【レースレポート】浜松シクロクロス2018
2017-2018のAJOCCシーズンも終わり、3/18に開催された「東海クロスランド」に参戦できなかった身としては、1ヶ月以上ぶりのシクロクロスになりました。
本当は家族で参戦するつもりだったのですが春休み後半の息子が久しぶりに風邪引きに。その状態で家を空けて1人で遊びに行くのは流石にNGと思いDNSを決めたのですが、4月から職場の異動で仕事内容が変わり頭がチリチリしていた私を見かねて妻から「走って頭スッキリさせて来たら」とのお言葉が。そこでダメ元で参戦予定の服部氏に交通費ワリカンを持ち掛けたところ快くOKを貰ったので参戦する事に。
家族で参戦ならプチトリップの意味合いもあるので交通費は確保してあるのですが、1人で行くとなると遠征費は馬鹿にならないもの。遠征の時に仲間がいると心強いですね。
◼︎アクセス
会場は東名高速「浜松IC」から約17kmの「中田島砂丘 凧場」。
AM5:30に名古屋の白川公園を出発したのですが、道は空いていて7:10には会場まで到着できました。浜松の名自転車店「GreenCog」からもほど近いです。以前に参戦したエコパシクロクロスといい、浜松付近は東海地方だけでなく、関東からも参加しやすそうな好立地です。
◼︎会場
「中田島砂丘」と言うくらいだから砂だらけかと思いきや、防風林なので一部を除いて締まった路面でした。会場に着いて感じたのが風が強くて寒い事。この日は日中も気温12℃で、シクロクロスとしては高温ですが、春の気温に慣れた身体には応えます。BUCYO COFFEEのホットメニューがありがたい。
浜松シクロクロスはシクロクロッサーお馴染みのBUCYO COFFEEが出店しています。「美味い、早い、安い」の3拍子揃ったメニュー。この日のメインはきしめんでした。
…3月末に10年ぶりくらいの春スキーに行ったのですが、久々のスキー場で感じたのは「スキー場にはBUCYO COFFEEが無い!」と言う当たり前の事。スキーも結構お腹が空くのを忘れていて準備が悪く、食事の確保が面倒でした。ウインタースポーツと言えばシクロクロスになった我が家は会場で暖かく迎えてくれるBUCYO COFFEEに身体が馴染んでしまい、食料を確保する、という動物的な勘が薄れて来た気がします。いやマジで。
◼︎コース
今回C3にエントリーしていましたが、会場に着いてから「シクロクロスにエントリーしている人は1時間耐久が無料」という太っ腹企画である事に気が付きました。1時間耐久は考えていなかったのですが、試走をしてみてコースの良さを知り1時間耐久も走る事にしました。
試走の時のオンボードカメラの映像がこちら。
いかがでしょうか。今回走っていない方、走ってみたくなるコースレイアウトではないでしょうか?
のんびりペースで6分。複雑ですがコンパクトなコースです。難所は1:30くらいからの登りの後の砂区間。芝に見えて砂、というラインを見誤ると急にスピードダウンしてしまいます。さらに道幅が狭く、レース前のアナウンスで部長も「抜き所が無い」と言っていました。
関西シクロクロスの「くろんどCX」が好きな方なら大いに楽しめるコース設定だと思います。地獄の階段はありません。
◼︎C3のレース
いつも通り朝からしっかり水分を取っているのでお通じもありスッキリです。レース会場のトイレにはウォシュレットなどないのでお尻拭きはマストアイテム。ネピアの「おしりセレブ」は水分が多くて柔らかく、拭き心地は良いですが量が少なく高コスト。やはりコストと拭き心地のバランスではピジョンの「おしりナップお出かけ用」に軍配が上がります。
「おしりナップ」がベスト。そう思ってます。
ゼッケンNo.順にコールされて計測チップを受け取ります。スタートはグリッドもなくゆるい雰囲気。エントリーが遅かったのでほぼ最後尾スタートです。
第1コーナーはMCのYKO氏の言葉通りみんな落ち着いて進入。
レースペースで走り出すと、コースの猛烈な難しさを感じます。微妙にバンクしているコンパクトなコーナーや、芝に隠れた砂、微妙な位置に張り出している木の枝で目まぐるしく視界が切り替わります。各所で難儀している方を少しずつ抜かして3周目に3位争いに食い込みました。2位には宿敵GreenCogの庄司店長。太めのタイヤで砂区間を有利に進めており、かなり距離を空けられています。今より圧倒的に早くならないと追いつけない。
抜きつ抜かれつの結構なデッドヒートで3位争いをしている最中に前輪から異音が…
4周目の終わり位に前輪からエアが抜け、ビードは外れていませんでしたが操舵出来ないレベルまでタイヤが潰れてしまいました。
スペアは無いし、このまま走るしか無く無理して走っていましたが、5周目の前半で柿本さんから「リム痛むで」と言われて諦めました。
あと1周なのにDNFはしたくない。担いで走る事にしました。これが苦しい!AJOCCシーズンが終わり、ツーリング用の鉄フォークに変えた事で「重量化」した私の自転車が容赦なく肩に食い込みます。重たいのですが大のお気に入りのフォークなので致し方なし。
クラウンにコインの埋め込みがある極太のセグメンタルフォーク。大のお気に入りです。
たまらず自転車を降ろし、サドルを押して走ります。どんどん後続から抜かれる中、「1時間耐久は辞めよう、辞めよう」と思いながらのランです。気が遠くなる。
コース南側の森区間を抜けてゴールが近づいて来たとき、このタイミングでチームメイトの服部氏が迫って来ました。私は最下位付近のはずなのに何故このタイミングで?!と思いながらも最後の意地でダッシュを掛けました。が、そのまま抜かれて18位でゴール。
ゴール後に知ったのですが、服部氏も飛び乗りした時にサドルが明後日の方向を向き、それ以降ずっと立ち漕ぎでペースを落としていたのでした。
私の中で「#ふたりはメカトラ」が生まれた瞬間でした。
2人揃ってメカトラをメイクして冴えない成績で、ある種美味しい展開でした。
私の前輪パンクの原因は、コーナーでハンドルをこじってしまった際にリムとビードの間に土が入り込んでしまい、そこからエアが抜けた事によるものでした。
ビードフックに土が入り込んでいます。
私の前輪のタイヤは、センターノブがほとんど残っていない位使い込んだSERAC CX MAD。正直寿命なのですが、資金繰り的にまだ買い替えられずそのまま使っています。ビードが緩くなってきており、低圧だとリムから外れやすい状態です。走行中に外れなかっただけ御の字と言った所でしょうか。
ランのダメージは大きく、正直1時間耐久は諦め掛けていましたがやはりこのままでは不完全燃焼。材料とポンプは持ってきていたのでタイヤをはめ直す事にしました。
サイドカットしていない事を確認してからタイヤを外し、タイヤとリムを洗います。土や草、古くなったシーラントを洗い流してペーパータオルで拭きあげ、リムテープを貼り直し、シーラントを注ぎ込んでGIANTのControl Tankで一気にエアを入れます。一発でビードが上がりました。リムテープを切るハサミは忘れてきていたのですが、快く貸してくれた方がいました。感謝です。
持っててよかったControl Tankとリムテープ、シーラント。
チューブレス対応のタンク一体型ポンプもありますが、私は別体が良いと思っています。新たにポンプを買い増す必要が無いですし、頻繁に使うポンプは軽い方が扱いやすいです。
◼︎1時間耐久
午前中のC3の反省から、午後は走り切る事を目標に。ビードからのエア抜けが怖くて、フロントのエア圧は2.2barに設定しました。
スタート3分前にも関わらず、風が寒いのでYKOバスの陰に隠れて風をしのぎます。体感温度が全然違いました。参加者が多いためローリングスタートの予定ですが、「ルマン方式にするかw」の声も聞こえます。
スタート3分前にも関わらずこの状態w
スタート1分半前になって自転車に跨りゆっくりスタートです。人数が多く隊列はどんどん長くなっていきます。私がコースの半分くらいに来たところで本スタートのコールが聞こえました。ペースを上げます。
Photo by Tatsunori Yamada コースが楽しくてニヤケます。
60分連続で走り続けるのは今回が初めてでした。走ってみてよく分かったのは「60分全力はムリ」という事。速度を落とさず上手く休む事を覚えないと60分のレースには身体が耐えられません。ただ今回良かったのは、毎周回ラインを確かめる走りが出来た事です。
試走の時からレースペースで走れたらいいのでしょうが、気持ち的にペースが上がりきらないのです。レース中は勝てないと分かっていてもテンションMAXなのでペースが上がり、その時に曲がれる、走れるラインを探す繰り返しが可能になります。本当にいい練習になりました。
難所の砂の登りも2回乗車で超える事ができて嬉しかったです。結果-2Lapで18/62位。今の私には上出来では無いでしょうか。
レース後は胃の周りが重たかったです。内臓が揺さぶられた感じ。C1の選手はどんなレースマネジメントをしているのでしょうか。私はまだまだ60分のレースをまともに走り切るには遠いですね。
◼︎レース後
表彰式が終わると、レースの主催「カントリーモーニング」のイベント定番のじゃんけん大会です。やたらと賞品が豪華です。
賞品が豪華なカンモー名物じゃんけん大会。
最後に今回初めて観戦に来たという参加者のお母さんが3Tのディスクブレーキ用ホイールをゲットして行きました。スゴイ…
家族を置いて来ているので、定番になっている「餃子の店 かめ」でお土産の浜松餃子を買って早々に帰宅です。
息子と行った時の写真。定番のお店です。
道路も混んでいなくて19:00過ぎには帰宅できました。速やかに餃子を焼いて晩御飯です。
餡の脂が少ないように感じるが、んまい。
今回50個買って¥2,000(tax in)。2日に分けて土日とも晩御飯が餃子になりましたが、もっと食べたかった。60個買っても良かったかな…
◼︎まとめ
・工具、ケミカル類は一式持って行くのは大事。
・今後1時間耐久は可能な限り走る。トレーニング効果が高い。
・早く新しいタイヤが欲しい。
浜松シクロクロスは、コースが面白く、走りごたえのあるイベントでした。
レース後は浜松餃子を買ったり、「さわやか」でハンバーグを食べたりとプチトリップの要素たっぷりです。今回は翌日のMTBレースは参加しませんでしたが、来年は両日とも参加したいです。
See you next year!
【レースレポート】東海シクロクロス最終戦 ワイルドネイチャープラザ C3
楽しみにしていた最終戦、ワイルドネイチャープラザがやってきました。私にとっては最も好きなコース。砂は乗れないととても苦しいですが、乗れるととてもとても楽しいのです。レース後の身体のダメージが1番大きいのもこのコース。持ち得る全てを使って挑む感じが好きです。
◼︎事前の準備
前の週の日曜日にエコパシクロクロス出走の後、最終戦に向けて気合いを入れたかったので、20日(火)と22日(木)の2日間56Cycleのローラー教室で追い込むことにしました。火曜日の1セット目でそれなりにきつい負荷で回している最中に、左膝の皿から内側のくるぶしにかけてパシーンと電気が走るような感覚が。痛い!1セット目は何とか回し切ったのですが、2セット目以降は左膝の内側の筋が「ポクポク」いうような感覚と痛みに耐えられず、全く出力が上がらずにグダグダの状態になってしまいました。コレはマズイ。
帰宅後にアイシング、リカバリーオイルで丁寧なマッサージをして過ごしましたが、22日(木)夕方の時点でも左膝の違和感は消えず、通勤中や56Cycleに向かっている最中も左膝の内側の筋が「ポクポク」いうような感覚は消えませんでした。
56さんに相談したところ、「サドルを上げてみては?」との事。サドルを上げて、出力低めで1セット目を始めたところで気づきました。「以前よりサドルが下がっていた!」
ローラー練の前にサドルを上げた時に見た目で違和感があったのですが、サドルを上げる前にシートポストに傷が見えなかったのです。トレーニングの結果サドルが少しずつ上がってきていたので、もともとシートチューブに隠れていた部分の傷が露出していたのですが、それが全部隠れていました。体重が重い上に下手な飛び乗りの衝撃で、徐々にサドルが下がってしまい、結果ペダルを回しにくいポジションで出力を上げたたため膝が耐えきれなくなったと思われます。
結局この日も膝に違和感は残りましたが、火曜日よりは出力を上げてトレーニングができました。同じ56Cycleに通うライダーから、「テープ等をシートポストに貼ってサドル高を管理しては?」とアドバイスを受けました。サドルが下がっていた事には全然気がつきませんでした。今後はサドル高もレース前の要管理項目になりました。
レース前日の24日(土)、どうしても歯医者の予約が動かせず私は前日試走をキャンセル、自転車のメンテナンスに集中しました。WAKO'sで教えてもらった洗車方法でチェーンをピカピカにして、リアタイヤをSERAC CX SANDに交換しようとしたところビードが上がらない。
サイドカットしていました。以前にグラベルライドをした時にパンクして、出先でチューブを入れて帰ってきたのですが、その時にサイドカットしていたようです。パンクの原因は低圧にし過ぎてビードフックからタイヤがずれて土を噛みこんだせいだと思っていたのですが、観察が足りませんでした。
仕方がないのでそれまで履いていたSERAC CXのセンター部のノブをニッパーで可能な限り切り取って、少しでも砂に効くようにお祈りしました。本当は新作のSERAC CX EDGEが欲しかったですが、諸事情により断念。貧乏EDGEで挑むことに。5000兆円欲しい。
晩御飯に玄米雑炊をたっぷり食べて、しっかりマッサージして早めに就寝しました。
◼レース当日
4:30に起きて息子の朝食用サンドイッチを作り5:00に出発、途中コンビニに寄って6:30ぴったりに会場へ到着です。会場へ向かう途中、思ったより空が明るいことに気が付きました。第4戦の時は真っ暗で雪が降っていたのに・・・季節が進んだことを感じます。
会場に着いてからコースを歩きました。試走でしっかり走るとレースの脚が残らないと思ったので、気になる所だけ2、3回試しましたが、1周だけにとどめました。
私がC3に昇格して、妻もCL2で走るようになったため、東海シクロクロスでは会場に到着してからの準備にだいぶ時間の余裕ができました。落ち着いて準備をしてCL3、C4Aの観戦です。この日はGreenCogの庄司店長(影武者)と、
マオさんがそろって優勝!
Photo by Youkan_0045
友人が勝つと盛り上がりますね。コレで庄司店長(影武者)とは来シーズン同じレースで戦えることに。シクロクロスを続ける理由がまた一つ増えました。
水分補給の工夫で、レース前に必ず便通のある私。それに備えて普段は赤ちゃん用のトイレに流せるおしりふきを持ち歩いているのですが、今回は忘れてきてしまいました。ところが行きに立ち寄ったコンビニでトイレに流せるおしりふきが売っているやないかい…
コストパフォーマンスで言うと、「おしりナップ」に軍配があがりますが、拭き心地はなかなかのものでした。ファミリーマートで買えます。
CL2の妻のスタートを見送ってからローラーアップ開始です。ローラー台の上から妻のレースを観戦しつつクランクを回します。しばらくクランクを回すと太ももの芯がほぐれていく感覚がよくわかりました。やはりアップは必要ですね。
アップが終わって招集。妻はまだ走り終わっていません。今回CL2は1位の選手が早かったため3周。後続は30分を越えるレースになっていました。
◼レース
今回私のボディNo.は40で4列目。左端に入りました。小学2年生の息子がピッタリ横について「スタート2分前にジャケット受け取るから」と言ってきました。基本的に出走はしませんが、レースをよく観察している息子は段取りをよくわかっていて、積極的に親のサポートに入ろうとしてくれます。
関西シクロクロスが主戦場のヒゲのおじさんが「シクロクロスって、実は教育にもけっこう良いものなんじゃないか」とnoteに書いていて、膝を打つ内容でした。
シクロクロス会場にいる子どもたちは、それぞれの視点、それぞれのスタイルでレースを捉えていて、自分たちで楽しみを見出しているように感じます。みんなレベル高い。
親バカと言えるのでしょうが、息子の楽しみ方は私とは別の領域にいる気がします。
スタートは、完全に出遅れました。スタート直後の落車が怖く、様子を見ながらのスタートになってしまい、先頭集団からは置いてけぼりです。C3はさすがにみんなスタートダッシュが速いです。
第1コーナーの砂区間で前が詰まってしまい降車、そこから自転車を押して走ります。
Photo by Kouki Watanabe
砂が深くラインが壊れている状態での再乗車は私のテクニックでは不可能です。後ろから数えたほうが速い状態で進むことに。
今回最大の失敗は「無理に乗ろうとした」こと。
Photo by Kouki Watanabe
砂の上でラインを選択できるほどのテクニックが無い私には、狙ったラインを先行されると抜かすことができません。そこで粘って乗ってしまい結局速度が落ちて、降車がトロくなり、ランで抜かした後に焦って乗車しようとしてクリートキャッチできず、結局降車するというロスを繰り返してしまいました。乗れていない場合の速やかなランへの切り替えが課題です。
ワイルドネイチャープラザについては、「自転車のレースなんだから自転車乗らせてくれ」という声を聞いたことがありますが、「一番早く自転車をゴールに運ぶ」のがシクロクロスと考えたら、ランへの切り替えも「シクロクロスが上手い、速い」と言えるのではないでしょうか。
今回「ゾンビ坂」は多少緩和されて「プチゾンビ坂」になっていました。が、キツいのには代わりありません。「プチゾンビ坂」に進入する前に、岩田佑樹氏の「ここで加速しろ!」の声が聞こえました。
「プチゾンビ坂」進入前のコーナーアウト側は若干バンクになっていて、アウト側いっぱいから曲がると下りを利用して少し加速できました。その分砂の上を乗車で進める距離が増えました。足が止まる寸前まで乗って、自転車を押して坂を上ります。
Photo by youkan_0045
Youkan氏が撮ってくれたこの写真に今回のレースのすべてが集約されていると思うのですが、家族や友人の声援が本当に響きます。この区間は特に応援のほうが脚が早いのでなおさらです。私には答える余裕はありません。しかし心臓は限界だが「ガヤブースト」が掛かりペースアップ、前走者に迫ります。
乗れなかった砂区間も3週目になると流石に諦めがついて降りる所は降りて走ります。周りの走者が少なくなったとはいえ、近いペースのライダーがいるため追いつかれないように必死で走ります。路面が硬いところは可能な限り加速して、重たいギア比のまま砂区間に突入すると思ったより進みます。
Photo by Kouki Watanabe
後でC1のレースも観戦していて気が付きましたが、砂区間の乗車率が高い選手はみんな進入が早く、ペダリングもゆっくりで重た目のギア比でした。逆に進入が遅くなると、C1の選手でも乗車が続かず降車して押しています。
「速い進入、重いギア比」を来シーズンのワイルドネイチャープラザのテーマにします。
「少しでも前に出よう」と心に決めて、シケインを越えた最終コーナーで1人捉えてゴール。22/43位、51%でした。昇格にはまだまだ遠いですが、C3の残留チケット獲得ラインには到達。トレーニングを続ければ、来シーズン以降もC3では走れそうです。
それにしてもワイルドネイチャープラザは、身体にも自転車にも1番負担が大きいですね。ほぼ全身筋肉痛なのと、BB周りに付着した砂がハンパなかったです。毎回オーバーホールしたくなるレベルです…
■リザルト
出走:C3
順位:22/43位(51%)
タイム:29:18(+3:53)
勝つためには1周あたりあと1:18縮めなくてはなりません。今回降車の判断ミスでもたついた箇所を全部詰めると30秒は縮められそうな気配だったので、あと48秒を走力を上げる練習が必要です。テクニックとパワー、両方がまだまだ不足しています。
各周回のタイムを確認すると、
1周目: 9:56
2周目: 9:46
3周目: 9:36
と1周ごとに10秒ずつ速くなっています。コースに慣れて走りやすくなったのが大きいと思いますが、後半にタレなくなった証拠だと思います。
今シーズンの実質の開幕戦になった第2戦各務原アウトドアフィールドのタイムは、
1周目: 5:12
2周目: 5:22
3周目: 5:31
4周目: 5:42
5周目: 5:38
6周目: 5:29
でした。中盤で明らかにタレてきています。その頃と比較すると間違いなくトレーニング効果が出て来ている実感があります。
◼今シーズンまとめ
2017-2018シーズンは、念願だったC3昇格と、妻のCL3優勝という結果の出た思い出深いシーズンになりました。今シーズンの結果をまとめると、
第1戦 平田リバーサイドプラザ
台風のため中止。
夏の間いろいろあって全く日曜日の朝早起き出来なかったのに、「クロス行くぞー!」と4:00に目が覚め会場に行ってしまった自分に驚く。やっぱりシクロクロスが好きです。
第2戦 各務原アウトドアフィールド
C4B 16/28位(57%)
タレる、杭にぶつかる、舗装路で踏めないなど弱点がモロに出る。肥えている自分を感じる。途中で抜かれた小島さんにゴール後声を掛けられた事でトレーニングの火が付く。
第3戦 IRC CUP ふれあいパークほうらい
C4B 13/38位(34%)
第1コーナーに7番手で進入するも、そのままズルズル順位を下げる。路面がルーズなコーナーでビビってしまいペースダウン。シケインはうまくなってきた気がする。
レース後久しぶりに56さんに再開し、再び56Cycleに通ってトレーニングすることにする。
第4戦 ワイルドネイチャープラザ
C4C 4/28位(14%)
3位までがMTBだったので、同じレースのクロスバイクでは一番速かった。トレーニングの成果を実感する。3位だった宿敵GreenCogの庄司店長(影武者)に追いつけずレース中に叫ぶ。
第5戦 ハッチィCUP 大野極楽寺公園
C4A 10/29位(34%)
2番手で第1コーナーに進入するも、チェーン落ち対策で導入しているフロントシングル化、MTBのRD実装にも関わらずチェーンを落とし、その後ミスコースで逆走してしまい最下位スタートに。そこから10位まで追い上げる。走力だけなら勝ちに絡める気がしてきて自信をつける。階段を駆け上がったあとの飛び乗りでオーディエンスから「上手い」と言われて嬉しかった。
第6戦 愛知牧場Day1
C4A 2/38位(5%)
念願の昇格を果たす。中盤の駆け合いは今までのレースで一番燃え上がった気がする。表彰台に登って昇格したのは嬉しかったが、途中まで先頭を引いていただけに最後に刺されたのが悔しかった。小デブな自分にとって高低差が大きいコースで結果が出たのは走力の高まりを感じる。
第7戦 愛知牧場Day2
C3 35/52位(67%)
2Dayレースの2日目だが、リカバリーに成功し疲労を残さず挑めた。
最後尾スタートで全く気負いなく走れた。ヘッドを緩めてしまったり、リアホイールにシフトワイヤーが当たったりとやらかしがあるが、とにかくレースが楽しかった。順位的にも次のシーズンで全く残留に絡めないわけではないと感じた。
第8戦 ワイルドネイチャープラザ
C3 22/43位(51%)
ペースが落ちず、むしろ上がっていった。テクニック不足は相変わらずだが、強くなっている。とにかく応援がよく聞こえて力が出た。テクニック面で来シーズンの課題もはっきりした。早くまたワイルドネイチャープラザを走りたい。
自分自身のパワー、テクニック、そして自転車のチューニング、家族そろってレースに参加するタイムマネジメント、一緒に走るライバルとの出会い、私にとっての自転車の楽しみの全てを教えてくれたと言えるシクロクロス。運営の皆様には感謝の気持ちが尽きませんし、勝手にライバル認定しているシクロクロッサーという目標が常にあるのが本当に幸せです。
来シーズンも、大好きなこの自転車で走り続けます。
See you next season!!
【レースレポート】第1回エコパシクロクロス
2017-2018シーズンの東海シクロクロスは、第7戦の愛知牧場から最終戦のワイルドネイチャープラザまでは約1か月の空白があります。
我が家では遠征の費用と時間の問題もあるので、2017-2018シーズンは東海シクロクロス参戦に絞っていたのですが、さすがに間が開きすぎてレースの感覚が薄れてしまうので、最終戦前に何かレースに出走しておこうと目を付けたのが、今年第1回開催となる「エコパシクロクロス」でした。
■アクセス
レース会場である「小笠山総合運動公園エコパ(以下エコパ)」は、静岡県袋井市にあり、東名高速道路「袋井IC」から車で約15分、名古屋駅から計算しても2時間あれば十分到着できる好立地です。この日は6:15出発で、途中トイレ休憩をはさみましたが7:50には会場入りできました。関東からでも、東京より西側に在住の方であれば、かなりアクセスしやすい会場と思われます。
また現地に着いてから知ったのですが、「JR愛野駅」から約1.5kmと駅からほど近く、天候が許せば十分輪行参戦が可能な立地と感じました。
■会場
かつては日韓合同サッカーワールドカップの会場の一つにもなったというスタジアムを有する「エコパ」は、とにかく広い!愛知県でも西三河在住の方には、刈谷市の「総合運動公園」や、岡崎市の「中総(中央総合公園)」より広い、といえば伝わると思います。スタジアム以外にもサッカーコートが複数あったり、この日も地元のスポーツイベントと思われる来場者を多く見かけました。
広い・・・
公園の奥まで車を進め、「第10駐車場」に止めます。広いうえに舗装された駐車場です。当日は晴れでしたが、雨のレースになった時にこの駐車場はかなりありがたいと感じます。おそらく500人規模で参戦するレースとなっても、十分に全員収容できるのではないでしょうか。
広くてきれいな駐車場。
土の駐車場で雨のレースの場合、駐車場からドロドロになるのでシューズもバイクも汚れまくりで、撤収が猛烈に大変になります。よく訓練されたシクロクロッサーはそんなことはモノともしない印象ですが、特に幼い子連れのシクロクロッサーには子供の靴や服が汚れる率が下がるので、大事な要素ではないでしょうか。
ちなみにこの日は快晴で、iPhoneで撮った写真だと分かりにくいのですが、駐車場から富士山が見えました。
富士山が見えます!
特筆したいのは会場に設置されていた「ヒートブース」です。
電気ポットにお湯が準備されている上、4tトラックの荷台にヒーターを入れて温めてあり、自由に入って体を温めることができました。外が寒かったのでこれは本当にありがたかった。本当はテントで設置する予定だったそうですが、当日はあまりに風が強かったのでテントはやめて、急遽資材を運んできた4tトラックで対応したそうです。準備が大変だったと思いますが、参加者への配慮がうかがえました。
飲食ブースは1店舗のみ。第1回開催で参加者が読めないこともあり仕方がないと思うのですが、腹ペコのライダーにはボリューム不足だったことと、ドリンク類が不足していた印象です。東海シクロクロスではBUCYO COFFEEブースで安く豊富に食事とドリンクが提供されるので、BUCYO COFFEEブースのありがたみを思い知りました。
■コース
コースは1周役3kmで設定されており、大変バラエティに富んだ内容で面白いコース設定でした。
引用:エコパシクロクロス公式
ピット付近。舗装路区間が長い!
通称「エコパの壁」写真の見た目より傾斜がきつい。
林道もあります。砂利が浮いたダブルトラックで、テクニックの差が出ます。
トンネルもあります。
脇を乗車で抜けられる階段。
キャンバーもあります。
コースディレクターは浜松市のKenichi Cycleの斉藤健一氏。「できる限りブレーキなしで走れるコースをイメージしたが、手伝ってくれた人がイジったので一部初心者には難しくなった」とおっしゃっていましたが、難易度的には上級者でも満足できたのではないでしょうか。私が確認している範囲では、1周をすべて乗車でクリアしたのは、2017-2018シーズン東海シクロクロス年間チャンピオンが確定している岩田祐樹氏のみでした。
■レース
「エコパシクロクロス」はAJOCCから独立したレースなので、参加カテゴリは自己申告です。「エキスパート」と「マスターズエキスパート」には賞金が出ます!
「エキスパート」の場合優勝は3万円。場合によっては参加費、遠征費、帰りの晩御飯代がカバーできる金額です。強いライダーに参加してもらってレースを盛り上げるのに重要な要素と感じました。
高校生以下のキッズカテゴリがなかったのですが、我が家を含めて何人か子供を見かけたので、次回はキッズカテゴリも検討いただけたらと思います。
今回は朝すこしゆっくり目に出発したかったので、午後からの60分エンデューロミックス(男女混合)に妻とエントリーしました。チームエンデューロは白秋の森バイクロアで妻も楽しさに目覚めたので参加にあたって不安はありませんでした。自転車のレースの中でもオフロードは、一般的には女性にとっては参加のハードルが高いと思われます。そんな中男女混合のチームエンデューロであれば「ちょっと1周だけ」が可能になります。オフロードに興味はあるけど、ガチガチのレースはちょっと、という女性にお勧めしたいです。レースの前日にエントリーリストを確認すると60分エンデューロミックスのエントリーは我々夫婦のみ(!)。レースは準備の段階から始まっていると言えると思いますが、今回はスタートラインに立った時点で勝利が約束されていたのです。
エンデューロはソロ、チーム、60分と90分が一斉スタートです。出走者には東海シクロクロス初代年間チャンピオンのがっきーもいました。ラップされるのは確実だったので、コース内で彼の走りが見れるチャンスがあるのでその点も楽しみでした。
今回、レース前にアップしておくつもりだったのですが、午前最後のエキスパートクラスの観戦が面白く、アップをする時間がなくなってしまいました。昼の試走の時にちょっと頑張ってみたのですが、イマイチ身体が温まり切らずにスタート。
当日は快晴でしたが風が強く、体感温度が低かったせいか太腿が固まってしまいました。走り出すと太腿の芯が硬くて脚が重たい。レース前のアップの重要性を改めて思い知りました。でも、今回はすでに勝ちが約束されているという初めての状況。順位を気にせずコースを楽しむことに集中できました。
スタートしてから3周走って妻と交代です。
シクロクロスでは寒くても半袖にショートパンツと言うのが妻のスタイル。風が強い上、この時点で8℃という気温の今回のレースでは異常とも言えるスタイルにピットからも「半袖?」という声が聞こえます。私は長袖でした。
妻がコースの3/4周くらい走ったところで声をかけると返事がないので、「1周で交代」というのがわかりました。周回は足首に巻いた計測チップでカウントします。ピットに帰ってきた妻の足からチップを外し、自分の足首に巻きます。その間、今回は出走できない息子が自転車を支えてくれました。勝手にピットワークを覚えていっており心強い限り。この時点で残り時間が20分ちょっとあったので、1周10分以内で走れば後3周は走れる計算です。
途中で60分ソロに出走しているGreenCogの庄司店長(影武者)を発見!今回は負けへんで。追いついて「腰ポン」を決めました。
意外にも途中で妻の「もう1周走りたい」の声が聞こえます。1周でまたピットイン。妻と交代、6周回目に突入しました。今回通称「エコパの壁」と呼ばれる大きいキャンバーがコース内にあったのですが、キャンバーを上るということは下りがあるわけで、下りが怖い妻にとっては大きな課題でした。
今回の「エコパシクロクロス」では2回とも乗車でクリア!課題克服です。後から聞くと「周りに人が少なかったから落ち着いて下れた」とのこと。第1回開催で参加者が少なめだったことが幸いしたようです。コース奥から妻の姿が見えてきたときにMCの「残りあと3分!もう1周いけるかな~」の声が聞こえます。「エコパシクロクロス」のMCは東海シクロクロスでおなじみのYKO氏。おかげでアウェー感もなくレースを楽しめました。
残り2分を切ったところで妻がピットに帰ってきました。交代して7周回目、寒さでまぁまぁ疲れてきていましたが、コースインすると楽しくなってきます。最後のストレートだけフルモガキしてみたりして、存分に楽しみました。
レース直後の私。相当楽しかったみたい。
■表彰式
90分エンデューロも終わって表彰式です。60分チームエンデューロミックスは我々だけなので、表彰台独占です。慣れていないのでYKO氏からマイクを渡されても何をしゃべったものかわからなくなりましたが、妻がきれいにまとめてくれました。
商品はなんとイナーメのリカバリー用マッサージオイル!
50ml入りを人数分で2本もらいました。これはうれしい!
2017-2018シーズンからイナーメのCXオイルをアップ用っとして使い始めていて、気に入っていました。それなりに高級品なので普段使いはキツいのですが、イナーメのオイルは香りも良く、レース前後の勝負オイルとしてこれからも使っていきたいです。
■レース後
90分エンデューロミックスに参戦していた浜松市の自転車店GreenCogの方々とは面識があったので(特に店長)アウェー感もなく、ホームレースのような感覚でした。レース後片付けを終えても15時前。早い。
晩御飯の前に、元Circlesスタッフの伊藤氏のお店Happy&Slappyに寄ってから、最寄りの「さわやか」で晩御飯です。
最初は赤身に驚きましたが、くせになります。
もちろんげんこつハンバーグ!オニオンソースに胡椒を強めに振っていただきました。来るのは2回目ですが、レース後の空腹感もあってさらにおいしく感じました。たまらん。16:30入店で30分待ちました。日曜日ということもあり大変な混雑です。でも、待つ価値のあるお店だと思います。帰りも渋滞はなく、ちょっとスーパーに寄ったのに19:30に帰宅できました。早い。全然遠征感がない距離感でした。
レースを楽しんで、おいしいものを食べて、早く帰宅。充実のショートトリップでした。次回のエコパシクロクロス(開催を期待しています)は、晩御飯に夫婦思い出の店「中川屋」で「うなぎとろろ茶漬け」を食べたい。
■総評
「エコパシクロクロス」は、東海地方からのアクセスも良く、関東からも十分参戦を検討できる会場と感じます。コース設定も面白かったのですが、ポイントはスタートの舗装路区間。距離が長くとれるため、UCIエリート開催のポテンシャルが十分にあると思います。駐車場も広いし、輪行参戦も可能だし、天気が良ければ富士山も見えるので、外国人シクロクロッサーにもアピールしやすい会場ではないでしょうか。
運営が大変になるのは十分承知の上ですが、希望としてはショートコースを設定してキッズレースが組み込めると、我が家のような家族には大変ありがたいです。ぜひ運営には検討していいただけたらと思います。
素晴らしい休日を提供してもらえて本当に感謝です。来年もよろしくお願いします!
【書評】3年の星占い 魚座2018-2020 著:石井ゆかり
占いを信じる、信じないは人それぞれだと思うのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。自分を工業系のエンジニアであると自覚している私は、結構占いってバカにならないと思っています。
先日、リビングに妻(乙女座です)が買ったものが置いてあり、マメに読み返しているようでした。イメージでは星占いの本って毎年「2018年版」みたいな感じで1年単位で発行されていると思っていたのですが、3年分で区切ってあるのは珍しいと感じ、興味を持ったので私も買うことにしました。
ちなみに私は1979年3月3日生まれの魚座、アニオタであっても今はごく一部の人しか記憶していないであろう初代「ガンダム占い」では「ガンダムNT-1/アレックス」、チョバムアーマーを身にまとった連邦軍のニュータイプ用モビルスーツです。なお、妻は「ガンダム占い」では「ザク2型」で、「ポケットの中の戦争」をご覧になった方にはこの運命的な出会いを感じていただけると思います。めぐりあい宇宙。クリスチーナである私はすでにパイロットがバーニィだと分かっているので、あんな結末にはさせんよ。
機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争 vol.1 [DVD]
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 1999/12/18
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さて、中年と呼べる年齢になってくると、1年単位で考えるのが難しい物事も多く発生してきます。未来に何が起こるかわかりませんが、少なくとも今年の1年だけではなく、その翌年のことも考えておきたくなるもの。3年単位の星占いを発行するというのは、商業的には毎年発行のチャンスをみすみす逃すことになるので、それなりの著者の意図が感じられます。
私の分も読んで、妻の分も読みましたが、全体を通して「共感的」な内容であると感じました。自分の今の状態や、考えに「共感」してもらうつもりで読んでみると、なかなかいいことが書いてあるな、と感じます。人に対しての共感する力が欠けているという自覚のある私としては、確かにこんな風に伝えてもらったら、その人の話も聞けるだろうなと感じました。
占いも結構バカにならん、という私の考えとしては、エンジニアリングにも「占い」の境地が必要と考えているからです。工業に関わっていない方だと、製品設計や計画には厳密な数字に基づいた判断がされているとイメージされるかと思いますが、実際には極限まで厳密な数字を追い込むことは難しく、ある程度の誤差は許したり、その誤差が積み上がった時に何が起きるのかどうしても判断できない場合があり、コイントスみたいな状態で決めて、事が起きてから対処する場合があります。
もちろん決められる事は事前に厳しく決めるのですが….
そんな時に使われる「エイヤで決める」という言葉があります。他の業種でも聞くようになったので、それなりに広まってきている概念だと思います。勢いで物事を決める、「人事を尽くして天命を待つ」とでも言うべきでしょうか。設計や評価をして、その時に生み出されるデータは重要な判断材料ですが、あくまで判断材料でしかありません。まだAIが全ての判断を下すディストピアにはなっていないので、判断材料を元に最終的な判断を決めるのは人間で、そこには感情の要素も含まれます。
やれるだけのことはやった上で判断を下す時に、祈るような気持ちで決めることは、人生においてままあると思います。そんな時に「今年のおみくじは大吉だった」みたいな要素が判断に入ってくるのは人間として当たり前の話だと思います。
判断や決断(同じか?)を下すには勇気が要ります。その勇気の一助として占いもバカにならんと考えているのです。そして判断を下した結果には、良くも悪くも何かが起きるので、行動するしかなくなります。前に進むには、決めて行動したほうがいい。悩んでいるときには占いの力もアリだと思います。
妻も私の分を読んでみて、今の私の状態に内容が合致していると感じたらしく、占いの内容で盛り上がりました。家族や友人のコミュニケーションツールとしての占いもアリですね。
なお、著者の石井ゆかりさんの公式ブログのタイトルはなんと「筋トレ」です。
最近トレーニングの効果が出てきて、シクロクロスでの走力が上がってきている私としてはタイムリーなタイトルで、一気に好感度が上がりました。
悩みがない方はほとんどいないと思いますが、そんな時の判断材料の一つとして、占いの本はいかがでしょうか。石井ゆかりさんの本は、私にはわるくなかったです。気になった方はぜひ手に取っていただけたらと思います。
【レースレポート】東海シクロクロス第7戦 愛知牧場Day2 C3
C3へ昇格を果たした前日の第6戦から一夜明けた1月21日。AJOCCにC4が設定されたシーズンにC4に降格して以来のC3でのレースになりました。
◼︎事前の準備
前日はとにかくボディケアに集中しました。
帰宅前にNAGARAのHASEさんから「今日はまだ飲むなよ!」と言われた事を守って祝杯は延期、自家製味噌で鶏胸肉を炊いた鍋をしっかり食べて、辻善光氏オススメの太白胡麻油をマッサージオイルに使ってマッサージ、水分をしっかり摂って早めに就寝です。
太白胡麻油をマッサージオイルに使うのは結構気に入ってます。マッサージオイルとして見ると安いし、調理にも使えます。匂いも全然気にならない。私が使い始めたら妻も使い始めました。オススメします。
◼︎レース当日
愛知牧場の駐車場に着いて誘導に従うと、前日と全く同じ場所に駐車できました。
今回は息子もキッズカテゴリで出走するので、まずその準備からです。C3に昇格して時間に余裕が出来たので落ち着いて準備ができました。前日走っているので朝の試走はせず、妻に落ち着いて試走してもらう時間を作りました。
愛知牧場ステージでは、朝の試走時間にトップライダーによるキッズの講習会が行われていました。正直大変良い試みと感じていて、子供達が楽しくコースを走れるのは、今のシクロクロスシーンだと大人が走る事よりも重要に感じました。
息子のレース観戦を楽しみ、CL2の妻のスタートを見届けてから出店していたSimWorksブースでローラー台を借りてアップしレースに挑みました。出走は11:40で気温が高く、手汗が激しそうだったのでノーグローブにしましたが、結果として良かったです。
◼実際のレース
今回ボディNo.は55で、昇格したばかりなので最後列スタートです。DNSがいるとはいえ出走者は50名超。スタートで前に出るのは無理だと諦める事にしました。
スタート後の第1コーナーは大渋滞で、全く前に出れません。とにかく落車しないように走りました。第1コーナー後もラインを外すと滑りやすく、前に出れず。ほぼほぼ最下位付近で第2コーナーへ進入です。バームのセクションを越えて下り、鉄塔からの登り返しから道幅が開けて来るので、前のライダーを抜かすチャンスが出てきます。少し路面があれていても、前が開いているラインを選んで全力で脚を回し、少しでも前に出るようにしました。
が、このあたりでリアディレーラ付近から異音が・・・・
何かがカラカラいっています。トルクを掛けたり、自転車をバンクさせると異音がします。下を向いてリアホイール付近を見ても枝などが挟まっているわけでもなく、正直何かわからない。でも、降りて状態を確認していたら前に出るチャンスは更に下がると思ったので、諦めてそのまま走ることにしました。
今度は下りに入ると、ヘッド付近がカタカタ言い出しました・・・
「やっぱりやらかすなぁ・・」と苦笑いです。
でも、やっぱり走っていると楽しくなってきて、とりあえず走れなくなるまで走る事にしました。
こうなるとどんどんテンションが上ってきます。
Photo by Shunsuke Shibata 楽しくて吠える。
リアホイールをカラカラ、ヘッドをカタカタ言わせながら追走します。溜まった疲労は感じず、レースの負荷だけです。写真を見ると猛烈に苦しそう(実際に苦しい)のですが、なんというかすごく楽しい。
Photo by Suguru Endo 勝手にライバル視しているU17の陸斗君と。
前日と違って下りは乾いた轍ができて洗濯板状態。ヘッドはカタカタ言うし、衝撃を逃がせない私の顎もカタカタ言ってとにかくビビリました。MTBのライダーの下りには全く着いて行けなかったです。轍は深く、コーナー内側にペダルがヒットする場合も何回かありました。
先頭集団には絡めなくても、後続にもレースはあります。抜きつ抜かれつの走りができると気分がアガります。愛知牧場はラインをうまく選べたら、意外と抜き所があるので面白い。
Photo by Suguru Endo 苦しそうですがこれでも楽しんでます。
コースが頭に入っていた事もあって、前日より無駄なく走れていた印象です。思った以上に脚も回るので体調も悪くなかったです。
シクロクロスではいろんな方が写真を撮ってくれて毎回楽しみなのですが、自分で見ても本当に苦しそうですね・・・こんな表情でも苦しさより楽しさが勝っているからスポーツって不思議なものです。
Photo By Kanta Umeda 表情は苦しそうですが楽しんでます。
何人か抜かせましたが、順位がよくわからないままゴール。でも、気負いなく走れて本当に楽しかったです。勝ちに絡めなくても、レースは、シクロクロスは楽しい!
Photo by Uki Nishihara まったくいい写真撮るなぁ・・・
ゴール後リアホイールを確認すると、リアディレーラーのインナーワイヤがスポークに当っていました。後輪のクイックの締め方が甘く、レース中にわずかに緩んでホイールが傾いてしまったと思われます。
またヘッド付近がカタカタ言っていた件は、前日のレース後にステムのトップキャップが少し緩んでいたので、考えなしに増し締めしたのが良くなかったようです。そのためカーボンフォークのアンカーが少し浮いてしまい、ヘッドのガタの要因になったようです。ENVEのカーボンフォークの組み付けには正しい手順が必要ということを知りました。
順位はC3から発生する「残留チケット」の基準には届きませんでしたが、67%だったので、次からも残留基準には絡めそうな気配です。以前より確実に早くなっている自分を感じます。それに今回は残留云々は関係ないので、これまでC4でシングル順位に絡みながら、友人が表彰台に登るのを嬉しいながらも指を加えて眺めていたのと比べると、気負いなく「追う立場」になれたのは本当に楽しかったのです。トップを走れるのは間違いなく最高の気分ですが、前にいる人を1人、また1人と抜かすのも気持ちが盛り上がってきます。
さらに嬉しい事に、前日のレースで熱い駆け合いをしたがメカトラで表彰台に登れなかったライダーが、愛知牧場Day2で昇格。また同じレースで走れるのが嬉しい。
そしてどこを走っていても、ライバル(勝手に認定)が見つかるのがシクロクロスだと思っています。次はそのライバルに勝って、表彰台の真ん中に登る目標ができました。
■まとめ
リザルト
出走:C3
順位:35/52位(67%)
タイム:32:19(+3:21)
・前日のC4の時のタイムと比較すると+0:12で、1周目でもたついて前日より+0:30だった分を吸収できている。コースに慣れたせいか前日よりペースが上がった。
・前日の疲労を持ち越さなかったのは上出来。
・レース前の自転車の点検が足りない。速やかに点検できるように項目を洗っておいたほうがいい。
次は私にとって大好きなコースである「ワイルドネイチャープラザ」。
決して「得意」というわけでは無いのですが、砂を乗車で越えられると最高に楽しいのです。走ったことがある方に理解いただけるかわかりませんが、「砂を越えた」というより「自分を越えた」感があると思いませんか?
◼おまけ
今回はCK1に小学2年生の息子が出走しました。
普段はシクロクロスには出ようとはしません。親が揃って積極的にレースに参加していますが、本人が走りたいと思わなければ走らないでいいと思うし、我が家は預ける先も無いので、むしろ親の趣味に付き合ってもらってありがたい限りです。
Photo by Kikuzo レースを終えて。
息子の自転車は中古の20インチBMXレーサー。登りがハードな愛知牧場では、ギア比が合わないと正直キツいはず。スターティンググリッドでも「自分だけシングルスピードだ」とブツクサ言っていましたが、走り出すとなかなか熱い走りを見せてくれました。
登りで踏めなくなってからの降車の判断が早い事と、下りが上手い。
他のライダーが転んでしまったターンも上手くこなして、入賞はしなかったものの5/9位55%と大健闘でした。
帰りの車の中で下りが上手かった事を褒めると、「バイクはあまり倒さずに、身体を先にコーナーの出口に向けるんだよ」とコーナーの秘訣を教えてくれて絶句してしまいました。
コレ、絶対俺より上手いやつや・・・・
無理にレースに出したりしたことはありませんが、それでも2歳からストライダーで遊び、3歳のうちにペダルありの自転車に乗れるようになってしまった息子は、すでにテクニックでは私を越えるライダーに成長しているようです。自転車は楽しい遊びなので、自分のペースで大いに楽しんでくれたら嬉しいです。
今回の愛知牧場のキッズスクールように、子供が遊べる機会を作っていく活動をしていただけるのは本当にありがたい限りです。自分にできることは何か考えてみたいと思います。
【自転車実験室】カングーにヒッチキャリアを着けた話
PDWなど気の利いた自転車用品の問屋さんであるTKCプロダクションのブログを読んでから約4年近く経った今、最近東海シクロクロスの駐車場を見渡すと、結構ヒッチキャリアの着用率が高いのです。
2017年の各種イベント等を我慢して貯めた私のヒッチキャリア購入積立がついに火を噴き、我が家もついにヒッチキャリア導入に至りました。
シクロクロスやMTBなどダートライドを楽しむようになると、自転車の車での輸送が問題になります。
我が家の車はRenaultのカングー(2010年式)。
後席を倒すと荷室が広がるので自転車もまあ積みやすく、現状運転手込み3人+3台の輸送が可能です。
しかし悪天候のレースの後だと車内はドロドロになるし、頑張ると4人+4台の輸送ができるのですが、全ての自転車の前後輪を外すことになるのと、荷物が積みにくくなるので大変面倒なのです。
名古屋から東海シクロクロスへの参戦なら荷物も少ないので大した問題にはならず、「まぁなんとかなるか」で過ごしてきたのですが、2017年の白州の森バイクロアに参加した時に猛烈にヒッチキャリアが欲しくなりました。バイクロアのようにレースとキャンプを両方楽しむイベントになると荷物が多すぎて、あの手この手でパズルのように積み込むのですが、正直疲れました。
家庭平和の(主に私が楽をする)ために憧れのヒッチキャリアの導入です!
◼キャリアの選定
欲しいのはヒッチキャリアだったのですが、なにぶん高い買い物。それなりに悩みました。
車の外に自転車を積載するとなると、手段はルーフキャリアかリアハッチにベルトで留めるタイプのキャリア。カングーは全高が1830mmと高いため、いつかトンネルの天井に自転車をぶつけると思いルーフキャリアは却下。
リアハッチにベルトで固定するタイプは、カングーのリアは観音開きのため取り付けが超面倒。やはり理想はヒッチキャリアでした。
ヒッチキャリアにもいろいろありまして、TKCプロダクションのブログで紹介されているのはKuat の NV2.0。基本2台積載で、オプション装着で4台の積載が可能です。
多機能でかっこいいのですが、それ故キャリア本体が重たいし高価なのです。我が家は3人家族なので、基本3台積載できれば充分です。
・比較的軽い
・3台積載可能
・タイヤ固定タイプ(トップチューブ固定タイプはキッズバイクが載せにくい)
の条件で検討の結果KuatのTransfer3に決定!
(2台タイプのTransfer2もあります)
機能が絞られているためお値段もNV2.0の$629に対して$389と安価です。購入はアメリカのBackcountry.comでした。
年末の12/27に注文して、翌年の1/6に届きました。早い!送料は$100。高いと思いましたが20kg以上ある荷物をアメリカから送ってもらうんだから当然です。
輸送はUPSですが、UPSは土日が休みで平日しか配達してくれません。あらかじめUPSの日本法人にメールで追跡番号込みで連絡しておくとヤマト運輸に引き継いで、土日の配達に対応してくれます。これで土日の受け取りが可能になります。
◼ヒッチメンバの購入
ヒッチキャリアの取り付けで最大の問題は、キャリアを取り付ける「ヒッチメンバ」です。SUVなどには純正オプションがある場合もありますが、車種によっては車体に穴を開けたり、バンパの加工が必要だったり、そもそもワンオフの場合があったりとなかなか大変です。
そんな中、ほぼ無加工ボルトオンで装着可能なヒッチメンバを製造している会社が名古屋市の隣の大府市にあるではないですか!
ルノーカングー ビボップ ヒッチメンバー SUNROCKY 福伸工業
昭和を感じるホームページですが、注目はFAQです。情報量が多く凝り性な印象を受けます。同じ匂いを感じる…
すでに取り付け実績のある商品があるのがありがたい。何回かのメールのやり取りで、持ち込みで取り付けをお願いすることにしました。
ホームページに書いてある価格は、トウバータイプのトレーラに対応するためのヒッチボールと電源カプラ込みの値段です。今回の目的では不要だったので削ってもらいました。
また、通常は亜鉛メッキ(銀色になる)仕上げですが、バンパーの色に合わせて黒色塗装にしてもらいました。
◼ヒッチロックの購入
Kuat Transfer3に付いていたヒッチピン(ヒッチメンバからヒッチキャリアの脱落防止用のピン)は、ネジ締めしてコッタピンで脱落防止するタイプ。アーレンキー1本で取り外せてしまいます。
そこで、盗難防止のため鍵で止められるタイプを購入しました。
メーカーが違うのですが、Kuat純正は輸入しないと手に入りません。国内で流通しているものを探した結果これにしました。
注意したいのが、Transfer3はヒッチメンバの口金1.25インチと2インチ兼用になっているため、ヒッチピンを通す穴が、1.25インチ用に多くある3/8インチ用の穴になっています。
外側の角形パイプを外すと1.25インチ角に対応できる仕組みです。公式には「3台積載時は2インチ角で使用すること」、とあります。
そのため、ヒッチロックは「2インチ角対応、ピンの直径は1.25インチ角用の3/8インチ」の物を買う必要があるはず。
新たに購入したのはAmazonで調達可能な1.25インチ角と2インチ角兼用のタイプ。軸にパイプを被せることで2サイズに対応しています。
¥3,000でした。これで盗難防止のロックが…
入らんやないかい!
仕方がない気もするのですが、なんと別のメーカの3/8インチのヒッチピンは入りませんでした。甘かった…
採寸するとTransfer3に付属のヒッチピンのネジ山部の方が、新たに購入したヒッチピンの直径より小さい…しかしKuat純正はアメリカからだと送料が結構かかるし頭を抱えてしまいました。
・・・よく見ると先端部のコッタピンを付ける部分の形状が似ていますね…
付きました!
新たに買ったヒッチロックの鍵部のみ付属のヒッチピンに取り付ける事で目的達成です!
マジで焦った。
新たにKuatのTransferシリーズを購入される方は、純正の"Lock kit"を合わせて購入される事をオススメします。
◼かかった費用
1.ヒッチキャリア本体:$389
2.ヒッチキャリア送料:$100
3.UPSの消費税:¥2,000
4.ヒッチロック:¥3,000
5.ヒッチメンバ:¥72,360
ヒッチメンバ代内訳
5-1.ヒッチメンバ牽引部品レス¥52,920
5-2.黒色塗装¥8,640
5-3.取付工賃(配線無し)¥10,800
合計するとシクロクロスのレースに使える自転車が新車で買える金額ですね…
しかし今乗れる自転車はありますし、新しく自転車を増やすより、自転車に乗ることを楽しむ装備に投資したかったので後悔はありません。
◼Kuat Transfer3のレビュー
3台用なので流石にデカく、カングーに取り付けて3台積載するとこんな感じになります。
まあまあ高めに設置できるので、アプローチアングルは稼げる感じです。実際まだコンビニ等のスロープで底打ちはしていません。
後ろから見るとこんな感じ。
700cの私のクロスバイクとロードバイク、息子の20インチBMXを積載しています。
NV2.0では20インチの積載にはオプションが必要とのことですが、Transferではオプション無しで20インチが積載可能です。
積載の作業はとても簡単で、
後輪を台に乗せてベルトで留め、
前輪をこのアームで固定するだけです。慣れればあっという間にできます。
自転車を下ろして本体を立てるとこうなり、
後部のはみ出し量も少ないです。この状態で走行してキャリアが揺れてもリアドアに当たることは無かったです。しかしキャリアが揺れてカタカタいうので、そこが心理的に慣れるまで時間がかかりそうです。
購入してからわかった最大の問題がこちら。
ヒンジが干渉してリアドアが開かないのです!
観音開きゆえの宿命ですね・・・ハッチバック車なら問題ないと思います。
実際に東海シクロクロス第5戦大野極楽寺公園と、第6戦、7戦の愛知牧場で使用しましたが、汚れた自転車をそのまま載せられるので片付けが大変楽なうえ、車内をフルに使えるので荷物の片付けや、着替えがしやすい!「カングーの車内って広いんや・・・」と今更ながら実感しました。
リアドアが開かない問題はありますが、車内の後部座席を倒すことでトランク部の荷物は取り出せるし、トノボードの上に着替え類を置けば十分な量が積載できます。
さらに車内に1台積む事が可能なので、4人4台の遠征も容易になりました。
こうやってヒッチメンバを付けると、他のキャリアも試してみたくなってきました。この1台だけで終わらなそうな予感がしています。
先日のレースで知ったのですが、知人がカングーにこのキャリアをつけていました。
トップチューブ保持タイプなのでキッズバイクの積載は厳しいのですが、何とギリギリリアドアが開くのです!
これは、ちょっと試してみたい。
欲は尽きませんが、とにかくレース後の片付けが楽になり、大変有意義な買い物でした。 ご家族連れのシクロクロッサーの皆様、ニューバイクやニューホイールセットの購入を検討されているのなら、先にヒッチキャリアはいかがでしょうか。片付けが楽になって、レース会場で遊べる時間が増えること請け合いです。大いにオススメします!
【レースレポート】東海シクロクロス第6戦 愛知牧場Day1 C4A
東海シクロクロス第5戦大野極楽寺公園が終わった後、私の元にアメリカから荷物が届きました。
私のシクロクロスフレームを作ってくれたフレームビルダーJeremy Sycipのオリジナルステムです。
100mm 、0° 。
自転車が完成してから丸4年経った今、私の中でポジションに解が見出され、ENVEのカーボンフォークをツライチでコラムカットするに至ったのです。フレームと同色でペイントしてもらったステムは、4年間乗り込んで退色したフレームと微妙に色が合わず、それがまた自分とこの自転車の歴史を感じて感慨深くなりました。
ニューステムで挑む初めてのレースは東海シクロクロス第6戦愛知牧場Day1。その日息子は小学校であるイベントへの参加を希望したため、久々の単独参戦。私のボディNo.はC4Aの2。
出かける時の妻の言葉は、「キッズレースの後すぐC4Aだから、このままだとDay2の段取り忙しくなるから昇格してね」でした。
前日の突発の残業で帰宅が24時付近になってしまい、普段しっかり眠らないとしっくりこない私としては、かなり重たい身体と頭を引きずって会場に向かいました。
Photo by kikuzo
この上ない快晴。今シーズンの第1戦は台風のためあいにく中止となりましたが、東海シクロクロスは全体的に天候が良い印象です。関西シクロクロスへ遠征していた時代は雨も多かったので、随分と印象が違います。
会場である愛知牧場までは我が家の最寄駅から乗り換えなしで行けるほど近く、自走、輪行で参戦が可能なほど。車でも早朝なら信号の繋がりが良く、一般道で30分弱で到着しました。
会場入りしてからの段取りは流石に慣れたもので、受付から準備を段取り良く進めます。試走して感じたのは「路面が重い」。愛知牧場は東海シクロクロス随一の高低差を誇るコースで、受付やBUCYO COFFEEブースがある位置から下側のコースはちょうど午前中太陽が当たらない区間です。水曜日に降った雨が柔らかい土壌にしっかり染み込み、適度な泥の登りが出来上がっていました。
招集直前の尿意でトイレからスタートラインに戻るともう招集は始まっており、ボディNo.2にも関わらずギリギリフロントロー右端に位置取りました。危ないところでしたがツイている。太陽が背中に当たり、C4Aとしては気温が高い。グローブは着用しましたがアームカバーはせず、インナーは夏用メッシュ。
いつの頃からか、スタート前は右のペダルに脚を乗せた後、貧乏ゆすりをするようになりました。スタート時のクランクの角度は私の中ではほぼ決まっており、角度を合わせてからはスタートを待つ間の貧乏ゆすりは何ともいえない気持ちになります。
ホイッスルと同時にスタート。
Photo by Kikuzo
スタート直後は緩やかな砂利の登り。スムーズにクリートキャッチできて、第1コーナー付近までは先頭で進みます。
ぶっちゃけ路面がルーズなコーナーは苦手です。ビビリが入って大幅に減速し、4番手で第1コーナーに進入、4番手のままバームとパンプセクションをクリア、下って鉄塔下のターンで登り返します。朽ちたトラクター脇を越え、コース最高地点まで4番手のまま離されず着いて行けました。
「行けるかもしれない」
体重が重く、登りが苦手な私にとっては登りで離される距離を減らすのは重要な課題。
でもわずかに距離が縮まり、離されませんでした。脚が回っている"脚ごたえ"を感じました。木曜日に行った56Cycleのローラー教室で過去最高の仕上がりを感じたのですが、果たして今まで以上に脚が回っていました。
下りも、朝イチのレースで路面が乾ききっていないことが幸いしました。表面が乾いて砂が浮いた状態と違いタイヤが滑りにくく、むしろ離されるでもなく距離が詰められる。通称「ゴルゴダの丘」を越えて下側のセクションに入ったところで1〜3位パックでの争いになってきました。
photo by Kikuzo 2位にいる・・・
後続から追い上げてきた選手が3番手、私が2番手で少し離れたところに先頭の選手がいます。ここから、3人での抜きつ抜かれつの戦いになりました。
2周めで私が先頭に。前に誰もいない状態でレースを運ぶのは初めての経験です。不思議な感覚でした。しかし体重の重たい私。「ゴルゴダの丘」の階段での消耗が激しく、一気に詰められてしまいます。またもコース下側で抜きつ抜かれつの展開に。
Photo by Chiho Imai
苦しい「モーモー坂」の登り。シクロクロスで背中に相手の熱気を感じたのはこれが初めてでした。
Photo by Chiho Imai
相手の呼吸を感じる本当に僅差の駆け合い。後ろを振り向いている余裕は全くありません。ブラケット上部を握る鬼ハン状態で姿勢を低く、トラクションが抜けないように必死にペダルを回しました。yko氏のMCでこれほど自分の名前が呼ばれた瞬間はないでしょう。自分にこんな戦いができる時が来ようとは…
Photo by KIkuzo まさかのAJOCCリザルト入りの写真
東海シクロクロスは、本当に声援がスゴイのです。友人達の声援が響きます。私には、正直答えている余裕はありません。でも、本当に響くのです。
しかし最終周回、私にはもう脚は残っていませんでした。「ゴルゴダの丘」手前で抜かれ、その後追いつきそうにもなりましたが、泥状態に近かった登りで離されてしまいました。
photo by Kikuzo
必死の形相で漕ぐ最後のホームストレート。そのまま2位でゴール。後ろを振り向いている余裕は無かったのでその時はわかりませんでしたが、結果として3位とは25秒離れていました。
出走38名 。2位5% 。念願だったC3への昇格が決まった瞬間でした。
ゴールしてから表彰台へ向かう途中、友人たちから祝福を受けました。
Photo by Yuki Nishihara
すでにロードーレースやMTBで実績のある選手ならまだしも、一般のシクロクロッサーなら誰もが、自分が今いるカテゴリーで表彰台に登ることが、どれだけ難しいか知っています。
私の場合は4年かかりましたが、この4年間で得たものが噛み合ってきて、やっと形になったレースでした。思うにシクロクロスは、やはり運良く昇格できるものではなく、昇格できる時が来た時に昇格できるものだと感じました。
トレーニングがまともにできないシーズンもありましたが、辞めずに続けていて本当に良かった。これからもずっとシクロクロスを続ける事になるんだろうな、と思っています。
一つ悔いが残るとしたら、妻子にこの姿を見てもらえなかったこと。C3のレースでそれを見せるという課題が残りました。
◼Bike Spec
フレーム:Sycip Bikes "ALL around CX"
フロントフォーク:Enve Composite CX
ステム:Sycip Bikes Original Stem 100m , 0deg
ヘッドセット:Chris King NTS 1-1/8"
ハンドルバー:SimWorks Misirlou Bar 430mm
デュアルコントロールレバー:Shimano ST-5700(105)
ブレーキ:Paul Component MINIMOTO & Touring Cantilever
千鳥(リアのみ):Tomii cycles Cable Hanger "Magic Beans"
サドル:Fizik Gobi
シートポスト:SimWorks Beatnik
ハブ:HB-9100/FH-9100(DuraAce) 共に28h
リム:Velocity A23/A23OC
スポーク:PhilWood Straight Gage #14
ニップル:PhilWood Brass
※ホイールは自作の手組み
フロントタイヤ:IRC SERAC CX Tubeless MUDセンターノブ磨り減り過ぎ
リアタイヤ:IRC SERAC CX Tubeless X-Guard
ボトムブラケット:Chris King ThreadFit 24
クランク:Shimano FC-5700(105)
ペダル:Shimano PD-M970(XTR)
チェーンリング:Wickwerks Z-RING 38t フロントシングル仕様
カセットスプロケット:Shimano CS-HG81-10(SLX) 11t-32t
リアディレーラー:Shimano RD-M670(SLX) with Wolftooth Tanpan 10s
4年掛けて、自分の試行錯誤の塊が詰まった自転車になりました。
はっきり申し上げて、全く最新のスペックとは言い難い自転車ですが、本当に自分のために作られた、自分の自転車になってきました。いまだ全く飽きることはなく、ずっと乗り続けていたい気持ちになる大事な自転車です。いつかC2に昇格して、C2上位に食い込むようなことがあったらシリアスCXレーサーを組む気がしますが、それでも私はこの自転車にずっと乗り続けるでしょう。
決して最新ではないが、自分が「好きだ」と思える自転車に乗って得られたシクロクロスでの表彰台は格別なもので、これがあるから辞められない、辞めたくないのです。さらに今回昇格までできたのは得難い経験でした。しかしある意味で悔しかった。次は、表彰台の真ん中でC2に昇格したい。今シーズンは最終戦を残すのみとなりましたが、来シーズンへ向けて更に工夫を続けたいと思います。
See you next stage!!