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技術系サラリーマンの生活実験

【書評】サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 著:ジリアン・テット

本書のこの紹介記事を読んだ時、私の注目を引いた一文を引用します。

 

「うちには35個のソニー製品があるが、充電器も35個ある。それがすべてを物語っている」と幹部が自嘲する状況に陥った。

 

 これを見て、読まずにはいられますまい。

 

Amazon.co.jp: サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠: ジリアン テット, Gillian Tett, 土方 奈美: 本

 

本書で称される「サイロ」とは酪農用語の「サイロ」を指しているのではなく、「他から隔絶されて活動するシステム、プロセス、部署」を意味する用語として使われているモノの事を指します。

 

世の中は複雑で、何かの物事に大して専門家が必要、というのは合意を得られる考え方だと思いますが(実際私もある筋では専門家のつもりです)、その専門家が揃いも揃って呆れた失敗や愚行から引き返せなくなる現象は世界中のあちこちで起きています。

これは一体何故か。本書では高度に専門化された組織状態「サイロ」が起こす弊害を実例に基づいて分析しています。

 

著者は「フィナンシャル・タイムズ紙」アメリカ版の編集長というのが現在の肩書ですが、氏の根本を示すものが「文化人類学者」としてのモノの見方です。

 

われ分類す、ゆえにわれ思い、社会的存在となりぬ 

 

複雑な物事に対処するにあたり、それを何かに「分類」して理解しようとするアプローチを取らなければ、正直何から手を付けてよいのかわからなくなります。ただ、その「分類」する、という行為は決して普遍的な行為ではなく、その文化圏(地域だけではなく小さな会社組織文化も)によって変わってきます。特定の文化圏の分類法が高度化し、そして「サイロ」が生まれます。

 

本エントリの冒頭に引用した一文は、ソニーが高度に「サイロ化」されたことにより、かつての栄光から凋落していく姿を取材した過程で出てきた一文です。

現在40代付近の方であれば、ソニーの「ウォークマン」の地位が「iPod」に切り替わっていく姿を「意識して」見ていたと思います。その時日本ではまとも報道されたなかったハワード・ストリンガーの戦いについては読んでいて震える内容でした。青春とともに「ウォークマン」が存在し、「プレイステーション」で遊び、「ソニーファン」を称していた自分としては。実際にソニーに所属していた方が本書を読むと、ストリンガーの戦いについて意義を挟みたくなることも十分考えられますが、それも本書で取り上げられる重要な視点です。

 

組織を内側から見ている場合と、外側から見ている場合では物事の解釈が違います。では、文化人類学者が取る研究手法「参与観察」であればどうか。実際に観察対象の文化圏に入り込み、その中から客観視する。「インサイダー兼アウトサイダー」の視点では更に解釈が変わってきます。ここが特に私にとって膝を打つ考え方でした。

 

自分の今の仕事について考えると、まさに高度にサイロ化されており、部族主義を生み、視野を狭めていると感じています。ただ、私は今の部署には異動して来た立場であり、そのカルチャーショックを味わいながら自分の仕事と部署の仕事をすり合わせている、「インサイダー兼アウトサイダー」なのだという事実を認めてもらった事に救われました。私が「インサイダー兼アウトサイダー」の広い視点を持っているとはとても言い切れませんが、ものの見方が変わってきているのは確かです。

 

本書は、「サイロ」を否定していません。まず「サイロ」の存在を認め、つづいてその影響についてしっかり考えること。「サイロ」をコントロールするのか、されるのか、どの視点を持つのかについて論じています。その分析や議論のフレームワークとして文化人類学が有効であるという主張です。

 

自分が所属する組織の問題に引っかかっている方には響く可能性が高い書籍だと感じました。オススメします。

 

最後に、本書の序文を引用します。

 

なぜ、私たちは自分たちが何も見えていないことに気がつかないのか?

 

 

【自転車実験室】Bike to 森、道、市場2016

家族で自転車に乗ってキャンプに行く。そんな目標が達成出来たのが、今年の「森、道、市場2016」でした。

 

6歳になり、名古屋から犬山まで30km超のライドをこなす猛者に成長した息子の目標は、「自転車でキャンプに行く」というものでした。私としては大変望むところだったのですが、各種の問題がありました。
 
・名古屋から30km以内で、ルーティングしやすいキャンプ場が無い。
・3人分のキャンプ装備をどのように自転車で運ぶか?
・荷物を減らすので遊び道具をたくさん持てない。
・遊び疲れた復路の対応。
 
 ここら辺を解決しつつ、自転車でのキャンプを楽しむのに狙いを定めたのが「森、道、市場2016」に自転車で行くという、自転車店Circlesプレゼンツbike to 森、道、市場でした。
 
bike to 森、道、市場は、自転車で「森、道、市場2016」まで行くグループライドイベント。これなら遊び道具で困ることはないし、最大のメリットは、申し込み時点で既に売り切れだった「森、道、市場2016」のキャンプイン権利です。さらにグループライドは名古屋からと岡崎からの2グループあり、岡崎からなら基本平坦路で20kmちょい。ここで、
 

・岡崎スタートの帰りは車で回収

 
というプランに行き着きました。
 

■準備

1.自転車
私のシクロクロス車はリアキャリアが取り付けられる仕様ですので、リアキャリアを通勤自転車から移植。フロントはフォークにキャリア用ダボ穴が無かったのですが、鉄のフォークですので服部製作所に依頼してダボ穴を溶接、フロントキャリアを取り付けました。
 
妻の自転車はリアキャリアを取り付け済みで、整備以外の追加は不要。息子の自転車は18インチのキッズBMXで、そもそもキャリアの取り付けが不能なのでそのままとしました。
 
2.テント
bike to 森、道、市場でのキャンプサイトはグループライド参加者でのキャンプ村になるためファミリーテントは張れないし、第一デカくて運べない。手持ちの小型テントは2人用が1張り。妻子には2人用のテントを使ってもらい、私は友人から1人用のテントを借りて、小型のテント2張り体制とする事にしました。
 
3.ルートの確認
基本参加者は大人ばかりのグループライドですので、息子のペースに合わせると我が家は当然ついて行けません。また、子供には車道走行が困難な箇所もあるため、事前にルートを確認し、可能な限りグループライドについて行くが、状況に応じて我が家は分離して走る方針としました。
 
4.雨が降ったら諦める覚悟をする
 大人だけならまだしも、言わずもがなです。
 

■当日

1.岡崎まで車で移動
 岡崎スタート組の集合場所はJR岡崎駅の東口。車で自転車と装備を運び、ドミー岡崎駅東店の西側にある名鉄協商パーキングJR東岡崎駅第3に車を止めました。名鉄協商パーキングJR東岡崎駅第3は大型の平面駐車場で¥600/24時間と安いので、荷物も自転車も下ろしやすく、今回の用途にぴったりでした。
 
2.荷物の分担
 妻子には自分の着替え一式をそれぞれバックパックで背負ってもらい、妻の自転車のリアキャリアには、どうしても私の自転車に積みきれなかった2人用テントの幕体とマット、すぐに取り出したい日焼け止めや鍵類を積載しました。残りの荷物は私のバイクとバックパック。バイクへの積載はこんな感じになりました。

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フロントキャリアにテント1張りと寝袋1つ、リアキャリアのパニアバッグには火器や燃料、ランタンやテーブル、調理器具一式。キャリア上部に寝袋2つと座椅子とモリモリです。

走り出してから気づいたのですが、フロントキャリアの寝袋がシフトレバーに干渉して、最初シフトダウンができず焦りました。「力いっぱいレバーを動かして寝袋を変形させる」ことで対応できましたが、ダブルレバーにもメリットがあることを実感しました。

マットや枕、その他の細々したものはすべて私のバックパックに詰め込みました。

 
3.ライド本番
 岡崎スタート組は2班に分かれて、我が家はゆっくりペースの2班。それでもついていけないので他の方には先に行ってもらい、いつもどおり歩道メインでゆっくり3人で走ることにしました。

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普段から基本妻が先頭でペースを作り、私は最後尾で後方のチェックとルートの指示という体制です。それなりに遅かったはずなのですが、同じ班だった皆さんは要所要所で待ってくれて、しっかりグループライドを楽しめました。

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ゴール目前の海岸線をみんなで走った時の楽しさはなんとも言いがたいものです。我が家に配慮していただいた皆さんに本当に感謝しています。
 
 グループライドを経験したことがある方なら、走力のバラ付きが大きいメンバーでのグループライドは難易度が高いことはお分かりいただけると思います。妻は楽しく走れたと本当に感激していました。
 

■帰宅

 フェスでのキャンプの夜を楽しみ、一晩明けて朝のゆっくりした時間を過ごしたら私は帰り支度の準備です。
 「森、道、市場2016」は東海地方では大きなイベントですので、JRの快速が止まる蒲郡駅からシャトルバスがたくさん出ています。日曜日の多数の来場者に逆行してシャトルバスに乗り込み、JR蒲郡からJR岡崎まで電車で移動して車を回収。今度は車で会場へ向かいます。あっという間でした。
 
 帰宅前にラグーナの湯でさっぱり体を清めて、国道23号線のバイパス経由で名古屋への帰路に付きました。遊び疲れた息子は車中で熟睡。19時までに帰宅し、息子は一旦起きて夕食を食べましたが、21時には再び熟睡でした。
 

■反省点

1. 3人用の山岳テントが欲しかった。
 いくら1〜2人用のテントとはいえ、2張り持って行くとそれだけで嵩張ります。
今回のような場合は3人用の山岳テントがベストだと思いました。
 
2.リアキャリアに重量物を集中し過ぎた。
 ダンシングするとはっきりフレームのしなりを感じました。車体を振れないのでまっすぐペダリングする必要があり、体幹をかなり使いました。フレームバッグの導入や、フロントキャリアへの荷物の分散をもっと考えたいです。
 
3.寝袋は小さい物が欲しかった。
 我が家の寝袋は3シーズン用の化繊。海辺とはいえ気温が高かったせいか、テント内は意外に暑く薄いサマーシーズン用で十分な印象でした。重量も大事だが、パッキングには嵩も大事と思い知りました。
 

■まとめ

 「家族で自転車に乗ってキャンプに行く」という目標にタイミング良くイベントが重なり、コースとキャンプ場の選定を外注できたことは大きかったです。ライドイベントの良さはここにあるんですね。企画していただいたCirclesに感謝です。
私は食料の買い出しやら車の回収やらで「森、道、市場2016」のコンテンツそのものはほとんど体験できませんでしたが、妻と息子は大いに楽しんでくれたようです。息子は目標を達成した事に満足して、一緒に走ってくれた方々に遊んでもらったことを語りながら眠りに付きました。
 
 さて、次はどこに行こうか。
 
 

【書評】3001年終局の旅 著:アーサー・C・クラーク

SF映画の金字塔として、「2001年宇宙の旅」を上げることは許されると思うのですが、それなりにSF小説を読む方でなければ、原作は読んだ事が無いのではないでしょうか。

 
アーサー・C・クラークは、著名なSF小説家ですが、同時に人工衛星をリレーして通信を行うアイデアを発案した、現代の人工衛星通信の父でもあります。その作風から、大変な知性の高さと想像力を知ることができます。
 
クラークの代表作、と呼ばれる著書は、ハードSFを読みたい方にはどなたにもオススメしたいのですが、最近読み直した「3001年宇宙の旅」も改めて十分に楽しめるものでした。
 
 
2001年宇宙の旅」の映画を見たことある方は多いと思うのでネタバレですが、HAL9000の反乱(判断?)で宇宙空間に投げ捨てられたフランク・プールが1000年後(!)に回収され、モノリスを中心とした人類最大の危機に挑む、というものです。
 
プールが目の当たりにする3000年代の人類の暮らしは正にユートピアですが、今となってはイメージしやすい近未来とも言えます。ただ、本書の刊行年は1997年です。Windows95がリリースされて少し、一般人がインターネットの恩恵を受け始めた時代にここまでとは。私が最初に読んだのはもう10年以上前ですが、その時でも大変楽しめました。
 
クラークの作風は、全体的に「楽観的」であると言えます。圧倒的な科学知識に基づき、何というかワクワクしながら読める、「科学の子」にピッタリの内容です。作中で起きる「危機」も、人類を超越した何かの意思によるものか、人類の無知によるものがほとんどで、そこに知的好奇心が刺激されるのです。
巻末の著者による解説も作品を補完するものとして面白いです。
 
「宇宙の旅」シリーズは、2001年→2010年→2061年(番外編)→3001年と4部作となっており、全て読むとたっぷり楽しめます。2001年のインパクトはやはり大きかったですが、それ以降の作品も想像力をかきたてる良作です。梅雨時も近づいていますので、外に出かけられない時にSF小説などはいかがでしょうか?

【書評】スタンフォードのストレスを力に変える授業 著:ケリー・マクゴニガル

自転車に乗る事を趣味にしている私ですが、そもそもスポーツをすること、そしてスポーツとして自転車に乗るという行為は、冷静に考えるとかなりの「ストレス」を伴う行為です。

 
ロードバイクの場合は、長時間陽射しや風にさらされますし、シクロクロスでは容赦無いインターバルと、天候お構い無しの悪路。身体への負担も、辛くなってきた時の精神的な負担も結構高いのです。
 
全体的に「しんどい」遊びである自転車になぜこうも惹かれるのかというと、まさにその「しんどい」ことそのものを楽しんでいるフシがあると思います。
 
 
本書は、著者のスタンフォード大学での講座「ストレスの新しい科学」に基づいており、

「ストレスは役に立つから、なるべく受け入れて利用し、うまく付き合っていく必要がある」

という考えが基本になっています。この「科学」という部分が重要で、これは著者の一人称による印象や思い込みでまとまった内容ではなく、他の研究者の研究結果を分析した内容であるということです。
 
「科学」とは体系化された知識や経験のことであり、それが正しい、というものではなく常に批判や新しい考え方にひっくり返される可能性を含んだものです。なので、「ストレスは役に立つ」というのは旧来の「ストレスは体に悪い」という考えをひっくり返していますが、なるほど納得させる内容です。
 
生きている限り何らかのストレスは避けられないわけですから、無理して避ける事にエネルギーを使うのではなく、それをどうやって受け入れて、次に活かすかが人生を面白くすると思います。
 
本書のキーワードとしては、
・ストーリー
という最近のビジネス書等ではよく見かける言葉がありますが、それを深堀りしていることに価値があります。
 
自分が過去に乗り越えて、結果的に上手くいった「ストレス」の事について思い返すと膝を打つ内容です。気になる方は、本書を読む前に著者の「TED」での公演をチェックしてみてはいかがでしょうか?
 
 
 

【自転車実験室】携帯工具を絞り込む

いつも楽しく読んでいる、京都は空井戸サイクルのブログに、携帯工具の話がありました。

 
全く納得の内容で、ロングライドでのメカトラで怖いのは「チェーン切れ」だと思います。私も経験上、パンクはスペアチューブとパッチと布粘着テープがあればなんとか乗りきれる自信がありますが、チェーンが切れたらどうにもなりません。
また、以前に一緒に走った方がチェーン落ちして、落ちかたが悪かったせいかリンクが歪んでまともに駆動できなくなったことがありました。めったに無い気がしますが、起きるときには起きる。そんな時に役立つのが、「チェーンカッター付きの携帯工具」です。
 
私はこれの旧版である「TOPEAK Mini 18」を使っています。
 
ただ、チェーンカッター付きの携帯工具はどうしても重たくなります。
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サドルバッグにこれが入っていると、サドルバッグとチューブの重さを足したらサドルが2倍の重量になったのとほぼ同じになってしまいます。
 
そこでヒントになったのが、前述の空井戸サイクルのブログにあった「使わなそうなビットを外しておけば、もっと軽くなりますし、」の下りです。
 
というわけで、重たい携帯工具を分解して、必要なビットに絞ることにしました。
 
「解散!」
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分解してみたところこんな感じでした。この中から必要な物を選定します。
 
・チェーンカッター
 今回の主役です。実際に何回か使う機会があったのですが、ちゃんと使えます。
本体から取り外して、4mmのアーレンキーをハンドルにして使います。
・栓抜き
 何故か携帯用自転車用工具に付属されていることが多い栓抜き。
私の場合は、その先に付いている#14用のニップルレンチがお目当てです。
自分で手組ホイールを作成する身としては、自作ホイールのトラブルに出先でも対応できるようにしておきたいので、ニップルレンチは必須です。
・+ドライバー
 ディレーラーのアジャストボルトに使えます。
・6mmアーレンキー
 私が使っているSimWorksのシートポストは、サドルレールの固定ボルトが6mmです。
・5mmアーレンキー
 シートポストクランプ、ヘッドキャップボルト、ディレーラー固定ボルトなど使用範囲が広い。
・4mmアーレンキー
 ステムやシマノSPDクリート固定ボルトで使用。
・3mmアーレンキー
 Garminマウントやボトルケージ台座のボルト等で使用。
 
以上に絞って、さらにサイドプレートまで外して、ツールを片側にまとめたのが以下の物です。
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ツールを固定しているボルトが少しはみ出していますが気にしない。固定ボルトにはねじロック剤を塗布して緩みを防止します。
 
重量を測ってみると、
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114gとなり、初期状態から重量比37%ダウン。軽量タイヤチューブ1本分程度削減にになりました。
 
試しにチェーンカッターのみをコンパクトなツールセット「TOPEAK Mini 9」と組み合わせた重量と比較しても、
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重量比8.6%は軽量であることがわかりました。
 
正直ここまでする意味はあんまりないと思います。でも、私が本当に欲しい工具が多すぎず満足されている携帯工具は全然ありませんし、大事だけどチェーンカッターはあまり使わないので、大型のモノは持ちたくありません。
 
願わくば「使える」チェーンカッター付きで、ビットの本数を絞った細身の携帯工具があれば、サドルバッグをより小さくすることができます。私が憧れるRapha Prestigeでもチェーン切れが発生しているようなので、極一部の需要があると思うんです。どこか作ってくれないかな、それとも自分が作るか、妄想が膨らむ今日このごろです。

【逸品紹介】FABER-CASTELL Perfect Pencil

みなさん普段の筆記具は何をご使用でしょうか。

 

私はボールペンは三菱のJETSTREAMを愛用しています。なんといってもそのなめらかな書き心地にストレスを感じず、まさにスラスラ書ける、傑作だと感じています。

 

同じく筆記具として愛用しているのが、なんといっても「鉛筆」です。今使っている鉛筆がだいぶちびてきたので、新しい鉛筆を買ってきました。それが今回のエントリのタイトルで紹介したい、FABER-CASTELLの「Perfect Pencil」であります。

パーフェクトペンシル - パーフェクトペンシル - 筆記具 - Graf von Faber-Castell

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ちびてきた下側は印字も剥げてしまいました。今回東急ハンズには黒しか在庫がありませんでした。

 

私が愛用しているのは、何年も前に妻がプレゼントしてくれた「Perfect Pencil UFO」です。「Perfect Pencil」は、消しゴム付き鉛筆とキャップがセットになったもので、鉛筆を交換してキャップは長年使い続けて来ました。交換用鉛筆の取扱い店が少ないのが玉にキズ。

 

クリップ付きのこのキャップが特徴的で、中に鉛筆削りが仕込んであります。

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これがなかなかしっかりした作りで、まともに鉛筆を削ることができます。
謳い文句としては「書く、消す、削る、筆先を守る」が一体となってまさに「Perfect Pencil」とのこと。鉛筆としての書き心地も申し分なく、使っていて気分の良い道具とはまさにこの事だと思います。
 
FABER-CASTELLの鉛筆へのこだわりはちょっと飛び抜けていて、特に「Perfect Pencil」への力の入れようは半端無く、目玉が飛び出る金額のセットも存在します。下位モデルでも十分高いのですが、それだけに所有欲を満足させてくれる、「アガる」筆記具であります。何か気の利いた筆記具をお探しの方に地震を持ってオススメしたいものです。
 
シャープペンシル」という選択肢ももちろん有りですが、資格試験などでのマークシートの記入には断然鉛筆に軍配が上がります。また、問題を考えている最中に鉛筆を削ると、不思議と考えがまとまるもので、その点も気に入っています。試験中はゴミ箱が無いので、付属の鉛筆削りではなくケース付きの物を使っていますが。

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2段階の削り分けが可能。愛用してます。

 
さて、「鉛筆」の何をもって「鉛筆」というかですが、芯の材料の主成分が「黒鉛」であることに由来します。「黒鉛」は炭素結晶の一つですが、特徴として
 
・粒子が細かい粉末が作れる
・油分を含まないが潤滑性がある
・炭素結晶のため導電性が高い
 
が上げられます。そのため、その特徴を「鉛筆」は筆記具以外でも大変用途が広いのです。
用途に関しては私が敬愛する山本智也氏のWebサイト、「.− TODAY'S REMARK − 今日の必ずトクする一言」のエントリ「特殊接点復活剤コンタクトZのナゾ」を読んでいただきたい。今から15年近く前の記事です。
 
筆記具としてだけでなく、電極の接点復活剤、鍵穴やサッシの潤滑剤として、幅広い用途のある「鉛筆」。みなさんのペンケースにもぜひ1本いかがでしょうか。
 
 
 

【DIY】10.8Vのススメ

私の趣味の一つに、DIYがあります。主にSPF材と呼ばれる安価な住宅用構造材を使って、収納家具を作ったりしています。

 
素人が木材で家具を作るとなると、何といっても欲しくなるのが「電動ドリル」です。
 
「今年は日曜大工に挑戦する!」と言っていた友人に暑苦しく愛用している電動ドリルについて語ってしまったので、それを紹介したいと思います。

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この電動ドリルの良いところは

・軽い

プロの大工さんや内装屋さんが使っている電動ドリルは、長時間の作業に耐えるためバッテリが大きく、その分重くなります。これはバッテリが小さく、パワーも落としてあるのでその分軽くなっています。ただ、パワーを落としてあると言っても日曜大工には十分すぎるくらいのパワーがあります。
 

・仕舞寸法が小さい。

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DVD/CDケースと比較するとこんな感じです。
セット内容は、
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1.本体
2.予備バッテリ
3.充電器
4.道具箱
5.ホルスタ(本体の下)
となっており、それが一箱にまとまってこのサイズです。道具箱はネジやドリルビットなどを収納しておけるので、このセット一つで事が足りる場合がほとんどです。
 
軽さもあって収納しやすく、邪魔になりにくいのが家庭用としてもってこいなのです。
 

・バッテリが安い

プロが使う代表的なバッテリは14.4Vが多いのですが、バッテリの値段を比較すると、
14.4V : ¥10,500 (Amazon)
10.8V : ¥4,626 (Amazon)
 となっており、単純に調達コストが低いです。
もちろん14.4Vは耐久性、パワーともに10.8Vより断然上なのですが、日曜大工レベルでは使い切れないのが現実だと思います。バッテリはいつか必ず寿命が来るものです。その時に買い替え安いのは重要だと思います。
 

・充電式掃除機とバッテリを共用できる。

愛用しているMakitaの充電式掃除機です。
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この掃除機とドリル、使っているバッテリが同じなのです。 
ビルメンテナンスのスイーパーがよく使っているアレです。私はメンテナンスの容易さから紙パック式を選びました。コンセントから電源を取るものに比べるともちろん非力ですが、軽いのでさっと取り出してすぐ使えます。バッテリが切れても電動ドリルのバッテリを拝借して、その間に充電しておけば良いのです。家庭用のメイン掃除機としては能力不足ですが、こぼしたお菓子の破片などをすぐに吸えるのがいい。
 

◾️悪い点は無いのか?

・家庭用コンセントのAC100Vで使えるドリルと比較すると高い。

Amazonで電動ドリルを検索すると、AC100Vのものが¥5,000程度で買えてしまいます。もちろん穴開け、ネジ締めはそれで十分こなせます。バッテリのコストを考えても、値段を考えるとやはり高いです。コードがある煩わしさにその差額が払えるか、が分岐点だと思います。
 

・ドリルは買わなくても実はレンタルできる

私が住む名古屋市だと、カインズホームやカーマで電動ドリルを¥300@2泊3日程度で借りることができます。頻繁に作業しないのであれば、それで十分です。私も最初はレンタルでした。ただ、レンタルだと使いたい時に出払っていて借りれない時があり、私が購入に踏み切った理由の一つでもあります。
 

・ブラシレスモーターでは無い

電動ドリルに使われているモーターには大きく2種類あり、ブラシの有無で区別できます。
この「ブラシ」というのはモーターの電極の事です。ブラシレスモーターは電極が回転体に接触していないので電極の磨耗がなく、長寿命です。ただし高いです。このドリルは電極が回転体に接触しているので、必ず磨耗します。ただ、ブラシが摩耗すれば修理に出せますし、ブラシが焼き切れるほど使う方は、もはやプロ用のブラシレスモーター採用品を買うのがベストでしょう。
 
いかがだったでしょうか。マキタの10.8Vシリーズにはインパクトドリルドライバーも存在しており、今後硬い材料や分厚い材料を扱う時には欲しいと思ってます。充電式のドリルドライバーが欲しい方の最初の1台に自信を持ってオススメします!