモチーフにしたと思われる箇所が要所にあります。

 

本書の初版は1989年で、作中にはそれ以前に出版されたSF小説を読んでいるとニヤニヤさせられてしまうシーンや、逆にそれ以降に出版されたSF小説や、SF映画がモチーフとしたであろうシーンが多く見受けられます。SFだけではなく、影響を与えた作品も少なく無いのではないでしょうか。

 

内容は長く、猛烈に濃く、著者の熱量を感じました。「ハイペリオン」の上下巻だけでも猛烈に楽しめますが、エンディングで残された謎が気になってしまうので、「ハイペリオン」上巻で面白さを感じた場合は「ハイペリオンの没落」下巻まで買ってしまう事をおすすめしたい。

 

本書のテーマは各種あると思うのですが、宗教についての批判と思想も素晴らしかった。旧約聖書に描かれる、ノアの洪水後に最初に神に祝福される預言者、「アブラハム」のジレンマについて描かれていたのは強烈な印象がありました。私は、旧約聖書ではアブラハムの活躍が最も面白い(とかいったらカトリックに何と言われるかわかりませんが)と思っていて、本書でもそれに関わるストーリーが本当に面白かった。結末に救いはあるのかハラハラしながら読みました。

 

 アブラハムの活躍についてはぜひ旧約聖書をお読みいただくと良いと思います。Kindle版で¥99です。全能の神にも交渉を挑み成果を出すアブラハムは、西洋史最初の根越エータでありプロジェクトマネージャであると思います。

 

あと、サイバーパンク好きならば納得の章もあります。

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

 

 「攻殻機動隊」が好きなら楽しめるであろう「ニューロマンサー」を読んでいるとニヤニヤできてしまうシーンも。攻殻機動隊の電脳空間をイメージしながら読むと想像力が膨らむシーンも盛り沢山でした。

 

 「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」に散りばめられたストーリーは、他書も読んで再び帰ってくることができる情報量でした。おそらく今後も折に触れて読み返すことになる傑作です。読めてよかったと心底感じています。

 

「もっと早く読んでおけば良かった」と思える作品もあると思うのですが、「この歳になってから読んで良かった」と思える作品です。他の作品を知ったことでより楽しめたからです。本作を読んで「ジョン・キーツ」にも興味がわきました。

 

SFを読む最大の楽しみである「センス・オブ・ワンダー」を体験できる本作。強烈な読書体験をしたい方にぜひおすすめします。

【レースレポート】東海シクロクロス第6戦 愛知牧場 C4D

教わる、という事の重要性を再確認しました。レースの結果はまたか、という感じでイマイチでした…

 

◼事前の練習

久しぶりの雪で1/15の東海シクロクロス第5戦が流れてしまい、1レース逃してしまった事と、それ以降に予定が立て込み、正月休みに走ったきりまたも練習不足になってしまいました。コレ何とかならんもんか、という感じです。

 

ただ、家から近い会場なので前日試走は必ず行こうと決めていました。一般道を車で40分。本当に近いです。これは来年も開催して欲しい。1シーズンで2回くらい開催して欲しい。

 

今回は、義弟から「旧式やし手ブレが結構あるからあげる」とSonyのアクションカムHDR-AS15を譲ってもらったので、ハンドルバーにマウントして前日試走の撮影をしてみました。私としては十分な撮影クオリティで大満足でした。

 


東海シクロクロス2016-17 第6戦 愛知牧場 前日試走

 

後に予定があったので3週ほど走って早々に帰宅、合間で取ったビデオを見てコースの予習をしました。これは次回も使ってみます。

 

◼レース当日

今回はC4Dに割り当てられていたので、出走は10:42から。こんなに遅くにスタートするのは初めてです。7:00までに会場に到着し、準備を始めました。第6戦は愛知県民にとってお馴染みの「愛知牧場」、保育園の遠足で行った事がある息子は「今回は走る」と意気込み、妻も含めて家族3人で出走する事になりました。

駐車場からスタートラインまで少し離れているので、3人分の荷物を運ぶのが少し大変でした。

 

今回はアップしようと思い、9:20分頃からSimWorksブースでローラー台を借りてアップしてみました。が、イマイチアップの仕方がよくわからない。心拍は上げられても太腿の内側に感じる重たさは取り切れない感じです。

 

陽射しが強く気温も高くて、あっという間に汗だくになりました。身体を冷やさないように全着替えして、太腿にRaphaのウインターエンブロケーションを塗り込み、会場でキャンペーンをしていたアスリチューンを食べてスタートラインへ向かいました。ツルッと口に入って食べやすかったです。

 

◼レース本番

・スタートから第3コーナーまで

コース幅が広いこともあり、8番手でフロントロー右端に並べました。スタート後は砂利の登りになっているのですが、右端だけ5m程舗装された区間があり、スタートには有利な位置です。みんな探りながらのスタートだったのか前に出られて、1〜2番手で第1コーナーへ進入、砂利が怖くて大外に膨らんでしまいました。

その後の登りがキツい。スピードが乗らず6番手で第2コーナー。さらに抜かれて9番手で第3コーナー。

前日試走で第3コーナーまでが勝負所、と感じていましたが我慢しきれず(というか単純に登りが遅い)せっかくの好スタートをフイにしてしまいました。

 

・最初の下り

今回は東海シクロクロス初のアップダウンのあるコース、浮いた砂でタイヤが滑って、下手な私にはなかなかスリリング。特に試走ビデオでは2:31当たりの下り最後の箇所は外に膨らむとズルズル外に身体が逃げてしまい怖かったです。よく落車するのでビビって身体が強張るのを感じました。

 

・階段までの畑区間

スリッピーな区間でしたが、落車せず走れたのでここは終始楽しかったです。私にも声援を掛けてくれる人もいて、出走した人はみんな楽しかった場所ではないでしょうか。コーナーに轍が2〜3本できていて、初めて轍に乗せて曲がる感覚を味わいました。

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Photo by Kikuzo

コレ絶対サドル低い。

 

・階段からの下り 

東海シクロクロスでは初のマジな階段。身体が重たいので登れるペースで淡々と登るしかありません。この辺りで腰と太腿が痛くなってきました。痛みを抱えたまま走り続けます。

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Photo by youkan_0045 

後ろに迫っていたGreen Cogの庄司店長。抜かされた後に「ハブ毛には負けん!」と叫んで漕ぎましたが追いつけず。やっぱりサドル低い。

 

3週目で太腿の痛みが取れてきましたが、腰の痛みはそのままで、何だか踏み切れないままズルズルと後退して13位でフィニッシュ。うーんイマイチ。

 

◼反省点

・坂を登れない

今回のコースでは第2コーナーから第3コーナーまでの登りと、出展ブース前に出てくる登りが大きめの砂利が浮いた登りになっており、必死で漕いでもリアタイヤが滑って上手く登れませんでした。姿勢がわるいのかトラクションを上手くかけられず、テクニック不足がもろに出てしまいました。最終周回では思い切って降車して走りました。

 

練習不足は言わずもがなです...

 

◼良かった点

・コースが楽しかった

東海シクロクロスは会場の制約で平坦路が多いのですが、今回は牧場の高低差を活かした作りで、辛い登りにスリリングな下りと長く走りたくなる作りで、刺激的でした。コレは来シーズンも是非開催して欲しい。1シーズンに2回は開催して欲しい。

 

・WAKO'sの洗車サービスを受けられた

今回のレースで一番の発見と気づきを得たのが、会場に出店していたWAKO'sの洗車サービスです。

 この写真をご覧ください。

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洗車サービスの数分間で衝撃の輝きを得たフロントディレーラーです。オーバーホール以来こんなピカピカのフロントディレーラー見たこと無いです。リアディレーラー、チェーン、スプロケットも同様です。今回のレースは土埃が多かったので、ディレーラー周りはオイルに土が付着して結構汚れていたのですが、凄みを感じる仕事でした。全体を洗車するのに30分弱。感動しました。

 

こちらの質問にも手を休めずに丁寧に答えてくれて、ベランダで洗車するコツをしっかり教えてもらえました。これで技術料を取らないのは申し訳ないくらいでした。

 

WAKO'sのラスペネやチェーンオイルは使っていますが、洗車と注油については自己流でイマイチ上手くできませんでした。ここで得た気づきとしては、

・ケミカルの特性を理解して使う

・ブラシ、ウエスの使い方

・洗車中の手の動きと段取り

とたくさん上げられますが、一番は「素直にコツを教えてもらうことは重要」ということでした。私は試行錯誤が好きなので、洗車も自分でいろいろ試していましたが、熟練の業を見せてもらって、専門家のアドバイスは素直に受ける価値がある、と感じました。自己流でやってきた分上手く行かなかった部分の謎が氷解し、さらにバイクもピカピカになるという、なんと言えばよいか、感動しました。

 

レース会場でWAKO'sの洗車サービスがあったら、ぜひ受ける事をオススメします。

 

■まとめ

リザルト

出走:C4D

順位:13/37位(35%)

タイム:35:04(+2:08)

 

専門家に「教わる」ということに感動を覚えた今回、トレーニングについても自己流を見直すことにしました。次回は1ヶ月後のワイルドネイチャープラザ。昨シーズン初めて表彰台に登った思い出深いステージです。今シーズンは表彰台に登ることはできないかもしれませんが、上位に食い込めるように1ヶ月を過ごしたいと思います。